スター☆トゥインクルプリキュア 〜星々達の煌めき〜 作:シロX
(暗くて、寒くて、寂しくて、悲しくて、とても嫌な気分だ…)
彼の…流星の心の中は今も荒んでいた。でも、ひかるたちと会う前と比べたら全然マシな方だ
『どんなに周りの環境が、心が変わろうとその人の本質は変わらない』
(誰?)
『お前は、まだ自分と言う人間を偽っている』
声がする。けれど、顔がボヤけてよく見えない
『偽る必要など無い。俺はもう用済みの筈だ。そもそも俺は元から存在しないのだからな』
(誰?)
『そろそろ自分1人で歩いてみたら?』
(うん…)
『手を取ってくれる人はいっぱい居る。後は自分で何とかするんだ』
そしてその人は、何処かへと消えていった
「ぅぅ……眩しい…」
目が覚めた。瞼を開くと光が差し込みとても眩しい
「流星君!!」
そう、とても眩しいかった。彼女の……香久矢まどかの顔はとても
「あれ…?ここってロケットの中?」
「はい!良かった意識ははっきりしていますね」
「冥王星にいたよな?何が何だか…」
「あれからみんなで運んだのよ。感謝しなさい」
ユニの声がする。体を起こすにはまだしんどいけど、首を動かし見渡す
「お〜、全員揃ってるな」
ユニだけではない。みんながいた
「良かった〜」
「心配したルン!」
「無事で良かったよ!」
「どうも。なぁ、僕のペンダント知らないか?」
流星は自分のスターカラーペンダントが何処にも無いことに気が付いた
「それはでプルンス…」
その言葉に困りつつもプルンスは流星のスターカラーペンダントを持って来てくれた
「あ〜…そう言えば壊れてのすっかり忘れてたよ」
見ての通り、真っ二つに割れ完全に修復不可能な状態
「ペンダントが壊れるなんて思ってもみなかったルン」
「流石に直せは…」
「……」
ララは首を横に振るしかなかった
「ですよね〜…」
「後の事はあたしたちに任せて流星はゆっくり休んだらいいよ」
「そう…だね……」
(流星君…)
明らかに落ち込んだ表情にまどかは心配を隠せなかった
「いつまでも寝ていても駄目だし歩くよ」
「本当散歩が好きね」
「まあね…」
「駄目だよ!まだ怪我が治ってないのに!」
「ひかる…1人にさせて」
「あっ…」
静かに扉が閉まった。いつもは持ち歩いてる筈のスターカラーペンでさえも、この時は残骸となったペンダントと共に置いていった
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「……」
「そろそろ夏休みも終わりますね」
「…」
「流星君は何かやり残した事など無いですか?」
「…なぁ」
「はい?」
「1人にしてって言ったよな!?」
実はさっきから隣でまどかが歩いていた
「ひかるの言う通り、怪我をしてますので監視を含め見ています」
「僕は見られたくない!」
「フフッ」
「な、何?」
「いつもの流星君に戻って来ました。何かあればすぐ暗くなる、分かりやすい反応です」
「煽ってます?」
「いいえ!」
こんなやり取りは久し振りだ。たわいもない話をしてる内に流星は明るくなってきた。
そこでまどかは
「忘れ物です」
「忘れてない。置いて来た」
まどかの言ってた忘れ物とは5本のスターカラーペン
「もう僕には必要の無い物だ」
「必要とか関係ありません。特に」
5本の内1本、変身用のスターカラーペンを強引に握りらせた
「これは流星君が守りたいって言う気持ちから生まれたペンです」
「ペンダントが無いとプリキュアにはなれない」
「それでも大事にすべきです!」
「僕の役目は終わったんだ!!」
「っ!?」
思わず叫んでしまった事にまどかを驚かせてしまった
「ごめん…」
「いえ…」
「まどかの言う通り持っておくよ」
驚かせてしまった事の罪悪感なのか素直に受け取る
「…まどかアレ!」
流星は少し離れた空にワームホールに気付いた
「行きましょう!」
「流星君!まどかさん!」
「ひかるたちも気付いたか」
ワームホールが見えた場所に向かう途中ひかるたちとも合流した。
そして向かった先で見たものは
「随分と速いお出迎え」
「ゾディアーク!」
「あれ?クエーサーの報告通りなら星空流星は…まぁいっか。どちらにしろ変身は出来ないからね」
「くっ…」
「流星君は下がってください。みなさん!」
「「「「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」」」」
「宇宙(そら)に輝くキラキラ星!キュアスター!」
「天にあまねくミルキーウェイ!キュアミルキー!」
「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」
「夜空に輝く!神秘の月あかり!キュアセレーネ!」
「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」
「「「「「スター☆トゥインクルプリキュア!」」」」」
「みずがめ座セレーネ・アロー!」
変身早々にプリンセスの力でセレーネが仕掛けるが
「よっと!」
「「「「「!?」」」」」
まるで蚊でも払うかのようにセレーネの矢を片手で弾いた
「プリンセスの力をこんな簡単に」
「今度はあたしが!」
「わたしもルン!」
「てんびん座ソレイユ・シュート!」
「しし座ミルキー・ショック!」
「1人でダメなら2人ルン!」
「数を増やしても」
今度は両手で打ち払った
「無駄だよ」
「でしたらコスモ!」
コスモはセレーネからプライムペンを受け取った
「何でセレーネが持っているのよ」
「いいですから!」
「分かったニャン!」
「ギャラクシースターカラーペン!プライム!クルクルチャージ!」
「プリキュア!レインボースプラッシュ!」
「なら、少し力を入れようか!」
体に力を込めてそれを外に放出し防いだ
「全然通じないニャン…」
「ハッ!今更そんな玩具が通じると思っていたの?」
「やぁ!」
油断してる所にスターがパンチするも鎧には傷ひとつ付いて無かった
「ハデスを倒し、ガルオウガすらも追い込ませたって言うから期待してたのに……残念」
「あぁぁぁ!」
スターの腕を掴み引きずり回す
「離すルン!」
「ほ〜らよっ!」
ミルキーに投げつけ上手いことキャッチする
「スター大丈夫ルン?」
「…!ミルキー前!」
「遅いよ!」
「「きゃぁぁ!」」
ミルキーが安堵し油断してる隙を狙う。スターが接近に気付いても、ゾディアークの方が速く2人纏めて大打撃を受ける
「まだです!」
「セレーネ落ち着いて!」
「いつもと様子がおかしい」
矢を放ちながらゾディアークに近づき、手が届く範囲では肉弾戦に切り替えて休みなく手を出す
「わたくしが…わたくしが!」
「はぁ…つまんない」
「うっ!」
セレーネの攻撃を物ともせず受け流し髪を掴んで腹に膝蹴りを食らわす
「がはっ!」
「ナンセンス!」
更にもう一撃
「この程度で宇宙を守るなんて…お笑いもんだよ」
「セレーネ!」
「お!流星発見!」
流星も見てはいられず飛び出す。ゾディアークも存在に気付くけどセレーネへの攻撃は一向にやめない
「やめろ!やめてくれ!!」
「それなら止めればいいさ。ほら」
「…くっ……!」
「だよね」
「流星…君…」
「ほい!」
「ああああ!!」
「「「セレーネ!!」」」
腹を踏み潰し悲痛な叫びが響く。それを聞いてゾディアークは上機嫌
「ん〜!いい泣き声!結構満足したよ」
ゾディアークは気絶したセレーネを流星の方へ放り投げた
「今助けるからな」
流星はセレーネを担いでプルンスとフワの元へと戻る。その途中で変身も解け元に戻った
「助けるね…逃げるの間違いではなくて?」
その言葉を聞いて流星の足が止まる
「やっぱりそうだ!僕から見た限り君の言う『守る』、『助ける』は逃げの言葉」
「…」
「守るって言いつつ隣に立つだけ、助けるって言えば後ろに下がる。今までちゃんと前に出て戦ったのか?」
「戦って…いたさ!」
「じゃあ何でさっき助けに来なかった?」
「それ…は…」
流星が押し黙ってもまだ続ける
「所詮その程度の覚悟だったに過ぎない」
「「はぁぁ!!」」
「君達もいい加減しつこいね!」
「うわぁ!」
「少しは大人しくしてろ!」
「きゃあ!」
ソレイユとコスモのWキックするも簡単に受け止め突き飛ばす
「正に臆病者そのものだね」
(確かに僕は臆病者だ。いつだって一歩引いて物事を考えてた。前だって)
『──だから、一歩引いてみんなのフォローに入ろうと思ってる』
(結局の所、自分を偽らないと何も出来ないダメな──)
「そんな…事…ありません!」
まどかが目を覚ました
「流星君は…わたくしたちをいつも支えてくれてました」
「まどか…」
「わたくしたちがフワを守る時はいつも側に居てくれて、一歩引いたとしても後ろから支えてくれました!前に出る事だけが強さではありません!」
「相手を思い合って助け支える優しさ!背中を預けて守り合う信頼!そんな強さだってあるんです!」
「生意気。決めた!君の哀れな姿を見せればそんな考えも変わるよな!」
「来る!」
「やらせない!」
スターたち4人が流星たちの前に出た
「みんな……僕も戦う」
「でも、流星のペンダントはもう」
「…まどかの貸してくれないか?」
「流星君お願いします」
流星はまどかのスターカラーペンダントを借りて変身する
「まだ…戦える。戦えるんだ!」
「「「「「はぁぁ!」」」」」
アースたちは人数の多さを利用して一斉に立ち向かう
「足りないな。その数では!」
「プリキュア!コスモシャイニ──」
「はっ!」
「くっ!」
技を放つ前にレインボーパフュームを叩き倒し封じる
「ルン!」
「いいマッサージだな!」
ミルキーの電撃も効かずじまい。触手部分を捕まえコスモへと叩き付けて2人とも変身解除する
「ユニ!ララ!」
「スターカラーペンダント!カラーチェンジ!」
「ビッグバンスタイル!」
「一斉攻撃だ!」
「うお座スター・パンチ!」
「おとめ座ソレイユ・シュート!」
「ビッグバン・スマッシュ!」
プリンセス、ギャラクシーでのトリプルアタックをするも防がれる
「ひゅー!流石にヒヤッとした!」
「流星…使いなさい!」
「よし!」
「プライムスタイル!」
「それがどうした!」
「負けるかよ!」
持てる速さの連続で攻撃するも全く効いてなかった
「はっ!ぜや!でぇりゃ!」
「効かない!効かない!」
軽くあしらわれて転ばせられる
「僕の理想とする宇宙には…プリキュアは不必要だ!」
「ブラックホール!」
ゾディアークの拳がブラックホールの穴によって阻まれるが
「くそ!吸収しきれない!」
「言ったろ?そんな玩具では無理なんだよ!」
ブラックホールを貫きゾディアークの拳がアースをねじ伏せた
「次は誰だ?」
「まだだ…!」
「「「アース!」」」
「知っていたさ。『俺』とい星空流星は居なかった。僕が強くなりたいと願ってしまったからに出来た人格。でも、今は居ない。何故だと思う?」
「フワ…」
「必要ないからだ。手を取ってくれたのは『俺』じゃない……『みんな』だ!」
「フワ!」
「臆病者でもいい!今ある自分の力で僕は!」
「ペンが!」
スターパレスで謎に出現していたペンが突如消えた
「みんなを守るんだ!!」
「フ〜〜ワーーー!!」
「な、なんでプルンス!」
その場に三つの光が現れた。一つはアースの目の前に。一つはプルンスの懐から。最後の一つはフワ自身からだった
アースの方ではスターパレスにあった謎のペンが現れ、プルンスの方では元々アースのだったスターカラーペンダントが修復されていって、フワの方では光が空へ飛んで行った
「これは…」
「って呆けてる場合ではないでプルンス!アース!ペンダントが直ったでプルンス!!」
「嘘!マジで!?それをくれ!」
「突如現れたペンに復活したペンダント…渡してたまるか!」
「き、来たでプルンス!」
「プルンスこっち!」
プルンスからユニにバトンタッチ
「次はこっちルン!」
「わたしも!」
「こっちだよ!」
それからペンダントはララ、スター、ソレイユへと繋がっていき
「まどか!」
「はい!」
「ちょこまかと!」
「っ!!」
「貰った!」
まどかへとペンダントが渡った時ゾディアークが襲って来たが
「させるか!」
まどかの足下に穴が空きその中へ落ちていった
「よっと!お帰り!」
最後はアースが何とかまどかを救出してペンダントも手元に戻ってきた
「やられた!ブラックホールか!」
一度変身を解除して流星は自分のペンダントを持つ
「本当だ。直ってるし、なんか色も変わってる」
流星のペンダントは直っただけではなく白色だった本体部分の色が金色に変色していた
「このペンで変身してみるか」
「どんなペンなのかも分からないのにですか!?」
「だからさせるかって!…ぐぅ…何!?」
スターとソレイユがゾディアークを押さえて動きを止めた
「早くお願い!」
「流星!」
「いくぞ!」
新しくなったペンダントに謎のペンを挿し込んだら、とてつもない光が溢れ出た
「うおおぉぉぉ!!」
光が収まりそこには変身した流星の姿が
「ぉぉ……お?」
「「「「「え?」」」」」
変身したと思われたが特に変わる事の無い姿だった
「あ、あれ?おかしいな??」
「まさか…まさかでプルンス〜!!」
「そのまさかだな」
「はは……変身出来てない…」
思わぬ事態に苦笑いが溢れる
プライムペンの噛ませっぷりたらもう…
ここまでの拝読ありがとうございました!!