僕と怪異と怨念と…   作:重装歩兵

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やっと書けた…(泣)

ゆっくりしていってね!


くねくね:一つの希望

〜明久side〜

 

おじいさんに言われた通り、廃工場に来た訳だけど…周りに有刺鉄線が張り巡らされていて中に入れませんでした。

今は有刺鉄線を切れる物を求めて歩いてる所だ。道中、また白いのに出くわしたから公園の遊具の中に隠れてやり過ごしたけどね。

 

美琴「あ、そういえばおじいさんの家の前に工具が入った箱があったよね?」

 

明久「…あ!確かに!」

 

僕達は白いのを見て何処かに行ってしまったおじいさんの家に向かうと、歩道の所に置かれている箱の中からペンチを見つけ出してもう一度廃工場の前に戻った。

そして有刺鉄線を切断し中へと入ると、あちこちボロボロで地面は抉れ、使われなくなったドラム缶が乱雑に積まれてあった。

奥へと進むと僕達から見て左側だけ進めるようになっていたので、迷わずそこに向かって歩く。その先にはさっきのおばさんがドラム缶で何かを燃やしながら、炎を見つめていた。すると、僕達に気づいたみたいで振り返った途端凄く動揺している。

 

?「……アンタら、どうやってここまで入ってきたんだい?」

 

明久「おばさんこそ、どうやってこの中に…?」

 

僕が質問で返すと、不機嫌な顔になる。

 

?「私はこの町の人間さ。裏道くらいは知ってるんだよ…」

 

明久「…そうですか」

 

僕とおばさんが睨み合っていると、美琴ちゃんが慌てたように間に割って入ってきた。

 

美琴「それにしても、本当に誰も居ませんね…」

 

?「だろ?きっとあの化け物の仕業さ。ボケッとしてたらアンタらもいつかやられるよ?」

 

明久「忠告ありがとうございます。それより、おばさんにはご家族の方はいらっしゃるんですか?きっとおばさんの事心配してますよ?」

 

僕は疑問に思った事を質問してみた。

 

?「……それは無いね」

 

明久・美琴「「え?」」

 

?「あたしゃ独り身なんだよ。夫とは数年前に離婚、子供は他界してる」

 

明久「……そうでしたか。失礼な事を聞いてしまってすいません」

 

僕はおばさんに謝るが、どうしても腑に落ちない所があった。それは、おばさんがご家族の話をしている時…まるで興味が無いように話していた事だ。普通なら悲痛な表情を浮かべる筈だが、おばさんにはそれが無かった。まるで、「あー、そういえばあったねそんな事」とでも言いたいかのようだった。

 

?「ヒヒッ、何を謝る事があるの?まあ、こんなババアの話に付き合ってくれるのなら話は別だけどね。……で、アンタら。こんな所まで何しに来たの?」

 

僕達はおばさんの顔を見てゾッとした。まるで感情が無いかの様な表情で僕達を見ているから。

 

?「言っておくけど、この先には何も無いよ?無駄足だったね。ヒヒヒッ」

 

しかし、それも一瞬の事で直ぐに意地悪な笑みを浮かべていた。

 

美琴「……おばさんはこれからどうするんですか?」

 

?「どうする、だって…?さぁ…それはこっちの台詞だけどね。ま、あたしも死ぬまで鬼ごっこに興じる趣味も無いし安全な場所に隠れるつもりだよ」

 

美琴「そうですか……」

 

?「で、アンタらはどうすんの?死ぬまで鬼ごっこかい?あの化け物と…アッハッハ!!」

 

その笑い声に苛立ちながら僕も答える。

 

明久「助けを求めます。警察に電話して…」

 

?「無駄さ無駄さ!警察なんかにあんな化け物手に負え無いよ!……少し一人にしとくれ」

 

そう言ってドラム缶の方を向いてしまった。僕達はどうすることも出来ないので、一度神社のおじいさんの所へ戻る事にした。

 

 

〜〜キングクリムゾンッ!〜〜

 

 

神社に戻り、おじいさんへと事情を説明する。すると、おじいさんは髭を撫でながら顔を顰める。

 

「会ったか、あの女に」

 

明久・美琴「「えっ!?」」

 

「あの女には気をつけろ」

 

そう一言言い残し、目を瞑ってしまった。仕方が無いので今後の事を話し合う為、何処かに行ってしまったおじさんの家に向かった。

おじさんの家に入ると、懐かしい黒電話や古いカラーテレビ等が置かれている。すると美琴ちゃんが黒電話を見て、

 

美琴「あ!確か、氷室さんから携帯の番号のメモを貰ってた筈!………あった!明久君、お願い!」

 

明久「うん!分かった!」

 

僕は美琴ちゃんからメモを受け取り、黒電話のダイヤルを回す。何コールかした後、電話が繋がった。

 

氷室『はい。どちら様で?』

 

明久「氷室さんですか!?吉井明久です!」

 

氷室『ああ、明久君か。何か用かい?』

 

明久「今美琴ちゃんと居るんですけど、道に迷ってしまったみたいなんです!それも、まるでループするかのように同じ所をぐるぐると…!」

 

氷室『何…?』

 

明久「それに、白いくねくねしたような物に何回も追いかけられました!もしかしたら、氷室さんが言っていた怪異かも!」

 

氷室『一先ず落ち着いてくれ!…少し状況を整理する。』

 

それから少しの間、氷室さんは黙り込んでしまう。僕はその間がとても長く感じられた。

 

氷室『分かった。いいか、明久君?君達が何処に居て電話を掛けてるかは知らないが、そこから動くのは危険だ。今すぐそちらに向かうから、君達の居る場所を教えてくれ。』

 

明久「僕達が居るのは、警察署からずっと東に行った所で案山子がいっぱいある畑道です!その近くの家から電話をお借りしてます!」

 

氷室『分かった。今からそっちに行くから…』

 

氷室さんが言い終わる寸前、僕達の目の前に白い奴が現れた。僕は思わず受話器を投げ捨て、美琴ちゃんの手を引き走り出す。受話器からは氷室さんの声が聞こえた気がしたが、今はそれどころでは無かった。

 

明久「くそっ、まさか屋内にまで現れるなんて…!」

 

美琴「明久君!とりあえず神社に行こう!きっとおじいさんが何とかしてくれるよ!」

 

明久「…そうだね!」

 

僕達は希望を抱いて、おじいさんの居る神社へと向かった。

 

 

〜明久side out〜

 

 

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