ラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神   作:衛置竜人

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第45話『面倒くさい者同士』

さて、今回のラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神はアイドル研究部部室から物語を始めるとしよう。

 

 

最終予選でどの曲を歌うか。「新曲を歌う」という意見を出したのは絵里だった。

「歌える曲は一曲だから、大事に決めたいわね」

「なる程…予選じゃ新曲のみって条件だったから、ここでも新曲でやると人々の印象に残るかも」

あかりも絵里の意見に賛成である。

新曲はどんな曲にするか…話し合いが行われる中、希の意見で空気が変わった。

「例えばやけど…このメンバーでラブソングを歌ってみたらどうやろか?」

希の意見に花陽は熱く語り始めた。

「確かにアイドルにラブソングは鉄板中の鉄板!だけどμ'sには女の子同士のラブソングにしてデュエット曲の『硝子の花園』しかなかった…!」

花陽の言葉に穂乃果はある疑問を持った。

「そういえば…どうして、今まで『硝子の花園』以外のラブソングは無かったんだろう?」

「それは~…」

ことりの視線―そして皆の視線が作詞担当たる海未に向けられる。

「…私ですか!?」

自覚なしかよ、とあかりはそう思った。

「だって海未ちゃん、恋愛経験ないんやろ?」

「な、なんで決めつけるのですか!?」

「「あるのっ!?」」

穂乃果とことりが海未に詰め寄る。

皆が詰め寄った頃、海未はとうとう白状した。

「―ありません」

その言葉に皆はホッとするが…皆似たようなものだとつっこんでは駄目である。

「そう言えば、あかりって恋愛経験とかあるの?」

にこの疑問に対しあかりはさらっとこう答えた。

「現在進行形であるよ。まぁ、相手は“同性”だけどね。

…あんな事があったから流石に異性には…」

その言葉に皆の空気が重たくなる。

あんな過去―アデプトテレイターになる前に異性に強姦された過去ががあったから異性に恋愛感情が湧かないのも無理はない。

「ごめん…」

「もう過ぎた事だから気にしなくて良いんだよにこ!」

あかりは笑みを浮かべてそう言った。

 

話し合いの中、真姫はある意見を出した。

「―にしても、今から新曲なんて無理じゃない?」

真姫の言うとおり―現実的に考えれば今から新曲を作るのは難しい話である。

このままラブソングという案は没になる空気だったが…

「でも、諦めるのはまだ早いんじゃない?」

そう意見を出したのは絵里だった。

そんな絵里に

(何かある…)

と思ったあかりは

「絵里の言うとおりだよ!挑戦してみるのもありだと思うしラブソングの存在はやっぱり大きいと思うよ!」

と絵里の意見を肯定したのだった。

 

 

放課後、あかりの部屋にμ'sの面々は集まっていた。

「そう言えばヴェルちゃんは?」

ヴェルの姿を見かけない事に気付いた凛はあかりに尋ねる。

「ヴェルなら雪穂や亜里沙の所に行くって。

勉強会とかの付き添いなんじゃないかな?」

「まぁ、ヴェルも頭が良いしね…」

真姫の言うとおり―ヴェルもまた頭が良いというか―あかりに匹敵するレベルであった。

「んじゃ、そろそろ勉強会でも始めようか」

かくして恋愛について学ぶ勉強会が始まったのだった。

「ことり、例の物持ってきた?」

「うん、持ってきたよ!」

ことりが取り出したのはとある恋愛映画のDVDだった。

「さて、見る前に…ごめんね、海未!」

あかりは海未を気絶させ、手近にあったロープで海未の手足を縛る。

「こうでもしないと良い所で強制終了させかねかいからね」

解説の後、さっそく恋愛映画を観賞し始めた。

 

内容自体はありきたりな内容の作品なのだが…泣けるものは泣けるもの。

みんなハンカチを握り締めていた。

「はっ!此処はあかり!」

海未が漸く目覚めた。

「海未静かに!今、良いとこだから!」

「良いとこ…?」

あかりの言葉に首を傾げ、テレビを見る海未だったが…

現在、映画はこれまた恋愛映画ではお馴染みのラブシーン―男女が互いに向き合い、女の方がそっと目を閉じてそれを見た男が徐々に顔を近づけていくというシーンだった。

当然、“こういうの”に耐性がない海未は顔を赤くして狼狽している。

殆どの面々がそのシーンで黄色い歓声を上げてたが…そう言うのに興味がないのか否か、穂乃果と凛は熟睡していた。というか開始5分で寝ていた。

一方のあかりは塩味のポップコーンとコーラを片手に映画を見ていた。

本人曰わく

「映画を見る時にポップコーンとコーラは必需品。

因みに好きなポップコーンの味は塩味かのりしお味」

だかららしい。

 

 

 

 

そのシーンも終わり、あかりが海未の方を向くと…恥ずかしさのあまり気絶していた。

終わるまで穂乃果や凛と同様、そのままにしておく事にしたあかりであった。

 

そして、件の恋愛映画もエンドロールを迎えた頃

「あれ~、終わってた~?」

漸く穂乃果が目覚めた。

「穂乃果ちゃん、開始5分で寝てたよ」

そう苦笑いを浮かべることりに

「いや~何だかのんびりとした映画だな~って思ってたら何時の間にか寝ちゃってたよ」

と穂乃果は返した。

 

その後、凛と海未も目が覚めたようで早速話し合いが始まった。

 

だが、なかなか上手くはいかないと言うのが現状であった。

「やっぱり難しいものだね

と呟くことり。

「でも、もうちょっと頑張ってみたいわね」

と言う絵里の言葉に

「もう諦めた方が良いんじゃない?これ以上は時間が勿体ないわ。

振り付けも作曲も諸々、このままだとただ完成度が低くなるばかりよ」

と真姫は意見を出し

「確かに…それにラブソングにも頼らなくても自分達には自分達の歌がありますし…」

海未も肯定する。

「で、でも―「確かに皆の言う通りや。今までの曲に全力を注いで頑張ろっ!」でも希…」

「ええんや。一番大切なのはμ'sやろ?」

絵里と希のやり取りにあかりと真姫は“何か”が引っかかる感じがしていた。

 

そんなやり取りの後、作戦会議はお開きとなり、それぞれが帰路に就くが…

「花陽、凛。先帰ってて。私はちょっと用があるから」

真姫は希と絵里への尾行へ向かった。

だが、二人へ尾行しようとしていたのは真姫だけじゃなかった。

「真姫、奇遇だね」

「あかりも気付いてたんじゃないの?」

「Yesだよ。だからこうして二人の後を追ってタイミングを狙ってた…真姫もそうなんじゃないの?」

あかりの言葉に真姫は頷く。

 

 

そんな二人の尾行に気付かず絵里と希は話していた。

「―でも!ずっとやりたいって言ってたでしょ!それが希の夢だって!」

「でも、大切なのはμ'sやろ?」

 

 

一方、あかりと真姫はタイミングを狙っていた。

「ねぇ、真姫」

「何よ?」

「面倒くさいのが多いよね。μ'sは」

笑みを浮かべながらそう言うあかりに

「確かにそうよね…でも、あかりも人の事は言えないんじゃないの?」

真姫はそう返す。

「まぁ、自分が面倒くさい奴だって事は否定しないよ。

だから時にぶつかり合ったりして互いの事を理解していき、“絆”が生まれる、そうなんじゃないかな?」

「そうね…面倒くさい者同士、時間をかけて互いの事を理解していく―それが私達よ」

「んじゃ、そろそろ行くよ」

あかりの言葉に真姫は頷くのだった。

 

 

 

 

「そこのお二人さん、ちょいと良いかな?」

「あかりちゃん…真姫ちゃん…どうしたん?」

頭を傾げてそう言う希に真姫は思っている事を吐き出した。

 

 

 

 

「前に私に言ったわよね?面倒くさい人間って。…自分の方がよっぽど面倒くさいじゃない!」

 

 

 

 

To be continue

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