新・世界樹じゃない迷宮 作:激遅新世界樹1ストーリークリア兄貴
今日もバベルの私の店で誰かが私の作品買ってくれないかと待っていた。レベル2になり鍛治のアビリティを解放して、ようやくヘファイストス様からも、出店してみなさいと言われて、持ったこの店。最初は冒険者のお客さんが見ていってくれた。手に取って見てくれるだけでも嬉しかったんだ。
でも、誰も買ってくれなかった。新しい
ある時、私の商店の前に一人の男性冒険者が現れた。その人は私を指差して嗤った。
「アマゾネスなんかが武器作ってやんの。まじ笑えるんだけど〜」
男はそうのたまったのだ。私はいきなり言われたこともあって突然の事態に何も言い返せなかった。男は調子づいたのか、さらに嗤って言葉を続ける。
「壊すことしか能が無いアマゾネスちゃんがこんなところで何をしてるのかなぁ?壊すことが大好きなんだし、それしか出来ないんだから武器なんか作れるわけないのにねぇ。どうせ雑な仕事しかできないんだろ?こんなむさ苦しいところにいるより、俺と一緒に歓楽街で遊ばない?もちろん楽しませてあげるよ?アッヒャッヒャッヒャッヒャ!」
下衆な言葉を吐きながら汚い言葉で私を
「おいおい、本当のことだからってすぐに怒るなよ。そうやってすぐに手を出そうとしちゃダメでしょ〜。これだからアマゾネスはすぐに暴力で解決しようとする。そんな奴にまともなモノが打てるとは思えねぇなぁ?」
「別に手を出そうとなんかしてないわ、あんたが嘘ばっかり言うから反論しようとしただけ」
「反論?どこに反論の余地があるんだ?みんなわかってんだろ?アマゾネスごときが武器を作れるわけがない。ここにある武具は全部雑な出来の武具しかないって、だから誰も
「なっ!」
男の言葉に私は
「なあ、ここから出てくるの待ってるゼェ?歓楽街で待ってるからサァ!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
男はそう言って私の店から離れていった。私は何も言い返せないまま男の戯言の真実性を助長させることしかできなかった。
私の目には誰の視線も入らなかった。
それから三ヶ月ほどだろう。あの男は暇なのかあの日以降何日かに一回店に来ては、早く諦めろ、俺のところに来いと、囁いてくる。二週間ほどで飽きたのか来なくなったが、店の信用は底辺に落ちた。職人仲間からはなぜか無視され、ヘファイストス様には会わせてくれなかった。唯一仲良くしていた後輩の男の子も自分の工房から出るところを見かけず、話すことができなかった。それでも、槌を振るうことは辞めず、槍や斧などまだ打ったこともない武器にも手を出してみたりもした。
今日もまた誰も来ないのかな、そんなふうに思ってた時にあの人は来てくれた。
突然話しかけられて名前を聞かれたのにはびっくりした。どうやら故郷に私と似ている人がいたようで見間違えてしまったらしい。わざわざ謝罪してくれたから、丁寧な人なんだなって思った。
私に話しかけるなんて珍しいからよく覚えてる。ここを歩く冒険者たちをよく見てる私にはわかった。この人は新人さんで私のことなんて知らないんだろうなぁって。あの人は明るい茶色の髪に見たこともない、きっとどこかの民族の戦闘装束を着ていた。目は少しキリってしてて睨みつけているように見えるかもしれない。イケメンかそうでないかでいったらイケメンだろう。それともう一人、あの人の後ろについてくる
あの人はそのまま店内に入ってくれた。まさか入ってくれるとは思わなかったのでついつい自分語りをしてしまった。自分がどうしてこうして武具を売っているのか、でもとある事件があったこと。それで自信を無くして店を畳もうと思っていたこと。話しているうちに涙が出てきてしまって声も震えていた。聞いてくれてたにしろ聞かれてなかったにしろ恥ずかしくて顔をあげれなかったんだ。それで、ここに来てくれてありがとうって、こんな店の商品なんか無理に買わなくていいよ。って言おうとしたんだ。そしたらね、顔を上げた瞬間に私の目の前、つまりカウンターに私が作った槍が置かれてたんだ。ビックリして何が起こったのかわからなくなっちゃったんだ。初めてここに私の作品が置かれたんだから。そしたらあの人、何も言わずに店の奥に行ったと思ったらすぐに軽鎧や手甲、ブーツ、全部私の作品を一つづつカウンターに置きに来てね、つい聞いちゃった。
買ってくれるの?って
そしたら頷いてくれて、どうしてかわからなくてつい聞いちゃった。そしたら、私が知人に似てたからって。最初はそう言ったんだ。酷いって思った。私だからじゃなくて似てる知人がいるからってすごく落ち込んだ。でもね、その後
君の武具を買いたいと思ったから、買う。そう言ってくれた。
なんでって思って、本当にいいのって?私が聞いちゃいけないのに、私が聞くなんて私の
あの人はそうだって、私の作品たちでいいって言ってくれた。私の作品たちがいいって言ってくれた。
嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて、泣いちゃった。すごく大きな声で。今思い返せばフロア中に聞こえてたはずだからすごく恥ずかしくて、でもそれ以上に本当に嬉しかった。
その後落ち着いて、会計を済ませようとしたんだけど、見苦しいけどまた不安になって、あの人にまた買いに来てくれるか聞いてしまった。あの人は私の作品をまた買いたいと思ったら来てくれると言った。私は挑戦状を叩きつけられたのだ。また、買いに来たくなるような作品を作ってくれと。でもその言葉は私の職人魂に火をつけてくれた。
流石にタダで作品をあげるとまずいし、私も生活とか色々あるから少し安くしちゃったけど大丈夫なはず!多分…
あの人の名前とファミリアを聞きそびれちゃったけどきっとまた来てくれる、いや来させて見せる!そして、私の作った作品たちで驚かしてあげるんだ!
あの人の言葉が今でも心の中にある、私の炉心に火をつけてくれている。
あの外道の会話文を書くのが辛かったです