新・世界樹じゃない迷宮 作:激遅新世界樹1ストーリークリア兄貴
君が防具を受け取るまでの数日、ベルは
さて、そんなこんなでシャルネルから防具を受け取り、神様の言いつけ通りベルを少し遠巻きに見守りながら迷宮へと潜るのだが、その前に。
何やら他の冒険者と小競り合いがあったようだ。大男の冒険者はベルに密談を持ちかけたようだが、キッパリと断るベル。そのまま迷宮へと、かみさまが言っていた少女と共に潜ってしまう。大男の憤怒の形相が三日月へと歪むのを見て、嫌な予感がするものの君は2人を追いかけることにした。
事が起こったのはB10F〜殺意を覆い隠す霧の住処〜の半ば。君は襲いかかるオークの脳天をブチ抜き、インプの群れを薙ぎ払いながらベルの後をつけていた。
しかし、途中いきなり血生臭い匂いが鼻腔を刺した。気づくとその方向に
君が手を出すのと同時に、同じような考えをした者が近くの他の魔物を斬り伏せた。見覚えのある顔と髪色、この前世話になったアイズだ。君はベルに己の安否を聞く。
しかし彼はそれよりもヘスティアナイフがパーティの少女、リリに盗まれたと言う。まさか装備を盗まれるという事態、君は初めて装備は盗まれてしまう事があることへの衝撃を受けた。
彼女に話を聞かなくちゃならないと、ベルは今にも飛び出しそうな勢いである。君はベルに、走れ!すぐに追いつく、とベルの背中を押した。
「すまない、身内の事故に巻き込んでしまって」
「いいよ、あの子優しいんだね」
「ありがとう、少し抜けてるが良いヤツなのは違いない。
…とっととベルのところに行かせてもらおうか」
(キミの強さ、少しだけ見せてもらうね)
リリ!どこに居るんだ!?早く見つけないと……この音は、キラーアントの足音?それもこんなにたくさん。もしリリが襲われてたとしたら…急げ!急げ!音の方向を聞け、脚を止めるな、風を切れ!
リリはッ!あんなことを自分がしたくてやったんじゃない!確証なんかない、絶対なんて言えない、だけど!僕なんかと一緒に何度も冒険して笑って、怒って、常識知らずな僕に驚いて呆れたりしてもパーティを解消しなかった。今日、あの言葉が、本心だったとしても嘘だったとしても!僕はッ!リリとまだ一緒に冒険したい!!
だから!
「ファイアボルトォ!」
「ベル…様?」
「ごめんリリっ!遅くなっちゃった、怪我はない?」
今、ここでリリを絶対に助ける!
思い出せ、ハイランダーさんとの特訓を。
プランはできた、行けベル!
今、リリを救えるのは
「意外と長引いてしまった、急いでベルに追い付かなければ。ありがとう、また助けられた」
「いいよ、私も見たいものが見れたから」
「?…そうか、なら俺はベルの後を追う。
直接の礼はまた今度、そちらまで伺おう」
「別に良いよ、力になってあげたいと思った…だけじゃ無いけど、そう思ったから」
「では、またな」
「うん、また」
君は共闘することで蔓延る魔物を一体残らず滅し、アイズと別れベルを追いかけた。しかし、君が着く頃には全てが終わっていたようで。
君の目の前には、ベルの腕の中で涙に体を震わす少女の姿があった。
魔石の数はかなりの数あったはずだが、その全てをベルが仕留めたのだろう。君は野暮なことはせず、 ベルの成長に一つ感嘆の息を漏らすと邪魔が入らぬように、門番を勝手に引き受けるのだった。
「で!ハイランダー君っ!君と言うものがいながら、ベルくぅんとあの少女がイチャコラしてたのを黙って見届けるどころが邪魔をされない様に手伝ったのはなんでなのかなぁ!」
「あれを邪魔するのは野暮だろう。
邪魔者は鹿に蹴られて迷宮で惑い死ね、と言う諺があるほどだ」
「それを言うなら、人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死ね、だろう!?
僕は言ったじゃないかぁ!もしそうなりそうなら止めてくれって!」
「今回は、かみさまの負けだな。これ以上はベルとリリとか言う少女と三人で話し合ってくれ」
君はまだ文句を垂れているかみさまを放って教会へと続く階段を登る。どうやら、ベルとリリという少女は和解し、今後もパーティを組んでいくそうだ。それに文句を言う権利は自分に無いと考える君は、後のことは神様に任せてスタコラサッサと出かけることにした。
オラリオのメインストリートを散策する。先日の礼を早速返しに行こうとしているのだが、土産物がなかなか決まらない。過去に君が拠点にしていた家のハウスキーパーの少女は、他所にお礼の品を持っていくのなら慎重に選ぶように、と言っていた。しかし、こうも見つからないとなるとなかなかに骨が折れる。ロキファミリアは巨大なファミリアだ。そこに持っていくものともなればそれなりのものを用意しなくてはならないと、街を練り歩く。しかし目当てのものが見つからず、少し休んでいたところ…
「あっ、キミ…」
思わぬところで、目的の人物に出くわすとは。というか、意外と街中でよく遭うな。有名人だと、この前エイナから聞いたのだが。
君はちょうどよく会えた幸運に感謝しつつ、この前の礼がしたいとアイズに話す。アイズは最初は断ろうとしたものの、ふと鼻が捉えたじゃが丸くんの匂いに抗えず、君からの奢りということで決着をつけるのだった。しかし君はこれだけで二度も助けられた礼を返し切れたと思えずにいた。故に他に何かないかと尋ねたのだった。
「なら、今度私と戦って欲しい」
黄金の少女は、君にまさかの挑戦状を叩きつけるのだった。