新・世界樹じゃない迷宮   作:激遅新世界樹1ストーリークリア兄貴

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予約投稿失敗しまくるのほんとやめちくりー(累計3敗)

ダンまちアニメの二期が始まるなぁと、この小説割とタイムリーなタイミングで投稿されたんだなぁと気がつきました。

ダンまち×世界樹はやりやすいからもっと流行れ(懇願


君は祭という催し(モノ)を知った

かみさまが帰って来ることはなかった。君は新品の槍を振るいに、ベルは祭用のお金を稼ぐためにダンジョンへと1日だけ潜ってきたのだった。

 

そして、翌日。

つまり、怪物祭(モンスターフィリア)当日である。

 

君はいつも通りの朝を迎えていた。ベルは一昨日に怪物祭のことを聞かされていたので、ワクワクしているようだ。食事を済ませると一目散に拠点(ホーム)を抜け出して街へと繰り出した。君はかみさまが帰ってこないか昼まで待つことにした。その間に掃除を済ませたり、新品の槍を振ったりと、暇をつぶす。

が、PM00。昼になっても帰ってこないかみさま、君はこのまま待っていてもいいし、待たなくてもいい。

 

君はかみさまを待つことを諦めて拠点を後にする。なんだかんだ言っても君もお祭りが楽しみだったのだ。一族の村から旅立つときに(ささ)やかながら、宴を開いてくれたのを思い出す。この街は広い、きっと村の宴よりも派手で珍しいものがあるかもしれない。君は期待を胸に、職業病で背中に槍を括り付けると、街へと向かうのだった。

 

 

 

人が多い、あの街ではこんな景色を見たことがない。あそこでは祭なんてものはなかったのだ。普段ならこの混み合い、邪魔だと思ってしまう。しかし雰囲気に飲まれるとなんだか歩いているだけでも楽しく感じてしまうものだ。ベルやかみさまが居ないか探しながら歩くが、この人混みでは見つけられそうにない。これは諦めた方が身のためか…仕方ない、一人で回るとしよう。

 

街中を歩いていると、突然気色悪い視線を感じた。視線の方向に振り返ると、そこにはカフェのテラスで談笑している赤い髪の女性と、艶やかな銀色の髪の女性、そして腰に細剣(レイピア)を装備している金髪の少女がいるだけ。そこには先ほど感じた気色悪い気配は微塵もない。気のせいだろうか、しかし、祭りを楽しむ気分ではなくなってしまった。とりあえず人の波に流されるように歩くことにしよう。

 

君は流れ着いた人通りの少ない広場で一息つく。ここには祭の出店といったものはないが、八百屋の屋台があり新鮮な野菜や果実が売られていた。君の目に付いたのは、赤く丸い果実と、オレンジ色の楕円形の果実、そして青紫の大きな粒がいくつもついている果実?であった。君はどれかを選んで買ってもいいし、買わなくてもいい。

 

君は赤い果実とオレンジ色の果実を買うと、屋台の近くに座り込み食べることにした。赤い果実はマルカジリにして食べる。すると君の口の中に、しつこくない甘さと、シャキシャキとした皮と実のコラボレーションに舌鼓をうった。これはうまい!

君は人ごみの中を歩いた疲れを癒すことができた。

 

オレンジ色の果実に手をつけようと思った時、君は気がつくだろう。周囲から祭の歓声が聞こえなくなったことに。メインストリートから流れて来る人々の声、それが先ほどまでは聞こえていたのに今は聞こえない。君の周りには八百屋の親父、メインストリートに向けて君の目の前を歩く少女、他露店を出しているものが数名といったところだ。誰もこの異常に気がついていない様子である。

 

ピシリ

 

ふと、そんな音が広場に響いた。瞬間、広場の石畳が小さく、そしてすぐに大きく隆起した。

 

そこから現れたのは

 

見るからに人を取って食いそうな、植物型のモンスター。しかもこの広場ーー世界樹の迷宮一階のすぐにある広間ほど広いーーの3分の1を占めるほど、巨大なモノが君の目の前に現れた。

 

八百屋の店主は悲鳴をあげながら逃げ出し、近くの露天商も我先にと商品を置いて逃げ出した。君の目の前を歩いていた少女は、突然現れた脅威(モンスター)に腰を抜かしているようだ。震えて動けなくなっている。植物型のモンスターは、震えて動けない少女を認識すると、その巨大なしなる鞭を少女へと向けて振り下ろした。

 

植物の鞭が影を叩く。少女はいつのまにか抱えられて宙を飛ぶ。君は少女を屋台の影へと隠すと、植物型のモンスター(醜悪なる食人花)と対面する。君はすぐさま屋台から離れると、襲いかかる触手を足場にして避ける、素手で逸らして切り抜け、一度距離を取った。

 

あれは、今の君にとって強敵だろう。君は今一人きりである。この騒ぎを聞きつけて助けに来る冒険者がいるかもわからない。レベルも上がっていない。触手に攻撃は効いても本体を倒せるわけではないだろう。

 

それでも君はこの戦いに挑む。

 

武器は手に取った

 

覚悟は決めた

 

逃げられない理由もある

 

ならば、戦うしかないだろう?

 

さあ、襲いかかる強敵に君の刃を突き立てるのだ!

 

 




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