今回は新章突入前の少しの平和です
明久「最近ゆっくり実況とホラゲばっかりだよね、作者」
美琴「書く時間も取らないで見てばかり…」
………グスン
少しの休息
〜明久side〜
明久「う、うぅん…」
暖かい日差しを感じて起き上がる
どうやら眠っていたらしい
?「お、気がついたな」
声のした方を見ると知らない男の人がいた
美琴「……ここは?」
美琴ちゃんも気がついたらしく、男の人に質問する
…って、よくよく考えたら僕と美琴ちゃん同じベッドで寝てたんじゃん!
?「ここか?ここは菊川警察署だ。君達の友人から通報があってね。駆けつけたら、君達が倒れてたからここまで連れてきたんだ」
友人?
…まさか!
明久「由佳ちゃん、ですか?」
?「ああ。かなり重傷だったが簡易的な応急処置がされていたからか、命に別状はない。今は病院で手当てを受けている筈だ」
美琴「…良かった」
美琴ちゃんは安堵の溜息を吐く
僕も、由佳ちゃんが助かっていてホッとした
等「…自己紹介がまだだったな。俺は菊川警察署勤務の警部補、氷室等(ひむろ ひとし)だ。よろしくな」
明久「吉井明久です。よろしくお願いします」
美琴「…姫野美琴です」
お互いに自己紹介が終わると、氷室さんは真剣な表情に変わる
等「君達には聞きたいことがある。差し支えがなければ今回の事件について教えて欲しい」
明久「それは…」
美琴「………」
僕達は言うべきか迷った
はたから見れば、あんな事誰も信じないからだ
等「…安心してほしい。こういう事件だから俺が担当になっているんだ」
明久「…どういう事ですか?」
等「由佳くんから聞いたんだ。『ひとりかくれんぼ』を遊び半分でやったらとんでもない事になった、とね」
美琴「…由佳が、『ひとりかくれんぼ』を……」
僕達は言葉を失う
あの恐ろしい出来事が由佳ちゃんによって引き起こされたのだから
等「君達が巻き込まれたのは彼女の責任だ。……だが、
許してやってくれ。彼女は今回の事件を一生後悔する事になる。その時、友人である君達まで見離してしまったら……分かるね?」
美琴「はい…」
明久「絶対見離しません」
僕達は氷室さんの言葉に、力強く頷いた
美琴「でも、どうして信じてくれたんですか?こんなの…普通だったら誰も信じない。警察の人なら、尚更…」
すると、氷室さんは僕達に背を向ける
等「神代家のご主人が、あり得ない状態で家を徘徊。皿の上には彼の生首。風呂場には長男の切断死体。庭にはご婦人が腹を刺された状態で転落死。これだけ見せられたらな…君達を疑う理由は何もない」
僕達は無我夢中だったから気づかなかったのだろう
まさか、おじさんの死体がそんな事になっていたなんて…
等「俺の仕事は、証人と事件の確認だけだ。…もう家に帰っていいよ。あとは全てこっちで処理する。こんな事、世間に公表出来る訳がない…署内は大騒ぎだ。こう言っちゃ悪いが……君達が襲われた人形とやらも現実離れし過ぎていて誰も納得しないし、上辺だけ見ると君達が容疑者なんだ」
明久「っ!」
美琴「そんな…」
等「無茶を言っているのは分かる。だが、君達は今まで通りの生活に戻るんだ。俺が一人で来たのも、ことを穏便に済ませる為なんだ」
僕達は黙って聞くしかなかった
等「こういった怪異事件は、静かにゆっくり時間をかけて世間に忘れさせるのが一番なんだ。……なに、心配はいらない。こういう事例は稀だが、君達が初めてではない」
美琴「私達以外にも…?」
等「……まぁね。ただ、これだけの死亡者を出したのは初めてだ」
明久「………」
等「とは言っても、暫くは監視の目が付くかもしれない。警察内部には頭の固い連中も居るからな。…念の為俺の連絡先を渡しておく。何かあったらここにかけてくれ」
そう言って氷室さんは僕達に一枚のメモを渡した
等「……もしかしたら近い内、君達を呼ぶことがあるかもしれない。怪異事件に敏感な男がいてね。詳しい話はそいつにしてやってくれ」
氷室さんはそう言うと、部屋から出ていった
〜明久side out〜
〜等side〜
二人が居る部屋から退出した俺の前に、見知った顔が立ち塞がった
?「…よう!」
等「……そういえば怪異に敏感な男がもう一人居たんだったな」
?「…はぁ?いきなり何言ってんだ?まぁ、そんな事より例の二人の様子はどうだい?」
怪訝そうな顔をして俺をみる
いつもいつも、どこから聞きつけるんだか…
等「相変わらず情報が早いな…剛。ま、これといって目立った外傷はない。明日から普通の生活に戻れるさ」
剛「……やっぱり怪異か。丁度良い!なら俺っちも話を聞かせてもらうとするかね!」
そう言って意気揚々と二人の部屋に向かおうとする
…全く、こいつは
等「……軽率だぞ。いくら取材とはいえ、怪異に巻き込まれた二人だ。暫くそっとしといてやれ」
剛「大丈夫だってばよう!どうせ俺っちのイカれた怪奇特集なんて誰も見向きしねえって!」
そう言って笑う剛
俺が言ってるのはそういう事じゃないんだがな…
等「……程々にしとけよ」
俺はそう言って自分の仕事場に向かおうとした
剛「……今日の『あ◯イチ』見たか?あの司会者、『加賀はオカルト路線に走りすぎて世間を困惑させている』…だとよう!お前も知ってんだろ…?俺っちが未解決事件の真相を幾つも記事にしてる事くらいよう!」
そう叫び、訴える
まあ、気持ちは分からなくもない…が
等「その記事が書けるのは誰のおかげだ?ま、お前の働きは認めているが…今回はコトが大き過ぎる。それに二人はこれから心のケアが必要になるかもしれないんだ。…自分の事ばかり考えるな」
剛「……しゃあねぇなぁ」
渋々といった顔で引き下がる剛
ガチャッ…バタンッ
扉が開いたと思うと、先程の二人が出て来た
等「……もう平気なのか?」
美琴「…はい」
明久「大丈夫です」
それを聞いて俺はホッとした
剛に目をやると、二人に詰め寄っていた
剛「おおっ!君達が怪異に巻き込まれた二人かい!?こりゃあ……中々の美男美女だ!取材の後一枚良いかい!?」
ガシッ!
等「……おい、剛。俺の言っている意味が解らなかったのか?お前、今日から出入り禁止にするぞ」
ギリギリッ
剛「イデデデッ!それだけは勘弁してくれ!」
剛が騒ぎ出したので解放する
美琴「……あの、氷室さん。私達に合わせたい人ってもしかして……」
等「いや、こいつじゃないよ。……すまないな、二人とも。気を悪くしないでくれ」
明久「…は、はぁ……」
剛「新聞記者の加賀剛(かが つよし)だ!よろしくな!」
美琴「………」
等「二人とも、ご存知の通りこんな物騒な世の中だ。良かったら最寄りの駅まで送ってあげよう」
剛「おいおい、物騒ってのは俺の事か?冗談キツイぜ」
美琴「…大丈夫です」
明久「あ、美琴ちゃん!……お世話になりました」
二人はそう言って立ち去った
等「……お前の所為だぞ、剛」
剛「……すまねぇ」
〜等side out〜