これまでのラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神は…(side:Akari)
μ'sも7人となり、残すはあと一人となった。
そんな中、私は絵里先輩の妹である亜里沙と知り合い、彼女をきっかけにファーストライブの動画を撮影した人物が絵里先輩だと知る。
あと二人のメンバーに見当がついた中…
―side out―
現在、アイドル研究部ではある議題について緊急会議が開かれていた。
「リーダーには誰がふさわしいか…私が部長に就いた時点で考え直すべきだったのよ」
「私は穂乃果ちゃんで良いと思うけど…」
「リーダー、ねぇ…言い出しっぺの穂乃果で良いんじゃね?」
にこの意見にそう発言することりとあかり。
あかりは溜め息を吐いた。
事の発端は前日。
あかりは希から―というよりかは生徒会の依頼で部活動紹介のビデオを作成の手伝いをする事となり、その材料集めとして取材をする事になったのだ。
見返りとしてPV撮影にカメラを貸して貰える事となったのだが…
そこで、撮影に参加してた希がある疑問を上げた。
『どうして穂乃果ちゃんがμ'sのリーダーなん?』
その一言に今日は練習を休んで会議が開かれる事となったのだ。
「駄目よ。今回の取材でハッキリしたでしょ?
この子はリーダーには向いてないの」
にこの意見にあかりはそうかなぁ、と思ったが、口に出さなかった。
「そうとなったら早くリーダーを決めた方が良いわね。PV撮影もあるし」
真姫の言うとおりである。リーダーが変わる、それは次の曲のセンターが変わる事を意味していた。
「でも、誰が…一年がやる訳にはいかないし…」
と消極的な意見の花陽。
その意見を聞いたにこは
「リーダーとは熱い情熱を持って、皆を引っ張っていけること!
そして、器が大きくメンバーから尊敬される存在である事!
その条件を満たしているのは―「海未先輩かにゃ?」って何でやねーん!」
「私がですか!?」
「おお!海未ちゃんなら向いてるかも!」
「それで良いのですか!?リーダーの座が奪われようとしているんですよ!」
「μ'sを皆でやっていくのは一緒でしょ?」
「でも!センターじゃなくなるかもですよ!?」
このセンター争いの話に筋金入りのドルオタである花陽は熱くなっていた。
一方の穂乃果はセンター云々にこだわりはないようであった。
「じゃあ、ことり先輩は…副リーダーって感じだよね」
まぁ、凛の意見もわからなくはない。
「じゃあ、あかりは?」
「あかりちゃん、リーダーやってよ!」
穂乃果の頼みをあかりは
「だが断る。私はあくまでもアイドル研究部に属するマネージャーであってμ'sのメンバーじゃないって言ったじゃん。
だからさ、この中で一番の年上で部長のにこさんで良いんじゃね?」
とにこを推薦する。
推薦されたにこの笑顔はこの上ないものであったのは言うまでもない。
話し合いの結論だが、なかなか決まらないので、にこの提案により『歌とダンスが一番上手い者がセンター』になる事となった。
まずはカラオケで歌唱力を判断するのだが…殆ど90点台、真姫に至っては98点だった。
「そうだ!あかりちゃんも歌ってみたら!」
「穂乃果、私はこの勝負にそもそも参加してないんだけど…」
「そんな事言わずに歌ってみるにゃ!」
凛からマイクを渡されるあかり。
「う、うん…まぁ、マイクを渡されたし歌うけど…おっ、この曲は…!」
あかりは曲を選ぶと、その曲のイントロが流れはじめ、その曲を歌うのだった。
因みにあかりの点数は…97点と8人の中で第2位の成績だった。
続いて一行はゲームセンターへと場所を移した。
にこはある筐体を指差す。
「次はダンスよ!使用するのはこのマシン!アポカリプスモードエキストラ!」
そのモードは難易度が割と高い事で有名であった。
(プレイ経験ゼロの素人がまともな点数を出せる訳がないんだから)
何やら不適な笑みを浮かべるにこにあかりは見なかった事にしよう、と心の中で呟いた次の瞬間、筐体の方から歓声が上がった。
「あっ、何か出来ちゃったにゃ~」
トップバッターの凛の成績はハイスコアを更新する程の好成績だった。
「よ~し、やるぞ~!」
穂乃果、海未、ことり、真姫、花陽、にこの順でゲームをしたが、皆そこそこの好成績だった。
「最後はあかりちゃんだよ!」
「えっ!?私もやるの?」
「当然です」
穂乃果と海未に急かされたあかりは曲を選び、集中してゲームをプレイするのだった。
因みにあかりの成績は凛を上回るスコアだった。
驚愕する面々にあかりは
「た、たまたまだよ、たまたま」
と苦笑いを浮かべるのだった。
「歌もダンスも決着が着かなかった以上、最後はオーラで決めるわ!
歌もダンスも下手なのに人を惹きつけるアイドルがいる」
「わ、分かります!何故か放っておけないんです!」
にこに同意を示す花陽であったが、他の面々(あかり除く)はいまいちピンと来ないらしい。
「でもそんなものどうやって競うのですか?」
「これよ」
にこが皆に手渡したのはライブのチラシだった。ざっと20~30枚くらいだろう。
「あかり、アンタはマネージャーだから勝負関係なく宣伝して貰うわよ」
「了解で~す」
散り散りになりチラシ配りを始める面々。
殆どのメンバーは順調に配っていったが、海未はやはりチラシ配りにまごついていた。
一方のにこはキャラを作りすぎた事が災いして避けられていた。
そんな中、一番に配り終えたのはことりだった。
手慣れ“過ぎた”様子でチラシを配っていくことりにチラ見したあかりは少々気になったが、とりあえず胸の中に閉まってチラシ配りを続行するのだった。
チラシ配りの後、一行は部室に戻り結果発表を行った。
一通りやってみた結果だが、皆似たり寄ったりな点数で、各々の得意不得意がはっきりと別れる結果となった。
具体的には花陽はダンスの点数が悪かったものの歌の点数が良く、逆に歌の点数が悪かったことりはチラシ配りの点数が良かったといった具合である。
「にこ先輩も流石です。全然練習してないのに同じ点数だなんて」
「あ…当たり前でしょ」
凛に対しそう返すにこであったが…
・高得点が出やすい曲をあらかじめリサーチ
・熟知したダンスマシンでの勝負
と不正しているようなものなのだが、本人の名誉の為にもこの事には目を瞑っておこう。
「一応、あかりの点数も記録したのですが…
総合的にトップはあかりなんですよね」
海未の言うとおり、総合的にトップなのはあかりだった。
歌唱力は真姫に次ぐ2位、チラシ配りもことりに次ぐ2位でダンスに至ってはダントツで1位だ。
「やっぱりあかりがリーダーの方が―」
真姫の言葉を
「それじゃダメなんだよ。私じゃ、駄目なんだよ」
あかりは遮った。
じゃあ、誰がリーダーに相応しいのか…
「じゃあ…無くっても良いんじゃないかな?
今までリーダー無しでも練習してきて、歌も歌ってきたんだから平気だと思うよ?」
その意見を出したのは穂乃果だった。
「ならセンターはどうするのですか?」
「うん、それなんだけどさ、私、考えたんだ。
皆で歌うってどうかな?
皆で順番に歌い、皆で一つのステージを作っていく。
それで良いんじゃないかな?」
「良いと思うよ。μ'sらしいやり方だと思う。皆はどう?」
穂乃果の意見を肯定するあかりの言葉に
「まあ、歌は作れなくはないですが」
「そういう曲、無くはないわね」
海未と真姫も賛成し、ことり、凛、花陽も同じく賛成する。
「…仕方ないわね。ただし、にこのパートはかっこよくしなさいよ?」
「よーし!じゃあ早速練習しよう!」
穂乃果を先頭に部室を飛び出し、練習をしに屋上へと向かうμ'sの面々の姿に
「何者にも囚われず、目の前の目標に一直線で…そんな彼女の周りには常に人がいる。
やっぱり、μ'sのリーダーは穂乃果なんだよ」
とあかりは呟くのだった。
撮影に校舎全体を使用し、穂乃果達のクラスメートやあかりのクラスメート、更に放送部などの協力もあってμ'sの新曲『これからのSomeday』のPVが完成した。
メルヘンチックな衣装を纏い、装飾された校舎内を楽しそうに歌い踊る7人の姿は血塗られた存在たるあかりにとっては余りにも眩しすぎるものであった。
To be continue