妹のように甘えてくるみんなが可愛すぎて死にそう   作:青虹

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どうも、青虹です。

いつも多くの人に読んでもらえてとても嬉しいです。これからも、まだまだ伸び代がある(はず)の私を応援していただけると嬉しいです。

感想、高評価をして下さるとモチベが爆上がりします。アドバイスや、誤字報告もあればしてほしいです。


超絶美少女と甘いひと時を

 突然だが『よく食べる女の子』についてどんな印象を持つだろうか。

 幸せそうに食べる表情を見ていると微笑ましくなるとか、見てる方も幸せになるとか、太りそうで心配だとか、色々あるだろう。

 俺の場合は、前者である。

 

「お兄ちゃん、早く行こ?」

「いつものところか?」

「そうだよー」

 

 いつものところ、とは山吹ベーカリーのことであり、俺の隣をニコニコ顔で歩く青葉モカがイチオシしている。

 財布に貯まったポイントカードの数は数え切れないほどであり、それがモカの常連っぷりを伺わせる。

 俺が到底食べられそうにないほどのパンを平然と完食するのだが、何がどうなっているのか、全く太らない。

 本人曰く、ひまりちゃんにカロリーを送っているらしい。うん、あれに送っているんだな。あれに。

 山吹ベーカリーが近づくにつれ、モカのテンションも上がる。

 

「そんなにパンを食べるのが楽しみなのか?」

「うん、もちろんだよ。でも、お兄ちゃんと一緒にいるのも楽しいよー?」

「……そうか」

 

 急にそんなこと言われると照れちゃうだろうが。特にモカに言われると。

 

「あー、お兄ちゃん照れてる〜」

「別に照れてねえし」

「あはは、蘭みたい」

「うっせ」

 

 くっそ、うざいけど可愛いから許しちゃう。

 ご機嫌なモカを連れて山吹ベーカリーに入る。やはりもう既に沙綾が店番を始めている。帰宅すんの早くね?

 

「いらっしゃい、今日もたくさん買っていってね、モカ」

「もちろんですよ〜」

 

 次々とトレーにパンが乗せられていく。もしかしたら5桁突入もあるかもしれないな、これ。

 

「さーや、チョココロネある?」

「もちろんあるよ。ちょっと待っててね」

「はーい」

 

 そういえば、いつも取り置きしてもらってるみたいな話を聞いたことがあるような気がする。

 トレーにはエベレストを彷彿とさせるほどパンが積み上げられている。

 ここにチョココロネが追加されたらどうなるんだ……

 あ、来た。山積みのチョココロネが。っておい、それ全部モカのやつ?焼きたてだからって言って並べに来たやつじゃないの?……違うのね。

 

「何財布漁ってるの?」

「だからお前急に話しかけるのやめろって……」

「汗ダラダラで財布の中を見てて気づかない方が悪いんじゃない?」

「そ、そうなのか?」

 

 ……そうなのか、勉強に──ってそうじゃない。いつ俺が悪いことになった?まあいいや。

 そんなことより金がない……!超絶美少女モカちゃんに貢ぐお金がないじゃないか!

 

「どうしたの?」

 

 あたふたする俺を見かねたモカが、大量のパンを抱えてやってきた。

 パンが落ちそうで危なっかしい。

 

「金が無いんだ……兄ちゃん失格だぁ……」

 

 何故モカの時に限って金が底を尽きるんだ……。あのポイントカードを使わせるのも謎の罪悪感を覚えるしなぁ。

 野口ィ……お前が諭吉だったらナァ……!

 

「いいよー。これくらい自分で払うから」

「そ、そうか、ははっ」

 

 なぁ、知ってるか?合計6300円くらいなんだぜ?この金額をこのくらいと言って何事もなく会計して談笑してる二人が俺は怖いよ……

 しかもポイントカード使ってねえ……!

 その代わりに、新たなカードが手渡されていく。

 モカがこんなに大量買いしてくれているなら、しばらくはこの店の経営は安泰だね、やったね!

 

「ん」

「お兄ちゃんは優しいですね〜、では、遠慮なく」

「意外と重い……」

 

 ぎっしりパンが詰まった袋は、想像を絶する重さだった。思わず口に出てしまった。

 

「モカちゃんの愛情の重みだね」

「これはお前が作ったわけじゃないだろ」

「もうこれはモカちゃんのものだから愛情も乗せたんだよ〜?」

「へー、そうなんだー(棒)」

「さーや、お兄ちゃんが冷たいよぉ」

 

 そんなこと言われても反応の困るんだよなぁ。モカちゃんはたまに訳の分からないことを口走るのが悩みどころである(偏見)

 ……あーあ、多くのバンドリーマーを敵に回してしまった……。いや、ここにいる時点で全バンドリーマーを敵に回してしまっていたのか。

 

「お兄ちゃん、帰ろ?」

「おう」

 

 だが、これは俺の特権。最大限駆使させて貰うぞ!

 俺の当初の目標『ハーレムを築き上げる』を達成するためにッ!……もう既に達成されている気もしなくないけどな。

 今、俺の隣ではモカが幸せそうにパンを頬張っていて、ふわふわしたオーラが溢れかえっている。漂う大物感ってやつだな。

 そんな幸せなモカちゃんを見て我々が幸せになる。これぞウィンウィンの関係というものだ。

 まるで我が子を見守るようにしてパンを食べるモカを見守っていると、見過ぎたらしく、俺の方に首を向けた。

 

「どうしたの?お兄ちゃん。もしかして、可愛い可愛いモカちゃんに見惚れてた?」

「可愛い可愛いモカちゃんが隣にいるのに見てない方が申し訳ないよな」

「お兄ちゃん、それはちょっと……」

「……ぐすっ」

 

 モカちゃん の ジト目! こうか は ばつぐんだ!

 HPゲージは既に真っ赤、ピコンピコンと警鐘が鳴らされている。

 俺の心はぽっきり折れてしまった。既に再起不能である。誰かからの癒しを貰わなければ復活しない。

 

「でも、お兄ちゃんに可愛いって言ってもらえて嬉しいな」

「やっぱりモカちゃんは可愛いなぁ!」

「えへへ……」

 

 流石はモカ、俺にすぐ癒しをくれた。俺を見上げてとびきりの笑顔でそんなこと言ってくれたらときめいちゃうね!

 袋を片手で持って、空いた方の手で思わず抱き寄せちゃったけど、これは不可抗力。髪の毛が崩れないように、優しく撫でると、モカは幸せそうに俺に身を預けた。

 ……信頼されてるなぁ。その分俺もしっかりしなきゃ、そう思った。

 

「モカ?結構歩きにくいんだけど。このままじゃ帰るの遅くなっちゃうぞ?」

「じゃあ離れられないなぁ。お兄ちゃんともっと一緒にいたいもん」

「じゃあ仕方ないな」

「うん、仕方ないね」

 

 歩きにくさとモカと一緒にいる時間を天秤にかけたら当然モカちゃんの方が下がるに決まっている。むしろ、地面にめり込むまである。

 パンが重いのは意外と気にならない。それよりも、今この時間を大切にしたいという思いの方が重要なのだ。だから、パンが重いからといって急ぎ足になる必要はない。

 結局、モカの家に着いたのは午後6時を回ってからだった。

 

「今日はありがと」

「いいよ、別に。楽しかったしな」

「うん、あたしも楽しかったよ」

「じゃあ、またな」

「うん、またね」

 

 これからもずっと、こうやってみんなと仲良く日常を過ごすのだろう。ほのぼのと、中身のない充実した毎日を。

 Afterglowが変わらない日常を求める理由が分かった気がする。変わらないことの良さに気づけた気がする。

 

「ただいまー」

「おかえり……なさい……兄さん」

 

 ただ、あなたが家にいるとほのぼのした平和な日常は送れないと思うの。

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