ラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神   作:衛置竜人

66 / 66
最終話トゥルーエンド『9人の女神と鋼鉄の戦女神』

ジーオスXは嘲笑うかの様にバルバトスマグナスに猛攻を浴びせ、度重なる猛攻にマグナスのボディはボロボロになっていた。

「俺は負ける訳にはいかない…約束したんだ…必ず帰ってくるってな!」

力を振り絞り尚も立ち上がるマグナス。

ジーオスXはそんなマグナスを触手で拘束、エネルギー弾の雨を浴びせる。

 

 

 

一方、μ'sのメンバーはネストの隊員が用意してくれた各種カメラからの映像で戦いを見ていた。

エネルギー弾の雨を受け悲痛な叫びを上げるマグナス。

「あかり…お願いよ…生きて…」

と願う真姫。

だが、その願いも虚しく画面の中のマグナスは意識を失ったのか倒れてしまった。

「どうすれば良いのよ…」

と呟くにこ。

「こんな時、何の力になれないのが悔しい…!」

と絵里は拳を握り締める。

「力…」

絵里の言葉を受け、穂乃果は何かを思い付いたかの様に呟いた後

「ねぇ、みんな」

皆に呼び掛ける。

「私達に出来る事をしよう」

「出来る事って…」

「何をするんだにゃ?」

花陽と凛の言葉に穂乃果はこう返した。

「あかりちゃん達に歌を届けるんだよ…これを使って!」

穂乃果はあかりからもしもの場合にと受け取った通信機を掲げる。

「歌を届ける…私達らしいやり方ね」

とツバサは返答する。

穂乃果は立ち上がり、避難していたスクールアイドル達に呼び掛ける。

「みんな聞いて!」

皆は穂乃果の方を向く。

「今、東京湾で私達を護ろうと戦っている人達がいる。

私達が今出来る事は高が知れてるかもしれない…けれども、ううんだからこそ私達は私達に出来る事をしよう!

少しでも彼らに力を与えられる様に歌を届けよう!」

穂乃果の呼び掛けに応じて一人、また一人と立ち上がる。

「みんな…ありがとう!」

穂乃果は―μ'sの面々は穂乃果を中心にして互いに手を繋ぐのだった。

 

 

 

 

 

ジーオスXの猛攻を浴び、マグナスの、あかりの意識は朦朧としていた。

(…俺はこのまま倒れる訳にはいかないんだよ…!)

マグナス―あかりの脳裏に穂乃果達の顔が過ぎった時だった。

通信回線が開かれ、穂乃果達の歌声が響き渡る。

(これは…!)

不思議と力が溢れて来る。

(本当に負ける訳にはいかないよね…ありがとう…みんな!)

そして、皆の歌声を受けてマグナスは力を振り絞り立ち上がった。

「負けてたまるか…負けてたまるかぁぁぁぁぁぁ!」

その叫びに呼応するかのようにマグナスは“光り輝く粒子―エナジリウム粒子”を身に纏い始めたのだった。

「ショルダーランチャーユニット、パージ!」

マグナスは破損しているショルダーランチャーをユニットごとジーオスXに向けて飛ばし、ショルダーランチャーユニットはジーオスXに命中する。

ショルダーランチャーユニットをパージした後、マグナスの肩アーマーが翼の様に展開、更に肩アーマー周辺のエナジリウム粒子が翼の様な形となるのだった。

 

 

 

 

光り輝くエナジリウム粒子をマグナスの様子はμ'sの面々が見ている映像にも映し出されていた。

「綺麗…綺麗ね」

と呟く絵里。

「バルバトス…ソロモン72柱に於いて序列8位に置かれる悪魔で、人間同士の諍いを調停してくれると言われ、ロビン・フッドの化身や力天使だったとも言われている存在…」

 

希がそう言った後

 

「今のバルバトス・マグナスは…ううん、あかりちゃんはまるで天使みたいね…」

「そうね…まさにそうよ…」

真姫とにこが続く。

「あかりちゃん…」

「あかり…」

「私達…信じてる…」

「あかりちゃんを…」

ことりが、海未が、花陽が、凛が

「ファイトだよ…あかりちゃん!」

そして穂乃果は呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び人工島。

「はぁぁぁぁぁぁ!」

マグナスはジーオスXに猛攻を浴びせる。

「砕けろぉぉぉぉぉ!」

胸部を何度も殴っては蹴る、刀で斬るを繰り返し、やがてジーオスXの分厚い胸部装甲にひびが入り、それが広がってやがては砕け散り、コアが露出する。

「あれか!」

だが、ジーオスXも負けじ生き残っている触手で応戦する。

「私には護りたい人達が…場所がある。

穂乃果達は血塗られた俺の事を受け入れてくれた所か戦女神って言ってくれた…

そんな戦女神がこんな所でくたばる訳にはいかない!」

マグナスは刀を構え、力を込めるとマグナスの纏うエナジリウム粒子がより一層光り輝く。

「だから、俺の大切な者達に手を出すなぁぁぁぁぁぁぁ!」

全力を振り絞り、ジーオスXのコア目掛けて突撃する。

 

 

 

 

だが、ジーオスXはその顔に不適な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

(まずい!!)

マグナスの嫌な予感は的中することとなる。

ジーオスXも最後の力を振り絞って触手でマグナスの左腕の下腕部を拘束、マグナスは咄嗟に刀で左肘から下を切断する。

(奴にまだ余力があったなんて…)

 

 

一方、その頃ドレッドバイトはジーオスランダーを倒した後も数多くのジーオスを討伐していた。

(何か胸騒ぎがする…とてつもなく嫌な予感が…)

そう考えていたドレッドバイトはマグナスの元へ急ぐのだった。

 

 

そしてマグナスは形勢を逆転されて不利な状況にあり、今は攻撃を相殺するので精一杯だったのだ。

「このままじゃ…こうなったら…」

マグナスが自爆でジーオスXを道連れにする事を考えたその時…

「ドレッドバイト、トランスフォーム!」

空中から駆け付けてきたドレッドバイトがジェット機からロボットモードへ姿を変えてジーオスランダーとの戦いでは使わなかったブラスターを発砲する。

「あかり、大丈夫か!?」

「ありがとう、ヴェル。ちょっとヤバかった所だったよ」

マグナスとドレッドバイトはジーオスXの方に向き直る。

コアを覆っていた装甲は再生を始めている。

「急がないと装甲が完全に再生する…」

「あかり、私が奴を牽制するからその間に」

「わかったよ、ヴェル」

そしてドレッドバイトは迫り来る触手をブラスターで撃ち落としたり大剣で切り伏せてマグナスを援護し、マグナスは再びジーオスXとの距離を詰めて再生しかけていた装甲に刀を突き刺すとそれを蹴りで食い込ませる。

刀はコアに到達はしたが、破壊まではいっていない…先端が刺さった程度だ。

「私一人じゃ無理かもしれないけど…私は一人じゃない!ヴェル!」

マグナスがそう言った後、ドレッドバイトは突き刺された刀の柄の先を何度も殴って刀を更に食い込ませるが、それでもジーオスXのコアは破壊されない。しかし…

「まだだ!」

マグナスはドレッドバイトが刀を食い込ませている間に右拳に出来るだけ多くEN粒子を集中させてそれを刀の柄の先に叩き込む。

刀全体がコアに突き刺さると同時にマグナスの拳からEN粒子による砲撃が放たれ、それによってジーオスXのコアは遂に破壊され、ジーオスXは活動停止し、崩壊するのだった。

 

マグナス―あかりとドレッドバイト―ヴェルはジーオスXの活動停止を確認すると機体との一体化を解除する。

「あかり!」

ヴェルはあかりの元へ駆け寄る。

「ヴェル。死亡フラグをへし折れたよ」

無事だったあかりを抱き締めるヴェル。

「ヴェル、ありがとう。ヴェルがいなかったら私は…」

あかりは一拍置いてこう口を開いた。

「ねぇ…ヴェル。出撃前に話があるって言ったよね?」

「あぁ、私もだ」

「ヴェル…私と…頼尽あかりと結婚してくれますか!」

あかりのプロポーズに

「あぁ、私も同じ事を言おうとしてたよ」

とヴェルは受け入れ、二人は熱く深いキスを交わすのだった。

 

 

―side:Akari―

 

 

 

あれから一週間後。人工島は深刻な被害を受けたけど、本土への被害は最小限で済んだ。

 

マグナスはあの戦いで無茶をさせ過ぎた結果、修復に膨大な時間がかかってしまう羽目になった。まぁ、幸いにもジーオスの襲撃も一先ず収まったから長い休養だと思えば良い事だしね。

 

戦いが終わってからはμ'sのファイナルライブに向けた準備で物凄く忙しかったけど、多くの人々が協力してくれたおかげでライブ前日に準備は殆ど終わり、当日を迎えた。

今日のライブにはマスラニの旦那やレノックス、オーウェン、クレアさん、ザック、グレイ、亜理火さんと多くの人々が招待に応じて来てくれた。

 

 

そして、私はμ'sの皆に呼び掛ける。

「皆、お待たせ!よし、準備は良い?」

その言葉に皆は頷く。

多くは語らない…通じ合っているから。

 

 

今まで本当に色んな事があったなぁ、と思う。

このメンバーと巡り会えて本当に良かった…

 

 

「穂乃果、掛け声宜しくね」

「うん、あかりちゃん。みんな!いよいよ本当のラストライブだよ!全力で楽しもう!」

穂乃果の言葉に皆は頷き、何時も様にピースで星を作り出す。

「ほら、あかりちゃんも!」

「あぁ、そうだな!」

今回はその中に私も加わった。

「1!」

「2!」

「3!」

「4!」

「5!」

「6!」

「7!」

「8!」

「9!」

何時もの点呼順で皆が言った後

「10!」

私はそれに続き、皆であの合い言葉を言った。

『『μ's!ミュージックスタート!』』

 

 

 

「『MOMENT RING』を聴いていただきました!

この曲と次に披露する最後の曲は私達九人と結成当初から私達を何時も支えてくれた十人目の仲間と一緒に作った曲です!」

『『聴いてください!《僕たちはひとつの光》!』』

 

 

 

―side out―

 

 

 

今回の秋葉での合同ライブの影響もあってかラブライブは第三回大会以降、本選はアキバドームで行われる事となった―つまりμ'sは実行委員会からの依頼を達成したのだ。

毎年、全国のスクールアイドル達はアキバドームでの本選を目指し、日々奮闘している。

このアキバドームでのライブを以てμ'sは正式に解散。彼女達は将来に向けてそれぞれの道を歩き出した。

 

 

だが、解散してもμ'sは多くのスクールアイドル達にとって伝説の存在であり、憧れである事に変わりはない。

 

彼女達の“輝き”に触れてスクールアイドルになり、その“輝き”を受け継いだ者達も多い。

 

 

「いよいよだよ!亜里沙!」

「精一杯楽しもう!」

此処にも。

 

 

「あの人達が目指した場所を私も目指したい…私も輝きたい!」

こんな所にも。

 

 

 

また、スクールアイドルの他にも自分の夢や目的、目標に向かって頑張っている人々も多い。

 

 

 

 

だが、それを脅かす存在もいる。それは時には怪獣であり、時には人・組織である。

“鋼鉄の戦女神”達は今日もどこかで“輝き”を護るべくそれらと戦い続けている…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある部屋の写真立て。

そこにはファイナルライブを終えたばかりのμ'sとあかり達の姿を収めた写真とウェディングドレスを着た二人の少女と二人を祝福する少女達の姿を収めた写真が飾られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

Love Live!~Nine goddess & Iron valkyrie~

 

 

 

 

The end

 

 

 

 

Thank you for your reading!

 

 

 

and To becontinue next stories…

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。