新・世界樹じゃない迷宮   作:激遅新世界樹1ストーリークリア兄貴

30 / 42
前話に加筆修正をしました。展開は変わりましたが結果は変わっていません。気になる方だけどうぞ。


君は正座する

 

 

君は(ホーム)たどり着くと、泥のように眠った。

 

揺さぶられている、君は目を覚ますとベルが君の名前を必死に叫んで起こそうとしていた。かみさまは後ろの方で何故かオロオロしていた。君はベルに向かって何故ここまで騒いでるのかを聞くと、ベルは一瞬表情が引きつり、だが君がふざけていると思ったのか怒るように君に問いただす。

 

「どうして血まみれの姿なんですか、ハイランダーさん!」

 

ベルに言われて気がつく。あぁ、そういえばシャワーも浴びず帰って来たのだった。どうしよう、とりあえず血みどろではあるが怪我はないことだけはまず二人に伝えることにしよう。返り血で髪の毛や戦闘装束(バトルクロス)相棒(アルケス)に血が被ったままだった。早く流さないと取り除くのが大変になってしまう。二人を早く説得しよう。

 

 

 

結局のところ、2人への弁明には長い時間を要した。

まず経緯を話すことにした。「目が覚めたらダンジョンに居た」、そう言葉にした君をベルは困惑し、かみさまは訝しげに君を見つめる。話を続けた君は、目を覚ましてすぐ故郷(世界樹の迷宮)で見たことがある魔物と出会い、その魔物は強敵かつ自分はどのように戦えばよいかを知ってるため、他の冒険者に被害が出る前に倒すべきと思い戦った、と話す。一部が砕け散った鎧や血まみれの武器や全身を見て、想像に容易くかみさまは君に怪我はないか尋ねるが、心配をかけないため嘘をついた。

 

その後、もっと表情が険しくなるかみさまを横に、君は話し続けた。困惑していたベルは話を聞くごとに段々と表情に明るさがもどり、次第に目をキラキラとさせ話に夢中になっていった。かみさまはハラハラドキドキと言ったところだが、魔物にトドメをさして帰ってきたことを話すと安堵し、表情を和らげた。

 

そんなこんなで話し終えると、ベルは居ても立っても居られないのか、装備を着けてダンジョンへと走り出した。かみさまはそれを止めることができず逃してしまう。君もシャワーを浴びようとバベルへ向かおうとするが、ガシリと手を掴まれ、笑顔の神様にその場で座らせられーー元の世界でもサムライの冒険者がしていた正座というものーーると、

 

「で、本当はどうしてダンジョンにいたんだい?」

 

怒っていた。

 

 

 

君は、ダンジョンに居た理由が本当にわからないこと、実は脇腹を抉られたこと、自分のスキルとグリモアのスキルによって傷が治り、帰ってこれたことを話した。

かみさまは表情を何回も変えながら話を聞き、最後には大きくため息をついて、

 

「ハイランダー君はホントのほんっとうに無茶ばかりして!ボクをいくら心配させれば気が済むんだい!?キミがいくら強かったからって、1人でそんなモンスターに立ち向かうなんて…」

 

 

 

「でも本当によかったよ、君が無事に帰ってきてくれて。

再三言わせてもらうけど、ボクにとっても、ベル君にとっても、君は大切な家族(ファミリア)なんだ。ボクは、大切な家族を失うなんて絶対にイヤだ」

 

表情は真剣味を帯びていく。

また、かみさまを心配させてしまった。

 

かみさまは最後に、

 

「お願いだからしばらくは一人でダンジョンに挑むのはやめてほしい。たとえキミが英雄と呼ばれた人物だったとしても、一人でダンジョンに潜り続けるのは危険すぎる」

 

そういうと、バイトの支度をする。

キミはそれに対して強く心に決めて、返事をする。かみさまはにっこり笑うと(ホーム)から出て行った。自分もシャワーを浴びなければ、そうしてキミもバベルへと向かうのであった。

 

 

長い時間放置したせいで、固まった血を洗い流すのに何時間もかかったのは言うまでもない。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。