ラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神   作:衛置竜人

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第57話『奇跡と軌跡』

ラブライブ本戦の結果発表後…

「頼尽あかり、君の噂は聞いているよ。幼少期は“神童の鬼女”と呼ばれ、現在はネスト特殊隊員にしてμ'sを影で支える敏腕マネージャー」

「買い被り過ぎですよ。私はただやりたいようにやっているだけです」

とあかりは“その人物”にそう返した。

事の始まりは結果発表も終わり、皆で帰ろうとした時。あかりと理事長だけがラブライブ実行委員のスタッフに呼び出され、此処まで―ラブライブ実行委員長の元まで案内されたのだ。

理事長はあかりと実行委員長のやり取りを見守っていた。

「さて、此処に君を呼んだのは君と―μ'sにある依頼をしたいからだ」

「依頼…ですか?」

実行委員長はあかりにその依頼の内容を話し、あかりは驚愕し

「えぇ、わかりました。喜んで引き受けます」

と笑みを浮かべて返した。

「ありがとう。この件は“正式発表”をするまでは“μ'sの皆さん”にも御内密に」

「了解しました」

あの完敗からのスタートから此処まで大きくなるとは、とあかりは感慨深く思いつつ返答したのだった。

 

 

そして、ラブライブ決勝から数日後。

「さて、今日の午後…正式発表だね」

あかりはスマホで時刻を確認しつつある画像―『ラブライブ優勝』と書かれた大きな旗に、トロフィーを持っている穂乃果を中心にμ'sの面々やあかり、ヴェル達が写った記念写真を表示させた。

 

 

彼女達の輝き―それは『ラブライブ優勝』という形で伝説となったのだ。

 

 

「あと一時間位、か…」

優秀なスタッフのお陰で卒業式の準備はほぼ完了していた。

「さて、“今日から”最高のサプライズを皆にプレゼントするよ」

あの“依頼”を受けてからあかりはこの日をずっと楽しみに待っていたのだ。

そんなワクワクを隠しつつ、あかりは中庭に探していた人物の姿を発見した。

「何時もの希も素敵だけど、今日はかなり魅力的ですなぁ」

「あかりちゃん…」

立ち上がる希。

何時もの髪型とは異なり、三つ編みのおさげにして一つに束ね、それを左側に垂らしていた。

「あかりちゃん、改めてありがとう。この学校を教えてくれて。

あかりちゃんがこの学校の事を教えてくれたお陰でウチはエリチやにこっち、μ'sの皆に会えた。

ウチにとってこの三年間は“奇跡”やった」

あかりはそうかい、と返した後、改めてこう口にした。

「卒業、おめでとう!」

 

希と一旦別れた後、あかりはある人物がいるであろう生徒会室へと向かった。

「やはりあなたも此処に来たのね、あかり」

「此処にいるんじゃないかなって思って、ね。あなたも、って事は穂乃果辺りが来たんかい?」

あかりの言葉に絵里は頷く。

「もしあなたや穂乃果達と出会っていなかったら、私はこんなに清々しい気持ちでここを卒業できなかったと思うの。

廃校阻止って普通なら成し遂げられることじゃないし」

「だけど、現実になった―この奇跡が起きたんだよ。この奇跡は一人でも欠けてたら起きてなかったんだろうね」

それもそうね、と絵里は返し、礼を言った。

あかりは去り際に絵里にこう言った。

「希には言ったし、にこや二年生&一年生組にはこれから言いに行くけど卒業式が終わったら話があるから部室に来てね!」

 

そして、部室。

「にこ、一人でどうしたんだい?」

「三年間居続けた此処にいる、ただそれだけよ」

にこの言葉にあかりはそっか、と返した。

「あんた達には感謝してるわ。私にとって皆に出会えたこと、そしてラブライブに優勝できたこと―それまでの全部は奇跡なのよ。だから、ありがとう」

にこの言葉にあかりは笑顔を浮かべた後、絵里や希に伝えた事をにこにも伝える。

「希や絵里には言ったし、穂乃果達にはこれから言うつもりだけどね。

卒業式が終わったら話があるからこの部室に来てね」

「話って何よ?」

「それはまだ秘密。でも、ヒントだけはあげる」

あかりは一泊置いてそのヒントを口にした。

「これまで歩んできた皆の軌跡―その先を見たいとは思わない?」

 

 

 

 

卒業証書の授与も終わり、理事長が挨拶を終えた卒業式。

「送辞!在校生代表、高坂穂乃果!」

次は生徒会長による送辞である。

「卒業生の皆さん!御卒業おめでとうございます!

実は今日になるまで何を喋れば良いのかわからなくて、何度も送辞を書き直して気付いたんです。

私、そういうのが苦手だったんだってことに。

子供のころから、言葉より先に行動しちゃう方で、時々周りに迷惑を掛けちゃうこともありました。自分を上手く表現することが苦手で、不器用で…でもそんな時!私は歌と出会いました!

気持ちを素直に伝えられる、歌うことで同じ気持ちになれる、歌うことで心が通じ合える。

そんな歌と出会い、そんな歌が何よりも大好きなんです。

先輩、皆様方への感謝と、これからのご活躍を心からお祈りし、これを贈ります!」

穂乃果の言葉の後、何時の間にかピアノの方に移動し座っていた真姫は鍵盤に指を置いて、旋律を奏で始める。

全てに感謝とありがとうを伝える曲。

穂乃果が、海未が、ことりが、凛が、花陽が、あかりが、そして皆が一つとなって“ありがとう”と、精一杯歌った。

 

 

卒業式後のアイドル研究部の部室。

「で、話って何よ?あかり」

にこはあかりに問う。

「う~ん、それを伝えるまで“まだ時間”があるから…先に決めなきゃいけない事を決めないと」

という事でアイドル研究部の部長や副部長、リーダーを決める事になった。

因みに満場一致で部長には花陽、副部長には真姫、リーダーには凛が就任した。

それからまだ時間があるから、とあかりは皆を連れて色んなところを回った。グラウンドや講堂、アルパカ小屋…この学校の全てには思い出が詰まっていた。

そして、最後に寄ったのは“μ'sの全て”と言っても良い場所だった。

「最後はやっぱりここね」

絵里の言葉に皆が頷く。

屋上―最後の最後に訪れるに相応しい場所。

「練習場所がなくて、ここに集まったんですよね…」

海未の言葉通りであった。

時に喜び合い、時にぶつかり合った場所。

ふと、穂乃果は何かを思いついたらしく、バケツとモップを持ってきた。

「穂乃果、どうするの?」

あかりの言葉に穂乃果はこう返す。

「見てて!えーい!!」

穂乃果がモップで描いたもの―それは巨大な『μ's』の字だった。

「この天気だから、すぐ消えちゃうわよ…?」

どこか悲しげな表情を浮かべる真姫。

「それで良いんだよ。それで」

穂乃果がそう返した後、皆はタイミングを合わせた訳でもないのに並んで、声を揃えて言った。

 

 

『『ありがとうございました』』

 

 

その後“あかりの話”がまだあるため、部室へと皆は向かい、屋上を出る中、穂乃果とあかりは立ち止まる。

 

 

 

「穂乃果、やり遂げられたかい?」

 

 

その言葉に穂乃果はこう返した。

「やり遂げたよ、最後まで!」

 

 

 

 

そして、再び部室。

「さて、そろそろだね」

と時間を確認するあかり。

「あかりちゃん、いい加減に勿体ぶらずに教えてよ!」

と言う穂乃果。

「まぁまぁ…よし、来た!花陽、パソコンを立ち上げてごらん!」

「えっ!?う、うん!」

困惑しつつも花陽はパソコンを立ち上げる。

すると、あるメッセージが届いていた。

そのメッセージを読む花陽だったが…

「え、えぇぇぇぇぇぇ!?ダレカタスケテェェェェェェェェェ!」

花陽の声に何事か、と思ったあかり以外の面々がパソコンの画面を覗き見るのをあかりはサプライズ大成功、と言わんばかりにニヤニヤしていた。

 

 

そして

『えぇぇぇぇぇぇ!』

案の定、驚きの声を上げるμ'sの面々。息ピッタリである。

 

 

「あ、あかりちゃん…これって…!?」

動揺しつつもそう尋ねる穂乃果にあかりは

「皆、ラブライブ本戦の後、私と理事長が運営スタッフに呼び出されたのは覚えているかい?」

と問い返す。

「確かにそんな事があったような」

と呟くことり。

「で、案内されたのがラブライブ実行委員長の元だったんだよ」

「それで、何で呼び出されたんだにゃー!?」

「“今回の件”についてとある“依頼”について。

正式発表まではみんなにも黙っているようにって言われてたんだけどね」

「じゃあ、卒業式が終わったらウチらに話があるのって…」

希の言葉に力強く頷いた後、あかりは依頼を受けたあの日から言うのをずっと待ち望んでいた言葉を遂に言うのだった。

 

 

 

 

「これまで皆が歩んできた軌跡。ラブライブ優勝で終わると思ったら大間違いだよ!

皆の“軌跡”はまだまだ終わらないよ!」

 

 

 

 

To be continue Final stage…!

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