平成の転生者(仮)   作:初任者

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新章開幕です。


第3章ーBlack Lagoonー
第3章第1話


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第3章

ーBlack Lagoonー

第1話

ー出張は突然にー

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突然だが、上司から「明日から海外研修行ってこい。なに?何も聞いてないだと?はぁ、まあしかたない。明日からだからな(マジキチスマイル)」と言われたらどうしたらいいと思う?

 

 

ーーー笑えばいいと思うよ(白目)

 

 

*********

○【ロアナプラ】○

○港○

 

 

聞くところによると、この街は『世界中の悪という悪が集まった場所』らしい。

 

複数のマフィアやカルテルによって共同支配されており、警察すらも買収されているため、政府の介入もない。

 

つまり、世界の吹き溜まりといったところだろう。

 

 

「こんなところに1ヶ月もいなきゃいかんとはな」

 

 

船の中で中学2年生になった俺は、1人呟く。

 

 

『[坊主着いたぜ]』

『マスター、到着したとのことです』

 

 

俺の腕輪である待機状態のハーメルンが、見事にそして簡潔に英語を翻訳してくれる。 なお、ここに来るまでの翻訳は、全てハーメルンが行なっている。

 

死者として操られている時に、特典が解放されて手に入れたのだが、高性能でとても役に立つやつだ………未だに、システムとかよくわからんが

 

 

「サンキュー」

 

 

俺は荷物を持って船から降りる。

 

 

「【ソウ】さんですね?」

 

 

降りると同時にアジア系の男が日本語で語りかけてくる。なお、彼が確認した名前は俺の研修中に使用する偽名である。総司の司をとってソウ(総)である。

 

 

「ええ。貴方が?」

「はい、案内役です。【ジェフリー】とでもお呼びください」

「よろしくお願いします、ジェフリーさん」

「ええ、こちらこそ」

 

 

俺はジェフリーに案内され、車に乗り込む。

 

 

「で、ここではどのような生活をなされる気で?」

「1ヶ月五体満足で生き残ってくれですと。それと少し任務がある程度ですが、まあこの程度は子供のお買い物程度ですよ」

 

 

俺がため息を吐き出すと同時に、車が出る。

 

 

「(はぁ、どうしてこんなことに)」

 

 

世界の帰回から2年と少し。特にこれといったことはなく、平和に過ごしてたんだが、まさかの海外研修であった。

 

 

「(そういえば、昔助けた………そうだ、チャンさんは元気かな?まあ記憶なんてないだろうけれども)」

 

 

世界の帰回前の記憶は、俺含めた原作メンバーしか持ってなかった。つまり、昔助けた三合会のチャンさんも記憶がないだろう。

 

 

「あまり騒ぎは起こさないほうがいいですよ?最近は事件があって、みんなピリピリしてますから」

「事件?」

「ええ、ですからできるだけ外に出ないほうがいいかと」

 

 

すると、いきなり車が止まる。

 

 

「ちょっと待ってくださいね」

 

 

ジェフリーが窓から頭を出し、スーツ姿の白人の男2人と話している。

 

 

「ハーメルン」ぼそり

『どうやら、事件というのは、大きいマフィアの構成員が殺された殺人事件のようですね』

「(ふーん、まあ関係なさそうだな)」

 

 

白人の男が、窓から俺を睨みつける。

 

 

『[後ろの男が今日入国した男か?目的は?]』

『[さあ?詳しくは聞いてないんですがね。日本から来たらしいですよ]』

『マスター、どうやら疑われているようです』

「(ちっ、面倒な)」

『[ちっ、ヤポンスキーのガキか。目的を聞け]』

「あー、ソウさんはなぜこの場所に来たかと聞いてますね」

 

 

俺は数秒考える。

 

 

「(ちっ、下手なこと言えないな)知り合いを訪ねてきましたとお伝えください」

 

 

ジェフリーが翻訳して伝える。

 

 

『[こんな場所にか?]』

「こんな危険なところにか?と言ってます」

「ええ、実は本人には秘密で来てるんです」

 

 

再びジェフリーが通訳する。

 

 

『[成る程、サプライズか‼︎ 悪くないな‼︎]』

 

 

白人がにっこりと笑う。

 

 

『サプライズか。悪くないな‼︎ と、好意印象のようです』

『[グッドラック‼︎]』

 

 

白人が笑顔で送り出してくれる。

 

 

「………俺がいうのも何だが、あれでいいのか?」

「あれはこの街の支配するマフィアの組織【ホテル・モスクワ】の構成員ですが、末端の末端ですから」

 

 

車はガタゴトと走り続ける。

 

 

「(マフィアか。まあ、害があれば焼き尽くすだけだ)」

 

 

あ、悪魔の餌でもいいかもしれない。食うか知らんけれども。

 

 

「(それにしても、嫌な街だ。悪人には心地いいくらいなんだろうがな)」

 

 

路上で普通に麻薬の売買が行われ、警官が制服のまま犯罪行為を行なう。

 

 

「世も末ってか?」

「何かおっしゃいましたか?」

「いえ、ただ単に景色を見てただけですよ」

 

 

しばらく車が走っていると、ふっとジェフリーが何かを取り出す。

 

 

「事前に依頼をいただいていた、【自動拳銃:ワルサーPPS】です。勿論軽量になるよう多少改造を加えています」

「どうも」

 

 

拳銃を受け取る。軽いと言っていたが、ずっしりと手に重さが乗る。

 

 

「(これが命を奪うためのものか。まあ、流石にこんなところでスキルは使えないから、基本的にはこれ頼りか)」

『マスター、私がおります』

「(お前も魔法だからな。下手に使えないから、今回は緊急事態でもない限り待機および翻訳だ)」

『YES、マスター』

 

 

俺が≪念話≫でハーメルンと話しているうちに、さらに車は進む。

 

 

「げっ」

「どうかしましたか?」

 

 

変な声を上げたジェフリーに、俺は声をかける。

 

 

「さっきのホテル・モスクワの大幹部ですね」

 

 

ジェフリーの視線の先を見ると、赤いスーツを着た女が立っていた。周囲には明らかにカタギではない人間達が立っていた。

 

 

「………すみません、呼び止められましたので止めます」

「いえ、この街の支配者の一角相手なら、仕方ありません」

 

 

車が止まる。

 

 

『[【案内屋:ジェフリー】か。ちょうど聞きたいことがある。構わないか?]』

『[ば、【バラライカ】さん、今日はお客さんがいますし、先程も話せる事は部下の方に全て………]』

『[ん?客?]』

 

 

女が車の中を覗き込む。

 

 

『[子供じゃない]』

『[はい、なんでも知り合いに会いに来たとかで………]』

『[知り合いを訪ねてこのロアナプラに?………ははははは‼︎ 同志軍曹、これは傑作だぞ‼︎ ひ弱なお子様が、お友達会いたさにこの悪徳の街に来ただと? ははははは‼︎]』

 

 

 

女が大爆笑する。

 

 

『[坊や、今この街は危険よ。早く母親のところにお帰りなさいな]』

 

 

そして、何やら優しく語りかけてくる。

 

 

「バラライカさんが、早く帰りなさいと言ってます」

「1ヶ月は帰れないんですよね………まあ、気を付けますよ」

 

 

俺はそう答える。

 

 

『[そう………]』

 

 

女はため息を吐き出す。そして、ポケットから名刺を取り出す。

 

 

『[何かあれば電話しなさいな]』

「何かあれば連絡しろと」

「ああ、ありがとうございます」

 

 

俺は名刺を受け取る。

 

 

『[で、ジェフリー、最近変なよそ者を見なかった?]』

『[いえ、最近案内したのは、今日入国したこの子だけですが………]』

『[そう、何かあったら連絡を頂戴]』

『[は、はい]』

 

 

女達が離れていく。

 

 

「………ホテルに急ぎましょうか」

「ええ、そうしましょう」

 

 

急いでホテルに向かった。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りside○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「………あれはマズイな軍曹」

 

 

道端で立ち止まったバラライカは、隣に立つ【ボリス】に呟く。

 

 

「はっ、大尉」

「あれは戦う者の目だ………それも、絶望的な戦いをしてきた人間の目だ」

「あの少年が、でありますか?」

「ああ、あれはアフガンでも見たことがある。あれは戦士の目だ」

 

 

バラライカは総司を警戒することにした。最悪でも滞在中は。

 

そして、それを眺める人間が1人。

 

 

「あれは………」

「どうかされましたか?大哥」

 

 

スーツ姿にサングラスをした男が、走り去る車を見つめる。

 

 

「ふっ、はは。これは、豪勢な"ディナー"を用意しないといけないな」

 

 

男ーーー張(チャン)はくすくすと笑いながら、歩みを進めた。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りsideEND○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

おいっす、やっとホテルについてジェフリーと離れた総司だ。

 

 

「っにしても、意外と良いホテルを用意してくれたんだな」

 

 

俺はふかふかのベッドに転がる。

 

 

「っと、その前に研修内容をいくつか済ませるか」

 

 

今簡単にこなせるものだと………。

 

 

「"夜間のロアナプラを自由に散策する"か。明らかにやばそうだが、それを目的としてるんだろうなぁ」

 

 

やっぱり帰ったら、峰津院を縛り上げてサンドバッグにしよう。うん、そうしよう。

 

 

「んじゃ、行きますかねーっと」

 

 

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エンド

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新章に悩んでいます。よければ参考までに意見をお聞かせください。

  • 知識がなくとも、とらは
  • 異世界へ、GATE
  • 魔法足りてないよ、りりなの
  • もっと魔境へ、??ルート
  • いやいやもっと別の、その他

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