こっちあっち…いや逆だ?!×名探偵コナン~新マリオネット行進曲~ 作:Dr.クロ
少しして特別展示場に着いたつみき達は広さに声を漏らす。
蘭「わあ、ここが特別展示会場だね」
つみき「…かなり広いわね」
周囲を見渡してから円形に広がる空間に中央にポツンと厳重に置かれてる宝石を見る。
正邪「あの青い宝石が紺碧の大洋か」
園子「ええそうよ。王国の国宝なんだって」
よく見てみよう、と近づくと台座に大きなサファイアが置かれている。
蘭「綺麗なサファイア…」
咲「こんなに大きなの初めて見たわ」
その輝きに蘭と咲は声を漏らす。
園子「大きくて素敵よねぇ。わたしもこんな宝石がほしいなー!」
つみき「……流石に国宝は駄目でしょ;」
うっとりする園子につみきはツッコミを入れる。
正邪「国宝だから警備も厳重だな」
園子「そりゃこんなに大きいサファイアだもの。警備員さんもよっぽどの泥棒じゃないと盗めないわ」
蘭「例えば?」
それは勿論と園子は笑う。
園子「怪盗キッド様よ」
正邪「あー…あいつか…」
呆れた顔をする正邪にそりゃあそうでしょと園子は返す。
これで彼氏持ちなのに、ミーハーだよなと正邪は思いながら周りを見る。
正邪「確かに大きな宝石だし、あいつなら狙いそうだな」
園子「でしょ?キッド様ならこんな警備朝飯前よきっと!」
咲「あはは、それにしてもここの内装って宮殿みたいよね」
誇らしげに言う園子に咲は苦笑してから内装について触れる。
園子「あのアーチの向こうが窓になってるの。いつもならセントラルタワーが見えるんだけど今日は幕で覆われているみたい。今夜のパーティーの準備のためかしら?」
蘭「セントラルタワーが見られないのは残念だけどノースリーフの方は見えそうだね」
つみき「……そうね」
笑って言う蘭だがつみきは少し引っ掛かった。
つみき「(なんでセントラルタワーの方だけ幕があるのかしら…)」
もしも全体的に演出したいのなら一方向にではなく、他の所にも幕があって良い筈だ。
その事でつみきがんん?と考えてる間に蘭はシャンデリアを見ていた。
蘭「あのシャンデリラもゴージャスね」
咲「大きいわね…人が乗っかれそうだわ」
園子「きらきらして綺麗…」
各々に述べていると蘭はふと、困った様子の老婦人に気づく。
蘭「あれ……?あの人は……」
つみき「……?どうしたの…」
どしたの?と蘭のに気づいて園子と咲、正邪も彼女が見てる方へと顔を向ける。
蘭「あのおばあさん、どうしたんだろう?」
咲「カバンの中を見たり、きょろきょろしたりして困ってるみたいね」
正邪「どうする?話かけてみるか?」
確認する正邪にうんと頷いて蘭は近寄り、つみき達も続く。
蘭「おばあさん、どうかしたんですか?」
つみき「……何か困っているみたいだけど」
老婦人「あら、ごめんなさい。携帯がなくなっちゃったみたいなの」
話しかけた蘭達に老婦人は困った様子で返す。
園子「えぇ、大変じゃないですか。落とし物センターに伝えなくちゃ…!」
咲「伝える前にもう一度みんなで探してみるのはどう?」
正邪「もしかしたら近くにあるかもしれねぇしな」
例えば見落としてるとか、と正邪は老婦人のカバンを見る。
老婦人「ええ…でも最近、近いところがよく見えなくて…お嬢さん。カバンの中を見てくれるかしら」
つみき「……わかったわ」
お願いされてカバンの中身を見たつみきはあったわ、と目的の携帯を取り出す。
老婦人「ああ!そうだわ!ありがとう…私ったらつい見逃していたのね」
蘭「良かったです!無事見つかって」
咲「探していたのは誰かと連絡したかったんですか?」
恥ずかしそうにしていた老婦人は咲の問いに首を横に振る。
老婦人「ノースリーフの屋上に変なものが見えるから、携帯で写真を撮ろうと思っていたの」
咲「変なもの?」
気になったので老婦人が指す方を見ると、確かに屋上に不自然な機械が見えた。
正邪「なんだありゃ?脚立や貯水タンクならともかく、なんで屋上にあんな機械があるんだ?」
園子「遠くてよく見えないけどビルの屋上にある感じの物じゃないわね…」
つみき「……なにかしら?」
首を傾げるつみき達に老婦人がチラッと係員を見てから言う。
老婦人「気になって、さっき係の人に聞いたらクローバーヒルズを建設した会社の社長さんが今日のセレモニーのために設置したものなんですって」
蘭「…森山社長が?」
出て来た名前に園子を除いて驚く。
正邪「(なあ、どう思うつみき)」
つみき「(…変ね。森山社長、これまでので知る限りの行動から考えると、そう言うのをするのに余裕がなかった筈……)」
んん?と疑問に思っていると老婦人が気になる事を言う。
老婦人「友達にメールして聞いてみようと思ったんだけど携帯が繋がらなくてできなかったの」
つみき「……携帯が?」
蘭「そう言えばわたしも電波立ってない」
園子「私もだ…。高い場所だからかな?」
咲「そう言えば高い場所だと電波入りにくいって言うわね(でもここでそれはおかしくないかしら…?)」
同じ様に確認してあとなる蘭と園子だが咲は違和感を持つ。
普通、会社のある建物などは電波が届き難い高層でもちゃんと電波が届く様にフェムトセル(小型基地局)などが設置されている。
だから電波が立っていないと言う状況はおかしいのだ。
蘭「うーん。セントラルタワーって電波塔の筈よね?」
正邪「電波塔…あーそう言えばそうだったな」
思い出して聞く蘭に正邪も時間を潰してる間に調べた事でそうだなと呟く。
咲「あら?なんか騒がしくなってない?」
ふと、周りが騒がしくなっているのに咲が気づき、なんだろうと思う前に園子がその原因に気づいてはしゃぐ。
園子「あ……っ!フェルナンド王子よ!」
つみき「……さっきの人ね」
正邪「紺碧の大洋の傍に立って話でもするつもりか?」
機械の事を頭から蹴り飛ばしてきゃあきゃあとはしゃぐ園子につみきと正邪は人だかりを見て呟く。
園子「わたし達も行ってみましょうよ」
蘭「うん!おばあさん、失礼しますね」
老婦人「ええ…どうもありがとう。お嬢さんたち」
老婦人と別れつつ、正邪は先ほどの機械のを考える。
正邪「(あの機械…なんか嫌な予感がするな…。真実カードにしておくか一応)」
そう考えて『ノースリーフの屋上』と名を付けて真実カードにしてからつみき達の後に続く。
丁度フェルナンドが展示されている紺碧の大洋について解説してる所であった。
フェルナンド「こちらにある紺碧の大洋は我が国の国宝になります。16世紀にルウェノ王朝の始祖が首都を建築する際に発掘されたもので世界屈指の最高級サファイアとして有名です」
解説するフェルナンドに園子はうっとりさせる。
園子「はあ…、やっぱりいい男ねぇ。金髪碧眼の美形の王子様なんて文句の付け所がないわ!」
つみき「うっとりしてるわね園子」
咲「ホントイケメンに目がないわね;」
そんな園子の様子につみき達は呆れる。
フェルナンド「それでは我が父、ルウェノ公国国王……ベルトルド2世より賜った手紙を読ませていただきます」
そう前置きして取り出した手紙を読もうとし……フェルナンドは目を見開いた。
咲「ん…?どうかしたのかしら」
つみき「何かに驚いているようだけど…」
そんなフェルナンドに観客達は訝しむ中でヤンソンが話しかける。
ヤンソン「殿下、どうなさいました?」
フェルナンド「こ、これは…父上の手紙ではない…!」
告げられた言葉になんと!?とヤンソンが驚いている間にフェルナンドは内容を読み上げる。
フェルナンド「…『ルウェノ公国フェルナンド王子へ。今夜の一周年記念パーティーにおいて、紺碧の大洋を頂戴いたします。怪盗キッド』……!!」
園子「か……」
蘭「怪盗キッド…!?」
正邪「(やっぱり来てやがったのか。こういう演出好きだなアイツ…)」
出て来た名に観客はざわめきだす。
つみき「…ほんとに盗みに来るとは…」
咲「噂をすれば影ってこのことかしら」
正邪「なんでこんな時にな……」
困った顔をする中でヤンソンがフェルナンドに怪盗キッドが何者かを説明してから進言していた。
ヤンソン「殿下、すぐに警察に手配を、そして紺碧の大洋の展示もすぐに取りやめた方が……」
フェルナンド「……いや、展示は取りやめない。このまま続ける」
中止を進言するヤンソンに対し、フェルナンドは続けると宣言する。
なんですと!?と出てきた言葉にヤンソンが目を見開く。
フェルナンド「ルウェノ公国の王子たる私がつまらない盗人に屈するわけにはいかない。私は国の名誉を背負って、ここに立っているのだからな!」
咲「(へ~、なかなかプライド高いこと言うじゃない。あの王子様)」
強く語るフェルナンドに咲は心の中で述べる。
フェルナンド「怪盗キッドとやら……我が紺碧の大洋を奪えるものなら奪ってみるといい!」
正邪「(大変なことになったなこりゃ…)」
宣戦布告するフェルナンドにめんどくさい状況にならないでくれよと正邪は願う。
園子「次郎吉おじさまみたいなこと言ってる。それにしても私どうしよう……」
蘭「何か困ってることがあるの?」
つみき「……まさか、どっちを応援したらいいって悩んでるわけじゃないわよね?」
ジト目で見るつみきにバレちったと園子はてへぺろする。
正邪「お前なぁ…」
園子「だって美貌の王子様と、愛しのキッド様。どちらかなんて選べないじゃない!」
いやんいやんと首を振る園子につみきと正邪は呆れる。
するとヤンソンと話していたフェルナンドからヤンソンが離れた後にフェルナンドは観客に向けてニコリと微笑む。
フェルナンド「……皆さん、お騒がせしてしまったことをお許しください。紺碧の大洋の展示は引き続き行います!世界的な怪盗にも見初められた我が国の至宝の輝きをどうぞ、心行くまでお楽しみください!」
謝罪からの一礼したフェルナンドに観客は拍手を送る。
蘭「怪盗キッドからの予告状なんて、王子様、大変なことになったね……」
園子「もしかして、キッド様……すでに変装して近くに潜んでいたりして……」
正邪「だろうな。手紙をすり替えるにはそうしないといけないだろうし」
ホント、タイミングが悪いと正邪は心の中で愚痴る。
☆
13:30
榊は姫と佳奈と針妙丸に橙と共に少年探偵団と共に非常階段にいた。
元太「さーて!事件も解決した事だし、飯も食った!!空飛ぶ怪人探しに戻るぞー!」
榊「空飛ぶ怪人?」
出て来た単語に興味で付いて来た榊は首を傾げる。
歩美「うん。歩美たち、その噂の真実を確かめに来たの!」
佳奈「へー、そんな噂があったんだ」
針妙丸「そう言われるなんだか気になってワクワクするね!」
光彦「ですよねー!楽しみですね灰原さん!」
話を聞いてワクワクする2人に頷いてから光彦は灰原に話を振る。
灰原「そうね……だけど私達が無断で使用しているのは高級マンションの非常階段。あまり大声ではりきりすぎると管理人につまみ出されるわよ」
姫「そうですね。探すとしても迷惑にならない様できるだけ静かにした方がいいですね」
橙「だね~気を付けないと」
注意する灰原に姫と橙も同意する。
元太「…!そうだな!」
歩美「静かにしなきゃね」
榊「特に元太は気を付けた方が良いだろうな。結構声が大きいしな」
ええ……と元太は榊のにジト目になる。
元太「そんなに声大きくねぇよ」
針妙丸「けど、待てなくてついつい大きくなっちゃうよね?」
反論した元太に対し針妙丸が指摘した事に歩美と光彦はうんうんと頷く。
光彦「探偵たる者、隠密行動を心掛けねば…ですね!」
佳奈「うんうん」
それでは早速静かに調べようとした時……
ーアンアンー
元太「…ん?」
榊「ん?」
すると一同の耳に鳴き声が耳に入る。
元太「静かにしてみたら犬の鳴き声が聞こえてきたぞ…」
姫「どこから聞こえるんでしょうか……」
誰もが疑問に思っていると光彦と榊が気づく。
光彦「待ってください。足音も聞こえますよ…。何人か…三人以上いるみたいですね」
榊「……なに?」
音から判断する光彦に榊は静かにしとけと注意して耳を澄ませる。
榊「(この声……話しているのは男性か…?)」
しかも複数かと榊は推測する。
ただ、どういう会話をしているかは分からない。
橙「なに話しているかは聞こえないね~」
元太「どうする?近づいてみるか?」
光彦「いえ、それは危険な気がしますし、ここは犬の鳴き声の方を調べてみません?」
確認する元太に光彦は否定してから提案する。
灰原「そうね。たださっきの声がちょっと気になるから江戸川君に連絡しておくわ」
佳奈「お、その探偵バッジで教えるんだね」
ええと返してから灰原は早速通話する為に探偵バッジの通話機能をオンにする。
少しして灰原は眉を顰める。
歩美「?どうしたの哀ちゃん」
灰原「江戸川君とつながらないの……おかしいわね」
その言葉に歩美達もそれぞれの探偵バッジを取り出して連絡しようとする。
歩美「あれ?こっちも繋がらないや」
姫「こっちも携帯が圏外になってますね…」
どうしたんだろうかと誰もが顔を見合わせる。
携帯はともかく、探偵バッジは同じもの同士ので繋がり合うから通信範囲外に行かなければ繋がる筈である。
榊があ……となる。
榊「もしかしてだけど、着替えてバッジを別の場所に置かれてんじゃね?」
佳奈「あーー……」
その言葉に誰もが納得する。
針妙丸「だから繋がらないんだね」
橙「じゃあどうやってコナン君に伝えるの?」
誰もが唸るが元太がぶった切る。
元太「まあいっか!今は犬の鳴き声を調べに行こうぜ!コナンには怪人の正体がわかった後、報告してやろう!」
榊「してやろうって……;」
行こうぜと促す元太に哀が待ったをかける。
哀「待ちなさい。さっきから様子がおかしいわ」
橙「そうだよね。好奇心は大切だけど過剰なものは猫だって殺しちゃうんだからね」
続く橙のにけどよぉ……と元太は唇を尖らせる。
そんな2人へと榊は小声で話しかける。
榊「なあ、このまま調査させた方がいいんじゃねぇか?もしもの時は俺たちが守るからよ」
哀「確かにあなたたちなら対処はできそうだけど……ほんとに大丈夫?」
橙「逆に考えよう。複数の足音よりも犬の方が対処しやすいと」
そう言われて哀は確かにと頷きかける。
哀「…わかったわ。けど慎重にね」
歩美「うん!」
そう注意する哀に歩美は頷く。
榊「お前らも気を付けろよ?」
元太&光彦「はーい」
榊の注意に元気に返事をしてから犬の鳴き声がした方へと歩き出す。
☆
歩美「どこに犬がいるのかなあ?こっちの方から聞こえてきたけど…」
姫「いませんね…」
見渡しながら探していると一同の耳に犬の鳴き声が入る。
元太「あ、聞こえた!」
佳奈「あっちからだ…」
パシャ!
???「激写!!」
声の方を向いた瞬間、フラッシュに誰もが目を瞑る。
歩美「まぶしい!?」
姫「はぅ!?」
???「賢太郎、行け!アイツらがマスクしてないか、ぺろぺろしてチェックしろ!」
目を瞑ったメンバーの耳にそんな声が入って来る。
哀「きゃっ!?」
榊「うおっと」
走って来る音に榊は咄嗟に哀に向かって来たのを抱き抱える。
そして目を開けて視認にしたのを見て呟く。
榊「こいつは……犬?」
姫「白いワンちゃんですね」
榊の手にいる犬に誰もが興味深くする。
光彦「見た目的にサモエド……ですかね?」
佳奈「飼い主は……あの子かな?」
ホント何事と思いながら榊の手の中にいる犬の飼い主であろう少年を見ながら誰もが思うのであった。
橙「次回『記者の卵との出会い』です!」