こっちあっち…いや逆だ?!×名探偵コナン~新マリオネット行進曲~   作:Dr.クロ

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探偵達が手掛かりを探す一方、少女たちもまた手がかりを探して行動する。



DETECTIVE.Ⅶ~少女たちの情報収集~

時間を少し戻し、10:45分

 

蘭たちは珊瑚の夢の上部にいて、コナンが小五郎によって行けなかった所へと向かう所であった。

 

蘭「……えい!」

 

まず蘭が最初に行き、次に和葉、つみき、咲の順で渡る。

 

和葉「…ふう、しっかし、こうやってジャンプして渡るって面倒やなー…」

 

咲「確かにそうよね。なんか木の板とかあったら便利なんだけど」

 

つみき「…そうね」

 

振り返ってぼやく和葉のに咲も同意してそう呟き、つみきも頷く。

 

蘭「でも、咲ちゃんの言う様に木の板がないとあの人には犯行は無理だよね…」

 

そう言われて和葉は真実カードの中にあった矢口のを思い出す。

 

和葉「そう言えば、矢口さんは足が不自由で、ゆっくり歩く事が出来るけど…」

 

つみき「ジャンプとかはできなかったわね…」

 

咲「それじゃあ矢口さんは此処を渡ることができないから犯行は無理かしらね…」

 

それに4人はうーんと唸った後に蘭は渡った先にある物置を見る。

 

蘭「でも、ジャンプしないと来られない場所にどうして物置があるんだろう?」

 

つみき「確かにおかしいわね…ちょっと聞いてみる?」

 

和葉「誰に聞くん…って物置の中に人がいたらって事なんつみきちゃん?」

 

首を傾げる蘭につみきはそう提案して、和葉はそう聞き返す。

 

つみき「…それでも良いし、スタッフさんとかにでも聞いたら分かるかもしれないじゃない」

 

咲「ああ、確かにそうね」

 

誰もが納得した後に早速入って物置の中を見る。

 

すると原田がいた。

 

和葉「あ、原田さんや」

 

咲「此処で何しているのかしら?」

 

つみき「…ちょうどいいわ。この物置の事聞いてみましょ」

 

蘭「そうだね。すいません、原田さん…」

 

折角なので物置の事を聞こうと蘭が代表で話しかける。

 

原田「ああ、どうしたんだい?かわいい子が4人も揃って…」

 

蘭「ええっと……」

 

つみき「…この物置の事を聞きたいんだけど」

 

気づいて問う原田に何を聞こうか悩んだ蘭に変わってつみきは聞く。

 

原田「この物置についてですか?」

 

咲「ええ。『珊瑚の夢』の作りからして此処に物置があるのは不便じゃないでしょうか?出入口から此処に来るために必ずあの岩場の間を飛び越えなきゃいけないなんて」

 

そう言われて原田はああとなる。

 

原田「一応、バックヤードにひとつだけ渡し板があるね…珊瑚の夢を担当してる倉元くんは作業中はそれを利用しているみたいだよ」

 

つみき「渡し板があるのね…」

 

それなら足が不自由でも誰でも渡れるようになるなと4人は思った。

 

原田「それに見ての通り、今はこの場所、物置としては使っていないしね…?」

 

蘭「あっ、その話…聞いたことがあります」

 

和葉「なんや自殺騒ぎがあったから、とか……」

 

そう言われて物があんまりないのに気づいた後に蘭と和葉が思い出して言うとその通りと原田は頷く。

 

原田「小沢くんが以前に付き合っていた女性が、ここで首を吊って自殺してるんだよ…」

 

咲「小沢さんの…!?」

 

つみき「…それってどういう事?」

 

聞いた話にはなかったのに4人は驚く中で原田は考えるそぶりを見せた後に語り出す。

 

原田「毛利探偵には少し話したんだけどね…小沢くんと付き合っていたその女性は森山社長に熱心に口説かれていて小沢くんから社長に乗り換えたんだ」

 

でも…と原田は言葉を切ると顔を顰めてから続ける。

 

原田「社長はプレイボーイだからね……しばらくすると彼女に別れを告げて新しい恋人を作ったんだ。それに絶望したその女性は此処で自殺したんだよ…」

 

つみき「…酷い話ね」

 

それには蘭と和葉は悲しい顔をし、つみきと咲は顔を顰める。

 

同じ同姓だからこそ同情できるのだ。

 

蘭「そんな事があったのなら…」

 

咲「小沢さんには動機があるわね…」

 

誰もが悲しい顔をする中で蘭は新たな手掛かりが手に入ったのもあるので原田に礼を言う。

 

蘭「ありがとうございました、原田さん…また何かあったら…お話しを聞かせてくださいね」

 

原田「…ああ、何時でも構わない」

 

それを後に4人は珊瑚の夢を後にした。

 

エグゼクティブフロアを歩く中で蘭は顔をうつむいていた。

 

和葉「蘭ちゃん、大丈夫?なんや、あんまり顔色良くないで…」

 

つみき「…大丈夫?」

 

蘭「う、うん…!大丈夫だよ、ありがとう!でもこれで原田さんと小沢さんに動機がある事がわかったね」

 

声をかけられて慌てて返事をする蘭に咲も頷く。

 

咲「そうね。後は玲香さんと矢口さんだけだけど…動機、聞くの難しそうよね」

 

和葉「そやな…なかなか正面切って、『あなたは社長を殺す理由がありますか?』なんて…」

 

つみき「…普通聞けないわよね」

 

頬に指をあてて言う咲のに頷いてから言った和葉のにつみきは冷や汗を掻く。

 

蘭「私も同感!新一も服部君も、凄いなあって思うな…」

 

和葉「ホンマやな~ようし!平次のやり方思い出して頑張ったろ!」

 

つみき「そうね。頑張りましょう」

 

咲「ええ!」

 

気合を入れて4人は歩き出す。

 

 

 

 

時間が進んで10:55

 

森山コーポレーションのオフィスに来た蘭達は小五郎が矢口といるのに気づく。

 

蘭「あ、お父さん」

 

つみき「…矢口さんも居るわね」

 

和葉「あ、丁度ええし、どれ位進んどるか聞いてみようか!毛利のおっちゃ~ん!どや、調査は進んどるか?」

 

そう言って和葉は駆け寄り、3人も続く。

 

そんな4人で矢口は小五郎の視線から蘭を見る。

 

矢口「おや、毛利さんのお嬢さんでしたか…利発そうな顔をしてらっしゃる」

 

そう声をかける矢口だがつみきと咲は何やら丁度良かったとばかりに話題転換するような感じに見えた。

 

小五郎「……チッ……お前達、タイミングが悪いぞ!」

 

つみき「(…なにか話していたのかしら?)」

 

咲「(私達が来たからそれを聞くタイミングを逃しやったのかも…)」

 

蘭達には聞こえない程度に舌打ちしてぼやく様に言う小五郎のにつみきと咲は察した後に探偵の仕事を邪魔した事に変わりないので申し訳なくなる。

 

それを分かってない和葉と蘭は首を傾げる。

 

和葉「タイミング?何の事や……?まあええ、矢口さん!聞きたい事があったんやけど…」

 

矢口「なんだいお嬢さん達?私に答えられる事だと良いんだけど…」

 

そう聞く矢口に蘭が代表で聞く。

 

蘭「あの『珊瑚の夢』ですけど渡し板があれば矢口さんは物置がある方の岩場に行けるんですか?」

 

小五郎「…蘭!そんな質問するんじゃねぇ!」

 

質問のに小五郎は叱る。

 

小五郎自身、それは気になる事である。

 

だが、探偵でも確信があるまで相手の気分を害する事を質問するのは極力しない様にしてる。

 

それも障害を持つ相手には特に気を付けているので蘭の質問は見過ごせなかった。

 

蘭「ご、ごめんなさい、矢口さん…!!」

 

矢口「いや、良いんだよ。人が殺されたんだ…真実を明らかにする事の方が大事だろう…」

 

叱られた事で自分が相手の気持ちを害する事を言ったのに気づいて謝罪する蘭に矢口はやんわりと返す。

 

つみき「(……矢口さん、やさしいわね)」

 

咲「(けど、あんまり深く聞くのが難しくなるかもね)」

 

それを見て思うつみきだが、咲は困った顔をする。

 

相手を一度疑ってしまうとその相手も警戒して重要な事を得られないかもしれないからだ。

 

無論、先ほどの蘭の質問は純粋な質問だったから矢口はそこまで気分を害してないのは表面的に分かる。

 

咲は考えてる間に矢口は蘭の質問に対して答える。

 

矢口「君たちの言う通り、渡し板があれば私は行き返りする事ができるだろうね……でも私が見た限り、作業を終えた後も渡し板を出しっぱなしにするような飼育員はこの水族館には居ないだろうね…『珊瑚の夢』の岩場を往復して社長を殺すことは無理だっただろうね」

 

その話を聞いてつみきは先ほどの矢口の証言を真実カードにした。

 

小五郎「ほほぉ、成程…」

 

蘭「失礼な質問をしたのに…ありがとうございました、矢口さん!」

 

矢口「いや、良いんだよ。早く、真実に辿り着けると良いね」

 

そう言った矢口に会釈して小五郎と共につみき達はオフィスを後にした。

 

つみき「あ、あれって…」

 

咲「小沢さんね。ちょうどいいから話を聞きましょ」

 

小沢「あ、毛利さん…もう、ご用はお済みですか?」

 

エグゼクティブフロアに戻り、小沢がこちらに来るのに気づき、彼からも聞いてみようと思っていると小五郎に話しかける。

 

小五郎「ええ、小沢さんはずっとこちらに?」

 

聞き返す小五郎に小沢は頷く。

 

小沢「ちょっと常務からの連絡を受けておりまして……しかし、今日はどうも電波状態が悪いようですね…通話が何度も途切れてしまって困りましたよ…」

 

そう言われてつみき達は自分達の電波状況を見てみる。

 

咲「本当だ。アンテナが立ってないわね」

 

つみき「…私のも同じ」

 

和葉「ホンマや…アタシのケータイも圏外になっとる」

 

小五郎「電波の調子が悪いのか?こうなってみると、真実カードシステムがあって助かったなあ!オペレーターの金髪の姉ちゃんが可南子さんの依頼で作ったって言ってたが…流石可南子さん!転ばぬ先の杖、とはこのことか!なんちて…」

 

それぞれ見た後にそう言って褒め称える小五郎の言葉に小沢は不機嫌そうに顔を歪める。

 

小沢「……フン……毛利さんはずいぶん、島崎女史びいきのご様子ですが…僕は彼女の事、まったく信頼できませんね…!」

 

蘭「…どういうことですか?可南子さん、悪い人じゃないと思うんですが…」

 

吐き捨てる様に言う小沢に蘭は質問する。

 

小沢「まあ、美人ですからね…受けが良い事は認めますよ。でも僕は島崎女史の事で森山社長が頭を抱えていたのを知ってるんです…。彼女は何らかの形で今回の事件に噛んでいると僕は見ますね……記憶喪失だなんて戯言を警察も探偵も信じているようですが、僕は――」

 

小五郎「小沢さん!もう、それくらいにしといた方がいいんじゃないですか……」

 

和葉「そうや…可南子さんは事件と関係粗へんのやし証拠もない事は言わん方がええで!」

 

まくしたてる様に貯めていたであろう不満を吐き出す小沢に小五郎は宥め、和葉も少しイラっとして言う。

 

そんな和葉に対して小沢は憮然とした態度で返す。

 

小沢「僕は動機について話しているんです…無関係なんかじゃありません!」

 

つみき「…でも可南子さんには水槽の鍵を開ける事が出来なかったはずよ?」

 

ふんと鼻息を荒くする小沢につみきは指摘すると小沢はうぐと呻く。

 

小五郎「逆に聞かせてもらうが、アンタには何も動機はないのか?」

 

小沢「………」

 

続けざまに指摘する小五郎に小沢は口を閉じたがすぐさま開く。

 

小沢「でも動機があるのは私だけじゃない…!矢口さんだって独立して実家の工務店を継ぐ事を望んでいたのに…森山社長にあの手この手で邪魔されて、『殺してやりたい』とまで言ってたんですよ!」

 

咲「なんですって!?」

 

蘭「…それは、本当ですか?」

 

出て来た言葉に咲は驚き、蘭も先ほどの矢口を思い出して少し信じられないので聞く。

 

小沢「うちの会社では有名な話ですよ……さっき、警察にも色々聞かれましたからね……ちゃんと証言しておきましたよ!」

 

蘭「(矢口さんにも、動機はあったんだ…)」

 

つみき「(これで玲香さん以外の容疑者には全員動機がある事になるけど…玲香さんはどうなのかしら…)」

 

そう言って歩き去る小沢を見ながらつみきは玲香に関して考える。

 

複雑に絡み合う様々な動機…次に見つかる手がかりは…




光彦「次回!『玲香の証言』!あ、僕達は次回出番ないです」

元太「ないのかよ!?」
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