―side:Akari―
さて、この岬崎明乃を私達が預かる事になったわけだが…
何を話せば良いのかわからない!ヴェル、助けて~って、ヴェルも同じだった!明乃明乃ちゃんで何を話そうか困っているみたいだし…結局明乃は外の景色を眺めているという…
「綺麗…」
明乃はふとそう呟いた。
「もうクリスマスシーズンだからな。各所でイルミネーションが付いている」
ヴェルの言うとおり、もうクリスマスシーズン。
という訳で、各所にイルミネーションが付いて…付いて…
「…これだ…これだよヴェル!」
「ど、どうしたんだあかり?」
「ギミックだよ!ライブの!イルミネーションの中には光が2色以上の物もあるでしょ?」
「あぁ、あるな」
「それを使うんだよ!一番の盛り上がり、ラストのサビで照明の色を変えるんだよ!」
「なかなか良いアイデアじゃないか…だが」
「だが?」
「彼女が置いてきぼりになってて頭に疑問符を浮かべているぞ」
あっ、ヴェルの言うとおりだった。明乃が頭を傾げている。
「あぁ!ごめんね!私、こう見えてスクールアイドルのマネージャーをやってるんだよ」
「スクールアイドル?」
もしかして知らないか…仮に別の地球出身だとしたら知らなくても当然かもだけど。
「スクールアイドルって言うのは学校で結成されたアイドルで、学校生活を送りながらアマチュアで活動しているんだよ。
わかりやすく言うなら部活みたいな感じでアイドル活動をしているって事かな」
「あかりがマネージャーを務めているグループは今人気を集めている。これから会うことになるけどな」
ヴェルの言うとおり皆は私達の家にいる。
とりあえずヴェルが明乃の相手をしている間に私はスマホの着信履歴でμ'sのメンバーの中で一番上にあった番号に電話する。
『あっ、もしもしあかりちゃん』
電話に出た人物は私の従姉妹にしてμ'sのリーダーたる穂乃果である。
「穂乃果、今帰っているところだから、皆にライブのミーティングをしたいから集まるように伝えてくれないかな?」
『うん、わかった!』
さて、と…このアイデアを聞いたらみんなどう思うかな…?
―side out―
―side:Akeno―
何もない、思い出せない。
気が付いた時、私が目にしたのは見知らぬ天井だった。
見知らぬのも当然…そもそも覚えていないのだから。
覚えているのは自分がアデプトテレイターである事と自分の名前が『岬崎明乃』だって事くらい。
知識はあるけどその知識をどの様にして得たのかはわからない。
私を保護したのは特殊災害対策機関…通称ネストの日本支部の芳角本拠基地という所らしい。
私は立木亜理火さんから色んな事を教えてもらった―ジーオスやアデプトマスター、トランスフォーマー、トランステクターの事。
トランスフォーマーの事に関してはどこかで会ったような…そんな感じがするけど思い出せない。
そこで私はある事を伝えられた。
「実は君を私の部下に預けようかなって思っている」
「部下…?」
「君と同じアデプトテレイター―そしてアデプトマスターである存在だ。彼女達なら君の力になる事ができるだろう」
特に断る理由もないし流されるままに話を了承した。
それから暫くして…
「入るよ」
例の人―立木亜理火さんって人に続いて入ってきたのは銀髪ロングヘアの人と茶髪をツインテールにした人だった。
「はじめまして、私は頼尽あかり。貴女と同じアデプトテレイター」
「同じく風見ヴェールヌイだ」
茶髪の人―頼尽あかりさんと銀髪ロングの人―風見ヴェールヌイさんは自己紹介をする。
「みさき…あけの…岬崎明乃です」
それから私はある車に乗せられた。
この車―トラックはあかりさんのトランステクターらしい。
それから暫くの沈黙が続いた。
何を話せば良いのかわからない…そんな時、私の目に外の光景が目に入った。
様々なイルミネーションが輝く光景。
「綺麗…」
と思わず口にしてしまった。
「もうクリスマスシーズンだからな。各所でイルミネーションが付いている」
「…これだ…これだよヴェル!」
「どうしたんだあかり?」
「ギミックだよ!ライブの!イルミネーションの中には光が2色以上の物もあるでしょ?」
「あぁ、あるな」
「それを使うんだよ!一番の盛り上がり、ラストのサビで照明の色を変えるんだよ!」
「なかなか良いアイデアじゃないか…だが」
「だが?」
「彼女が置いてきぼりになってて頭に疑問符を浮かべているぞ」
ヴェルさんの通り…何の話をしているのかわからない…
あかりさんはスクールアイドルというアイドル達の中でも人気あるグループのマネージャーをやっているとの事らしい。
それで、次のライブの演出について考えてて、さっきアイデアを思いついたらしい。
そんなこんなで私達はあかりさんとヴェルさんが住んでいるという家に到着した。
「ただいまー」
「あかりちゃん、ヴェルちゃん、おかえり」
出迎えたのは長いおさげにある部分が大きな人だった。多分、この人があかりさんがマネージャーを務めているというスクールアイドルのメンバーなんだろう。
「で、そっちの子は?」
「暫くの間預かる事になったアデプトテレイターだ」
ヴェルさんがそう返すとおさげの人は私の目線の位置に合わせてちょっと屈み込んで
「ウチは東條希。よろしゅうな」
と名乗った。
「えっと、岬崎明乃です」
「岬崎明乃ちゃんか…じゃあ、ミケっちやね」
み、ミケっち?なんでミケ…って、あぁ、“み”と“け”が入っているからか…
「ミケか…私の後輩に同じ渾名の後輩がいるんだよね」
「そうなんや」
「あぁ、名前もこの子と一致してたし容姿も瓜二つだ。
我々の司令官は『他の地球出身で、何かしらの理由でこの地球に来たんじゃないか』って推測している」
「推測って…」
「私、記憶がないんです…どうしてアデプトテレイターになったのか、何故此処にいたのか…覚えているのは名前とアデプトテレイターだって事くらいで…」
そう言った時、希さんは私を突然抱いた。
「ミケっちは記憶を取り戻したいん?」
「…どちらかと言えば取り戻したいです…でも、思い出せなくて…」
「無理に全部思い出そうとしくても、少しずつ思い出していけばいいんやないかな?」
少しずつ…
「何かあったらウチらに相談して、ね?」
「はい…!ありがとうございます…!」
―side out―
―side:Akari―
流石は希、包容力やら母性が溢れてますなぁ~
それにしてもミケ、か…うん、紛らわしいから私は明乃と呼ぼう。
でも、まぁ希の言うとおりだね。
無理に全部思い出さなくても少しずつ思い出していけば良いんだよ。
それはそうと…早くご飯作ってミーティングをしないと!
「そうだ!希、ご飯作るからみんなに待っててって―」
「あぁ、それならにこっち達が作ったし、みんなあかり達を待ってるんよ」
仕事早いですってにこにー先輩!
…まぁ、流石にこだよね。達って事は他に手伝いが入ったのかな?
ことりとか花陽辺りかな?
「じゃあ、ご飯にしようか…みんなに紹介しないとだし」
私は隣にいる明乃に視線を向けるのだった。
To be continue