ラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神   作:衛置竜人

50 / 66
第50話『Snow halation』

12月某日―いよいよラブライブ最終予選の当日を迎えた。

 

あかり達がは除雪機を使って庭や格納庫に積もっている雪を除雪していた。

「こういう時、ビーストモードではサイズを変化できるヴェルのトランステクターって便利だよね。お陰で予想より早く済むよ」

「そうですよね」

「ありがとう、あかり、明乃。ドレッドバイト!後少しだ!頑張ろう!」

ヴェルの言葉に等身大サイズへ“変身”しているヴェルのアロサウルス型トランステクター―ドレッドバイトは返答する代わりに短く吼えた。

そうやって三人と1機が雪掻きをしていると

「あかりちゃ~ん!」

門の向こうで穂乃果が手を振っている。隣には海未とことりもいる。

「三人とも、おはよう!いよいよ今日だね!」

「はい!…私達もここまで来たんですね。これまで色んな事がありました…」

「海未ちゃん、その言葉は最終予選を通過した時に取っておこう、ね」

「ことりの言うとおりだよ!三人はまず説明会だよね?」

「うん!あかりちゃん、皆の事頼むよ!」

「頼まれたよ!」

続いてはヴェルが三人にエールを送る。

「最終予選、みんなと一緒に応援している。頑張って!」

「うん!ヴェルちゃんもありがとう!」

「そうだ、ヴェルも説明会に来るんですよね?」

「うん、行く」

ヴェルは少々照れながらそう返すのだった。

 

 

「Wow…此処がラブライブ最終予選会場…これまたデけぇステージだなおい…!」

皆驚きのあまり言葉が出ない中、あかりはそう呟いた。

何重にも設置されたアーチと雪の結晶をイメージした装飾にところどころに設置された照明―そう、此処こそがラブライブ最終予選の会場なのだ。

「…ラ、ラブライブの最終予選なんだから、気合いが入らない方がおかしいわよ…!」

「にこさん足震えてますぜ」

「うっさいわよ!」

そんなやり取りをしていたら

「―こんにちは、μ'sの皆さん。そしてあかりちゃん」

A-RISEの三人がやってきて、あんじゅが挨拶をした。

「三人、いないようだが…?」

首を傾げる英玲奈にあかりはこう返す。

「ちょっと野暮用で遅れてるんだよ。でも、穂乃果達は必ず来る」

「穂乃果さん達に伝えておいて。互いにベストを尽くしましょうって」

「了解」

「楽しみにしてるわ。そして、私達は…絶対に負けない」

「それは私達もだよ、ツバサ」

A-RISEの三人が控え室へ向かうのを見送ったあかりはこう呟いた。

「吹雪がなければ良いんだけど…」

 

 

だが、そんなあかりの願いは裏切られる事となった。

「吹雪も少しは空気を読み上がれやクソッタレ!」

吹雪いてきた事にあかりは思わず舌打ちをした。

あかりは穂乃果達と通話している絵里の方を向くが…絵里は首を横に振る。

「交通網は麻痺してやがるか…これじゃ俺のトランステクターも動かせない…

流石にロボットモードやヴェルのトランステクターで行くわけには行かないし…」

ロボットモードのバルバトスマグナスやヴェルのトランステクター―ドレッドバイトなら交通網をある程度無視して行けるが…それだと余計な騒ぎが起きて交通網が更に混乱するのは確実だ。

「考えられる選択肢は“走ってくる”しかないのか…」

何か良い案がないのかと考えるあかり。

「いや…ある!走ってくるなんて選択肢は選ばせないぜ!」

あかりは6人に

「穂乃果達を迎えに行ってくる」

と言う。

「迎えに行くって、どうするつもりなのよ?」

「あ、危ないよ…」

「そうにゃ!収まるまで待とう?」

真姫や花陽、凛の言う通り、今出歩くのは危険だ。

「そうは問屋が卸さないんだよね。それに、皆は忘れたのかい?

―俺が“アデプトテレイター”だって事をな!

この程度の吹雪、問題ない!

μ'sのマネージャーとして…いや“鋼鉄の戦女神”として誓おう!必ず連れてくると!」

 

あかりはそう言って急いで自宅の地下格納庫へと行き

「さて、此処から全速力で行くか」

本来は工具運搬用であるリアカーを牽いてトランステクター用とは別のエレベーターで地上の格納庫入り口まで上がり、シャッターが開くと同時に穂乃果達の元へと走っていくのだった。

 

 

 

 

音ノ木坂へ向かう途中、あかりはある事に気付いた。

(やけに道が綺麗だ…)

そう思っていると

「あかりちゃーん!」

声がした。あかりは声がした方を向く。

「ヒデコ!?フミコにミカも…みんなどうして…!?」

ヒフミトリオだけじゃない―周りには音ノ木坂の生徒達が雪掻きをしていた。

「μ'sのみんなとあかりちゃんは音ノ木坂を廃校の危機から救ったくれた。

だから、今度は私達があかりちゃん達を助ける番だよ!」

「みんなにあかりちゃん達を助けて、って呼びかけたんだよ。そしたら来たよ…全校生徒が!」

その言葉にあかりは目頭が熱くなると同時にこう返した。

「ありがとうみんな!」

あかりは音ノ木坂の生徒が作った道を行く―その優しさや思いやり、エールをその身に受けながら。

そして、視界に穂乃果達の姿を捉えると同時に叫んだ。

「穂乃果ぁぁぁぁぁぁぁ!海未ぃぃぃぃぃぃ!ことりぃぃぃぃぃぃ!」

 

 

穂乃果達は吹雪の中を進んで行く。

「諦めちゃ、駄目!」

「そう、です!やりたいんです!私も、誰よりも!ラブライブに出たい!

九人で、最高の結果を出したいのです!!」

「うん…行こう!ラブライブに出るために…!」

ことりが、海未が、穂乃果が諦めずに吹雪の中を進んで行く―その時だった。

「穂乃果ぁぁぁぁぁぁぁ!海未ぃぃぃぃぃぃ!ことりぃぃぃぃぃぃ!」

あかりの呼ぶ声がした。

その声に三人の顔が緩んだ。

「あかり…ちゃん!?」

「どうして此処に…?」

「それにそのリアカーは…?」

穂乃果、海未、ことりの言葉にあかりは笑みを浮かべて返す。

「なぁ~に、困っている“女神様達”を迎えに行くのも“鋼鉄の戦女神”の仕事さ。さぁ、乗った乗った!」

あかりの言葉に三人は頷き、リアカーに乗り込む。

「間にあったんだな、あかり」

そこへヴェルが雪穂や亜里沙を連れて歩いてきた。

「まぁ、何とかね。まだ分からないけど」

「二人の事は私に任せてあかりは三人を乗せて先へ」

「うん、ありがとうヴェル」

あかりはヴェルに礼を言った後、リヤカーに乗っている穂乃果達に声をかける。

「原チャリ位の速度は出るかもしれないからしっかり掴まってて!」

あかりは進行方向を向き

「脚部のサーボモーターのリミッター解除」

と呟いて脚部のサーボモーターに掛かっているリミッターを解除し、こう叫んだ。

「頼尽あかり!Roll out!」

 

音ノ木坂の全校生徒達の激励に穂乃果達は涙を滲ませながら手を振り返す形で答える。

あかりはその中をがむしゃらに進んで行くのだった。

 

 

「―こんな感じだけど、皆、準備は良い?」

舞台袖にてあかりは衣装に着替えたμ'sの面々に問い、μ'sの面々は頷く。

「勝ち負けとかそんなのは関係ない。皆の思いを…全力でぶつけて来い!」

 

 

 

 

「みなさんこんにちは!これから歌う曲はこの日に向けて新しく作った曲です!

沢山の“ありがとう”を込めて、曲にしました!

だからこれは…皆で作った歌です!」

『『聞いてください!』』

 

 

(学校が大好きで―)

 

(音楽が大好きで―)

 

(アイドルが大好きで―)

 

(踊るのが大好きで―)

 

(メンバーが大好きで―)

 

(この毎日が大好きで―)

 

(頑張るのが大好きで―)

 

(歌うことが大好きで―)

 

(μ'sが…大好きだから―)

 

 

その曲の名は『Snow halation』。

それはありがとうという思いを伝える歌。

 

 

(もうすぐだね…)

あかりはタイミングを見計らっていた。

実はこの曲、ある“仕掛け”が施されていて、あかりはその“スイッチ”を手にしている―μ'sの面々に託されているのだ。

(3…2…1…今だ!)

 

 

穂乃果のソロパートに入ると共にライトの“白い輝き”が“橙色の輝き”へと変化する―これが、この曲の“仕掛け”なのだ。

 

 

 

 

(皆の思い…きっと届いているよ)

あかりは最後まで彼女達が歌い踊る姿を見届けるのだった。

 

 

 

 

To be continue 5th stage…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。