さて、今回のラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神はある日の生徒会室から物語を始めるとしよう。
「海未の分は綺麗に整理されてるから処理しやすいけど…穂乃果の分の書類ェ…流石の私でも書類の整理ぐらいはちゃんとするよ」
と愚痴をこぼしつつあかりは生徒会の書類の処理を行っている。
と言うのも二年生組は現在修学旅行へ行っており、その間の生徒会業務は絵里と希、あかりが引き受けていた。
「あかり、ありがとうね」
同じく生徒会の書類を処理している絵里はそんなあかりに礼を言う。
「ううん、気にしないで!それはそうと今週は…」
「例のイベントね。あれ、この書類…抜けているわね…」
「どんな書類?」
あかりは絵里に書類の種類と抜けている書類について聞き、今部室に遊びに来ているヴェルにメールを送る。
「それなら部室にあるってヴェルが言ってたよ」
「ほな、部室に行こうか。ヴェルちゃんに礼を言わへんと」
「私も行くわ」
「んじゃ、私も」
一方の部室では真姫、凛、花陽、ヴェルが談笑をしていた。因みににこはスーパーへ買い物に行っている為、欠席である。
「そう言えば、ヴェールヌイちゃんは中学校には通わないの?」
「ヴェルで構わない…ません。中等教育は通信教育で済ませてますしこの残り数ヶ月しかないのに通うというのも何というか…どうせなら一年通して学園生活をじっくり満喫したいですし…
もう何ヶ月か早かったら中学校には通ってたかもしれませんが…」
ヴェルの言葉に『編入を選ぶよりもじっくり学園生活を満喫する為、わざわざ入学試験を選んだあかりと似た者同士だな』と思わずには居られない真姫、凛、花陽であった。
「やはり学園生活に憧れるにゃ?」
「はい、“普通じゃない人生”を送っている身としては…」
丁寧口調なヴェルに三人は苦笑いを浮かべ
「ねぇ…ヴェールヌイ…そんな畏まらなくて良いのよ」
「はい、いや、うん…」
とヴェルは困惑しつつも何かを考えた後
「じゃあ、私もヴェルと呼んでほしい」
と上目遣いで三人に頼む。
三人の心にクリーンヒットである。
「わかったよヴェルちゃん!改めて宜しくにゃー!」
4人が和気藹々としている時
「お~三人がヴェルに落とされたのかヴェルが三人に落とされたのか…いや~和みますなぁ~でも何か妬いちゃうなぁ~」
そう言ってあかりが絵里や希を連れて部室に入ってきた。
「和むのは良いけどやることはやっておかないとね」
ヴェルは見つけた書類を絵里に渡す。
「ありがとうね、ヴェールヌイ」
「ヴェルで良いですよ」
「じゃあ私達も畏まらずに」
「はい…いや、うん分かった」
そう頷くヴェルの頭を絵里は撫でる。
「もしかしてまた練習、凛達だけー!?」
「今週末には件のファッションショーでのステージがあるんだし、気合い入れていこう」
あかりの言う通り―件のファッションショーは今週末開催である。
しかし、開催日は二年生組が修学旅行から帰ってきた直後。
そこで穂乃果達がやりやすい様に彼女達抜きで練習をする事になったのだ。
部室を出た後
「あかり、考えている事があるんだけど…」
「奇遇だね~私もだよ」
「ウチもや」
と笑みを浮かべる3人。
「多分穂乃果も同じ事を言うんじゃないかな」
絵里は穂乃果に連絡を取り、数分に渡るやり取りの後、通話を終えて親指を立てる。
途中、絵里が不思議そうな顔をして首を傾げたのだから一体どんなやり取りが繰り広げられてるのやらと思う二人だったが…とりあえず胸の中に閉まっておく事にするのだった。
「んじゃ、早速皆に話を付けとかないとね」
「にこっちにはウチの方から連絡しとくよ」
(尤も本人は否定しそうなんだけどね)
とあかりはそう思うのだが、あかり自身は…いや、あかりだけでなく絵里や希や穂乃果もまた彼女が“相応しい”と思ったからこそ彼女を選んだのだ。
「り、凛がリーダー!?」
「えぇ、これからのμ'sの事考えたり、暫定的でもリーダーがいた方が練習の方向性も定まると思ったのよ」
「期限は穂乃果達が帰ってくるまでの間だよ」
絵里とあかりの言葉を受けても凛は断固拒否する。
「そ、それなら真姫ちゃんとかが良いんじゃない!?ほら、歌も上手いし、ダンスだって!」
その言葉からあかりは
「凛、やってみた方が良いよ。…この機会に“自分と向き合ってみたら”どうかな?」
そう言い
「そ、そこまで言うなら…」
凛は不承不承ながらに了承するのだった。
その後、あかりと真姫は花陽から凛の事について話を聞いていた。
「凛が引っ込み思案なのって…」
「うん…昔からね…それに“あの事”をまだ引きずってるのかも…」
花陽の言葉にやはりか、と以前に凛の過去について聞いていたあかりは呟いた。
中心にいるよりも傍らで一緒になって騒ぐタイプ―それが星空凛という少女だった。
「もしあの場に私がいたらそいつ等を血祭りに上げてたよ…」
「あかり、発言が物騒よ」
真姫はあかりにツッコミを入れる。
「ごめんごめん。…とにかく、今回の件にとっては凛にとって試練であると同時に“自分の殻”を破るチャンスでもある。
…私はみんなのおかげで“殻”を破る事ができた。だったら、今度は私が支える番だね」
「私達、でしょ?」
真姫の言葉と花陽の表情に
「それもそうだね」
とあかりは返すのだった。
凛をリーダーにして1日が経過したのだが…練習はお世辞にも順調とは言えなかったのだ。
凛はリズムを上手く取れずダンスのテンポを崩してしまう事が多く、またにこと真姫がステージの使い方について議論して意見を求められた時にもあやふやな返答をして逆ににこに怒られてしまった。
彼女なりに頑張ってはいるだろうが…やはり難しい問題であった。
更に想定外のアクシデントが発生した。
その日の夜。穂乃果からの通話の後、あかりは
「台風の野郎!少しは空気を読みやがれやクソッタレが!」
と台風に対しブチ切れていた。
「これまた不機嫌だね…で、あっちから連絡が?」
ヴェルの言葉にあかりは
「面倒な事になったよ」
と返した。
翌日の部室。
「―という訳だよ」
あかりは皆に穂乃果からの連絡について話した。
昨夜掛かってきた穂乃果からの電話の内容―台風の影響で飛行機が欠航になるという事。
それはつまり穂乃果達はイベントに出れないという事を意味していた。
「あかりの言うとおり、穂乃果達はファッションショーには間に合わない。
だからこそリーダーである凛がセンターを努めてもらうことになるわね」
「そういう事。そして、あっちからからセンターの人に着てほしいっていう衣装が届いたよ」
そう言ってあかりが皆に見せたのは女の子達の“憧れ”の集合体たるウェディングドレスをイメージした衣装だった。
「こ…こここ、これを…り、凛が…!?はは、はははっはははは!」
“凛が壊れたbyあかり”である。
にこが近づくと、凛はと猫のように威嚇して部室から逃げ出そうとした。
「あ、あれ!?何で扉が!?」
「な~んでだと思う~?それはね、あんたに何時もやられっぱなしだからよ!」
にこの言葉を受けても尚も逃げようとする凛だったが
「私達から」
「逃げられるとでも?」
と行く手をあかりとヴェルに阻まれてしまうのだった。
To be continue
・風見 ヴェールヌイ(かざみ―)
種族:アデプトテレイター/アデプトマスター
所属:特殊災害対策機関《ネスト》日本支部
誕生日:10月3日
血液型:O型
年齢:15歳(ショッピングモールでのライブ時)
好きな食べ物:ビーフストロガノフ、うどん
嫌いな食べ物:栗以外の果物(特に柑橘系)全般
好きな戦車:T-34
好きな恐竜:アロサウルス
あかりと同じ全身義体型テレイター―アデプトテレイターにしてアデプトマスターである少女。
ロシア人の父親とアメリカ人(日本に帰化したらしい)と日本人のハーフである母親との間に生まれたハーフであり、アメリカやロシアで暮らしてたのもあってロシア語と英語は難なく話せるが、両親の会話も基本的に英語かロシア語中心だったのもあって日本語はあかりから教えてもらうまではあまり上手く話せなかった。
今では問題なく話せる。
また、あかりにロシア語を教えた張本人でもある。
ジーオスの襲撃により家族を失い、自身も重傷を負った後、アデプトテレイターになって家族の仇たるジーオスと戦う道を選んだ。
あかりとはネストの訓練校時代からの同期であり、親友にしてライバルでもある。
あかりが日本支部へ配属された後もアメリカでジーオスと戦っていたが、日本支部からの人員増強の要請もあって日本支部へ配属、あかりと一緒に住む事になった。
中等教育は通信教育で行っているのと学園生活はじっくり年単位で味わいたいという考えもあって中学校には通っていないが、学年的には雪穂や亜里沙と同級生に当たる。
まだ音ノ木坂の生徒ではないものの、アイドル研究部の外部協力者として部室に出入りしている(勿論、理事長からの許可は得ている)。
愛称はヴェル。
尚、声や外見が何処ぞかの駆逐艦娘に似ている様な気がしないでもないが気にしてはならない。