平成の転生者(仮)   作:初任者

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ある種デビサバ編ラストです。



第1章第6話

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第1章

ーデビルサバイバー2ー

第6話

ー死に顔動画ー

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時折忘れそうになるが、俺こと八神 総司は小学生である。

 

ランドセルを背に学校に向かっているのが正しい姿のはずである。

 

 

*********

○JP's東京支部○

○医務室○

 

 

戦闘で負傷したJP's隊員達が次々と担ぎ込まれてくる。

 

 

「ーーーよし、定員だ‼︎ 始めてくれ‼︎」

 

 

治療班のJP's隊員が叫ぶ。

 

 

「≪常世の祈り≫」

 

 

周囲に光が降り注ぎ、隊員達を癒していく。

 

 

「あぁ」「痛みが和らいでいくわ」「神の奇跡だ」

 

 

隊員達が驚嘆の声を上げる。

 

 

「治療が終わったやつは自分の足で出て行け‼︎ 次の患者をどんどん連れてきてくれ‼︎」

 

 

ぞろぞろと完治した隊員達が部屋を出て行き、代わりとばかりに負傷した隊員達が担ぎ込まれてくる。

 

 

「くそ、こんなことなら回復スキルあるの言わなきゃよかったぜ。≪常世の祈り≫」

 

 

と言いつつも回復スキルを行使する。

 

 

「この戦いでの負傷者は増えていく一方だ。医薬品も品薄だから助かるよ」

 

 

医療班の隊員に肩をポンと叩かれながらも、治療作業を続ける。

 

 

「………戦況は?」

「現状戦力でも作戦次第でなんとかなりそうだそうだ。よって、君は今日一日ここで缶詰だ」

「oh………」

 

 

思わず上を向く。

 

 

「(なんでこんなことに)」

 

 

時を遡ること数時間前。

 

俺はこれから来るであろうセプテントリオンに備えて待機していたのだが………。

 

 

「悪魔との戦いで大量の負傷者が出たぞー‼︎」

 

 

あまりの負傷者達の数に、俺は思わず範囲回復スキルである常世の祈りを使用した………してしまった。

 

 

「八神、お前は留守番して怪我人の治療だ」

「ゑ?」

 

 

珍しくいい笑顔の峰津院にここに叩き込まれ、気付けば治療作業のデスマーチである。

 

 

「(クソッタレめ。覚えてやがれよ………)」

 

 

この時の俺は知らなかった。まさかJP's各支部から怪我人が送り込まれてくるなんて………‼︎

 

 

「ちょ、ギブ魔力(MP)が」

「ほい、これ魔力回復薬な」

 

 

見た目は毒物、味はゲキマズであった。

 

 

*********

○翌日○

 

 

「うぁ………気分悪い」

 

 

回復薬の飲みすぎで、気分が悪い俺は医務室のベットで横になり、天井を見上げる。

 

 

「ここに八神君はいますか?」

「ん?」

 

 

声のした方を見ると、そこにいたのはーーー我らが主人公様御一行であった。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○久世 響side○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

俺と大地、新田さんは八神君のいる医務室を訪れていた。

 

 

「ーーーえ?無限増殖するセプテントリオンですか?」

「ああ、何か倒す手立てはないかな?って色々聞いてるんだよ」

 

 

俺は八神君に説明する。

 

実際、セプテントリオン【ミザール】は分裂増殖する敵だ。それもこのままだと日本中を埋め尽くす勢いでだ。

 

 

「そうですね………危険な賭けというよりは文字通り命を削るマネになりますが。手がないわけでもありません」

「え?マジで⁉︎」

 

 

大地が驚愕の声を上げる。

 

 

「【龍脈】というものがあります」

「龍脈?」

「一種のパワースポットのようなものですが、そのチカラは大変強力であり、それを使えばあるいは………」

「ならそれを使おうぜ‼︎」

 

 

大地が嬉しそうに飛び上がる。

 

 

「しかし、龍脈により日本は生き残っています。もしも龍脈のチカラを使えばーーー」

「間違いなくタイムリミットを早めることになるだろう」

「大和⁉︎」

 

 

後ろにいたのは大和であった。

 

 

「しかしそれしかないのもまた事実ではある」

「肉を切らせて骨を断つ………まさかアニメのようなセリフを言うことになるとは」

 

 

八神君はため息を吐き出す。

 

 

「それにしても、お前は小学生に似つかわしくないほど色々知りすぎているな」

「まあ、おかげで話が早く済むわけですから見逃してくださいよ」

「………ふん」

 

 

大和が八神君の前に立つ。

 

 

「ーーー残念だが、【ルーグ】がこの騒ぎで実態ができないほど弱ってる。適性検査を行った結果………"適合者"はお前だ八神」

「っ⁉︎」

 

 

八神君が驚愕の表情を浮かべ、口をパクパク開いたりあげたりしている。

 

 

「適合者?」

「龍脈のチカラを解放するには悪魔のチカラが必要だが、この騒ぎのせいで実体化すら難しい状況だ。よってその悪魔を人間の体に憑依させてチカラを行使させる。その依代として最も適性が高かったのが八神だ」

「え………」

 

 

八神君を見ると、布団を握り締めて、下に俯いている。

 

 

「そして依代となった人間はほぼ確実に悪魔のチカラに耐えきれずに死ぬ」

「大和‼︎ 八神君は小学生なんだぞ‼︎」

「だからなんだ? 久世 響」

「この………‼︎」

 

 

手が出そうになると、俺の手を誰かが掴む。

 

 

「………八神君」

「お、俺なら、俺なら他の悪魔使いと違って、身体能力も高く、おまけに悪魔のスキルも使える‼︎ 生き残れる可能性は、高い」

 

 

それは決意と覚悟の言葉であった。

 

 

「ーーー俺がやります」

「すぐに準備しろ」

 

 

八神君が、大和についていく。

 

 

「………久世さん、道は俺が作る。あとは頼みましたよ」

『友達の死に顔動画がアップされたよ☆』

 

 

死の運命が動き出した。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆

○久世 響sideEND○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

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エンド

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次回新章開幕‼︎

新章に悩んでいます。よければ参考までに意見をお聞かせください。

  • 知識がなくとも、とらは
  • 異世界へ、GATE
  • 魔法足りてないよ、りりなの
  • もっと魔境へ、??ルート
  • いやいやもっと別の、その他

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