ラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神   作:衛置竜人

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第37話『ユメノトビラ』

さて、今回のラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神は秋葉原から物語を始めるとしよう。

「さぁ~て本当にどうしようものか…この辺りは人が多いし…」

「それにここはA-RISEのお膝元よ?下手にやれば喧嘩売っているとしか思われないわよ」

あかりとにこの言うとおりであった。

今回の予選は参加グループの多さから指定会場以外の場所でもライブを行う事が出来るのだ。

そして、現在μ'sの面々とあかりはライブの会場になりそうな場所を探していた。

何時も使っている校内では目新しさがないと考えた面々はこうして秋葉原を探索していたのだ。

そんな中、穂乃果はふとUTX学院のモニターの方を見上げた。

モニターにはA-RISEのPVが映されており、それを見た穂乃果が

「負けないぞ」

呟いた時だった。

「―高坂さん」

PVに重なる様に現れた人物―それはA-RISEのリーダーであるツバサだった。

声を上げようとする穂乃果の口を塞いだツバサは穂乃果の手を取って走り出した。

そして、それに気付いたあかりも

「何やら面倒な事が私に来そうだよ」

とこれから起きるであろう事を予測しつつ二人を追い掛けるのだった。

 

UTX学院のカフェスペース。其処にはμ'sの面々とA-RISEの三人、そしてあかりの姿があった。

あかりは内心冷や汗をかいていた。

何せμ'sの面々には言ってない事があるのだ。

ツバサとは父方の従姉妹で、英玲奈やあんじゅとも友人である事…もしドルオタであるにこや花陽に知られたらどうなる事やら…それを考えただけで恐ろしくなったのだ。

周りを見回した絵里は

「素敵な学校ですね」

と一言を言い、ツバサは礼を言った後、こう口にした。

「同じ地区のスクールアイドルをやっている者として、一度挨拶したいと思っていたのよね。高坂穂乃果さん」

穂乃果は動揺しているが、英玲奈は構わず彼女への評価を述べた。

「人を惹きつける魅力、カリスマ性とでも言えば良いのだろうか。九人で居ても、なお輝いている」

誰に訊いたのやらと疑問に思うμ'sの面々だが…実はあかりから訊いた事である。

「私達ね、貴方達の事をずっと注目していたの。

前のラブライブでも貴方達は一番のライバルになると、そう思っていたの」

「ま、まぁ…前のラブライブは色々あって辞退したからね…」

ツバサとあかりの言葉の後、A-RISEの面々は他のメンバーの評価を述べた。

「絢瀬絵里。ロシアでは常にバレエコンクールの上位だったと聞いている」

「西木野真姫は作曲の才能が素晴らしく―」

「園田海未はそんな曲に合う素直な歌詞を書く」

「星空凛のバネと運動神経は全国のスクールアイドルの中でもトップクラスね」

「小泉花陽はの歌声は個性あるメンバーに調和を齎す」

「東條希はメンバーを包み込む包容力を持つ」

「南ことりはかの秋葉のカリスマメイド―ミナリンスキーその人である」

残すはにこのみ。ツバサの視線はにこに向けられる。

「そして、矢澤にこ…いつもお花ありがとう!」

μ'sの面々が面食らったのも無理はない。

「み、μ's結成前からファンだったのよ~」

とにこは笑ってごまかした。

「グループになくてはならない小悪魔であり、なかなかの根性の持ち主と聞いたわ」

何故ここまでに詳しいのか―メンバーを代表して絵里はツバサに問うが…

「前々から興味があったと同時にある人から訊いていたのよ。

μ'sの持つその力を余すことなく発揮させようと尽力する敏腕マネージャー。

“神童の鬼女”にして“鋼鉄の戦女神”たる私の“父方の従姉妹”にね。あかりちゃん」

ツバサの言葉にμ'sの面々の視線が一斉にあかりの方へ向けられた。

その表情は驚きに満ちていた。

「あかりちゃん…本当なの…」

穂乃果の問いに

「い、yesだよ…穂乃果は“母方”の従姉妹でツバサは“父方”の従姉妹なんだよ」

とあかりはもうどうにでもなれといった表情で返した。

そして、にこはあかりの肩に手をやって笑顔でそう言うが…目が笑ってなかった。

「あかり、後で詳しい話があるからそのつもりで」

あかりは無言で頷く。

「私達は貴方達を注目していたし、応援もしていた。そして何より…負けたくないと思っている」

真剣な目で言うツバサ。

「でも、貴方達は全国一位で―」

「それはもう過去の事の事よ」

「私達はただ純粋に、今この時一番お客さんを喜ばせる存在でありたい。ただ、それだけだ」

海未の言葉にあんじゅと英玲奈はそう返し、ツバサはこう締めくくった。

「お互い頑張りましょう。だけど、私達は負けません」

その言葉に穂乃果は

「私達も負けません」

こう返した。

去り際にツバサはある提案をした。

「ねえ、もし歌う場所が決まってないのならウチでライブをやらない?

屋上にライブステージを作る予定なの」

ツバサの提案に対する穂乃果の答え。

「やります!」

その後、その場は解散となったが…あかりにμ'sの面々から追求があったのは言うまでもない。

 

 

 

 

数週間後。遂に予選の日が訪れた。

「みんな似合ってるよ!」

「当たり前でしょ。なんたって今日は勝負なんだから」

あかりに対しそう返すにこ。

「でも、本当に良かったのかなぁ…A-RISEと一緒で…」

不安げなことりの言葉にあかりはこう返した。

「これで良かったんだよ。それにさ、一緒にライブをやるって決めてからみんなはこの二週間、集中して練習することが出来た」

「あかりの言うとおり、この提案を受けた事は正解よ」

絵里がそう言った時

「こんにちは」

と衣装を纏ったツバサが笑みを浮かべて入ってきた。後ろには既に衣装を纏ったあんじゅと英玲奈の姿もある。

「あ、こんにちは!」

「いよいよ予選当日。今日は同じ場所でライブが出来て嬉しいわ。予選突破を目指して、互いにベストを尽くしましょう」

「はい!よろしくお願いします!」

穂乃果とツバサは固い握手を交わし、ツバサはあかりの方を向く。

「私達のステージ、楽しみにしててね」

「勿論だよ」

 

 

そして、屋上。μ'sの番はA-RISEの次である為、終わったら直ぐに始められる様にとA-RISEのステージを見るべくμ'sの面々は舞台袖にいた。

そして、開始時刻となり、A-RISEのパフォーマンスが始まった。

「流石A-RISE…スクールアイドルの頂点というのも伊達じゃない…」

あかりはA-RISEのパフォーマンスに圧倒されていた。

あかりはμ'sの面々の方を向く。μ'sの面々も直に見るA-RISEのパフォーマンスに圧倒されていた。

殆どのメンバーが自分達との実力差に愕然とする中…穂乃果とあかりだけは違った。

「A-RISEのライブが凄いのは当たり前だよ!」

「折角のチャンスを無駄にしないよう、全力でぶつかっていこう!」

二人の言葉に皆は頷き、穂乃果は皆を集めて円陣を組む。

それぞれが出したピースは一つの大きな星を象る。

「A-RISEはやっぱりすごいよ。こんなすごい人達とライブが出来るなんて…自分達も思いっきりやろう!μ's―」

穂乃果が掛け声をしようとした時。

「穂乃果!」

μ'sの面々とあかりが振り向いた先にはヒデコ、フミコ、ミカの三人―ヒフミトリオを始めとした音ノ木坂の生徒達がいた。

彼女達の存在はμ'sの面々とあかりにとってどれだけ心強いものであったか。

彼女達の手伝いもあってステージの準備もあかりの予想以上に早く終わった。

 

 

そして、μ'sのパフォーマンスが始まった。

 

 

『ユメノトビラ』という題名のこの歌は夢へ向かって駆け出し“扉”に笑顔で挑んでいく彼女達の決意が込められた歌である。

 

 

「すごいわね…彼女達」

「More than meets the eye…」

「目に見える以上のものが其処にある、ね」

ツバサの言葉にあかりは頷くのだった。

 

 

「ファーストライブの時に穂乃果は言ったよね…このまま見向きもされないかもしれない、応援されないのかもしれないって…でもね、皆見てくれてるよ!だから全力を見せてあげて!」

懸命に、そして楽しそうに踊り舞うμ'sの面々の姿を見てあかりはそう呟くのだった。

 

 

 

 

To be continue

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