ラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神   作:衛置竜人

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第1章『戦女神、マネージャーになる』
第10話『帰国、廃校の危機』


「遠方からの入学試験、ねぇ…」

と音乃木坂学院の南理事長は呟いた。

彼女が目を通しているのは遠方―アメリカから届いた書類と入試問題の解答用紙だった。

「あの子達には秘密にしておきましょうか…彼女が来る日まで」

と理事長は笑みを浮かべるのだった。

 

 

あかりは新たな住居に荷物を運び終えた後、4月から通う事になる音ノ木坂学院を訪れた。

時刻としては朝の9時頃―つまりまだ始業式が始まったばかりである。

あかりは新入生であり、入学式は翌日である為、まだ生徒ではない為、校舎に入る際に入校許可証を貰って理事長室へと向かったのだ。

「理事長、お久しぶりです」

「“何時もの様”に呼んでくれて良いのよ、あかりちゃん」

「はい、おばさん」

理事長は幼なじみの一人の母親である事から自然と交流も多かったのだ。

「でも、流石ね。まさか満点合格するとは思わなかったわ」

「まぁ、“仕事”には支障をきたさないようにテストの点数は確保したいですからね」

「“ことり達”にはもう会ったの?」

「いえ、まだです。

サプライズで行きたいと思ってるので」

と返すあかり。

「“仕事”の事も私の“身体”の事も秘密にしてください。

言うときが来たら自分の口から言うので」

とあかりは付け加えてその場を後にするのだった。

あかりが去った後…

「あの子達は受け入れられるのかしら…あの子の過去を…」

理事長の机にはネストから提出された『頼尽あかりの過去に関する自己報告書』が置かれていた。

 

続いてもう一人の幼なじみの母親の元を訪れて挨拶をし、その後は従姉妹の家―和菓子屋『穂むら屋』を訪れた。

「あら、いらっしゃい―って、あかりちゃんじゃない!久しぶり!」

「はい、お久しぶりです、おばさん」

「何時日本へ?」

「昨日、到着しました。

明日からは音ノ木坂の一年生になります」

「学年的に穂乃果の後輩になっちゃうわね」

「変な感じですよ」

と苦笑いを浮かべるあかりに

「そうだ!今日の夕御飯はウチで一緒にどう?」

「良いんですか?じゃあ、お言葉に甘えて」

 

 

その日の昼過ぎ。今日の音乃木坂とは始業式のみで昼からは放課後となる。

そんな中、3人の少女が帰路に就いていた。

この3人は幼なじみ同士である。

「お母さんが今日の夕飯は海未ちゃんとことりちゃんもどう?って」

そう二人に言ったのは高坂穂乃果。あかりの従姉妹である。

「そう言えば、お母さんから今日は穂乃果ちゃんの家で夕飯を食べて来いって連絡が…」

「私の方にも母から同じような連絡がありました」

そう返したのは南ことりと園田海未。二人とも穂乃果やあかりの幼なじみである。

「急にどうしたのでしょうか…?」

「さぁ…?」

三人は頭を傾げている。

「とりあえず、ウチに来る?」

穂乃果の言葉に海未とことりは頷いた。

 

「ただいまー!」

「「お邪魔します」」

「おかえり、穂乃果。

ことりちゃんと海未ちゃんもいらっしゃい。どうぞ上がって」

穂乃果の母親の言葉に従って三人が上がると、穂乃果の妹の雪穂が二階から降りてきた。

因みに雪穂が通っている音乃木坂中学も今日は始業式のみで昼からは放課後である。

「雪穂、お母さんどうしたの?」

「お姉ちゃんの部屋に行けば分かるよ」

と雪穂はニヤリと笑みを浮かべる。

何なんだろうと思いつつ3人は二階にある穂乃果の部屋に向かう。

「何かパリってポテチを食べる音が聞こえるよ」

誰かいる、では誰がいるのか―穂乃果は勢い良い扉を開けた。

「あっ、久し振りだね!穂乃果、海未、ことり」

座って箸でポテチを食べながら漫画を読んでいたあかりの姿があったのだ。

「嘘…あかりちゃん…」

 

「嘘じゃなくて正真正銘本物のあなたの従姉妹の頼尽あかりですよー」

「本当にあかりなのですか…!?」

「だから本当に頼尽あかりだって言ってるよ」

「本当の本当にあかりちゃんなんだね…」

「本当の本当に頼尽あかりだから安心して」

3人の問いにあかりそう返して数秒後。

「あかりちゃぁぁぁぁぁん!」

「あかり!」

「あかりちゃん!」

3人はあかりに思いっ切り抱き付いた。

「言ったでしょ?帰ってくるつもりだって」

「何時帰ってきたんですか?」

「昨日の昼過ぎ位にこっちに着いたよ。で、準備やら何やらしてたら挨拶が今日になったという訳」

「その制服、音ノ木坂のだよね」

「うん、4月から音ノ木坂の一年生として入学するよ。

まぁ、3人と同い年なのに後輩って変な感じだよ」

「とにかく、お帰り!あかりちゃん!」

「うん、ただいま!穂乃果!」

 

 

 

 

その日の夜、あかりの自宅。

「―うん、それじゃまたね」

とあかりは父方の従姉妹との電話をした後、ヴェルにメールを送ってベッドに寝転がる。

「でも、流石に言う訳にはいかない、か…」

あかりがネスト所属のアデプトテレイターである事を理事長は立場上知っているが、穂乃果達は知らない―いや、話してないのだ。

「もし知ったらどう思うんだろう…」

ある意味では“似たような境遇”であるヴェルは自分の事を受け入れてくれたが、穂乃果達はどうだろうか…

彼女達の事だから受け入れてくれるかもしれないが、もしもの場合―彼女達から突き放される可能性も考えると怖いのだ。

「考えるのは止めて今日はもう寝よう…」

と呟き、消灯して眠りに就こうとした時だった。

『ジーオス出現』

とセンサーがジーオスの姿を捉えてあかりのスマホに連絡を飛ばしたのだ。

あかりはすぐさまベッドから起き、支度を済ませた後、部屋の片隅の本棚の5段目の左端にある辞書程の厚さの本を手前に引く。

するとポスターが貼られた左隣の壁が後ろに下がり、本棚の奥行きより1センチ程下がった後、壁は右側に開いて隠し通路が出現する。

あかりは隠し通路の入り口にあった靴を履いて通路の奥を進んでいき、専用のガレージへと到着、停車しているトレーラートラックに乗り込み発車させるのだった。

 

 

「だ、誰か助けて…」

と小泉花陽は助けを願っていた。

友人の家から自宅へと帰る途中、偶然にもジーオスの姿を目撃、ジーオスに目を付けられてしまい囲まれているのだ。

ジーオス達が花陽で“遊ぼう”とした時、鳴り響いたクラクション音を聞いてジーオス達は思わずその方向を向いた。

花陽もその方向を向くと、あかりの“運転する”トレーラートラックが迫って来ていたのだ。

「バトルマグナス、トランスフォーム」

変声器を通したあかりの静かなかけ声によってトラックは“あかりをコア”として変形を開始する。

ボンネットが腕部に、後部の荷台が脚部に、ルーフが踵へ、運転席周りが胴体へと変形する。

それは花陽を始めこの地球の普通の人間達が知るMSとは異なる存在。

10メートル近くはあろうかという巨体のロボット―トランステクター“バトルマグナス”はジーオスとの交戦を開始する。

バトルマグナスは刀を手にジーオス達を次々と斬りつけていく。

だが、ジーオス達も片腕・片翼が斬られたとしても口からエネルギー弾を発射するなどしてまた襲ってくる。

それに対しバトルマグナスはハンドライフルやショルダーランチャーを発砲する事でエネルギー弾を相殺し、一気に近付いてジーオスの首を刀で切断する。

ジーオス達を殲滅した後、バトルマグナスは呆然と見上げている花陽へ

「この事は誰にも言うな」

と変声器を通した声でそう言い、トラックに変形して去っていった。

 

 

入学式の翌日、掲示板のに貼られていた貼り紙を見た穂乃果、ことり、海未、あかりは驚愕していた。

「は、廃校!?」

「それってつまり―」

「学校がなくなるという事ですか!?」

「私、昨日入学したばかりなんだけど!」

廃校の知らせに

「わ、私の輝かしい高校生活が…!」

穂乃果はショックの余り倒れてしまい

「穂乃果!」」

「穂乃果ちゃん!」

3人の呼び掛けも虚しく気を失ってしまうのだった。

 

 

 

 

To be continue

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