ボロボロのドアに手を掛け、扉を開ける。開けた先には忍者のような格好のヒーロー、世間体ではエッジショットと呼ばれるトップヒーローが立っていた。
そして部屋奥、死柄木達がいる所から轟音が発生した。どうやら彼等ヒーロー達は何らかの方法で敵連合の居場所を特定したようだ。
...そして私は運がいい。こいつは...
「...未来ちゃん、なのか...?」
「そうです、お久しぶりですね伸也さん。」
こいつは私の母の
「何故君がこんな所に!?と言うか今までどこにいたんだ!!」
「ああ、親切な方に拾われまして...それで今まで何不自由無く住まわせて頂いたんですよ。後、何故こんな所にいるのかと言うとですね...」
咄嗟の嘘を言ってやろうと思ったが、コイツは以前の私を知っている存在だ。しかも身近にいたから簡単な嘘は直にばれてしまう。
ならばどうするのが正解か。
...簡単だ、永遠に黙らせればいい。
「...ちょっと、こっちに来ていただけませんか?やっぱりその...私個人の問題なのであまり他人に知られたくなくて...」
そう言って彼の手をとって奥に入ろうとしたが、彼はそのまま動かない。
それどころか私が握った手を引っ張り出して引き寄せたのだ。
(ち、近...)
もはや唇が当たるか当たらないかの距離まで引き寄せられて、少し緊張してしまう。いつもは逆の立ち位置なのだが...私も女なんだなと思わされる。
「君は何かを隠している。そうだね。しかもとても重要そうな事を。」
...萎えた。もっとロマンチックな事言えよ。ここまでして聞く事かそれ。まあ隠し事しかないですけど。
「...隠してると言えば、どうしますか。」
「総員!構えろ!!」
彼の後ろにいた武装隊が私と彼を囲んで銃を構える。そしてその隊の奥から刑事のような男が歩いてきた
「...詳しく話してもらえるかい。」
「それは武装隊を使ってまですることですか。しかも私は“かもしれない”としか言ってないですからね」
「そうだ。君はこの時間、この場所敵連合の本拠地の建物から出てきたと言うだけでも十分敵連合に関与している可能性がある。所まで同行願うよ。」
...ムカつく奴だな。こういう奴が社会の上位に位置するから穢れたんだ。この社会は。
「だがとりあえず個性確認をさせてもらうよ。
刑事がそう言うと後ろの方から警官が一人出てきた。冴えない顔をしている新米って感じだ。
「...はい......来ましたけど。」
「一応説明しておくよ、彼の個性“露呈”で君の個性、出生、その他もろもろを一気にここで解明させてもらうからね。」
不味い!!それは!!!今まで隠し通してきた事柄全てがこの冴えない奴の手によって明かされてしまうのか!?
―やらせるか
「
私を中心に巨大な黒い津波が生み出され周りを襲う。この技は私の技の中でも最低コストかつ多くの敵を殺せるので重宝している。
瞬く間に津波が周りを黒く染め上げた...
「フゥ...」
その場所は炎のドームに覆われており、やがてその炎が解かれる。その中には大勢の武装隊とヒーローが構えていて、この炎を作り出したであろう男が一歩前へ出た。
「...蒸発させたのか...さすがはNO.2。」
「これぐらい造作もない。」
...分が悪いな。エンデヴァーにエッジショット、よく見れば相性最悪なシロクモまでいる...
「...お前等は、どんな正義を掲げてる。」
時間を稼ごうと言葉を投げかけたが、無視。エンデヴァーに至ってはそのまま個性の勢いで突進してきた。
両腕に黒を纏い、それを受け止める。
「ヒーローなら私の、“黒き災厄”の個性ぐらい十分理解している筈だ。」
「......ああ、だが今さっきのでその個性の弱点は理解した。」
そう言うと同時に彼の体は私を覆いつくさんと燃え上がった。私も危機を察知し、全身を黒く染め上げる。
...が、徐々に周りの熱気により私の黒が蒸発を始めた。触れたもの全てを殺す黒であろうと殺しきるにはその対象と同じ体積かそれ以上の体積量の黒を生成しなければならない。熱気なんて不特定なものを殺すなんて事実上不可能。
「...やるじゃないか、私の個性の短所にさっきの技で気づくなんて」
「仕留める、“プロミネンスバーン”ッッ!!!」
エンデヴァーが大の字になり、超至近距離でその高温度の業炎を私に放射する。
最も彼の体に近かった私の右手はあっという間に灰と化し、命の危険を察知した私は、
「―“
黒しか出せないなら、黒を極めればいい。その考えにたどり着いたのは一年前。そしてこの状態を初めて使ったのは母を、両親を殺したあの日。
自らの精神力を削る代わりに何者にも負けない...
―至高ノ...イロヲミセテやル
体の奥底から全ての臓器、血液、細胞の色を統一させる。爪先、結膜、口内どころか下の先までもが細胞レベルで黒く染まりあがる。それだけなら精神力を削るほどでもないが、そこまでして得た力は...ほら、目に見える。
「なっ!!」
炎が、現象が黒く染まり、
プロミネンスバーンは私に触れている部分から徐々に黒炎と化し、その支配を広げていき、やがて発現元であるエンデヴァーに近づいて行った。
「―オわリダ。」
「...くっ。」
あと一歩という所でエンデヴァーは炎を解除し、後ずさりした。が、黒炎は消えず、私の周りを舞う。
「...キサまラハ、わタシヲ“アク”とキメつケるが、ソモそモ“セイギ”のテイギトハナんダ」
エンデヴァーを含む目の前に立つ者たちを睨み付け、言う。
「“
「“灼熱熱拳ヘルスパイダー”ァ!!」
威圧を掛けたつもりだったが二名のヒーローが個性を発動して一歩前に出る。ヘルスパイダー、雲両方とも黒炎で打ち消してやる。
そして雷雲を使ってきた“モクモクヒーロー・シロクモ”が私を睨み返す。
「...お前達のような世間を、平和を脅かす敵から、皆の!子供達の笑顔を守る!!それが俺の“正義”であって、生涯掲げるスローガンのような物だ!!」
「オールマイトを超える。ただそれだけだ。」
「....イイナ、ダガ、オマエラガカカゲルニはオオキスギダ。」
左手の一指し指をクイッと上に上げる。
「“
それらが二人目掛けて飛び掛るが、シロクモは自らが生み出した雲で身を守り、エンデヴァーは先程と同じように蒸発させた。
「ワタシハ、イチドセカイヲオオキクツクリカエル。ダカラオマエラ二はソノタメノギセイ二ナってモラウ。」
「必ず捕らえる!皆の為に!!」
「お前こそ、オールマイトを超える為の糧となれ。」
戦いは、佳境へと―
暴坂恭一
年齢:24歳
身長:178cm
好物:ラーメン
何かハッキリとしない顔立ちで面倒くさがりの新米刑事。その個性の有用さから採用された。
個性:“露呈”
目を合わせたモノの出生、育ち、心境、身長等を瞬時に理解出来る。
ただし一度使用すると三時間のクールダウンが必要。
モクモクヒーローシロクモ:
年齢:26歳
元雄英生。身長:168cm、
白髪の天パ、
好物:わたあめ、うどん、オムライス
人一倍正義感が強く、大の子供好き。ただ自分の身長が平均身長を下回っていることに関して少し不満を持っている。
個性:雲
自分が雲に変化、また手のひらから生み出す事が可能。生み出した雲は普通の雲よりも外部から水分を吸収しやすく、その特性で絵の具に含まれる水分を吸収するという荒業で主人公の攻撃を防いだ。
また、雨雲や雷雲を生み出せるのでそれを攻撃に転用したり、一対一なら周りを生成した雲で辺りを覆い一時的な蜃気楼状態を作り出し、相手の視界を奪った中で戦うといった戦法で戦う。
色村未来:“黒き災厄”
身長:165cm
好物:菓子パン、おにぎり
トップヒーローの両親から生まれた子。その個性の強さに幼い頃から虐待じみた訓練を受け、精神崩壊。明るい未来を、と言う意味でつけられた名前は皮肉に変わってしまった。
個性:“
体から様々な色の絵の具を生み出し、自由自在に操る事が出来る。その絵の具は色によって様々な効果を発揮し、現在詳細が判明しているのは死の色“黒”のみ。“白”も作中で登場しているが、詳細は不明。そしてモノの本来の色と同じ色の絵の具でそのモノに付着させると、そのモノの意思関係なく自らが支配権を得、自由自在に操れる。尚、一度自らの絵の具で対象を染めたあと、もう一度絵の具を付着させる事でもそのモノの支配権を得る事は可能である。
“
使用者の精神を削る事で色に付与されている効果を極限まで引き出した状態。
全ての効果がワンランク上がり、死の効果は触れた面積を無視して対象を葬り、支配能力は一度放出した色はもう一度同じ色の絵の具を付けなくても操る事が出来る。モノに対する支配は通常時と同様、同じ色の絵の具をそのモノに付着させるか、一度染め上げた物にもう一度同じ色を付着させるかのどちらかの過程を達成しなければならない。
オリキャラはこれからも何名か登場する予定です。モブ枠も含まれます。