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第2章
ーデビルサバイバー2vs??ー
第3話
ーJP's死者部隊ー
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○??○
暗い空間の中を歩く。
「洞窟、か」
少し広い場所に出た俺は、そのまま座り込む。
後に続いてJP's隊員達が、俺と同じように広い空間に来た途端に座り込む。
「(なんとなくだが、こいつらが俺の指示に従う………というより、配下?みたいなのは分かる)」
見たところ、10人の一般JP's隊員がいる。
「(しかし、この10人では厳しいな)」
あの5人だけでも一般JP's隊員には厳しい相手だ。というか、太刀打ちできないだろう。
「どうやって戦うべきか………いや、このさいーーーっ⁉︎」
思考にボヤがかかるーーーそうだ。俺は戦わなくてはならない。話し合いなどもってのほかだ。
「………少し、休むか」
俺はゆっくりと目を閉じた。
「………父さん母さんはやて」
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○語りside○
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○機動六課本部○
○ミーティングルーム○
機動六課のミーティングルームには、機動六課の面々が揃っていた。その中で課長であるはやてが青い顔で、椅子に座って頭を抱えていた。
「しっかし、まさかはやての兄貴が、死者として戦うことになるなんてなぁ」
ヴィータが呟く。
「崩壊する日本で戦った戦士達、か」
実のことを言えば、彼女達は死者の世界が、自分たちの知る地球のそれとは違うことは分かっていた。
総司が襲撃するその前にも、何度か死者による襲撃があり、それを打ち倒した際に、正気に戻った死者達から情報を聞き出していたのだ。
「命をかけて戦った戦士に対して、なんという侮辱‼︎ 到底許せることではない‼︎」
女騎士が机に拳を叩きつける。
「落ち着いてください」
「………すまない」
女騎士は冷静になろうと、一呼吸入れる。
「問題は逃走した死者達の追撃だが………」
女騎士は現在の問題を口にする。
「正直、全然見つかる気配がない。ネオ・セプテントリオンがどこかにかくまっている可能性もある」
ふぅと女騎士がため息を吐き出す。
「でも、あのモンスター………悪魔だっけ?はやてのお兄さんの悪魔は強かったみたいだね」
「ああ、他の悪魔よりも何倍も強かったぜ。あの黒い炎も当たってたらやばかったな」
白い服の少女の言葉に、ヴィータが反応する。
「にーには、努力家やったらしいからなぁ」
俯いたまま、はやては呟く。
「はやて………」
「分かっとる。にーには死者や。倒して天に帰ってもらわなきゃあかん。それが………にーにのためや」
はやての頬を水が伝う。
「でも、それでも、私の肉親なんや。もう会えなかったはずの、肉親なんや」
はやての心は二つに割れていた。兄を生かしたい思い。反対に早く倒して天に返すべきという思い。
はやての心は揺れていた。
しかし、いつまでも悩んでいられないのが、許してくれないのが、"課長"という立場である。
「一先ず今日はもう来ないはずや。みんな休んでおき。私は少し考え事するから一人にしたってや」
「分かりました主」
ミーティングルームから隊員達が出て行く。
「………にーに」
はやてはポケットから一枚の写真を取り出す。それは肉親の写真。母と父、そして兄が写り、赤子のはやても写っている。
「にーにも戦ったんやな」
死者はセプテントリオンとの戦いに挑み、だが死んでしまった人間達である。
つまりそれは、はやての兄である総司が、セプテントリオンに挑み、そして死んだ証でもある。
「にーに、小学生なのに無理したんやなぁ。まるで私達みたいやで?」
はやては写真を撫でる。
「………少しは答えてぇな、にーに」
写真は何も答えない。そして、死者の兄も何も答えない。
「にーに」
ミーティングルームに少しの間、押し殺したすすり泣きの声が響いていた。
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○語りsideEND○
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○洞窟○
「う、ん」
目を覚ますと、やはりというべきか………眠った洞窟の中であった。
「やっぱ、そう簡単には帰れないか」
俺は立ち上がる。JP's隊員達はすでに起きているようだ。
ーーーピコン。
「ん?」
ケータイが鳴った為確認すると、魔法陣のようなものが画面に現れる。
ぁあ、思考が、混濁する。
ーーー戦え、戦え戦え。
「そうだ。我々は戦わなくてはならない」
俺はいつのまにかあった黒い穴に飛び込んだ。
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○語りside○
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○ミッドチルダ○
「ヴァアアア‼︎」
青いコートを着た大学生風の男が、椅子を建物の窓ガラスに叩きつけて割る。
「ネコマタァアアア‼︎」
制服姿の女子高校生が、悪魔に命じてあちらこちらを破壊して歩く。
彼らの目は、赤く紅に輝いていた。
「ふむ、ここはどこなのだろうか?」
そんな中、男は1人呟く。
「まあ、戦わなければいけないことだけは確かか」
その男はかつて、JP's名古屋支部を暴徒を率いて襲撃し、なおかつ占拠した元警官であった。
ーーー【死者:栗木 ロナウド】参戦。
「………」
そんな中に、総司率いるJP's部隊が現れる。
「ん?君は確か」
「貴方は確か栗木さん………でしたか?」
「ロナウドで構わない。それより、ここは協力して戦うぞ」
「異存ありません。総員戦闘開始‼︎」
栗木 ロナウド率いる暴徒部隊と八神 総司率いるJP's部隊が手を組んだ。
「クソ、連続で死者の襲撃かよ‼︎」
「しかも連続で俺らかよ。運が悪いにも程があるぜ」
パトロールで出ていた管理局員の男達が杖を構える。
「悪いが、今回は本気で行く。召喚‼︎ メタトロン‼︎」
巨大な魔法陣が現れ、天使メタトロンが召喚される。
「なっ、嘘だろ⁉︎」
「あんなん対応しきれないぞ‼︎」
男達が慌て始める。
「デカラビア、パズス、【魔王:ロキ】」
次々と悪魔達が召喚されてゆく。それはある種総司の本気であったからである。
「破壊しろ‼︎メタトロン、ロキ、パズス‼︎」
3体の悪魔達が、街に解き放たれた。
ーーーしかし。
「させねぇ‼︎」
突如として現れたヴィータのハンマーにより、早速メギドラオンを放とうとしていたメタトロンが、技を中断させられる。
「パズス」
パズスがヴィータに向かい飛ぶ。
「ちっ、だが避難完了までは私達に引きつけさせてもらうぜ‼︎」
管理局員達とJP's暴徒連合部隊がぶつかった。
「イツマデ‼︎」「エンジェル‼︎」「ネコマタ‼︎」「ゴズキ」
次々と悪魔が召喚されていく。
「させるか‼︎ 砲撃術式展開‼︎ ファイヤ‼︎」
砲撃と悪魔が入れ乱れる。
「撃て撃て‼︎ あいつらの足をここに縫い付けてやれ‼︎」
砲撃により、低レベル悪魔達が攻めあぐねる。
「俺がやる。こい、【邪神:バファメット】」
ロナウドの手により、羊頭の悪魔が召喚される。
「≪炎の乱舞≫」
悪魔から生み出された炎が、男達に襲いかかる。
「ちっ、回避‼︎」
男達が回避した瞬間、待ってましたと言わんばかりに、低レベル悪魔達が襲いかかる。
「くっ、やられてたまるかよ‼︎」
男が避けようとするが、ゴズキの一撃をくらい、地面を転がる。
「かっ、はっ………⁉︎」
男は口をパクパクと開いたり閉じたりする。顔色は悪かった。
「………」
その周りに鉄パイプを持ったJP's職員達が現れる。
「や、やめ………‼︎」
「ーーー≪スターライトブレーカー≫ァアアア‼︎」
ピンク色の光が、JP's隊員達に降り注ぐ。
「「「「がァアアア⁉︎」」」」
JP's隊員達が光に飲まれて消えてゆく。
「ちっ、白いヤツか」
「敵か?」
「ええ、そのようです」
総司達が構える。
「………?俺達は死んだんじゃないのか?」
光に飲まれたはずのJP's隊員が起き上がる。 しかし、その身体はだんだんと光の粒となって、空に昇ってゆく。
「ちっ、6人もやられた」
「高出力のビームか。厄介だが、強力な分エネルギーの充填に時間がかかるはずだ」
ふわりと白い服の少女が、地上に降り立つ。
「え、【エースオブエース】」
「た、助かりました」
「油断しないで」
同時にパズスと戦っていたヴィータが、白い服の少女の隣に降り立つ。
「はやてちゃん達は?」
「今急行してる。そんなに時間はかからないだろ………問題はあの空のデカブツだ」
白い服の少女は、空を浮遊している巨大な体のメタトロンを見る。
「全力全開の≪スターライトブレーカー≫で、倒せるかな?」
「とうだろうな?」
白い少女とヴィータは、杖とハンマーをそれぞれ構える。
「………ちっ、第2ラウンドと行こう」
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○語りsideEND○
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エンド
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新章に悩んでいます。よければ参考までに意見をお聞かせください。
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知識がなくとも、とらは
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異世界へ、GATE
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魔法足りてないよ、りりなの
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もっと魔境へ、??ルート
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いやいやもっと別の、その他