新・世界樹じゃない迷宮   作:激遅新世界樹1ストーリークリア兄貴

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ベルくん初めてのデート


君は新たな得物を手に取る

 

鍛錬を終えた君たちは、諸々の支度を済ませるとかみさまに挨拶をしてから拠点(ホーム)から出て行く。ベルはどうやらアドバイザーのエイナとデートのようだ。噴水のある広場でエイナと合流する。

 

「おはよう、ベルくん。女の子を待たせるのは男の子としてどうなのかな?」

「あっ、エイナさんその…」

「うふふ、ごめんなさい。少しからかっただけよ。でも、女の子を待たせるのはあまり良くないから気をつけてね。

それと、ハイランダーくんはダンジョン?」

 

笑顔でこちらへと話しかけてくるエイナは、ベルをからかうと君へと顔を向ける。君はダンジョンに行くのか聞かれたときに首を横に振ると、エイナには大きく驚かれてしまった。ジト目で君がエイナを見つめると謝ってくる。流石に四六時中ダンジョンにこもっているわけではないのだ。だが、君はエイナに気にしてないことを伝えると、エイナはホッと一息つくのだった。

 

この後君は二人にデートなのか聞くと、ベルは顔を赤くしてフリーズし、エイナは顔は赤くするも少し慌てて否定した。ベルはちょっぴり落ち込んだ。

 

その後エイナに色々と文句を言われながらバベルにたどり着くと、二人とは違う階に用があるため、君は二人と別れてシャルネルのいる階に赴く。シャルネルの店にたどり着くとそこにはまばらながら店の中に客がおり、各々が真剣に武器や防具を手に取り観察している。カウンターへと行きシャルネルに声をかけると、シャルネルも君に気がついて挨拶を返す。

 

「あっ、おはよう!

君が私の作品を買ってくれてからお客さんが少しずつくるようになってね、真剣に見ていってくれるんだ。中には気に入って買っていってくれるお客さんもいてね、だんだんとだけと口コミで来てくれる人も増えてるーー」

 

君は嬉しそうな顔をするシャルネルを見て微笑んだ。シャルネルはお父さんみたいに笑いかけてくるハイランダーを見て、語る口を閉じて恥ずかしそうに顔をカウンターに隠した。しかし、カウンターに客が商品を持ってくると、シャルネルは表情を一転させて鍛治士として対応をする。武器の重心や持ち柄などの細かい部分の話し合いをすると、裏方に武器を伴って入ると何度かの甲高い音や擦れる音の後にシャルネルが戻ってくる。武器にはあまり変化がないように見えるが、その武器を持ってきた冒険者は、それを手に持つと驚きの表情を見せた後に嬉しそうに笑っていた。その冒険者は剣の代金を払うと、仲間にも勧めてみると言って店から出ていった。

君はシャルネルの技術は高いものであると改めて感じた。前の事件の誤解のせいで人が寄り付かなくなっていたが、これが本来の姿ともいえよう。

 

さて、君はシャルネルに武器が欲しいと話をする。

 

「新しい武器?えっと昨日も言ったけどまだ君を満足させられそうな槍は作れてないかな」

 

すると君は槍ではなく取り回しやすい短剣が欲しいことを伝える。君は昨日の探索で、シャルネルが弓と短剣を切り替えて使っていたことに関心を受けた。槍だけも悪くないが、今の相棒(アルケス)は点の攻撃はできても、技を使わなければ面に対して対応できない問題点もある。さらに、近寄られると攻撃するのが難しくなることも実感していた。故に線で攻撃でき、なおかつ取り回し易くて嵩張らない短剣を欲したのだ。それと、今日の鍛錬でベルが使っている武器の感覚を経験してみるのも悪くない、と考えたからでもあった。

その話とは別に槍の中には槍を剣のように振るうこともできるパルチザンという武器がある。それを君はストリートで見かけた。柄が4~50cmほどあり、刀身も同じような長さの武器だ。柄を短く両手で持てば剣となり、長く持てば槍となる。こんな武器を作れないかをシャルネルに相談した。

 

「短剣に関してはそこに私が使ってるのと同じ型の作品()があるから、その子を使ってあげて。お代は昨日の素材と報酬で足りてるから気にしないでいいから。

それと、君が言うのってこんな感じ?」

 

すると、シャルネルは紙とペンを取り出して簡単に武器の設計図を書き上げていく。少し待てばそこには君の想像していたものと、ほとんど変わらないものが書き上げられていた。君はそこに自分の要望をいくつか言うとシャルネルもそれを図面に追加して書いていく。数分後には君の理想の武器の図面が目の前に存在していた。

 

「こんな感じでいいかな?どういう感じにすればいいか迷ってたところだったから、こうやって要望を言ってくれたのは嬉しいな。できれば君から何も言われなくても、満足のできるものが作れたらベストなんだけど…悔しいけどまだ(あたし)にはそんなことできないから、でもヘファイストス様に誓っていずれは君から使いたい、って言わせるモノを作ってみせるからね!」

 

 

 

 

 

君はシャルネルから短剣を受け取る。それは片刃で27cmほどの長さをしたものだ。それを手にダンジョンではなくいつもの場所で短剣を逆手に持ち、素振りをする。回数を重ねていき、そしてだんだんと振る速度や角度を変え、持ち方を変え、蹴りや掌底打ち、肘を混ぜて感覚を馴染ませる。最後には槍と短剣を混ぜて武器を切り替えながら戦う。気がつけば君はPM06まで集中して武器を振るっていたようだ。さすがに汗を流したい。全身汗まみれになった君は、右手で(ひたい)の汗をぬぐうと、帰るかと呟いて帰路へと着くのだった。

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