外伝前提の話で申し訳ないがアレ見とくとより楽しめるゾ
(Nyose)
濃い内容だと思う
動画版からの追加内容が半端ない。
(モンターク)
9月3日 明朝
長く慌ただしかった、俺たち鉄華団にとって初めての夏休みも終わり、今日から新学期って奴が来た。
思えばここまで自由な時間も、今まであったっけか……?
まぁ、名残惜しいがそいつも昨日までだ。
今日からは夏休み前に逆戻り──再び勉学の日々ってやつだ。気ぃ引き締めていかねぇとな。
オルガ「…さて、と…」
確か、新学期最初の授業は……いきなりのISか。まだ朝も早ぇえ。ノートとかの用意を……。
しようとした、そんな時だ。朝っぱらからノックが数回。俺の部屋のドアを誰かが叩く。
「…あぁ?誰だ…?っと、んなら最低限身だしなみを整えておかねぇと。シャルだったら寝起きでカッコ悪りぃとこ見せちまうからな。あー!待ってくれ!今準備する!」
ちと時間が早ぇえ気もするが、夏休みが終わってから初の客人みてぇだ。
どんな奴だろうと失礼の無いようにしておかねぇと。
髪型を整え、寝間着からIS学園の制服に着替える。つっても、そんな数分もかけなかったが……。
よし!大丈夫だ。身だしなみは完璧。いつも通りのかっこいい鉄華団団長、オルガ・イツカだ。
「すまねぇ!待たせちまったな、開けるぞ!」
念のためまだ戸の向こう側に人の気配があることをそれとなく確認し、やや慌てた様子を見せながら扉を開く。
すると、そこに待っていたのは……
???「会えて嬉しいよ。オルガ団長」
「………」
俺はそっと扉を閉めた。
銀の髪、黄色の尖った仮面、黒いタキシードのような服装で誤魔化しちゃいるが、んな見慣れた変装じゃあ一発で分かる。
「………マクギリスじゃねぇか…」
途端、今度はまるでMS用マシンガンの掃射みてぇに激しく間隔の短いノックが響く。
ドンドンドンドンドンドンドンドン
ものすげぇ勢いと音!アイツの手首どうなってんだ?ほっといたら千切れねぇかな。
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
いや、そうなる前に俺がうるささで
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
「あぁ分かったよ!!!用件は何だ?!うるせぇな!!!」
今度は荒っぽくドアを開ける。
するとマクギリス(この格好の時は確かモンタークって呼べとかぬかしてやがったか)の奴は仮面越しでもわかる涼しい顔で、こう言った。
「……私もこの後すぐに予定が詰めていてね。急ぎ受け取ってほしい荷物があるのだが」
はぁ?荷物だぁ?面倒な宅配屋だな……。
確かによく見てみれば、マクギリスの背後には、角が丸くて業務用の冷蔵庫みてぇな大きさの白いコンテナ?箱?が置かれていた。
んなデカさのもんどうやってこの寮の中に持ち込んだのかはこの際どうでもいい。
「……うちはセールスお断りだ」
「代価を払う必要性は無いよ。それにこれは君についたスポンサーからの贈り物だ」
「スポンサー?そんな契約した覚えがねぇな。どうせアンタがなんか仕組んだんだろ?」
「残念だが、私ではない。とにかくこれを受け取ってもらえないだろうか」
右手首につけた腕時計にたまに目を向けつつ、マクギリスはそう催促する。
……怪しい。明らかに怪しい。
「……中身は何だ?まずはそっから判んねぇとな」
「手早く済ませたいのだがね……。まぁ、私を警戒するのも無理はないか。では、心して聞いてほしい。この箱の中身は……」
……急いでるって言ってやがったのに勿体ぶって。何のつもりだ……?
「……君のIS、『獅電』用の特別な
もちろん私は一切手を付けていない。きちんと『アクタイオン・インダストリー社』から、我がモンターク商会を通じて、オルガ団長に届けるよう依頼を受けた物だ」
……待った。色々聞き慣れない単語が幾つか出てきやがった。
オートクチュールは何となく覚えがある。その専用機のみに設計された特別な拡張装備……パッケージだったか?
んでもう一つ……IS関連の会社みてぇだが、こっちに関しちゃあ初耳だ。
「……知らねぇトコだな。アンタの知り合いか?専用装備たぁずいぶんと豪勢な事してんな」
「私も、ISの武装を専門とするメーカー以上の情報は知らない。
そもそも私ではこれを作る方法が無いさ。
何せ、
などという離れ業はさすがの私も専門外だ。どこかに凄腕のハッカーでもいるのだろう。
それも、君に対して何か感謝か、あるいはお詫びの気持ちを持っている、ね」
「……」
なるほど。それならこの大荷物を寄こしてきやがった心当たりは一つしかねえ。……アイツだ。
「……分かった。コイツは受け取っておく。
マクギリスの真後ろにあるコンテナを開け、装備を確認する。
中にあった機械から立体映像のスクリーンが現れ、各種データが表示された。
【獅電専用砲戦型換装装備 カラミティ・サブナック】
……これが装備の名前みてぇだな。
コイツをつけることで俺の獅電は『カラミティ獅電』って呼び名になる、か。
中々図々しいな……勝手に決めんなよ……。
だが、砲戦装備……か。
確かにあん時俺の機体は殆ど何もできなかった。
俺の獅電は元は汎用機。だがここ最近の経験でもそうだが、あまりに
この装備の意図からも分かるが『とりあえずの方向性』をつける点については、まさに俺の需要にピッタリって訳だな。
「…悪くねぇ」
「喜んでもらえて何よりだ。では、私は行くとするよ。この後も、予定がつかえていてね。おそらく、またすぐに会えるだろう。では、しばしの別れだ。オルガ団長」
「ああ。こいつを届けてもらった点は礼を言う。……てかあんた旅館はどうし……」
言い終わる前に、マクギリスの奴はさっさと歩いて姿をくらました。
その後しばらく廊下のど真ん中でISに装備を取り込むのに四苦八苦し、
用意も遅れるわで新学期早々遅刻しかけたが、
さて、いよいよ最初の授業。果たして何が起こるんだろうな……。
朝っぱらがこんなだし、なんか疲れる一日になりそうな予感がするぜ……。
一夏「で」
オルガ「で?」
「なんでこうなるんだよぉーーーっ!?」
IS学園の第3アリーナにイチカの声が響き渡る。
「知らねぇ。とりあえずやんぞ、イチカァ!」
予想通り、二学期最初のIS教科は実戦演習。んで、問題は今現在こうなった流れだ。
事の始まりは、
俺的には、大破したシャルのリヴァイヴが元通りになるかが心配だが。まぁ直るらしいけどよ。
あの日学園に戻った後、千冬先生に俺らがISぶっ壊したのが速攻でバレ、
しかもそいつが怪しい誘いに乗ったせいっつーのもあって、全員正座で並べられ、
みっちり長時間の説教をゲンコツのおまけつきで食らったのは、
完璧な俺らの自業自得って奴なんだがな。
つーわけで、普段通りに演習しようにも専用機持ちの多くがほぼ見学状態。
本来なら機体が無事だったイチカとリンでやる予定だったが、ここでクラスメイトの一人がこう呟いた。
「どうせならいつもと違う雰囲気の組み合わせが見たいなー」
まずはそっから火がついた。始まる議論。
そして、かすかに聞こえた
「強い人は大体わかってるけど逆はどうなんだろう?」
という声。そして今、
────俺とイチカで『専用機最弱決定戦』が始まろうとしている。
「だから!どうして!そうなるんだよ!?」
「俺もまさかこんな不名誉な戦いになるなんざ思ってもみなかったよ。
だがイチカァ…、こいつはチャンスだ。ここでお前を倒せば、俺がただの弾よけじゃねぇってことが証明できるっつーわけだ。
それに実際、イチカとは一度やってみたかったんだ。
……どっちが強ぇえか、試してみようぜ?」
「ああもう………俺はもう知らないからな!?」
経緯があまりに不名誉なのが気に食わねぇのか、イチカはずっとぼやいていやがる。
そんなら先手は俺がいただく。
既にお互いISを纏い睨みあう中、まずは俺が右手にパルチザンを展開し、白式へと突っ込んだ。
「のわっ!ぶっ!ねぇなぁっ!」
突進の勢いを乗せた一撃を、白式は間一髪取り出したエネルギー刃の刀、『雪片二型』ではじく。
こちらが武器を両手に持ち、向こうは片手…右手で跳ね返した。やっぱパワーは劣ってんな。
そして白式の左手はまだ空いている。
「へっ…。けども!そらっ!お返しだ!」
のけぞる俺に対し、イチカは白式の左腕に搭載された武装『雪羅』による荷電粒子砲を発射────
しようとしたところで、
「読めてんだよ!」
ギリギリ間に合った俺の蹴りによって射線を逸らす。放たれた光弾はアリーナの壁を砕いた。
「……へぇ。結構やるな!オルガ!俺も負けてらんねぇよ」
「ようやくやる気出したか、イチカァ!んじゃ次、行くぞぉ!!」
「おう!」
俺は再びパルチザンを振り下ろし、イチカはそいつを雪片で受ける。すぐ後にその逆。
イチカも俺も、今までのあれこれで実力が自分が思うよりも伸びてんのか、
互いに距離をとる隙を与えることなく、接近戦を維持。
近接武装の打ち合いがしばらく続き、前半戦はそのまま引き分けで終わった。
……すると、何やらアリーナの客席から聞こえてくる。
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実戦訓練の前半戦を終え、オルガと一夏の戦いぶりを見た少年少女達は、
大方がすぐに
まさかの「引き分け」という結果に驚きを感じていた。
鈴「へー……。アイツら、結構昔より強くなってんじゃない?
ま、アタシならどっちもまだまだ余裕でブッ倒せるんだけどね!」
鈴はそれでもまだまだ、と余裕と自信を見せ、
シャルロット「でもあの調子なら、僕達もうかうかしていられないんじゃないかな?
……僕の場合、まずはリヴァイヴが直るか不安なんだけどね……布仏さん曰く大丈夫みたいだけど……」
シャルロットは自分たちも頑張らないと!と奮起し、
箒「うむ。奴等に負けぬよう、我らも日々精進しなくてはな。特に一夏には。
いや、別にあいつが私に勝ってもよいのだが……。
こう……越えられる、というのは、最もな成長の体感だからな!うん!それは、それで……」
箒は一夏の成長を内心喜び、
セシリア「箒さんはもう少し素直になってよろしいと思いますわよ?主張がとっちらかってますわ」
「ほ、ほっといてくれ……」
「まあ、ワタクシ的には…三日月さんの戦いが見れなくて残念ですわね……。
ブルーティアーズも整備中ですし…」
セシリアは隣で見学している『二人目』の男性操縦者の活躍が無い事を惜しみ、
三日月「あーむっ…。バルバトス、結構壊れたもんね。もしゃもしゃ」
自分の機体が壊れてて正直暇な三日月は普通にナツメヤシをほおばりながら観戦。
ラウラ「嫁よ。そのヤシ少し貰ってもよいか?」
「ん。いいよー」
「では……」
ラウラはヤシを一つ取り、口の中に放り込む
「…よし…今回はあたりのようだ」
どうやら不味いハズレではなくアタリのヤシだったようで嬉しそうにヤシを食べている。
「もぐもぐ……うむ、良い…!イチカ、オルガ団長!訓練とは言え気を抜いてはいかんぞ!射撃も使え!」
そしてラウラはヤシを頬張りながらも二人にエールを送る
「おう!最低でも下から二番目にはなっときたいからなー!」
「は?お前状況わかってんのか?誰がここの一番か…ハッキリさせてやろうじゃねぇか!」
「言ったな?見てろよ?次は必ず勝つからな!」
お互いの視線をバチバチぶつけるアリーナの男二人を見て、ラウラは純粋に微笑んだ。
「ふふっ……見る側、というのも中々いいものだな」
「……あんぱんもあるけどいる?」
「うむ!流石は嫁だ!手際が良いぞ!」
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少しの休憩を挟んで、いよいよ後半戦の始まりだ。
ラウラは射撃も使え、って言っていたし、俺も雪羅の使い方をもう少し慣らしたい。
こいつはわかる範囲だとさっき使った荷電粒子砲の他に、クロー、シールドといった風に、
エネルギーの形を自在に変えられる万能装備だ。なら他にも使い道があるのかもしれない。
例えば射撃形態時、出力とかそのへんを適当にいじったり……。
雰囲気としてはホースから水が出るイメージ。出口を触って形を変える。
そうしたらいつも単発で撃ってるこいつも、長細いレーザーっぽい感じや、散弾にできるかも。
特に散弾は使えそうだ。なにせオルガ相手にはこっちが一発当てれば実質勝ちだからな!
そうと決まれば!早速実験開始だ!
「行くぞオルガ!ラウンド2だ!」
「ハッ!何考えてっかは大体予想つく。近寄らせやしねぇよ!」
俺が接近しようとする前から、既に獅電はライフルを構えてこっちに撃ってきた。
あいつ…っ!しかも連射かよ!自分でよく言っているように「結構当たる」から厄介だ。
上のほうへ引き下がりながらだし、突っ込むのは難しい。
「ぐっ!シールドっ!」
雪羅の形状をエネルギーシールドに変えつつ、なるべくスピードを出して小刻みに移動。多少は避けられているが、当たるもんは当たっちまう。
……が、盾にしたおかげで何とかなっている。
やっぱ便利だな!…これなら!
(イチカの奴、雪羅の使い方を色々試すつもりだな?……なら、こっちも『今』だな…)
ライフルによる射撃が一瞬止んだ。リロードか?
多分好機だ。この隙に一旦シールドを解除して、俺は一気に獅電の懐へ飛び込もうとした、
その時だ。
「こいつは、どうかな?」
オルガの…獅電の姿が光に包まれ、その次に瞬きした途端、その姿はほんの少し変わっていた。
背中からは筒のような、恐らくキャノンが二つ生えており、右手にはバズーカ。左手には砲のようなものがついた盾。
それらはすべて白い獅電へ後付けしたんだろうな、というのが一目で分かる翡翠色をしていた。
「……?!何だよ、そ…!」
俺が言い終わる前に、その『未知なる獅電』は背中から生えた2つのキャノン砲から……
何と、
それまで武装を実弾で固めていた、あの獅電からだ。
驚きはしたが、だからといって怯むわけにはいかない。とにかく宙を飛び回って、幾つも放たれる高出力の光弾を回避。
「うぉおおおおおおっ!!へいやっ!」
今度はうまくいった。回避機動そのままに、俺は獅電の間近へと迫り、雪片を振るう。
とっさに謎の新装備を解除した獅電は、それと入れ替えでパルチザンを展開。
雪片の刃が本体に触れる直前にガードするも、衝撃であいつは弾き飛ばされる。理由は当然、パワーはこっちが上だからだ。
「そうだ!いいぞイチカァ!」
せっかくの新装備での脅しが効かなかったのが地味に嬉しいのか、
なにやら歓喜の声をあげるオルガ。
フッ、そんな場合か?この一瞬で形勢は逆転しつつあるんだぜ?
「はぁっ!」
そして俺のお待ちかね、雪羅をエネルギー拡散状態、つまり散弾で放った。
単発だと読んでいたオルガは両腕にガントレットシールドを出すが、
大量に撒かれた光弾を完全に抑えられる筈もなく、全身で浴びることとなる。
「ヴヴッ!」
流石に一つ一つは分散してるから弱いのか、即座に
──ずに、姿勢を崩した獅電は地面に向かって落下していく。
「ヴヴヴヴァアアアアァァァァ!!!」
「行けるっ!!」
IS学園第3アリーナ・管制室
そこでは今回の色々あった実戦訓練を見守る、二人の教師──
山田真耶と、織斑千冬の姿があった。
「二学期初の実戦訓練、最初はどうなるかと思いましたけど、気合い入ってますね、二人とも」
「ああ」
「この試合は、織斑くん優勢ですね」
「いや、あの馬鹿は何も考えずに飛ばし過ぎだ」
「……順調そうに見えますけど?」
「よく見ろ。雪羅を撃つ時もだが、先ほどから左手が閉じたり開いたりしている。
あいつの昔からのクセだ。あれが出るときは、たいてい簡単なミスをする」
「へぇ……流石ご兄弟ですねー!そんな細かいことまでわかるなんて」
その何気ない真耶の言葉に千冬は少しハッとし、少し目をそらしながらも答えた。
「………まあ、あれでも一応は私の弟だからな」
「でもよく見てないとそんなの気づきませんよ、やっぱりかなり気にして」
真耶のその言葉を聞いた瞬間、ギロッと睨む表情となる千冬
「ひぃ!?」
「……試合に集中しましょうか、
「は、はいぃぃ……」
思わずガタガタと震えることとなった真耶であった。
「よし!このまま押し切るっ!!」
次は出口を絞って……
よし!一気に放射だ!これでケリがつ……
く、と思った矢先。確かに雪羅から長細い光線はほんの一秒程度、出たが、
その直後に俺の視界にはとある表示が現れる。
≪ENPTY NOT SHIELDED≫
「…え?」
表示に気を取られたさらに一瞬後。
「ぐわっ!」
エネルギーが切れてシールドの無い状態の俺に、獅電のパルチザンが投げつけられる。めっちゃくちゃ痛い。
だが、これが来たってことは…。
「さて、と……」
「?!」
やはり、獅電が体勢を立て直していたらしい。
再び謎の新装備を纏い、気づいた頃には俺の目の前。
「あ…!」
オルガが新装備の…よく見れば、腹?の辺りにあった砲口を向ける。
そして、その場所からは高出力の赤くて太いビームが放たれた。
当然避けられる筈もなく。今回は俺の負けである。
「ふへっ……」
オルガは勝ち誇った笑みを俺に浮かべていた……。ちっくしょう……。
彼等の成長が窺える良戦闘
なお新ギミックは活用されるのか私も知らん
(Nyose)
次回は打って変わって多分平和です。
お楽しみに
(モンターク)