ある日の音ノ木坂中学、高坂雪穂のクラス。
「え~、今日は皆さんに転入生を紹介したいと思います」
転入生、という言葉にクラスがざわつく。
「じゃあ、入って」
担任教師は扉の向こうにいる生徒に呼びかける。
扉を開けて入ってきたのた美しい金髪と碧眼の少女だった。
「絢瀬さん、自己紹介をお願いします」
「はい!絢瀬亜里沙と言います!祖母がロシア人で、ロシアから転入してきました。皆さん、よろしくお願いします!」
ある日のあかりの自宅。
「ん~7時か~」
今日―土曜日は休日。
あかりはベッドから身体を起こし
「身体の簡易検査っと…」
端末を操作し、スキャナーで自身の身体を検査する。
「各部、問題なし、っと」
あかりは着替えた後、朝食を作って食べる。
朝食は白米と味噌汁に限る、というのがあかりの考えである。
朝食を食べ終えたあかりの元に連絡が入る。
「ちっ、朝っぱらからジーオスか」
あかりは悪態をつきながらも準備をして出掛けるのだった。
人里離れた場所にジェネラル級ジーオス(2頭)が巣を作ろうとしていた。
「最近、巣を作ろうとする奴が多いなぁ~
まぁ、どの道討伐するんだけどね!アデプタイズ!バトルマグナス、トランスフォーム!」
あかりはトラック型トランステクターと融合、バトルマグナスへと姿を変える。
「さぁ、狩りの始まりだ!」
武器の刀を構えるバトルマグナスにジーオス達も威嚇、エネルギー弾で間合いを取ろうとする。
一方のバトルマグナスもハンドライフルで相殺、接近戦に持ち込む。
刀を振りかざすバトルマグナスにジーオスは後ろに下がって交わすが、バトルマグナスは両肩のショルダーランチャーでジーオスにとどめを刺した。
続いてもう一頭にハンドライフルを連射しつつ接近したバトルマグナスはジーオスの腹部に刀を上向きにして突き刺し、そのまま上方向へと振り上げた。
「ジェネラル級ジーオス2頭の討伐、完了」
ジーオスを討伐し、一旦帰宅したあかりは
「今日は腹いせにショップ巡りにでも行こうかな」
と出掛ける準備をした。
μ'sの面々はそれぞれ用事があって今日の練習はお休みなのだ。
「ん…あれは…」
あかりの視界にある少女の姿が映った。
美しい金髪に碧眼、年は中学生ぐらいだろう。
(無茶苦茶かわいいじゃないですか…!っていかんいかん!私にはヴェルという嫁が…!)
と少女に見とれていたが
(あれ?誰かに似てるような…)
とも感じていた。
そうやって考えてたら少女もあかりに気付いたようで走り寄ってきた。
「あの、もしかして頼尽あかりさんですか?」
「もしかしなくても私は頼尽あかりだよ。
でも、どうして私の事を?」
「それは―「お~い、亜里沙~!」あっ、雪穂~!」
少女―亜里沙は雪穂に手を振る。
「って、あかり姉(ねぇ)!?どうして此処に?」
「いや、今日は休日だかしみんな忙しかったりで練習もお休みだからのんびり散歩でもって思ってね。
それはそうと、このお嬢さんと知り合い?」
「うん、ウチのクラスに転入してきて、今日はこの辺りを案内しようって思ってて」
ちょっと置いてきぼりになっている亜里沙に気付いたあかりは
「おぉっと、ごめんね。改めて自己紹介を。
私は頼尽あかり。音ノ木坂学院の1年生でアイドル研究部の部員兼μ'sのマネージャーだよ」
「絢瀬亜里沙と言います!ロシアからこっちに来ました!」
絢瀬、と言う名字に聞き覚えしかないあかりは
「もしかして…絵里先輩の身内とか…」
と訊いてみた。
「はい、妹です!この動画もお姉ちゃんが撮ってきてくれて―」
亜里沙はあかりにある動画を見せる。
それはμ'sのファーストライブの動画だった。
よく見るとネットに上がってた動画にはない部分もあった。
(動画を撮影したのは絵里先輩だと分かったけど…
絵里先輩はμ'sの存在に否定的な筈…だったら何故…?)
と動画を見て真剣に考えているあかりに
「あかり姉…?」
雪穂は声をかける。
「あぁ、ごめんごめん。考え事をしちゃったよ」
とにかく後で希に訊いてみるか、と思いつつあかりはこの疑問を胸の中に仕舞った。
「そう言えば、あかりさんってアメリカに住んでたんですよね!」
「うん、そうだよ~小学校を卒業してからだから、かれこれ4年位はね。あっ、そうだ!
《一応話せたりもするんだよね》」
あかりが話した英語でも日本語でもない言葉に亜里沙は驚きを隠せない。
「《ロシア語も話せるんですか!?》」
「《アメリカに住んでた時にロシア人の血を引く友達と知り合ってね。
日本語があまり話せなかったその子に日本語を教える代わりにその子からロシア語を習ったんだよ》
尤もロシア語は日常会話程度しか出来なくて、そこまで流暢には話せないんだけどね」
あかりの意外な特技に二人は驚くしかなかった。
「そうだ!あかり姉も一緒にどう?」
「良いの?」
「はい、是非!」
「んじゃ、お言葉に甘えて。昼は私が奢るよ~」
「良いんですか?」
「うん、こんなかわいい後輩達のお誘いだからね、この位はさせてよ」
あかりの言葉に二人は顔を赤くしつつも秋葉探索へと出発するのだった。
三人は色んな所を回ったりした。
あかりの奢りで昼食を食べた後であった。
「そうだ!今度はあかりさんが行きたい所に行ってみたいです!」
「えっ、私が行きたい!?」
「その鞄、明らかにどっかで買い物に行く予定だったように見えるよ」
雪穂はあかりが背負っている容積がかなり大きい鞄を指差す。
「んまぁ、二人が言うなら構わすに行くよ」
あかりが二人を連れて向かったのはとあるリサイクルショップだった。
「ブッ○オフ・オフハ○ス・ホ○ーオフ…?」
「全国でチェーン展開しているハー○オフグループの店舗だよ。
ブッ○オフは主に古本などを、オフ○ウスは主に家電、ホ○ーオフは主に玩具やホビーを扱ってるんだよ。
それぞれ一つの店舗として展開している店舗もあるけど、ここみたい複合して展開している店舗もあるんだよ」
「ハラショー…」
驚きのあまりそう呟く亜里沙。
「んじゃ、行こうか」
それから買い物を始めた三人。
「このキットが入荷してたとは…良いタイミングじゃないか!丁度二つ目を改造したいと思ってた所なんだよね!さて、これをカートに入れますか!」
というあかりの声やら
「雪穂、あかりさん、これかわいい!」
「へぇ、こんなのもあるんだ~」
「何なら二人にプレゼントするよ」
「えっ、良いの!?」
「うん、この位なら良いよ~」
「あかり姉、ありがとう!」
「ありがとうございます、あかりさん!」
といったやりとりもあったりしつつその店舗での買い物も終了してその日は解散となった。
二人と別れた後、あかりは
「さてと、訊いてみますかね」
希に通話する。
『もしもし、あかりちゃん、どうしたん?』
「あっ、希。この後、会って話をしたいんだけど良いかな?」
『うん、ええよ』
「んじゃ、何時もの焼き肉屋で、私が奢るよ」
そして、とある焼き肉屋にて。
「それであかりちゃん、訊きたい事とは?」
「実は今日、絵里先輩の妹の亜里沙ちゃんと会って、彼女からあの動画―ファーストライブの動画を撮ったのが絵里先輩だと知ったんだよ。
しかし、絵里先輩はμ'sの存在に否定的。
なのに何故かなと思ってね…希なら何か知ってるんじゃないかと思ってね」
「ウチの知ってる、分かってる範囲内で話すよ」
あかりの言葉に希はある動画を見せる。
その動画にあかりは驚くと同時に衝撃を受けた。
動画を見終えたあかりは
「これだ…」
不適な笑みを浮かべる。
「どうやら、“その気”なんやね」
「うん、“その気”だよ。正直に言えば彼女が欲しいね…彼女が入る事で“9人”が揃い、“μ's”というユニットが完成する」
「で、その一人はともかく、もう一人とは?」
「言わなくてもわかるでしょ?それに端からそのつもりだったんでしょ?あのμ'sというユニット名を考えた時点で」
「お見通しだった、というわけやね」
「んじゃ、肉も来たし食べようか」
「そうやね」
μ'sの9人が揃う日もそう遠くはないだろう、とあかりは楽しみでしょうがなかった。
その日の夜。
「今日は楽しかったなぁ…」
ベッドの上であかりは今日の事を思い返していた。
「…ヴェルと一緒にこんな感じにお出かけして遊びたいなぁ…」
思い起こすは相棒たる少女の顔。
「電話とかじゃなくて直に会いたいよ…ヴェル…」
To be continue