平成の転生者(仮)   作:初任者

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第2章第4話

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第2章

ーデビルサバイバー2vs??ー

第4話

ー白い魔王ー

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突然だが、パズスはかなり強い悪魔だ。デビルサバイバー2の世界では、セプテントリオン相手でも一度も消滅させられたことはない。

 

合体要員ながら、この世界では十二分に戦える戦闘用悪魔。それがパズス。

 

そう、そのはずであった。

 

 

「ば、バカな」

 

 

パズスが、ピンクの光の中に消えていく。

 

 

「俺のパズスが、あんな容易く………」

 

 

デカラビアとロキが、ピンクの光のビームを放った白い服の少女に攻撃を仕掛け始める。

 

 

「ロナウドさん、あの赤い服の幼女頼めますか?」

「………難しいな。あれは前線タイプ、こっちは遠距離タイプだ。距離が取れればいいが、盾役がいないのでは」

 

 

俺は再びケータイを操作する。

 

 

「(これ以上は手の内を晒したくない。ここはロナウドさん達を連れて退く)こい、コボルト」

 

 

俺の目の前に、3体のコボルトが現れる。いつだったか、精霊を作ろうと購入したセット販売の悪魔達である。

 

 

「ロナウドさん、撤退を。このコボルトとメタトロンを暴れさせて時間を稼ぎます」

「いや、まだやれる。問題ない」

 

 

ロナウドさんを残して、残りの人間達が撤退に入る。

 

 

「ん?」

 

 

空を見上げると、見覚えのある羽生やした少女がいた。その手は震えている。

 

 

「(あれは確か………)」

ーーーやはり、神の試練に耐えられなかった人間では、役に立たぬか。

 

 

声が戦場に響き渡る。

 

 

「こ、これは?」「八神君、警戒を‼︎」

 

 

俺とロナウドさんは、その声を警戒する。

 

 

ーーー我は新たなるセプテントリオン。

ーーー我は【ハート】。

ーーー我は神の試練を与えるもの。

 

 

見上げると、空間が裂けて、黒い巨大な箱が現れる。その大きさは、巨大なメタトロンとタメを張るほどだ。

 

 

「ネオ・セプテントリオン、だと?」

 

 

俺は聞き覚えのないその名前に、警戒を強める。

 

 

ーーー我に従え、戦士達。

ーーー≪ネクロマンシー・ハック≫。

「がっ、あがががががざがががが⁉︎」

 

 

頭の中が、強制的に、何かに書き換えられる。

 

あまりの激痛に、俺は叫び声をあげる。

 

 

ーーー従え、我が駒よ。

 

 

意識が、遠、………。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りside○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

黒い箱。セプテントリオンが現れた戦場は、死者達の叫び声で埋まった。

 

 

「がぁああああああ⁉︎」「いやぁああああ⁉︎」「や、やめてくれぇええええ⁉︎」

 

 

死者達の目がさらに赤く、血よりも赤く染まっていく。

 

 

「「「「…………」」」」

 

 

叫んでいた死者達が、先ほどの様子が嘘のように落ち着いた様子で、構える。その目は赤く紅蓮に染まり、血の涙を流していた。

 

 

「あれが親玉か?」

 

 

ビルの屋上に着陸したヴィータが、ハンマーを肩に乗せて問う。

 

 

「みたいなの」

 

 

同じくビルの屋上に着地した白い服の少女が、杖を構えたまま答える。

 

 

「遅くなった‼︎」

 

 

少女達の前に、女騎士が降り立つ。

 

 

「遅いぞ【シグナム】」

「すまない、他の死者に手こずった。おっとりした見た目なのに、妙に強くてな。だが、天には帰した」

 

 

シグナムは空を見上げる。

 

 

「あれが………」

「ああ、ネオ・セプテリオンって奴みたいだ。的は大きい方がいいが、あれは大きすぎるな」

「主は?」

「………はやてなら、あそこだよ」

 

 

空にははやてが、飛んでいた。その手は血が出そうなほど、強く握られていた。

 

 

「あれが、にーにを操って………」

 

 

はやては両目を開き、ネオ・セプテントリオンに突撃していく。

 

 

「お前がぁあああああああああ‼︎」

 

 

それは激高であった。肉親を操られ、肉親と戦わされた妹の叫びであった。

 

 

「ハァアアアアアアア‼︎」

 

 

魔法による爆撃の嵐が、ネオ・セプテントリオンを襲う。

 

 

ーーー抵抗するか。ならば、ゆけ。神に抗いし戦士達。

「「「ぅおぉおお‼︎」」」

 

 

武器を持った死者達が、生者に襲いかかる。

 

 

「私とヴィータで死者を抑える。お前は主の援護を頼む‼︎」

「了解なの」「了解」

 

 

その瞬間、ビルの壁が爆発を起こす。

 

 

「…………」

 

 

悪魔、バハメットに乗ったロナウドが、屋上に降り立つ。その後を悪魔に乗った暴徒2名が続く。

 

 

「早速、というわけか」

 

 

シグナム達が武器を構える。

 

「ゆけ‼︎ 高町‼︎」

「うん‼︎」

 

 

エースオブエース、【高町 なのは】は空を駆け抜ける。そう、友のために。

 

 

「「「………」」」

 

 

そんな姿を死者達が見送る。

 

 

「(追わないのか?)」

 

 

シグナムが視線を空に向けると、そこには巨大な天使ーーーメタトロンが、高町 なのはを待ち構えていた。

 

さらにその周囲には数体の悪魔が浮かんでいる。

 

 

「しまった‼︎ 待ち伏せか‼︎」

 

 

エースオブエース高町 なのは。

転生者にして死者八神 総司。

強大なチカラが、今ぶつかり合う。

 

 

「≪メギドラオン≫」

 

 

神の炎が総司の手から放たれるが、なのはは容易くその炎を避ける。

 

 

「………ゆけ」

 

 

悪魔達がなのはに殺到する。

 

 

「………」

 

 

悪魔達と戦う姿を、総司はデカラビアの上で、見下すかのように観察する。

 

 

「≪シュート≫‼︎」

 

 

人間を圧倒してきた悪魔達が、ただ1人のなのはを落とせない。

 

 

「敗北は………ゆるされ、ない」

 

 

総司はボソリとつぶやき始める。

 

 

「だが、何の………俺は何のために………?」

 

 

それは、僅かな隙であった。ネオ・セプテントリオンが掛けた術は、ゲームで言えば魔力属性であり、≪真・全門耐性≫というスキルを取得している総司には、そもそも効きにくい属性であった。

 

ゆえの僅かな隙。本来なら発生するはずのない、ネオ・セプテントリオンと総司の技の拮抗によって起きたその隙。

 

ーーーエースオブエースは逃さなかった。

 

 

「っ‼︎ ≪スターライトブレーカー≫‼︎」

 

 

ピンクの光の奔流が、猛スピードで総司に突っ込む。

 

 

「ーーーっ⁉︎」

 

 

それに気付いた総司が、対応しようと動き出すが、しかし間に合わない。

 

 

「ーーーぐぁああああああ‼︎」

 

 

総司はピンク色の光に包まれていく。

 

 

「(俺は、俺は………ただ、家族の、………)」

 

 

ピンクの光を受けた総司が、足場であったデカラビアが消えたために、地面へと、頭から落ちていく。

 

 

「と、う、さん、母、さん」

 

 

総司は必死に手を伸ばす。まるで、何かを求めるように。

 

 

「(俺は、守るんだ‼︎ 世界を‼︎ 日本を‼︎ 家族を‼︎ 妹を‼︎) は、や、てぇえええ‼︎」

ーーー【第二特典: 】ロック解除。

「俺は‼︎ まだ‼︎ 終わってねぇえええええ‼︎」

ーーー第二特典解放。

「たとえ、この身が砕けようとも‼︎」

ーーー楽しみたまえ、新たな人生を。

「俺はぁあああぁあああああ‼︎」

 

 

総司の握った右手が光りだす。

 

 

「イキテカエルンダァアアアアア‼︎」

ーーーこんなんどうよ?

 

 

総司が光に包まれる。

 

 

「何⁉︎」

 

 

なのはは、悪魔の攻撃に対応しながら、その光を警戒する。

 

 

「ーーーネオ・セプテントリオン、ハート。よくも俺たちを駒扱いしやがったな」

 

 

光が収まり、緑色の軍服を纏った総司が現れる。

 

 

「貴様を打ち砕く‼︎」

 

 

ーーー八神 総司復活。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りsideEND○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

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エンド

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新章に悩んでいます。よければ参考までに意見をお聞かせください。

  • 知識がなくとも、とらは
  • 異世界へ、GATE
  • 魔法足りてないよ、りりなの
  • もっと魔境へ、??ルート
  • いやいやもっと別の、その他

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