さて、前のお話から引き続き、光武帝と子陵のお話。
長い時を経て再開した光武帝と子陵は、夜が更けるまで思い出を語り合っていました。
やがて、夜が更けてきたので光武帝は言いました。
「さぁ、昔のように、床を並べて寝よう。後は、夢物語じゃ。」
それを聞いた子陵も笑って頷きました。
光武帝と子陵は、まるでかつての若い頃に戻ったかのように、床をしかせ、二人で眠りました。
ところが、眠ってまもなくのことです。
光武帝は、太った腹の上に、突然に何か重たいものが乗せられ、驚いて跳ね起きました。
見ると、隣の床から子陵が転げだし、毛むくじゃらの太い足を突き出していました。
それが、自分の腹の上に乗っていたのです。
子陵は、何か幸せそうに寝言を言っていて、眠っていました。
光武帝は思わず吹き出してしまいました。
「そうじゃった。昔のことだから忘れておった。子陵め、昔の通り、相変わらず寝相が悪いようじゃな。」
そう言って、光武帝は子陵の足を戻してやりました。
夜が明けると、天文台の役人が慌ててやってきて、こう言いました。
「至急、陛下にお目通りさせてください。」
並々ならぬ勢いに、光武帝はその話を聞くことにしました。
「昨夜、いつものように空を見ていたときのことです。帝座の星の近くに妖しい星が現れて、夜中に帝座とぶつかりそうになったのです。」
光武帝はその話を聞き、思い当たる節を見つけて笑いそうになりましたが、役人が話しているので、笑いを抑えることにしました。
役人はさらに続けました。
「これは、畏れながら陛下の御身の上に何か関わったことのおこる前触れかと存じます。どうぞ、くれぐれもご用心くださいませ。」
光武帝はついに笑い転げてしまいました。
「それは、昔の友達の子陵の足が、わしの、この腹の上に乗ったまでじゃよ。」
光武帝は、子陵と共にしばらく話をしたり遊んだりしていましたが、子陵が帰ってしまう日になったので、子陵を重い位につけようとしました。
しかし、子陵はこう言いました。
「いいや、友よ。私はこの国に、君もこの国にいる。ならば、心はこの国の大気の中で混じり合いながらも繋がっているだろう。私達はずっと友情で結ばれているよ。」
光武帝はそれを聞いて、子陵には敵わないと思いました。
今では猛将や名君と言われる光武帝も、かつては貧しい書生だったのです。
それでも、光武帝を支えてくれる存在があったからこそ、光武帝は見事に歴史に残る活躍をすることができたのでした。
子陵と光武帝は、ずっと友情で結ばれていて、光武帝が気付かなかっただけだったのです。
子陵は、あっさり位につくことを断って、富春山と言うところで一生を送りました。
その中でも、二人は心の中で繋がっていたのでしょう。
さぁ、光武帝と子陵の話も後少しです。
日本軍人浪漫は未だに1901年なので1904年の日露戦争は出ていませんが、投稿していないだけで執筆中です。
と言っても、当時の資料をあまり持っていなくてネット上の不確定な情報ばかりを基にしているから、間違いを訂正しながら投稿していくよ。
これは遅くなるね。