新・世界樹じゃない迷宮   作:激遅新世界樹1ストーリークリア兄貴

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感想欄があったけぇ…

遅くなりましたが、ご感想ありがとうございます。




鉄は延炎と打たれる

 

 

夜 PM09

 

キミはようやく自分の血液や返り血を洗い流すことに成功し、(ホーム)に帰るとかみさまからしばらくダンジョン探索は禁止と言われた。

 

怪我が治ってるとはいえスキルの後遺症がないか、そしてまたダンジョン内でその魔物と遭遇するような事態が起こらないか経過観察するためである。

キミはそれに対して少し残念そうにするが、仕方ないと割り切ることにした。

 

そして、ベルがダンジョンから笑みを浮かべながら帰ってくる。どうやら大量に魔物を倒し、かなりのヴァリス(お金)を手に入れられたらしい。なんでもサポーターというものを雇いダンジョンに潜っているらしい。

そこでキミは、ベルがいつの間にかパーティを組み、ソロでの冒険をしていないことに驚いた。何でも今回で2回目らしく、前回はお試しだったが本格的にパーティを組んでダンジョンに挑んでいるようだ。

 

ベルは明日は休みにするらしく、このお金で二人と一緒にあの店に行こうと考えていたようだ。

 

キミはベルと一緒に食事をしに行ってもいいし行かなくてもいい。

 

 

 

キミはベルとは食事には行かず、またバベルへ行きシャルネルに素材を渡すことにした。ベルには残念がられたがその後ろでかみさまはすごく嬉しそうな顔とともにサムズアップをしていた。二人きりにしてあげた方がいいかというキミなりの老婆心である。

開店は夜だが朝に一度ベルだけで行き、シル(銀髪の店員)から頂いたバスケットを返しにいくそうだ。そう言うと今度はかみさまがムッと膨れっ面になるが、ベルに今日のステータス更新を催促して胸を押し付ける形で腕を引っ張るのであった。

 

 

 

「いらっしゃーい、今日も来てくれたの?

もしかしてキミって暇なの?」

 

シャルネルの店へ行くといきなり暇人扱いされた。別に暇なのではない。かみさまに迷宮(ダンジョン)に潜るなと言われてしまっただけだ。

 

「それはそうと、珍しいね。会う時はいつも戦闘装束(バトルクロス)を着てたのに今日はラフな格好なんだね。…武器は背負ってるみたいだけど」

 

何故か苦笑されてしまったが、先日の戦闘でいつも着ている物が壊れてしまったのだ。アレを渡すついでに修復ができないか相談をしに来たのだが。

そう思い、破損したバトルクロスを見せるとシャルネルは「はぁ!?」と、驚きの声をあげた。店の中の客や出入り口の近くにいた冒険者たちの視線集めると、ハッと口を噤んですぐさま店のカウンターと繋がってる作業スペースに連れ込まれた。

 

「ちょっとちょっと、コレ!一体何があったの!?この前に会った時は傷はついてても、壊れるような原因になる程じゃなかったよ!しかも、左の脇腹部分だけが抉り取られたみたいに無くなってるし…

何日か合わない間に何があったのさ!」

 

昨日会ったことを話すと、シャルネルの目には涙が浮かんでいた。

 

「バカ!何でそんな危ないヤツに挑むのさ!しかも脇腹を抉られたって今動いて大丈夫なの!?なにもキミが無理に戦う必要ないじゃないかぁ!」

 

胸のあたりをポカポカと叩かれる。前より少し痛くなくなったが、痛いものは痛いのでとりあえず落ち着いて欲しい。

 

「落ち着けって…あぁもう!

なら約束して!もうこんな無茶はしないって!アタシは死にたがりにアタシの子を使って欲しくない!」

 

「死にたがりじゃない。ただ戦わないといけないと思った、だから戦った」

 

「キミがどうしてそのモンスターを倒したかったのか何てわからない。でもね、アタシはキミに死んで欲しくない。初めてアタシの作品()を認めてくれた、キミに」

 

彼女の圧に気圧される。鍛治士としてのプライド、ただ本気で心配してくれている両方の感情が伝わってくる。今回一人で無茶したことは謝ろう。そして、かみさまにも無茶はするなとしばらくソロでの迷宮探索の禁止と、何日か探索を休むよう言われたことを伝える。

 

「パーティの当てはあるの?」

 

この前一緒に来たベル(仲間)が居る。

 

「ああ、あの銀髪の子だっけ。ちょっと頼りなそうだったけど…

それより、約束してくれる?無茶しないって」

 

「無理だ」

 

「えぇ!?」

 

「俺は無理なことはしない。だが、無茶はする。そうしないと逆に死んでしまう。そうやって生き延びたし、これからもそうするつもりだ」

 

「……」

 

「すまない…だが、変われないんだ」

 

「…バカ」

 

俯いていた顔を上げ、睨むようにこちらを見る。

 

「ねぇ、なら絶対に死なないで。

この子たちを使う主として、絶対に生きて帰ってきて。その為に、キミが無茶しても守ってあげられる子をアタシが作るから」

 

表情は覚悟を表していた。

 

「ハイランダー、アタシと契約(・・)して」

 

「契約?」

 

「そう、専属鍛治士として、アタシと契約して欲しい。

最初は色んな人にアタシの子を使って欲しかった。でも、アタシを地の底から掬い上げてくれたのはキミだった。そんなキミがこれから何度も無茶をするって言うなら、その度にアタシがキミのためだけの装備を作る。

キミを守る鎧を、キミが敵を貫く槍を、アタシが打つ。竈の炎を燃やし続けて、キミをダンジョンの外で待つ」

 

「それが契約?」

 

「約束してくれないなら、契約して。

恩を返せないままなんて絶対イヤ」

 

「わかった、契約する」

 

「本当!?」

 

「そのかわり…」

 

背中にくくりつけられているモノに手を伸ばす。

 

「任せられるモノを作ってくれ、相棒(コイツ)の様に」

 

「っ…いいよ、絶対に安心してダンジョンに行ける子を作ってあげる。アタシの意地とプライドに賭けて」

 

とても獰猛な笑みだった。だが、何故だか安心できた。握り拳を作るシャルネルに手を差し出す。

 

「改めて、今後ともよろしく、シャルネル」

 

「!…うん、よろしく、ハイランダー!」

 

 

 

 

 

過去とは違う、新たな形の武具

 

店売り(量産品)ではない、

キミのために一から作られる武具(オーダーメイド)

 

キミのために、鉄は延炎と打たれるだろう

 

この世界にある(キミの過去にない)、新たな体験が

 

 

 

始まりを告げた





これにてオリジナルパートは終了し、ようやくダンまち本来の流れへと物語の視点が移っていきます。

ですがその前に閑話を1つ、幕間を1つ挟ませていただきます。
よろしくお願いします
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