ラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神   作:衛置竜人

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第27話『先輩禁止令…?』

さて、今日のラブライブ!9人の女神と鋼鉄の騎士はとある駅から物語を始めるとしよう。

「さて、みんな揃ったわね」

絵里はμ'sの面々とあかり達9人を見渡す。

「それじゃ、合宿に行く前に一つ提案があるんだけど―」

さて、何故合宿に行くことになったのか…それはつい先日に遡る。

本格的に夏へ突入し、最近炎天下が続いている状況下、屋上での練習はかなり過酷なものへとなっていたのだ。

このままでは身が保たないという事で提案されたのが合宿であった。

夏休みなので時間はある、資金面も問題はない。

だが、問題は場所であった。

そんな中、真姫は両親(娘のアイドル活動を知っているらしく全面的に応援してるとか)へ別荘の使用許可について交渉し、使用許可が下りたのだ。

さて、経緯はこの位にして駅でのやり取りに戻るとしよう。

「―これからは先輩禁止で行こうと思うんだけど…どうかしら?」

あかり以外の他のメンバーというか一年生と二年生から驚きの声が上がっるのも無理はない。

絵里の口から学校での最上級生に対する礼儀である“先輩”を禁止する提案がなされたのだ。

「もちろん、先輩後輩の関係も大事だけど、踊っている時にそういうことを気にしちゃ駄目だと思うの」

「“絵里”の言うとおりだね。

三年生だから、って感じてわ意見を飲み込んでしまう場面が多々見受けられるよ」

早速実践するあかり。

「あかりが言う事も尤もですね。私も三年生に合わせてしまう所がありますし」

「にこはそんなこと感じないんだけど?」

「それはにこ先輩は上級生って感じがしないからにゃ」

凛の言葉にそれじゃ何よと問うにこだったが…

「うーん、後輩っぽい何か?」

「ていうか子どもっぽい何か?」

「マスコットっぽい何かかと」

というのが穂乃果と凛と希の返答だった。

「そう言えば、あかりは希の事を先輩後輩抜きで接しているわよね?」

にこの疑問―それは希とあかり以外の面々が以前から抱いていたものだった。

アメリカで親しくなった、というのは知っているがそれを除いても希はあかりより一つ年上である。

「あぁ、それはえっと―」

「あかりちゃんはウチの事を同い年かと思ってらしいんよ。でも、始めて会った時は丁寧口調やったで」

と希は笑みを浮かべてそう言い、あかりは苦笑いを浮かべながらこう続けた。

「ま、まぁ…アメリカにいた頃は歳上だろうが呼び捨て上等な人が周りにはいっぱいいたからね…その頃の癖が今も残っているから歳上でも呼び捨てする事に抵抗はないのかも」

「じゃあ早速始めるわよ、まずは穂乃果」

「は、はい!…え、絵里ちゃん…!」

「ハラショー!」

緊張しながらも名前で呼ぶことが出来た穂乃果に絵里は笑顔を向ける

「凛も凛も!えっと…ことりちゃん?」

「うん!よろしくね、凛ちゃん!真姫ちゃんも!」

皆の視線は真姫の方へ向くが

「べ、別にわざわざ呼んだりするもんじゃないでしょ!?」

真姫はそう返すのだった。

 

 

「Wow…It's so big…」

真姫以外のメンバーは別荘の大きさにただただ圧倒されていた。

「そう?普通でしょ」

真姫の言葉に

「いや、普通じゃないよ」

とツッコミを入れるあかりだが…もしこの場に理事長がいたら

『無人島を余裕で買えるどころか普通に過ごせば一生遊んで暮らせる分の金を持っているあなたがどの口を言うのかしらね』

と言ってただろう。

「真姫ちゃん、お金持ちにゃあ…」

 

 

その後、各自荷物を部屋に置き、集合時間になるまで自由行動をする事になった。

「あかりちゃんも見学?」

「そう言う希も?」

あかりの言葉に頷く希。

「あら、希にあかりじゃない」

「絵里も見学?」

「えぇ、大体内部は把握したわ。それにしても、あかりは慣れているわね」

「う~ん、“あっちの学校”では少人数で学年も“一学年”しかなくて、更に年上に囲まれてて同年代は私のみ、後は私より二つ年下の子が一人だったからね。

女子は私とその子だけだったよ。小学生時代も気に食わない者は上級生だろうが逆らってたし…

普段は平穏に過ごそうとしていたその性もあってか何時の間にか怒らせてはならない『鬼女』なんて渾名を貰っちゃってたよ。

まぁ、そんなこんなで年云々で上下関係とかはあまり気にしないし、あっちで慣れちゃった分、学年云々も気にしないどころかあまりピンと来ないかな。

あっ、『その子からロシア語を習ったんだよ、私が日本語を教える代わりに、ね』」

と後半はロシア語でそう返したあかり。

「『亜里沙から話は聞いてたけど、本当に話せるみたいね』

それにしてもここは本当に良い場所ね。真姫に感謝しなくちゃ。それに、練習も出来そうだし」

「エリチ、もしかして歌の練習もするつもり?」

「勿論。ラブライブ出場枠が決定するまであと一か月もないんだもの」

「やる気やね。…ところで、花陽ちゃんはどうしてそんな隅っこにいるん?」

「ひ…広いと何だか落ち着かなくて…」

「その気持ち、わかるかも。ウチも広い場所はちょっと慣れへんし」

「そう言えば、これから練習だよね」

花陽の言葉に絵里は頷く。

「ええ、この合宿中の練習メニューは海未が考えてくれているわ」

「ああ…だから妙に張り切っていたんだね…」

あかりは嫌な予感を感じていたが…その予感は当たる事となった。

 

 

 

 

 

海未は周囲から大和撫子のイメージを体現したという印象だと評価されがちだが、実際には体育会系であり、こういった時には普段以上の気合いが入る。

「これが練習メニューです!」

(やっぱり予感的中か…)

とメニュー表を見たあかりはそう思いつつ頭を抱えた。

「って、海は!?」

「…私ですが?」

「この場合、海未じゃなくて“海”の方、“sea”の方だよ」

穂乃果のツッコミにボケる海未にツッコむあかり。

海未以外の皆が引いたり顔をしかめたりするのも無理はない。

練習メニューの内容は

・ランニング10km

・腕立て腹筋20セット

・精神統一

・発声

・ダンスレッスン

・遠泳10km

で1日の円グラフが全部埋まっているという常人離れした内容だったのだ。

「最近、基礎体力を付ける練習が減っています。折角の合宿ですし、ここでみっちりやっておいた方が良いかと思いまして!スポーツ関係の本を読み、皆が身体を壊さない程度の練習量を弾きだした結果がこれです!」

「え、遠泳10キロって…」

「その後にランニング10キロ…!?」

絶望感を抱く穂乃果とにこ。

「みんなもつかしら…?」

と疑問に思う絵里に

「大丈夫です!熱いハートさえあれば!」

と生き生きした良い笑顔で海未はそう返す。

「わー海未の笑顔が眩しー。(人間を卒業した私はともかく)普通の人間じゃ無理です多分身体が悲鳴を上げますよー」

もはや棒読みであるあかり。

一方の穂乃果は凛とアイコンタクトを取り、即座に行動へと移した。

「あー海未ちゃん!こっちこっちー!ほらあそこー!」

凛が海未を遠くに引っ張り出した隙に絵里、希、真姫、あかり以外の面々が海の方へ走り出したのだ。

「これはしてやられたねぇ~海未」

ニヤニヤするあかりの言うとおり、これは海未の負けである。

「まあ、仕方ないわね」

「良いんですか、絵里先ぱ…あっ…」

片目を瞑って口元に人差し指を立ててた絵里に海未は頭を下げた。

「μ'sはこれまで部活色が強かったから、こうやって遊んで先輩後輩の垣根を取り去るのも大事な事よ」

「絵里の言うとおりだよ、海未。

今日ぐらいは羽を伸ばして休もう?」

絵里やあかりがそう言った後、花陽が手を振って呼んだのであかり達も海へと向かうのだった。

 

海辺で楽しそうに遊ぶμ'sの面々をあかりはPVの材料を確保する為、自前のオーダーメイドである“特殊な防水加工”を施したビデオカメラでその様子を撮影していた。

 

 

殆どメンバーが楽しそうに遊ぶ中、真姫だけはピーチパラソルの下で寛いで本を読んでいた。

「真姫は難しそうね」

そう呟く絵里に対し

「いつぞやかの誰かさんにそっくりやな」

「そうだね」

希とあかりはμ's加入前のお堅い生徒会長時代の絵里の姿を思い浮かべながらニヤニヤしていた。

そんな二人に絵里は

「否定はしないわ」

と笑みを浮かべて返すのだった。

 

 

 

 

To be continue

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