平成の転生者(仮)   作:初任者

26 / 30
奇跡の連続投稿‼︎
ついでに、第6章はなんとなく決めてます。早めに投稿、できるかも?


第5章第6話

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

第5章

ー戦姫絶唱シンフォギアー

第5話

ー精神闘争ー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

実のところを言えば、立花 響の精神世界には4つの人格が存在している。俺とリツと響が表に出てくる主な人格である。 しかし、最後の1つは俺とリツによって精神世界深くに封印されていた。

 

 

*********

○響精神世界○

 

 

そこはまるで牢獄であった。鉄格子の部屋がいくつも並んでいる。

 

 

「………意外と元気そうだな」

 

 

俺は1つの部屋の前で、その中の人間に話しかける。

 

 

「どうだ?久々に"知っている人間"を目にした気分は?」

 

 

部屋の奥には拘束具でがっちり拘束された人間がいた。シルエットから女だということまでは分かるが、それ以外はミイラのように拘束されており、顔も分からない。

 

 

「表に出たそうだな?だがダメだ。お前が出てくると計画が無駄になる」

 

 

ガシャンガシャンと拘束具を無理に解こうとする音がする。

 

 

「お前が俺達の計画を知って協力してくれれば楽だったんだが………まあ、我々は所詮多重人格。人格と人格ははっきり独立している。全員意見が一致するなどありえないことだったか」

 

 

そう、この拘束された人格は俺達の計画に反対して、相当暴れまわったのだ。おかげで、この牢獄に閉じ込める羽目になったという訳だ。

 

 

「お前の与えたチカラで、我らが立花 響は英雄へとなる‼︎ 誇るがいい‼︎ お前も立花 響の英雄譚の1つとなるのだからな」

 

 

ガシャンガシャンと抵抗の音が激しくなる。

 

 

「無駄無駄。それはその程度では壊れなーーーパキン………ん?」

 

 

そこにあったのは破壊された拘束具であった。

 

 

「………んんん?」

 

 

俺は眉をひそめる。そして拘束されていた人間が歩き始める。

 

 

「………お前達の企みはここまでだ」

 

 

聞き覚えのある声が響く。

 

 

「あー、もしかしてガングニールが活性化したからか?うそーん」

「響は平和な世界にいるべき人間だ‼︎ お前達のような存在が関わっていい人間じゃないんだッ‼︎ーーーガングニール‼︎」

 

 

拘束具が弾け飛び、牢屋も破壊される。

 

 

「クソッタレ⁉︎」

「消えろぉおおお‼︎」

 

 

ガングニールのシンフォギアをまとった女が突っ込んでくる。その女は死んだはずの女ーーー【天羽 奏】であった。

 

 

「ガングニールに残された残滓ごときが‼︎ このソウに抗うか⁉︎」

「それだとしても‼︎ 私は‼︎」

 

 

俺と天羽はぶつかり合う。俺の腕と天羽の槍がつば斬り合う。

 

 

「ーーーグッ⁉︎ 貴様‼︎ こんな事をしてただで済むと思っているのか⁉︎ 我々の計画に従えば全てハッピーエンドで終わるんだぞ⁉︎ お前の相棒も………‼︎」

「だけど‼︎ それだとしても‼︎ これ以上響を苦しめるなぁああああ‼︎」

「くっ、化け物めッ⁉︎」

 

 

俺は天羽から距離を取る。

 

 

「クソッタレ………ッ‼︎」

 

 

今更だが、この天羽 奏は本物の天羽 奏ではない。この天羽 奏は、響の胸の中にあるガングニールに宿っていた本物の天羽 奏の魂の残滓である。本人ではないがその考え方や記憶はそのままだ。ほぼ本人であるとも言える。

 

 

「はぁああああ‼︎」

 

 

そんな天羽が槍を構えて突っ込んでくる。

 

 

「(殺したくはない、が)」

 

 

俺は本気で、しかし素手という手加減した状態で迎え撃つ。

 

 

「(くそッ‼︎ シンフォギアの防御力が高い‼︎ 下手にやり過ぎると精神を消してしまう………‼︎)」

 

 

俺は槍を弾きながら、戦闘を継続する。とはいえ、天羽のやっていることは無駄だ。俺には物理攻撃が効かない。つまり、槍の一撃は効果がない。

 

 

「もう計画は進行している‼︎ 今更我々をどうにかしたところでもう響は日常には戻れないッ‼︎」

「だとしても‼︎」

 

 

だんだんと槍捌きが鋭くなっていく。

 

 

「成長している⁉︎ この状況で⁉︎」

「今‼︎ ここでッ‼︎」

 

 

瞬間、天羽の槍が輝く。

 

 

「≪ゲイ・ボルグ≫」

「はっ?」

 

 

胸に冷たいものと鋭いそして鈍い痛みが走る。

 

 

「ぐっ、かっはっ………何故、俺の≪物理無効≫を………」

「………私の槍は、いや私の使う槍は心臓を貫くという結果だけを残す」

「き、さ………ま、転生、者………だな?」

「あんたが何言ってるか分からないけど、死んだ後に神様とやらにこのチカラを貰ったよ」

「予想、外………」

 

 

俺は意識を失っていく。

 

 

「………り、つ」

 

 

*********

○自室○

 

 

「はっ⁉︎」

 

 

布団を弾き飛ばして、俺は起き上がる。慌てて胸を確認するが、傷跡はない。

 

 

「………夢から覚めたか」

 

 

しかし惜しいところで終わってしまった。あのままラスボスの【フィーネ】を包囲して、計画を始動したところで真っ向からぶっ潰す計画だったのだが………響に戦わせることを天羽に拒否されてしまった。そう、殺されるレベルで。

 

 

「ま、支援組織もしっかり作ったし、今後の対応も日記に記しておいた。なんとかはなるさね」

 

 

俺は布団から出る。

 

 

「にーに、起きたー?」

 

 

どこからか、はやての声が聞こえる。どうやら起きたら数年が過ぎてたとかはないらしい。

 

 

「リツ………いや、響は戻ってきたかな?」

 

 

俺は着替えて居間へ向かった。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りside○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

*********

○響精神世界○

 

 

「はぁ………はぁ………」

 

 

奏は足元で倒れるリツを見下ろしながら、肩で息をする。

 

 

「ふぅ………」

 

 

奏はリツの使っていたイスに腰掛ける。

 

 

「………少し、疲れたな」

 

 

顔についた返り血を気にせず、奏は両目を閉じる。

 

 

「響、悪いけど、しばらく休ませてもらうぜ? 大丈夫さ。また、会え、る………さ」

 

 

奏の意識が遠のいていく。そう、奏は特典であるチカラを使い過ぎたために、しばしの眠りにつこうとしていた。

 

 

「ごめんな………響」

 

 

同時に、奏は1人の少女の姿を思い浮かべる。

 

 

「"翼"………悪いけどさ、響を導いてくれよ………お前にしか、頼めないから、さ」

 

 

奏の意識が短くも長い眠りについた。

 

 

*********

******

***

 

 

この後、しばらくした後………響は2人が消えた事実に絶望した。

 

しかし、その頃には仲間が………ジプスが、第2課が、大人達が、家族が、親友が、シンフォギア奏者達が彼女を支えていた。

 

さらにジプスに残された日記により、第2課はフィーネという敵の存在に気付き、早期の対応を行う事が出来た。

 

さらにはリツから引き継がれた知識と異端技術品、ソウから受け継がれた身体能力と組織が大きな戦力となる。

 

そして、事件は解決へと向かい、月が欠けることはなく、世界に一時の平和が訪れることとなる。

 

 

ーーーしかし、世界に危機は訪れる。

ーーー彼女達シンフォギア奏者達はその度に戦い続けるだろう。

ーーーその時、彼女こと天羽 奏がオモテに出ているかどうかは、神様ですら知らないことであろう。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りsideEND○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

エンド

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。