外伝・異世界転生で世界を救った神の異世界リライフ 作:Möbius Klein
独立して見返し無しで読めるように話の前後を本編からケルベロス三姉妹の一部のシーンをコピペで挟んでます。その部分は読み飛ばしOKです笑
本編はR18作品『破壊と欲望の神の為の楽園』になります。18才以上でマニアック設定なんでもバッチ来いの方はよろしくです。
世界御前会議初日の夜、ケルベロス三姉妹であるベル、ローザ、リズが僕と眠る為に部屋へ訪れた時僕は父様に言われた仕事をしていた。父様に言われた事、それはこの世界の中央に位置する神都、そのさらに真ん中にある神宮ユグドラシルと言われる僕と父様の神2柱が住まうこの城に関する事だった。
明日の世界御前会議の前に僕は略式だがこれからこの3人の任命式をしなくてはならない。各国からやってくる代表者達にその立場を明確に定めておかないといけないそうだ。面倒だが僕の召使い、ケルベロス三姉妹を侮られるのも嫌なので僕は寝る前にこの仕事をキッチリ終わらせるつもりだ。
「ケルベロス三姉妹の一、仁獣ケルベロス=ベルレシア…汝を神宮第一位の女性として神宮侍従長と双璧をなす神宮女官長に命じる。謹んでその命を受けよ」
僕に仕える獣だから仁獣、父様に仕える聖獣と同格の立場だ。え?流石に淫獣じゃマズイしね。そしてケルベロス三姉妹の正式名を改めて考えた。ベルと転生前の世界にあった花の名前ラフレシアを混ぜて付けた名前だ。ベルと言えば花弁、とは人には言えないので表向き花の名前という事で。ベルは頭を下げて任命書を受け取ってくれた。立場はこれまでこの神宮を取り纏めていた神宮侍従長と同格。ベルが神宮で頭を下げるのも命令を受けるのも父様と僕のみ。神宮の女性第一位の立場になった。
「ケルベロス三姉妹の二、仁獣ケルベロス=ローザウィッチ…汝を破壊と欲望の神フェンリルの第1位の側近とし、女官長補佐に命じる。そして女官長不在時は女官長と同等の権限を有するものとする。謹んでその命を受けよ」
ローザは正確には神宮の女性第二位だが、不在時は第一位の女性としての扱いを受ける。そして僕の一番の側近として公式に認められた形になる。ローザの名は魔女のウィッチと僕を翻弄するビッチを掛けたものだ。ローザもまたベル同様に頭を下げて任命書を受け取った。
「ケルベロス三姉妹の三、仁獣ケルベロス=リズテイル…汝を破壊と欲望の神フェンリルに仕える女性達の代表として第1位の仁獣、神の僕として神に愛でられし獣とする。何人たりとも我が前に侍る汝を咎める事は叶わず、神命以外を受ける事も禁ずるものとする。謹んでその命を受けよ」
リズのテイルは尻尾から付けた、まあ理由はアレだよ。まあいつも尻尾を振って僕に懐いてる感じだから、と言う事に表向きはしておく。リズは神宮における第三位の女性として扱われるが、その権限はない。だがその代わりに神宮にいながら僕と父様以外の命令を受ける必要がないという立場になり、いつでも僕の側にいる事が出来る権利を持つ。リズは身体を震わせながら任命書を姉達の見様見真似で受け取った。
「ふう…略式でその場の任命になってごめん。基本僕と父様以外に頭を下げる必要は無いって言うのを公式にした物と思って欲しい。これで君達は世界公認で永遠に僕だけのもの、そして僕の家族になったという事だ。これからもよろしくねベル、ローザ、リズ」
それを聞いてケルベロス三姉妹が身を寄せ合って泣いていた。3人纏めて抱きしめて僕は1人ずつ額に口付ける。
「もう離さない…ずっとずっと僕達は一緒だよ」
『ご主人様あああ…っ!!!』
そして3人共僕の胸に縋ってまた泣いた。僕は3人が泣き止むまでずっと3人の頭を順番に撫で続けたのだった。
ここで話は遡るが破壊と欲望の神フェンリル=ホープトレジャーが再びこの世界に舞い戻る3000年の間に起こった出来事の1つをここで紹介しようと思う。
狂った創造神ユニコーン=グランドトレジャーによって世界再生が果たされ2000年、ここに来てグランドトレジャーはふと思ったのだ。
フェンリルの番いが必要だ…この世界にいる存在ではフェンリルの母体になれる雌は存在しない。肉体を得ればその名の通り欲望を貪る事だろう。哀しいかな、オレは何故か純潔の身体を持った両性体にしか受肉出来ずこの身を差し出す事も出来ない。フェンリルの餌、贄はこの世界に山程ある。
いくらでもオレが創ってやればいい…だが、フェンリルにはオレを愛したように他人を愛する感情がある。オレの失くしたものでフェンリルが出来ているのならば、これはオレから失われた感情なのだろう…オレがこれ程までにフェンリルに焦がれるのは愛という名の執着に近い。この孤独はフェンリルがオレに与えたモノ。フェンリルはオレの中で今も尚オレと共にある夢を見ながら至福の笑みを浮かべて眠っている。
「オレで駄目なら創ってやればいい…オマエを愛する為に生まれ、オマエに愛されないといけない身体を持つ雌を。フェンリル、雁字搦めにしてでもこの世界に繋ぎ止めてみせるぞオマエを…オレは必ずオマエを手に入れる」
こうしてグランドトレジャーは神宮の地下に篭り再び創造をし始める。
時折オレを求める雑音が聞こえるが、知った事か。勝手にすればいい、オレはオマエ達の為に世界を創った訳ではない。ああ…フェンリル、他に何が必要だ?どうすればオレの下に再び現れる、オマエを繋ぎ止められる。オレはもうオマエを失えない…どんな望みも叶えてやるぞ。
「創造神ユニコーン=グランドトレジャーの名に於いて命ずる。破壊と欲望の神フェンリルの番いとなれし獣、ここに来たれ…」
グランドトレジャーはこの言葉を何度唱えた事だろう。神宮の地下にグランドトレジャーが力を注ぎ込み続ける度にこの世界で消えゆく命達…だがグランドトレジャーは見向きもしない。
オマエ達は贄だ、我が半身フェンリル復活の礎となれ。
そしてついにフェンリルの番いとなれし獣ケルベロスがここに誕生する。グランドトレジャーはやっと創り上げる事が出来たのだ…フェンリルの最大の鎖とする番いを。
「ケルベロスよ…我が半身フェンリルの番いとなれし獣よ。創造神ユニコーン=グランドトレジャーの祝福を受け、神を…フェンリルを受け止める母体をこれより作るのだ。幾らでも喰らうがいい、幾らでも創ってやるぞ…この世界の魔力を吸い付くす事になろうとも必ず成し遂げろ、その為にオレはオマエを創ったのだ、役立たずはいらぬ」
ボンヤリと意識が覚醒している中、ケルベロスにその命令だけが頭に残り続けていた。そしてケルベロスは自覚する。
私は神を愛する為に生まれ、愛されなければいけない身体を持つ獣。生まれた時から私の心を統べる愛しい御方の名は破壊と欲望の神フェンリル。ああ…やっとこの世界に私は生まれて来る事が出来たのだ。魂にまでその名を刻まれたあの御方、フェンリル様にお会い出来るその時までにお出迎えが出来る身体を作らねばならぬ。
待っていて下さい…必ず私は貴方のお側へ参ります。貴方が目覚めその目を閉ざす時まで私は貴方の傍らにいる者。
ケルベロスは再び意識を閉ざしただひたすらにフェンリルを想い、愛される為に身体を作り続けた。何年も、何十年も、何百年も…
一体どれ程の時が流れたのだろう。ケルベロスの意識が再び覚醒した時、身体の中で魔力が溢れんばかりに膨張と収縮を繰り返していた。このままでは身体が壊れてしまう。ケルベロスは神宮の地下でその大きな身体を丸めてソレを抑え込む。
もう身体が壊れそうです、愛しい方。いつまで私はここで貴方を待てばいいのでしょう。身体の震えが止まりません、ここは寒いのです。全身をギシギシと軋ませながらケルベロスは嗚咽する。
貴方が恋しい…そして切ない、哀しい。貴方に会いたい、でも会えない。真っ暗闇のこの神宮の地下でいつまで待てば貴方はこの世界に戻ってくるのでしょう。グランドトレジャーは言うのです、私のせいだと。私の想いが足りないと、かつての自分は血の涙を流しながら壮絶な痛みの中でフェンリルを乞うたと…まだまだ足りないのだそうです。
こんなに想っているのに、身体は悲鳴を上げていると言うのに…ああ、駄目っお願いだから壊れないで私の身体。フェンリル様に愛されて子供を産むまで私は死ぬ訳にはいかない、だから壊さないで私の身体を…
「よくやった…ケルベロスっはははははは…っ成る程、魔力の膨張を抑える為に魔力を2つに分離させるとは。ククク…ッフェンリルを待ちきれずに孕んだのか自ら。しょうがない奴だ…そおら、もっとだ。もっと魔力を取り込んでフェンリルを受け止められる母体を作るのだ」
グランドトレジャーから初めて頂いたお褒めの言葉でした。そしてこれ以後これまでの二倍の魔力を私に供給するようになりました。
「うぎぃぎゃあああ…っ!!」
「ひいいいい…っ!!」
神宮の地下には私に供給する魔力を貯めてあり、その魔力はフェンリル様の擬似魔力だそうです。私達は口から胃に管が通され腹が膨れあがり魔力を注ぎ続けられます。先に失神したのは後から生まれた子、失神してはいけないの。失神すればグランドトレジャーからお仕置きの電撃が全身に喰らわされる。
「うがっうがががが…っ」
「ほう…そうか、子の分も電撃を受け止めるか。これならまだイケそうだ」
私はまるで実験場にいるモルモットか家畜のような扱いでした。グランドトレジャーは咽び泣く私に笑いながらドンドン身体に拘束具をつけて行きます。ついに身体中に管を通してしまいました。
「コラ、暴れるな…この先に愛しいフェンリルが待っているのだぞ」
「うー…っううっううう」
痛みと苦しみに耐えきれず失禁した私の下肢にも拘束具がつけられました。私のお腹に入れた魔力が供給の限界で漏れ始めたのをグランドトレジャーが堰き止めたのです。私は身体を震わせ耐え抜きました、ようやく下肢の拘束具が外された時には私の頭は3つになっていました。
「これで2匹目か…子沢山なのだな、ケルベロスよ。ああ…早く育て、そして番いとなりフェンリルと子を作るのだ…」
そして今度は魔力の供給が3倍になりました。もう私は正気を保っていられそうにありません。ああフェンリル様、まだ足りないのですか…
私の根源である魂がついに限界に達し、グランドトレジャーがクソ、これまでか!?と舌打ちをしながら、私の身体に繋げていた管と拘束具を全て取り外しました。どうやら私の頭は3つという事になったようです。
それからグランドトレジャーが全くここに来なくなってしまいました。私はこのままどうなってしまうのでしょう。涙が溢れて止まりませんでした…私はもう見限られたのでしょうか、もうフェンリル様には会えないのでしょうか。
『泣かないで…私も哀しくなってしまう。グランドトレジャーはまた必ずここへ来る、待ちましょう。何年でも、何十年でも…何百っ』
『…もしもの時は3匹で魂となってもフェンリル様の元へ行きましょう』
「うあああああ…っ!!!」
この2人には本当の事は言えない、私は3つの頭を付き合わせて泣きました。いいえ、もうグランドトレジャーはここへは来ない。私には分かる、何百年とあの方と2人でここで向かい合って来たのだから…ああ、私は失敗作になったのだ。このまま私の魔力が尽きるまで神宮の地下で魔力を排出して枯れ果てるまでここにいるのだ。
神宮の番人として…
私はそのまま身体を丸めて眠りにつきました。フェンリル様とせめて夢の中でだけでも一緒にいたい、この命が尽き果てるまで。フェンリル様が来るまで私はここで眠ります、そうしてケルベロスは永遠に貴方を想い続ける事でしょう。
『グランドトレジャー無念の失敗作の巻』抜粋。
「うをーい…っ!父様、ケルベロスをアレから数百年も放置してたの!?なんでこう、やりっ放しなのかな、自由過ぎるよ…創造神様」
破壊と欲望の神フェンリル=ホープトレジャーことホープです。ただ今ここ3000年の父様の記憶を探索中にまたえげつな…いえエライ物を発見してしまった。父様の中で3000年も眠っていたので、この世界がアレからどうなったのかを知りたくて整理整頓が出来てない神様の図書館、つまり父様グランドトレジャーの記憶領域を僕は閲覧していたのだ。
「ベル…ボクの為に頑張ったんだなあ」
見た目も大人で立派な成人女性のベルだが、本当は凄く寂しがりの恥ずかしがり屋。ボクが何してもいつも嬉しそうにしてるんだ、本当お母さんみたいだ。今は3つに分かれてケルベロス三姉妹のベル、ローザ、リズだけれどベルがケルベロスの本体なのだ。
魔力膨張で壊れそうになる身体を守ろうとしてローザ、リズを生んだ。その後父様に放置されている間にローザとリズは人格を持ち2人はベルを姉と呼んでいたが本当はベルが生みの親。ベルが僕の為に生きようとして生んだ子供達、僕にとってもあの2人は子供同然だ。
結局、最終的にケルベロス三姉妹は父様がある日突然ピコンと閃いて人型を与えて分離させたそうだ。1人では無理でも3人になればあるいはもしかして3倍!?などと思ったらしい。そして3人になった時父様は一言こう言ったのだ。
「ああー…やらかした、ヤッてもうた」
…と。ケルベロスに台無しにした1000年を返してやってくれ、父様。ケルベロス三姉妹は3人に分離した事で子宮も三分割にされてしまったのである。超天才のヒラメキって怖い…やめたげて、マジで。
多分僕にケルベロス三姉妹を引き合わせたのがせめてもの詫び、もしくはとりあえず僕に持ってけ!…な感じではなかっただろうか、父様は。
父様も言っていたが人間やめて数十億年、もう人間らしい感情は殆ど残っていなかったとの事。僕を生んだ事がキッカケで色々感情が蘇ったらしいがソレでも自分と僕の事がやっとだったらしい。
「好きになった訳じゃないものね…神様なんて。ボクもイキナリこの世界に来て世界末救世主伝説みたいな状態にビックリしたもの…なんかもうワンクッション欲しいよね、異世界転生」
ラノベでいう神様転生とか、チート授けるとかさ。そんな感じで一応本人に確認してから行き先とか決めて転生とかやって欲しい。しかも僕なんか選択の余地無しで破壊と欲望の神!…なんでだよ、ラスボス臭満載のボッチ確定キャラじゃないかっ
父様なんて数十億年前に何もないこの世界に強制召喚されて、誰もいなくね!?ぼっちで神様?ピン芸人かオレは…と思ったらしい。その点ではつくづく父様に会えて良かったなあ、と僕は思うのだ。
でもこういう過去の記憶を見てると父様はカナリぶっ飛んでいる。僕の記憶を見た父様曰くオマエよりは余程普通との事でした。破壊と欲望の神ロクでもねえ、ってのが父様の感想。息ぴったりな親子だね、僕等。
さてソロソロ戻って身体を休ませるか。僕は父様の記憶領域を抜けて眠りについた。この精神と時のルームは本当時間を忘れてしまうよ。一体何年位かけて『グランドトレジャー無念の失敗作の巻』を見ていたのだろう、僕。
そして話は戻り世界御前会議の最終日へと移る。
その日の夜に開かれた打ち上げ舞踏会では父様の挨拶に続いて僕がケルベロス三姉妹のお披露目をした。この世界にいる神2柱の住む世界の中心にある神宮ユグドラシルを代表する女性としてケルベロス三姉妹を紹介した。
「神宮女官長、仁獣ケルベロス=ベルレシア…エターナルホープトレジャーの指名を受けてこれからは神宮第1位の女性として神宮ユグドラシルを神宮侍従長と共に取り仕切る事になります。2柱の神以外に対し神宮内で私が頭を下げる事はなく、神宮に仕える権威の象徴である我々に対し異を唱える者はこの神宮への立ち入りを永遠に許しません。…皆様どうかお忘れなきように」
各国の代表者達に臆する事無くベルが胸を張って言い切りグランドトレジャーとホープに頭を下げ、神宮侍従長に会釈をして厳かに元いた位置へと下がる。
「ボクの第1位の側近にケルベロス三姉妹の二、仁獣ケルベロス=ローザウィッチ…神宮第2位の女性になるが女官長補佐を兼任し女官長不在時は第1位の女性となる。ボクと神宮女官長を補佐する立場になるケルベロス一の才媛だ…我が自慢の第1位の側近よ、前に」
「エターナルホープトレジャーの第1位の側近、仁獣ケルベロス=ローザウィッチ…神宮第2位の女性としてホープトレジャーの側に身を置きますが、いかなる時もホープトレジャーの命を最優先に動く事となります。我が主は怒らせるととても恐ろしいお方です…皆様どうかお忘れなきように」
代表者達を相手に堂々とニッコリ笑顔を浮かべるとローザは上位者達に軽く会釈をして余裕を持って元の位置へと戻る。代表者達は新たなる神宮の上位者に目を見開かせたが、他の王宮と違い神宮はこの世界の最上位である神に続く権威の位置にあるのでこういう形になる。
「そして最後になるがボクの第1位の仁獣としてケルベロス三姉妹の三、仁獣ケルベロス=リズテイル…神宮第3位となる女性だ。彼女に贈った首輪の文言は"仁獣ケルベロス=リズテイル。これなる者破壊と欲望の神フェンリルの僕、神に愛でられし獣也。何人たりとも触れる事なかれ、これを犯す者全て天より下る神罰によって滅ぶべし。"…と明記してある。何人たりともボクの側に侍る彼女を咎める事は許されないし、父様とボク以外の命令は聞く事も彼女には許されない。…ってもうこれ以上の説明は、要らないかな?リズ、コッチおいで。この話が終わったら席に着くから約束の膝枕をしてあげるよ」
「はーい…っご主人様あ」
リズが僕の傍にやって来ると僕に寄り添うようにしてリズが腕を組む。これでケルベロス三姉妹のお披露目が終わりとなった。
ケルベロス三姉妹はこの世界での僕の大切な家族だ。これからも僕達は永遠に共にある。それにもうケルベロス三姉妹は僕無しでは生きて行けないからね…大事にするよ、僕の家族として。
ケルベロス三姉妹ベルの身の上話になりました。まだまだ話に収集がつかないのでこぼれ話や本編には入らなかったシーンとかも上げていけたらと思います。