新・世界樹じゃない迷宮   作:激遅新世界樹1ストーリークリア兄貴

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この小説は作者のノリとライブ感によって書かれた文書によって構成されています。


天と地からの悪意(試練)

 

ベルの目から涙が溢れた。

 

ベルは嗚咽を漏らしながら、君の名前を呼ぶ。

 

凄かった。それでいて、悲しかった。

 

 

救うことができた者がいて、救えなかった者もいた。ありきたりといえばありきたりな悲劇。摘まれる花、英雄譚にはつきものといえど、感受性の高いベルには劇薬のようだった。それがたとえ、逃れることができなかった事と知っても。

強い人だとは思っていた。近くにいる憧れの人(・・・・・・・・・)は、とても遠い存在に変わった。

 

君はベルの頭をそっと撫でる。泣く必要などない。全てを掴めなかった自身の責任だと。それでいて、過去の話だ。君はそうベルを慰める。止めどなく溢れる涙を、君は止める術がない。

 

固まったままのアイズ。

 

だが、飲み込んだ。

言葉を、理由を、違いを、全てを飲み込んで自分の中に落とし込む。咀嚼したそれらは薪となって、強くなった(レベル6)身体に熱を灯す。

英雄の素質を持った人間。壁を乗り越えて強くなって、だけどまだ足りないことを知った。

強いのに弱い、そんな目の前の矛盾に、ひとつだけ苛立った。守れない力は、意味がない。何故かそう頭の中に表れた感情を、言葉にはせず、さらに薪へと変える。

 

一つ息を吐いて、アイズは言葉を口にした。

 

「ありがとう…話してくれて。

わかった気がする。強さの理由と、私が強くなりたい理由が」

 

君はアイズの言葉に少しだけ驚くが、そうかと一言呟いて頷いた。ようやく借りを返すことができたと、君も息をつく。

 

 

 

君はここいらで解散を提案した。

ベルも泣き止み何か覚悟を決めたかのように、目つきがまた一段と頼もしくなった気がする。赤く腫れた目元を見なければだが。

 

ここで話したことは秘密にしてほしい。そうしないとかみさまに何を言われるかわかったものではない。そう2人に口止めを願うと、2人は了承をしてくれた。

 

ベルは目元の腫れなんとかするため、一度ホームに戻ってからリリと迷宮(ダンジョン)に潜るようだ。

 

アイズからはまた強くなったら戦いたいと願い出られるも、君は断ることにする。なぜならあの戦いはお互い初見であり、自身の手を出し尽くしてしまった君は、戦ったところで慣れで往なされてしまうのが目に見えているからだ。

ついでに言えば、君は知らない(まだ公表をしていない為知る人も少ない)が、アイズ・ヴァレンシュタインはレベル6(・・・・)である。まだレベルアップ後の体に慣れてない故に、君に迫り合いを許してしまったが、時が経てば掴んだ身体の感覚をもって君をあっさりと倒せるようになってしまうだろう。

 

そう言った知る知らぬ事情の元、君はアイズからの提案を断った。悲しそうな表情を表に出す彼女に申し訳がない気持ちもあるが、断腸の思いである。

 

そうして君たちは、オラリオの日常に戻っていく。

 

 

 

 

(そら)の聴衆と

 

 

地の底(ダンジョン)で育てられた悪意に気が付かぬまま

 

 

 

「ねえ、オッタル。あの子のための試練(贈り物)の調子はどう?」

「順調です、もう間も無く完成する予定です」

「そう、ありがとう、私のオッタル…ねぇ、一つお願いしてもいいかしら?」

「貴方様の望みでありましたら、どのような事でも」

「あの子の隣にいる、不純物、潰してきてちょうだい」

 

 

 

「御意」

 

 

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