新・世界樹じゃない迷宮   作:激遅新世界樹1ストーリークリア兄貴

22 / 42
相変わらず戦闘描写が短い。もっと上手くかけたらわかりやすくてそれなりに厚みのある文章にできるんだろうけどなぁ


君は慢心を忌避する

 

君は順調にダンジョンを攻略していった。B8F〜差し向けられるウサギのツノ〜、B9F〜蘇る猛毒の恐怖〜の地図を書き上げ、新種の敵であるニードルラビットとパープル・モスと相対した。ニードルラビットはウサギにツノが生えただけのモンスターですばしっこいがそれ以外に主な特徴が無く、あっさりと槍の餌食になった。パープル・モスを見た瞬間、君はどうしようもない殺意に満たされた。全体的に紫色の体色に紫色の鱗粉を撒き散らしながら羽根を羽ばたかせる、その様はまさに君のトラウマ(猛毒)を刺激した。見つけた瞬間、君はシャルネルの制止の声を無視してパープル・モスに襲いかかると一撃で魔石を砕いた。ただただ無表情に無感情のままに振り回される槍。君は的確に魔石を砕いては次の獲物を求めるバーサーカーのようになり、そしてシャルネルに後ろからドロップキックをかまされて正気に戻った。

どうやら君は混乱状態だったようだ。トラウマを刺激され無我夢中で狩り続けていたが、どうにか正気に戻ることができた。君はシャルネルに謝ると、シャルネルも謝る君を見て怒るに怒れなくなったようだ。その後に君から事情を聞いたシャルネルは呆れてしまう。

 

「毒がトラウマなのに自ら毒をまく奴の元に行って毒を食らったらどうするのよ。解毒薬はあるけど、今みたいに突っ込んでいって毒もらって帰って来ました〜、なんてのを何回もやられたらすぐになくなっちゃうわよ。

とにかく、次からは気をつけてね?」

 

君はシャルネルの言葉に頷くことしかできないでいた。

 

 

 

そんなこんながあって君たちはB10F〜殺意を覆い隠す霧の住処〜に足を踏み入れた。

 

君の視界には先程までとは打って変わって広い平原が広がっていた。霧がかかって視認できる範囲は狭く、所々に枯れ木が生えている。地面は草が生えており、霧が出ているだけあって湿気ている。勢い余って滑って転ばないように気をつけたほうがいいだろうと君はマップの片隅にメモを書く。天井には延々に続くような暗闇が広がっている。が、何故か光源はないのに視界が確保されている。この謎を心の中にしまい込み、君は探索に乗り出した。

 

B10Fで初めて遭遇したモンスターは今までとは毛色の違う、大型で明らかに耐久力や力がありそうなモンスター。体躯は3mほどあり、豚を人型にして肥やし、目つきを限りなく悪くした姿形をしている。人型になったことで二足歩行するソレの名はオーク。素手で襲いかかってくると思いきや、オークは近くにあった枯れ木を引き抜いた。すると木はまるで意思を持つかのように、みるみる原始的な武器へと姿を変えた。皮が剥がれ人が作ったと言っても過言ではない程に綺麗に削られた棍棒がその手に握られている。天然武器(ネイチャーウェポン)。名前の通りダンジョンに自然にあるものをモンスターたちは武器へと変える。君はエイナの授業で学んでいたが、目の前でこうも直接的に武器へと変わる瞬間を見ると驚かずにはいられなかった。

シャルネルは後方で他の敵が乱入して来ないか、そしていざという時のために待機している。君は一対一でオークとの戦いに臨まなければならない。

 

オークは息を荒げながらこちらへと近寄って棍棒を横薙ぎに振るった。それをバックステップで大きく避けて一度オークの動きを伺う。オークは振るった棍棒が当たらないことに腹を立てたのか低い音で唸り、今度は叩き潰すように棍棒を振り下ろした。明らかな隙、逃すわけにはいかない。振り下ろされた棍棒を横に避けると地面に叩きつけたことによる風圧が巻きあがるが、それに意を介さずオークの頭部を見据えて槍を突き刺す(ブレインレンド)。頭蓋骨を貫いた感触が槍を通して右腕に伝わってくる。槍を引き抜き、オークの体を蹴って離れると、その巨体は頭部の空いた穴から血を吹き出しながら仰向けに倒れる。意外なほどあっさりと戦いの幕は降りてしまった。

 

君はオークを解体して魔石を取り出すシャルネルを見ながら思う。あまりに手応えが無い。それほどにあっさりと終わってしまった。もう何手か攻撃をする予定だったし、ブレインレンドもただの試し打ちであったのだ。しかし、脳を貫く技術(ブレインレンド)とは別、ただ自分の力だけで頭蓋を貫いた感触だった。それはつまり技を使うまでもなく力のみでこの階層のモンスターを屠ったわけだ。この後にも何度かオークやインプと呼ばれる人型の小さくて羽の生えている飛行系のモンスターとも戦ったが、どちらも簡単に倒せてしまった。オークの肉は穂先が綺麗に裂いていき、魔石まで難なく辿り着いてしまう。インプは飛行型で捉えるのに苦労するかと思ったが逆に君の早さについてこれず、すぐに体を灰へと変えてしまった。まるで自分が強くなりすぎて相手が弱くなった、そんな感じの違和感を君は感じ取る。慢心は絶対にしてはいけない。君はそれを慢心と判断するとすぐにその思考を振り払って意識を切り替える。大型のモンスターなのにいとも容易く倒せてしまうこの感じ。まだ下層ではあるがモンスターの質はかなり変わったはずだ。前の階層のアリやウサギとは格が違うはずなのに…どうか疑問のままでいてほしい、そんな風に変な願いを抱えた君は、この広い平原の地図を書き上げて次の階層へと意識を向けるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。