メガネくんに転生しました   作:花蕾

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プロローグ

俺は、いや、“僕”は転生者だ。突如、言われたら、はあ!?、と言われてしまい、次の日からは頭のおかしい人認定を受けるだろう。

 

しかしながら、事実である。

 

僕は、週刊少年ジャンプ、現在は月刊ジャンプSQUAREにて連載されている『ワールドトリガー』の主人公、『三雲修』になっていた。

 

このキャラクター、三雲修には二つ程特徴がある。

 

一つ目の特徴は弱いである。

 

少年マンガ特有の主人公の俺Tueeee!なんてない。かといって知略が特別に優れているかと言われると、優れてはいるが特別優れているわけではない。

 

二つ目は面倒見の良さだ。

 

原作では他メインキャラクターから面倒見の鬼と言われるほどだ。

 

二つ目はともかく、一つ目は驚異的だ。

 

何しろ、このワールドトリガーは恋愛漫画ではなくバトル漫画なのだから。

 

主人公だからといって安心できない。自分というイレギュラーがどこまで左右するかわからない。もしかしたら、全く左右しないかもしれないし、思いっきり左右して原作崩壊するかもしれない。

 

僕は転生したと分かった次の日から筋トレとランニングを始めた。はじめということもあり、軽く腹筋とスクワット、腕立てを各20回、一時間のランニング。

 

僕は三雲修の肉体を少し強く見積もりすぎていた。

 

たったこれだけの運動で身体は悲鳴を上げた。

 

とはいえ、ここでやめるわけにはいかない。

 

僕はどうやら、既に『ボーダー』に入っているみたいだし。

 

『ボーダー』というのは、簡単に言うと異世界から来た敵を倒す組織だ。この異世界から来た敵、通称“近界民”が繰り出す“トリオン兵”には地球上の兵器では傷一つ付けることはできない。そこで、ボーダーが近界民のテクノロジーを解析し、作り上げたのが『トリガー』と呼ばれるものだ。このトリガーというのが便利なもので、トリオン兵を倒すための武器生成以外にも使用者の身体能力がとてもアップする。

ここまで聴くと、筋トレする意味なくね、だって身体能力上がるんでしょ、という人がいるだろう。それは違う。この身体能力アップだが、これは下地も関係してくる。元々運動神経がいいやつや普段から運動をしている人は恩恵が受けやすい。

対して、この肉体はどうだ?

軽い筋トレをしただけでへばる。学校の体育を受けている中学生ならこれぐらいだったら余裕のはずなんだが。

 

そして、トリガーにはトリオン量が関係してくる。原作の三雲くんはトリオン量が最低ラインより下だったが、今の僕はボーダーの平均ぐらいある。おそらく、元々三雲修の肉体にあるトリオンに比べて前世の僕のトリオンが入っているのだろう。

 

思わぬ形で片方の難題をクリアしてるわけだが、もう片方がまじでやばい。

はじめの筋トレからもう数ヶ月立っているが、あの時から腹筋とスクワットと腕立てが各10回、ランニングの時間が30分増えただけだ。

これ以上やったら僕は死ぬ。筋トレが終わったら汗が滝のようにでているし、ランニングでは直ぐに過呼吸になる。

 

まあ、今の僕は原作を超えているだろう。

 

ただ、原作同様にレイガストを使うつもりはない。なぜかというと、デカくて使いづらい。ボーダーでの順位の上げ方は個人ポイントは個人戦などで上がり、チームのランクはランク戦というもので決まる。詰まるところ、対人戦だ。素人の俺がこんなもん振り回してもスピードもなく正確性もないから当たらない。

だが、射手というのは素晴らしい。

銃に比べて射程は短いが、自由度は高い。さらに、合成弾という違う種類の弾を混合させることもできる。

これは僕にあっている。

攻撃手のように剣を振り回したりすることはできないし、銃手のように銃を寸分狂わず撃ち抜くことはできないし、狙撃手のように針に糸を垂らすような技巧は持ち合わせていない。勿論、やりはじめたら慣れていくだろう。だが、そんな暇はない。もう既に中学生。つまり、あと数ヶ月で原作が始まる。

原作が始まるまでの目標はB級への昇格である。現在は、訓練兵のC級に属している。同期は皆、全体訓練を受けたあと、個人戦をやりポイントを稼いでB級に昇格している。B級になるのに必要なポイントは4000。今の僕のポイントは、2985。これはこつこつ、全ての訓練に受けてきた賜物だろう。あと、個人戦してないから減っていないだけだろう。何しろ、訓練が終わったら筋トレのために直ぐに帰っていたからな。

C級で使えるトリガーは一つ。なので、射手で一番ベーシックなアステロイドを選んでいる。

変化弾なんて使いこなすまで時間がかかるし、炸裂弾は威力が高いだけこの素人だらけのC級の個人戦で使う意味はない。追跡弾も迷ったもののやめた。なぜか?それは対策が立てやすいからだ。他の弾が使えるならともかく、追跡弾だけだと対処しやすい。なにしろ、追ってくるのだ。射線なんて丸わかりだ。

 

とりあえず、今日から個人戦を数回やってから帰ることにします。

 

********

 

驚きました。筋トレの効果はあったようです。

今回初めて戦ってみたわけなんですが、全勝しました。あっさりと勝てました。調子に乗って予定より多く個人戦をしましたが、勝てました。ポイントは3287まで上がっており、今月中にはB級に上がれているだろう。

 

********

 

はい、B級に上がりました。普段は訓練がない日は来てなかったものの個人戦のため、毎日ボーダーに通っていた。そのおかげか、B級に上がれた。

嬉しさで舞い上がりそうなぐらいだ。

 

学校に行くと、人気モノになれました。

 

ボーダーのホームページにはB級以上の人間の名前が載る。バレないだろと思っていたが、直ぐバレました。まあ、原作でも直ぐバレていたが。

 

それから数週間がすぎたとある日。

もうすでに授業が開始しているはずだが、未だに先生が来ない。近くの席の会話に聞き耳を立てるとどうやら転校生がきているらしい。

 

これは確定だろう。

 

「空閑遊真です。よろしく」

 

原作の開始だ。

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