インフィニットオルフェンズ2   作:モンターク

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忘れないように頑張るので初投稿です。

今回はTHE・生徒会長回です。
1番扱いが厳しい会長さんな気がする。


生徒会長は最強の証

IS学園 職員室

 

一夏「……というわけで、一組は喫茶店になりました」

 

俺は千冬姉に一年一組の学園祭の出し物について報告をしていた。

 

千冬「また無難なものを選んだな。……と言いたいところだが、どうせ何か企んでいるんだろう?」

「いや、その……えっと……。執事・メイド喫茶で……ようは、コスプレ喫茶みたいなものです」

「立案は誰だ?田島か?リアーデか?まぁ、あの辺の騒ぎたい連中だろう?」

「えーっと……」

 

ニヤニヤ笑う千冬姉に本当の事を言うか若干ためらったが、意を決して俺はこう言った。

 

「……ラウラです」

 

俺の出した提案者の名前が意外過ぎたのか、千冬姉は呆気に取られる。

 

それから二度まばたきをして、千冬姉は盛大に吹き出した。

 

「ぷっ……ははははっ!!ボーデヴィッヒか!!あいつが?メイド喫茶?くっ!……ははっ!!よくもまぁ、そこまで変わったものだ」

「やっぱり、そう思いますよね。俺も意外でした」

「やはり、女は男が出来ると変わる、ということか。三日月には感謝しかないな」

「そうですね。ミカには俺も色々と助けられてます」

「しかし、いつまでも三日月に頼りっきりでは良くないぞ」

「それは……分かってるつもりです」

 

前の福音戦の時も、俺の無茶のせいで、ミカに重傷を負わせちまった。

 

あんな事がないように俺も今まで以上に強くならなきゃな……。

 

 


 

 

職員室前でイチカを待つ、俺とミカ。

なにやら、オリムラ先生の笑い声が聞こえてきたが、とりあえず怒られてはいないみてぇだ。

 

そんな時、ミカが鼻の辺りを触り始めた。

 

オルガ「ん?どうした?」

 

そう聞いた瞬間、ミカは「くしゅん!」とくしゃみをする。

 

オルガ「おぉ、ミカ……風邪か?」

三日月「そんなんじゃないよ。……誰かが噂でもしてるのかもね」

「あーそうか。体調崩してねぇんならいいけどよ」

 

俺もミカもイチカも、この世界では珍しい男性IS操縦者だからな。

噂くらいはされるだろう。

 

そうこうしている内に、イチカのやつが職員室から出てきた。

 

「……はぁ」

「お疲れ」

「おう、イチカ、どうだった?」

 

俺はイチカに学園祭の出し物の報告が通ったかどうかの確認をする。

シャルのメイド姿が見れるかどうかの瀬戸際なんだ!黙っちゃいられねぇ!!

 

「ちゃんと報告したぜ。大丈夫だってさ。織斑先生からはメイド喫茶の提案がラウラだってことで凄く驚かれたけどな」

「さっきの笑い声はそれだったんだ」

「何だよ、聞こえてたのか?」

「バッチリ聞こえてたぜ」

「マジか…」

 

そう言いながら、イチカはガントレットの時計で時刻を確認する。

 

「さて…時間は……」

 

4時2分

 

「やべ!もうこんな時間だ!」

「あ、ホントだ」

「急ぐぞ!」

 

俺たちがアリーナの方向に全速で駆けようとした時……

 

「やあ」

「君達、ちょっといいかな?」

 

後ろからそう声を掛けられた。

 

 

俺たちに声を掛けたソイツらは……

 

「生徒会長とマクギリスじゃねぇか……」

「ファリド先生と生徒会長……」

 

楯無「水臭いなぁ、楯無でいいよ?」

 

「は、はい……」

 

仮にも火星……じゃなくて生徒の王とかいうやつだよな?

それに上級生でもある……。

一応礼儀は正しくしておかねぇとな……。

 

「何のようですか?楯無さん」

 

イチカがそう尋ねると生徒会長はなんでもないかのように自然にこう告げた。

 

「当面、君達二人のISコーチをしてあげようと思ってね」

「は?」

「二人って…俺とオルガのことですか?」

 

イチカが再び尋ねると、生徒会長は静かに頷く。

 

「うん、そうだよ。全体朝礼の準備は他の生徒会のメンバーとファリド先生に任せて、私は君達の朝の模擬戦を見させてもらってたんだけどね。二人共かなり欠点があるの」

 

欠点?イチカはエネルギーの使い過ぎだろうけど、俺はなんだ?

死にやすいとかか?でもそりゃ仕方ねぇだろ。そーゆうモンなんだからよ……。

 

「一夏君はエネルギーを使いすぎ、そしてオルガ君は射撃の精度をもっと上げた方がいいわね」

 

「ぐっ…」

「うっ…」

 

まぁ、確かに「結構当たんじゃねぇか……」と俺は言ってはいるが、シャルやセシリア、ラウラとかに比べたらまだまだだ。

 

これからあの砲戦パッケージ【カラミティ・サブナック】を戦いに使っていくっつーことになるだろうし、射撃の精度を上げんのは重要なことだろう。

 

イチカも自分の欠点をしっかり自覚しているようで、俺とイチカはただただ言葉をつまらせることしかできなかった。

 

 

「これじゃこれからの事にも色々と対応できなくなることは確定だから、特別コーチをしてあげるわ」

 

ん?

 

俺は生徒会長の言葉の一つに引っかかるところを感じ、そこについて説明を求める。

 

「これからの事?なんなんだよそれは……」

 

「まあ、色々とね」

 

「はぁ……」

 

言葉を濁されちまったな……。

よくわかんねぇが、あまり詳しく聞かねぇ方が良さそうだ。

 

「君達はどうしたい?このまま我流で戦うのか、会長のコーチを受けるのか」

 

今まで生徒会長の隣で黙っていたマクギリスが俺とイチカにそう問いかける。

 

「……」

 

俺は────

 

「俺はこの話乗りてぇと思ってる。もっと…もっと強くなりてぇんだ」

 

「何故?」

 

決まってる。

 

シャルを……絶対に傷つけないために……

 

 

──汚え大人や障害から守るために……

 

 

こんなところで立ち止まるつもりはねぇ……!

 

 

約束だ」

 

 

俺のその言葉にマクギリスはご満悦の様子。

次にマクギリスはイチカにもこう聞いた。

 

「そうか……では君はどうしたい?オリムライチカ」

 

「……俺もこの話乗るよ。あの時の俺の無茶のせいでミカが大怪我をした……そして他の皆も危険に晒しちまった……」

 

イチカは拳を強く握る。

 

「俺はここで立ち止まりたくない…もっと強くなって、皆が危険な目に合わないようにしたいんだ!」

 

イチカお前……

 

そっか……お前も夏休み中、色々と特訓してたからな。

 

部屋に戻らねぇ時もあって……夜勤だったオリムラ先生に怒られた時もあったな。

 

「じゃあ、決まりね」

 

生徒会長がそう言って、手を叩く。

 

そこでミカのやつも口を開いた。

 

「ねぇ、俺も見学してって良い?」

「良いわよ、別に見せられないものじゃないわけだし」

「ん?ミカは特訓しねぇんだな?」

「いくらお姉さんでも三日月君に教えられることはないわよ?強いて言えば…まぁ、少しはあるけれど、それは織斑先生からの指導のほうが的確だしね」

「まぁ…そうだな」

 

ミカはもう『一年生最強』の称号を持っちまってるからな。

 

生徒会長のほうがIS歴は長いかもしれねぇが、戦場で命張ってきたのは間違いなくミカの方だからな。

 

実戦に勝る訓練はねぇってやつか?

 

最近は殺さないようにすることもできつつあるしよ……

どっちにしろ俺じゃ全くミカの相手にならねぇし……

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

というわけで武道場に来た。

 

…ん?

俺たちはISの特訓に来たんだよな?

どうして生身で武道場なんかに?

 

「えーっとこれは?」

「うん、袴だよ?」

「知ってますよ、それくらい!だからどうしてここに?ISの特訓じゃないんですか?」

 

道着と袴を着て、生徒会長と対峙するイチカが俺の思っていたことを代弁してくれた。

 

「まぁ、確かにISを展開して特訓というのも大事だけど、ISはそもそも操縦者の身体能力が高ければ高いほど、ISも力を発揮できるのよ。織斑先生だって生身の時でものすごく強いでしょ?」

「うっ、確かにそうだ……」

「ああ……」

 

拳骨の一撃で俺の希望の花(ワンオフアビリティ)咲か(発動さ)せるところまで追い込むくらいだしよ……

 

「というわけで、まず一人ずつ私と勝負して生身の戦闘力を図ろうってわけなの。形とかは関係なくね」

 

なるほど……。

言ってることはごもっともだ。

 

「ということで、まずは一夏君から」

「わかりました」

「頑張れよイチカ」

「頑張って、イチカ」

「おう!」

 

俺とミカの声援を背中に受けたイチカと生徒会長はそのまま向かい合う。

 

「さて、その勝負の方法だけど、私を床に倒せたら君の勝ち」

「え?」

「逆に君が続行不能になったら私の勝ちね。それでいいかな?」

「え、いや…それって」

 

え?ソイツは……

 

「それって生徒会長のほうが不利だと思うけど」

 

俺とイチカが言う前にミカが言ってくれた。

 

そう、生徒会長のほうが不利になっちまう。

 

──なにか仕組んでいるのか?

 

そう俺は疑ったが、生徒会長はただこう言うだけだった。

 

 

「どうせ私が勝つから大丈夫」

 

 

分かりやすい挑発だ……。

 

しかし、イチカはその挑発に少し憤りを覚えたようで……

 

「……それじゃあ、本気で行きますよ」

 

そう言って、イチカは構えを取った。

 

 

「またそうやって挑発を……困った女だ」

「マクギリス、どう見る?」

 

俺がマクギリスにこの試合の結果をどう予想するか聞いてみたが、その答えは俺が思ってんのと全く同じ答えだった。

 

「彼は勝てんよ…」

「だろうな…」

「だよね」

 

安い挑発に乗って良い試しはねぇからよ……。

 

 

「えい!」

 

イチカはそのまま生徒会長に突撃する。

 

体育の授業でやった──「柔道」っつーんだったか?

その基本に忠実なすり足で生徒会長との間合いを詰め、掴み掛かるが……

 

「ふっ」

 

クイッ

 

そのまま軽く受け流され、イチカは地面に叩きつけられちまった。

 

なんだ?あの技、授業で習った背負い投げ、払い腰、外刈り、内刈りでもなきゃ、巴投げでもねぇ。

足技を一切使わずに、手だけでイチカを投げやがった……。

 

ただ、ミカは何やったのか見えたみてぇだ。

感心して「へぇ~」と声を漏らしている。

 

 

後で聞いたが、あれは古武術の奥義の一つ『無拍子』っつーやつらしい。

 

 

「ぐあああっ!くっ…うおおおおおっ!」

 

イチカはすぐに立ち上がり、再び掴み掛かるも……

 

「!?」

 

一瞬にして返され、そのままイチカの体は畳にしたたかに投げ落とされちまった。だが、今度は俺にも分かる。あれは大内刈りっつー技だ。

 

 

「くっ…ううっ…!」

「IS学園において、『生徒会長の肩書き』はある一つの事実を示しているんだよね」

 

生徒会長はイチカの必死な掴みをほとんど受け流しながら話し始める。

 

「くっ、うおおおおおっ!!」

 

「生徒会長、すなわち全ての生徒の長たる存在は……」

 

「うっ、うわああああああっ!」

 

()()()()()、とね」

 

「はぁはぁはぁ……」

 

そして、イチカは生徒会長に背負い投げされて、畳に叩きつけられ、大の字でくたばってしまった。

 

 

ん?

 

その生徒会長の言葉を聞いて、俺はこう感じた。

 

「だったら次はミカが会長ってことになりそうだな」

 

今の所この学園には他に強いやつはいねぇし、つーかこれから増えることも多分ねぇだろうし……

 

「そっか……俺、やってみようかな」

「良いんじゃねぇの?」

「なら、もっともっと頑張らないと」

「そうだな」

 

ミカが会長になったら、一体どうなるんだろうな……

 

……少なくともラウラらへんは喜びそうだが

 

「俺もまだまだ頑張らねぇと……」

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

イチカの負けっぷりを見て、マクギリスがこう言った。

 

「さて、そろそろチェックメイトか?タテナシ」

 

しかし、生徒会長は小さく首を振る。

 

「まだ、みたいよ……」

「くっ……俺は……!」

 

一方のイチカは最後の力を振り絞って

猛勝負にかけた。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

イチカはさらに加速して、そのまま殴りかかるような勢いで生徒会長に掴みかかった。

 

 

────すると

 

 

「…あっ!」

「きゃっ!」

「あれは!?」

 

せ、生徒会長の胸が……

 

道着が開かれたことにより、よく見えちまっている……!

 

「これは…!」

 

俺はすかさずカメラを……

 

って俺は何を!?

 

「ダメだよ、オルガ」

 

ゴンッ!

 

ミカが突如展開したソードメイスで思いっきり俺をぶん殴った。

 

なんだよ、きちんと風紀委員してるじゃねぇか……

 

その時、希望の花(ワンオフアビリティ)咲いた(発動した)

 

「ああ、わかってる……だからよ、胸が見えても盗撮しようとするんじゃねぇぞ……」

 

────────────────────────────────────────────

 

そして生徒会長の道着を脱がしかけた張本人のイチカは……

 

「ぐ、ああっ……ガクッ」

 

生徒会長にボコボコにされ、本当に再起不能になっていた。

 

「……この調子じゃオルガ君の戦闘力を測ることはできないわね…」

「どっちにしろミソッカスだからよ……多分生徒会長には勝てねぇぞ……」

 

残念だが、イチカみたいに生徒会長に挑んだらワンオフアビリティがいくつあっても足りねぇ……。

 

戦う前に負けを認めたかねぇが……もう死んじまったからよ…無理だ……。

 

「まあいいわ。それよりそれがオルガ君の単一仕様能力(ワンオフアビリティ)『希望の花』ね」

 

その問いに俺が答えようとする前にマクギリスがこう回答する。

 

「ああ、そのオルガ団長の単一仕様能力(ワンオフアビリティ)はISを展開していないにも関わらず発動する前例のないものだ」

「規格外ね……でもこれなら()()にも対抗できるわね」

「ああ、どれだけ死んでも生き返るものだからな。敵にとってかなり厄介なものだ」

「試合ならすぐに死んじゃうからアレだけどね~」

 

お前ら……一回死んで生き返るって軽く言うけど、一回死ぬくらいの痛さなんだぞぉ……

 

死ぬほど痛いって言うのが地で行くんだぞ……

 

お前らは────

 

 

 

 

 

────ん?

 

 

一瞬、スルーしかけちまったが……

 

 

俺は生徒会長とマクギリスにこう聞いた。

 

「今言ってたその()()に対抗できるってなんだ?」

 

その質問に生徒会長とマクギリスは少し考える仕草をしたが、数秒の逡巡の後、こう答えた。

 

「それは……まだ君は知らなくて良いものだ」

「そうね、情報漏洩とか怖いしね」

 

よくわかんねぇが、やっぱりコイツら…なんか隠してやがんな……

 

 


 

 

一夏「はぁはぁ……」

 

一夏は疲れた体を引きずりながら、なんとか自室の前に辿り着く。

 

「疲れた……確か、ミカは先に戻ったんだっけ……」

 

(確かに生徒会長のコーチは的確だけど……オルガは毎回死んでたし、かなりキツい…)

 

そう思いながら、一夏は自室のドアノブに手を掛け、扉を開ける。

 

 

ガチャッ

 

楯無「おかえりなさ~い」

 

「ん?……!?」

 

そこには裸エプロン姿の楯無が居た。

 

 

「ご飯にします?お風呂にします?それとも……わ・た・し?」

 

 

まるで新婚の妻みたいなことを言い始めていた。

 

「あ、あ…あああ!?」

 

一夏は疲れでうっかり部屋を間違えたのかと思い、すぐに表の表札を確認するも……

 

 

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つまり、一夏と三日月の部屋であることに変わりはなかった。

 

「…あ、あれ?」

「おかえり♪」

「え、ええ!?…くっ!」

 

一夏が外に誰も居ないことを確認し、すぐに部屋に入り、ドアを閉めた。

 

「はぁはぁ……何を考えているんですか!?」

「え?特別コーチだから……寝食を共にして……波長を合わせていくの…」

「あ、あの……」

 

一夏が楯無にツッコミをいれようとした時……

 

「あっ」

 

楯無が姿勢を崩す。

 

 

「あ!?」

 

思わず目を閉じようとする一夏だが……

 

「ふふふっ……」

「え?」

 

楯無が着ているモノ──それは……

 

「じゃーん、水着でした~♪」

「あ、ああ…はぁ……」

 

そのまま壁に(もた)れ込む一夏。

そんな一夏の様子を見た楯無は彼を揶揄(からか)うようにこう言った。

 

「一夏君は反応が可愛いね~」

「くっ……!」

 

(なんなんだよこの生徒会長!?……)

 

楯無のペースに完全に乗せられ、ツッコミをしようにも追い付かず、また照れくささもあって、どうすればいいか分からず困惑する一夏。

 

(とりあえず、楯無さんを何とか部屋から追い出さないと……。ミカと同室だから、流石にこの部屋に住み着く訳じゃないだろうけど……)

 

そこまで思考して、一夏はこの部屋の同居人である三日月の存在を改めて認識する。

 

「ん?そういえば…ミカもここにいるはずだけd……」

 

そう言おうとした時、

 

三日月「……」

 

楯無の後ろにはナイトキャップを被った三日月が居た。

 

(み、ミカ!?)

 

その三日月の纏うオーラに一夏はこう悟った。

 

(……間違いなく楯無さんは地雷踏んだな)

 

「あぁ、三日月君は…」

「うるさい……なぁ!」

 

三日月はソードメイスを部分展開し、楯無に殴りかかる。

 

ガンッ!

 

楯無は瞬時にISの装備だと思われる槍を展開し、メイスを受け止めた。

 

「あらあら怖い怖い……ごめんね~寝てる所を邪魔しちゃって」

「だから、あんた何?俺達の居場所を邪魔するのは許さない」

「あ、あわわっ!?」

 

一夏の目の前で槍とメイスの鍔迫り合いが始まってしまった。

 

 


 

 

「…………」

 

すたすたと一年生寮の廊下を歩いているのは箒だった。

手に包みを持っていて、時折それを見ては笑みをこぼしている。

 

「…ふふっ」

 

今回の作った料理の出来はかなり良かったらしく、その自信作を一夏が食べたときの反応を予想しながら、自然と速くなる足取りはもう抑えようがない。

 

(……しかし、変わるものだな)

 

箒が転校する前の一夏は当然だが子供じみていた。

 

それが今ではあの頃の面影を残しつつ落ち着きのある大人の雰囲気を少しずつ身につけている。

 

そしてオルガや三日月の影響もあり、男らしさも昔よりかなり上がっていた。

 

それもあってか箒は昔よりさらに一夏に恋心を抱くようになった。

 

(う、うむ……私も私で女を磨かなければな……あいつ好みの女がどういうものかはわからない…が、磨いておかない理由はないからな!)

 

胸に秘めた思いを再確認し、その高鳴りを心地よく受け止める。

 

(一夏はオルガとの模擬戦で散々な結果だったし、少しくらい気分の盛り上がる差し入れの一つも必要だろう。うむ、うむうむ)

 

そう思いながら足を速く進めていくと……

 

「はぁはぁ……はぁ……」

 

 

ちょうど部屋の前で一夏が倒れ込んでいた。

 

 

「い、一夏!?」

 

箒はもちろん一夏に駆け込む。

 

「どうしたんだ!?どこか怪我でもしたのか!?」

「と、止めてくれ……あれを……!」

 

 

一夏が指したその部屋の中では……

 

「くっ、じっとしてろ……!」

「だからそこまで怒らなくてもいいじゃない~」

 

ガンガンッ!

 

楯無と三日月が戦っていた。

 

楯無が部分展開した槍を持ち、三日月も同様にメイスを握り締め、激しく己の武器をぶつけ合っている。

 

「あ、ああ……」

 

思わず絶句する箒。

 

「い、一夏、私でもあれを止めるのは無理だ!……と、とにかく先生を連れてこなければ…!」

「た、頼む……俺はもう体力が……ぜぇぜぇ…」

 

箒はそのまま走り出した。

 

(一夏が私を頼っているのだ!すぐにでも連れてこなければ……!)

 

その後、箒が織斑先生を連れてくるまで

風紀委員と生徒会長の戦いが終わらなかったのは言うまでもない。

 




というわけで2話編終了です。

マクギリスは書いてて楽しい
追加描写も楽しいなぁ……


次回はある意味問題回の3話編です。
引き続きモンタークが担当です。

ボチボチと……進められると良いな
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