ラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神   作:衛置竜人

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第5章『女神達の答え』
第51話『戦女神と邂逅した日』


12月17日の夜―ラブライブ最終予選から数日後。

『―当日の段取りはこんな感じだ。

皆が入れる様にしておくから、私が引き付けている間に準備を頼む』

「うん、わかったよ!ヴェルちゃん!」

そう言って穂乃果はヴェルとの通話を切った。

「飾りは出来てますし…あとは明日の料理や飾り付けですね」

海未の言葉にその場にいたμ'sの面々。

翌日―本人は忘れているが、12月18日は頼尽あかりの誕生日だった。

そこでヴェルは嘗て自分がしてもらった様にサプライズパーティーを企画、μ'sの面々やA-RISEの面々、明乃、雪穂や亜里沙に協力を要請したのだ。

 

そして、翌日の朝。

「あかり、今日だが…デートに行かないか?」

ヴェルの突然の言葉にあかりは口に含んでいたお茶を吹いた。

「きゅ、急にどうしたんだい?ヴェル」

「いや、この所ラブライブ最終予選で忙しかったりしただろ?」

「まぁ、そりゃそうだけど…」

そう言うあかりだが、その顔はどう見ても行きたいって顔をしていた。

「“ラブライブ本選”に向けての準備も必要だが…英気を養うのも大切だぞ?」

「それもそうだね」

 

 

ラブライブ最終予選・関東ブロック優勝『μ's』。

 

 

それは紛れもない事実である―μ'sはスクールアイドルの頂点たるA-RISEに打ち勝ったのだ。

 

 

だが、今回に関してはこの事は一旦頭の隅に置いておいてパーティーに専念するというのがμ'sの面々やヴェル、明乃の考えだった。

「それじゃ、この朝食を食べたら直ぐに行くか」

というヴェルの言葉にあかりは頷くのだった。

 

 

『作戦決行』

というメールが届くと同時に

「それじゃ皆…始めるわよ!」

と絵里の言葉に皆は頷く。

先ずはあかりの自宅に入り、予め用意しておいた飾りを運び込む。

にこ、ことり、花陽が料理を作る。

それ以外の面々は飾り付けや掃除などを行う。

タイムリミットはあかりとヴェルが帰って来るまで。

「ツバサさんももう知ってるんですよね、あかりちゃんがアデプトマスターだって事に」

「えぇ、本人から聞いたわ…あなた達に話された後に、ね。

でも…過去は変えられないし、過去がどうあれあかりちゃんはあかりちゃんである事に変わりはない。

私達も彼女の過去を知った上で彼女を受け入れた」

とツバサは返した。

「それはそうと訊いてみたい事があるの」

「訊いてみたい事…?」

「あなたとあかりちゃんの出会いがどんなものだったのか、そんな感じのよ」

 

 

―side:Honoka―

 

 

私が彼女と―あかりちゃんと出会ったのは小学校に入る前の事だった。

お母さんから従姉妹がこっちに来て住む事になると聞いた。

その従姉妹はお母さんの血筋の従姉妹で、私と同い年らしい。

勿論、この事をことりちゃんや海未ちゃんにも話した。

「穂乃果ちゃんの従姉妹か~どんな子なんだろう」

ってことりちゃんは楽しみにしていた。

「怖い子じゃなかったら良いのですが…」

って海未ちゃんはちょっと心配してた。

 

そして、その日が来た。

「始めまして!私、高坂穂乃果!宜しくね!」

「俺―じゃなくて私は頼尽あかり!此方こそ宜しくお願いしましゅ!」

始めて会った時、あかりちゃんはガチガチに緊張してたなぁ…

「あかりちゃん!この街を案内するよ!」

私はあかりちゃんの手を握って

「お母さん!おばさん!あかりちゃんと出掛けて来るね!」

私はあかりちゃんにこの街を案内した。

「―じゃあ、次は私の友達を紹介するね!」

「友達…?」

「うん!こっちだよ!」

私はあかりちゃんを連れて何時もことりちゃんや海未ちゃんと遊んでいる公園へと向かった。

 

公園には既にことりちゃんと海未ちゃんがいた。

「ことりちゃーん!海未ちゃーん!」

「あっ、穂乃果ちゃん!」

「お待たせ~」

「穂乃果、その子が昨日言ってた…」

「うん、そうだよ!」

「は、始めまして!頼尽あかりです!宜しくお願いします!」

「南ことりだよ!宜しくね、あかりちゃん!」

「園田海未です!宜しくお願いします!」

 

それから私達は音ノ木坂小学校へ入学して6年間同じクラスだった。

私達はずっと一緒、って思ってた。

だけど、冬休みが明けたある日…

 

「えっ、本当なの…あかりちゃん…」

「うん、小学校を卒業したら…」

あかりちゃんは両親の仕事の都合でアメリカへ留学する事になった。

「そんな…」

「寂しいものです…」

「だ、大丈夫だよ!何年後になるかわからないけど、私はみんなの元へ帰って来るよ!」

あかりちゃんは笑顔で私達にそう言った。

 

そして、私達が小学校を卒業して数日後―あかりちゃんが日本を旅立つ日。

「本当に、行っちゃうんだね…」

「あかり姉…」

「名残惜しいものです」

「帰ってくるよね…」

私達の言葉に

「約束は出来ないけど…私自身としてはきっと帰ってくるつもりだよ」

とあかりちゃんは笑顔でそう返した。

「じゃあ、飛行機の時間があるからそろそろ行くね…っと、その前に記念撮影しよ?」

あかりちゃんの言葉に私達は頷き、カメラに向かってピースした。

 

 

夕陽が眩しいその日、あかりちゃんはアメリカへと旅立った。

 

 

―side out―

 

 

 

 

「―そして、約束通りあかりちゃんは帰ってきた。

久々に会うあかりちゃんはあの頃と変わらない様で…あの頃より大人びててた様な…そんな感じがしたんです。

その答え―あかりちゃんの身に何が起きたのかとかアデプトマスターになってた事を知ったのはそれから何ヶ月も先の話、なんですけどね」

と穂乃果は苦笑いを浮かべた。

「それで、ツバサさんは何時頃あかりちゃんと知り合ったんですか?」

「そうね…始めて会ったのは小学校始めての夏休み…

あかりちゃんが両親と一緒に当時私が住んでいた所に旅行で来て、その時に知り合ったのよ。

それから来た時には一緒に遊んだりしたわ」

とツバサは昔を懐かしみながらそう返した。

そんな話をしていたらヴェルからメールが届いた。

「みんな!ヴェルちゃんが『状況はどう?』だって!」

穂乃果の言葉に

「料理はOKよ!」

「掃除も終わりました!」

「飾り付けも出来たわよ!」

とにこ、海未、絵里はそう返した。

「じゃあ、ヴェルちゃんにOKだって伝えるね!」

 

一方のあかりと“デート”をしていたヴェルはあかりが会計を済ませている隙を突いて穂乃果にメールを送っていた。

「返信早いな…」

とあかりに聞こえない様に呟いたヴェルは

『了解、これから帰還する』

と返した。

「お待たせ~」

「あかり、そろそろ帰るか」

「うん、そうだね」

帰路に就く二人。

「こうして二人で出歩いたのも久し振りだね」

「あぁ。何回か休暇を貰ってニューヨークを散策して以来だ」

「ねぇ、ヴェル」

「なんだい?」

「日本に来て良かったでしょ?」

「あぁ、そうだな。色んな人達と出会い…友達が…護りたい者が増えた」

ヴェルの言葉にあかりは笑みを浮かべるのだった。

 

 

そして、二人は自宅へと到着する。

「さぁ、あかり。開けてごらん」

「急にどうしだの?まぁ、遠慮せずに開けるけど…」

そう言ってあかりがリビングのドアを開けると…

『『誕生日おめでとう!あかり(ちゃん)!』』

クラッカーが鳴り響くと同時に皆が声を揃えて言う。

一方のあかりは驚きのあまり呆然としていた。

「えっと…これは…」

「な~に、ちょっとしたサプライズさ。

今日が自分の誕生日だって忘れてたのかい?」

「うん…いろいろあって忘れてたよ…」

「それに、いつぞやかのお返しでもある」

とヴェルは悪戯が成功して喜んでいる子供の様な笑みを浮かべる。

「今回のパーティー、ヴェルちゃんが考えたんだよ!」

と返す穂乃果。

あかりは涙を浮かべつつもそれを拭い去り

「みんな…ありがとう!」

と返すのだった。

 

 

 

 

「―全く、してやられたよ」

パーティー終了後、あかりはそう口にした。

「似た様な目に遭うとは思ってもみなかっただろ?」

そう言うヴェルに対し

「まぁね」

とあかりは苦笑いをする。

 

 

「それじゃ、改めて。誕生日おめでとう、あかり」

「ありがとう。ヴェル」

 

 

 

あかりとヴェルはあの時―ヴェルの歓迎会兼誕生日パーティーの後の様にコーラが入ったグラスで乾杯するのだった。

 

 

 

 

To be continue

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