新・世界樹じゃない迷宮 作:激遅新世界樹1ストーリークリア兄貴
「なら今度、私と戦って欲しい」
君はアイズからの提案に疑問を浮かべた。彼女はベル曰く、強い、綺麗、レベル5の冒険者、あとベルの憧れであり惚れているであろう女性、ということがわかっている。
レベル5、つまりはレベル1のベルでは到底太刀打ちできない相手であり、それは自分にも通ずるものがあるだろう。レベルが1つ上がるだけで、別人のように強くなる。君はこの世界のレベルによる強さの幅をきちんとは理解していないが、そう言ったものがあることは頭には入っている。例えるなら今のレベルで「シンジュク」に挑むのと同じような無謀さがある。
そのレベル差をしってか知らずなのか、目の前にいる少女の挑戦状への返答に困る君。真剣な瞳でこちらを見る姿はなんとも断り難い。しかし、強者に挑む機会を得るのも悪くない。そう考えた君は、投げられた手袋を拾うことにした。
日時、ルール、その他諸々は追々考えようとなり、じゃが丸くんを片手にその場は解散することとなった。どうしたもんかと悩みながら
「ベル様は!私と
ダンジョンに潜るんです!」
「いーや、ベル君は!ボクと
デートに行くんだい!」
「リリ!神様ぁ!痛いです、痛いですってぇ!!」
問題は解決した様だが新たな問題に苛まれたようで、綱引きの
「へ〜。それじゃ、あの子とそのリリって
あぁ、と君は頷いて、カウンターで対面するシャルネルに先日の出来事の簡略的な概要を話している。装備の点検の用もない。そんな君が何故ここにいるかと言うと、件のリリとベルとの正式なパーティ結成を記念して何か贈ってあげられないか相談に来たわけだ。
こと
「んー、そうだねぇ…パーティを組むならお揃いのアクセサリーとかどう?腕輪でも耳飾りでもなんでも良いけど、お揃いの物を持ってると結束感があって良いんじゃないかな!」
なるほど、と思い君が2人に手渡すのを想像した瞬間…
「ハイランダーくんはボクだけを除け者にするんだね…
「これからベルくんがパーティを大きくする度に、仲間の輪が広がる…うん!さいっこうのプレゼントだぜ、ハイランダーくん!」
2つの可能性に少し悩むが、アクセサリーにしようと決意した。
「ならデザインはどうする?当たり前だけど冒険の邪魔になったら本末転倒だよ?
アタシならブローチが良いと思うよ。服に付けるだけでいいし、指輪と違って勘違いとかもされにくいと思うから」
採用、君はシャルネルの提案をすぐさま肯定すると次は何処で買うかを悩むのだった。流石に高すぎるものは用意できない。予算の都合があるのだ。
「ふふ〜ん、キミキミ。ここに居るのが誰か忘れてな〜い〜?専属鍛治士のシャルネルさんが居るでしょ?」
鍛治士ってブローチとか作るのか?
「作る人は少ないけどアクセサリーとか防具の装飾とかの装飾品に手を出してる人もいるんだ。アタシ、小物を作るのも好きだから趣味でアクセサリーを何度か作った事があるから、作ってあげられるよ?」
そうなのか、なら頼みたい。君はシャルネルに予算などの話を詰めようとするが、
「この程度ならお金なんて取らないよ。それに、いずれお客さんになってくれるかもしれないしね!たった2人の
代 わ り に、また面白い武器の案が思いついたら教えてね!キミの発想ってどこかアタシたち鍛治士とは違って面白いんだもん」
シャルネルからの善意に君は感謝の言葉を伝える。デザインはあやふやながらイメージを伝えると、ニッコリとサムズアップして、4時間後にまたここにきて欲しいと伝えると彼女はカウンターの奥の工房に姿を消した。
「家族、か…姉さん、今どこにいるんだろう?」
「よお!」
あっ、おっさん。
「この間ぶりだな。なんだなんだぁ?アクセサリーとか聞こえてきたが、贈るのか?」
あぁ、贈る。
「お、おう、もうアクセサリーを贈るなんてなかなかやるじゃねぇか…
コソッ)因みに、何を贈るんだ…?」
ブローチだ。
「ほ、ほぉ。ブローチね、なるほどなるほど…参考にするか…」
なんの参考にするかは知らんが、贈るのはファミリアのパーティ結成記念だぞ?
「なっ!?んっだよ、あの子に贈るんじゃねぇのかよ!」
何が言いたいかは知らんが、それだけなら俺はもう行くぞ。
「あっ、待っ!クッソォ、進展したのかと思ったらちげぇのかよ、焦らしやがって」