妹のように甘えてくるみんなが可愛すぎて死にそう   作:青虹

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遅れてすいません、どうも、青虹です。

いや聞いてくださいよ。夏休みに入った瞬間に補修やら文化祭の準備やらが始まり、それが終わったと思ったら怒涛の部活ラッシュ。塾は3日、4日連続であるわでもはや夏休みの方が忙しい説ある。
ドリフェスとかもあったしなぁ(遠い目)
結果は察して聞かないでくれ・・
それにスランプが重なって投稿出来なかったんですよ!
......それでも一生懸命頑張って書いたので、ぜひ読んでやってください。そして高評価とお気に入り登録して下さい。感想も待ってますよ?


見上げた先に

 休みとは、家でしっかり休養を取ることで平日の学業や仕事を効率よく行うためにあるものだと思っている。

 だから、今の俺の休日の過ごし方は間違っていると思うのだ。

 

「お兄ちゃん!楽しいことしましょ!」

「は?──って俺にリアクションする時間すらくれないのかよ!」

 

 あ……ありのまま今起こったことを話すぜ!

 俺が家でゲームしてたら家の中に金髪美少女が入ってきていつのまにかリムジンに乗せられてた。

 な、何を言ってるのか分からねーと思うが、俺も何をされたのか分からなかった……

 頭がどうにかなりそうだった……催眠術とか超スピードとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。

 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 

「あのー、俺の格好まずくないか?」

「こちらに服を用意しております」

「あ、ありがとうございます」

 

 さっすが黒服さん、有能スギィ!部屋着の俺を案じてセンスしかない服を持ってきてくれた。

 ただ、着替えるところがない。ちょっと詰めが甘かったようだ。

 

「佐々木様、着替えはこちらで」

「あ、ありがとうございます」

 

 訂正、やっぱ黒服さん最強。右に出る者はいないね。

 しっかし、コイツァ一体どこに向かってるんだ。

 気になって、振り向きざまにこころに聞いた。

 

「なあこころ、これどこに向かってんだ?」

「それは着いてからのお楽しみよ!」

「何それ超怖いんだけど」

 

 ど、どうしよ。前世の悪夢が……

 こころんはそんなに悪い子じゃないのになぁ。

 そんな謎の恐怖に襲われながら着替えて、元いた場所に戻った。

 俺は服装に関しては無知なので詳しい説明を避けるが、まるで別人のような変貌を遂げていたとだけ言っておこう。

 

「お兄ちゃんとってもかっこいいわ!」

「佐々木様、とてもお似合いです」

「お、おう、どうも」

 

 こころにおててをにぎにぎされながらべた褒めされて、思考が停止してしまったのはしょうがないということにしてくれ。もう死ねるね、うん。

 それからはこころんの美咲ちゃんに関するマシンガントークを聞いたり、ハロハピのことを聞いたり、美咲ちゃんのことを聞いたり、ずっと受け身で話を聞いていたけども、まあ面白かった。こころんの美咲ちゃんへの愛も伝わったしね。

 

「こころ様、佐々木様、到着いたしました」

「ありがとう、黒服さん!お兄ちゃん、行くわよ!」

「はいはい、分かったから引っ張らないでくれ!……黒服さん、ありがとうございましたァ!」

 

 ずんずんと我が道を行くこころんに引きずられながら、豪勢な建物の中に入っていく。

 どうやらここは弦巻家の別荘らしい。ていうかここ何処?大自然に囲まれてるのは分かったけども。

 

「こころん、ここ何処?」

「お父様の別荘よ!」

「それは分かったけど、地名は?」

「軽井沢よっ!」

「さすがや……」

 

 軽井沢は避暑地として有名で、富裕層からの人気が高いのは知っていたが、やっぱり弦巻家も持っていたか。まるでチュートリアルかのように建てやがって羨ましいわ。

 でも、今はまだ4月。そんなに気温が高いわけでもない。なぜここに来たのやら。

 こころんに聞いても、夜のお楽しみよ、としか言ってくれなかったしなぁ。夜のお楽しみ……はっ、まさか俺襲われるやつ?

 いやいや、こころんに限ってそれはないはず。上海ハニーの歌詞の意味も分かってなさそうに歌ってたしなぁ。うん、大丈夫だ(震え)

 

 

 

 ******

 

 

 

 そして夜を迎えた。俺はこころんに連れられ、山を登っていた。薄暗い山道は、獣や幽霊が出てきそうな雰囲気を醸し出していて、ちょっと怖い。

 でも、耳を優しく包み込む沢の水や木々が揺れる自然の音はとても心地よかった。

 長袖長ズボンでちょうどいい涼しさで、カラッと乾いた風も相まって、とても快適だ。

 

「お兄ちゃん、着いたわよ!」

 

 こころんが指差した先には、開けた土地があった。弦巻家で開拓したのだろうか。地面は手入れされた芝生で覆われている。

 

「うわ、すっげえ」

「でしょう?ここは私のお気に入りなのよ?」

 

 見上げた夜空一面に星が輝いていた。絶対に東京ではこんな景色は見られない。

 まるで地球を飛び出して星を見ているようだった。それくらい一つ一つの星の輝きは幻想的で、目の前の絶景に心を奪われていた。

 こころんが芝生に寝転がり、ちょんちょんと隣を指差した。寝転がってと言いたいらしい。

 それに従い、隣に寝転がった。チクチクするのかと思ったが、芝生は背中を優しく包み込んでいる。程よい涼しさも相まって、眠気が襲ってきそうだ。

 眼前に広がる宝石たちは、それぞれに自分らしく光を放っている。

 強弱さまざまな光は、飽きるのを忘れさせてくれるようだ。

 

「お兄ちゃん、あそこにあるのがおおぐま座よ」

 

 こころんの指をなぞり、その方へ視線を向けた。中心より若干北西の位置にそれを見つけた。

 

「へぇ、ちょっと無理がある気もするけど」

 

 言われなかったら、絶対に星座だと認識できない。言われてもイマイチパッとしないのだから。

 こころんは他にも色々な色々な星座を教えてくれた。でも、星の輝きが強いせいか、ごちゃごちゃしていてあまり分からなかった。

 

「こころんは物知りだなぁ」

「そんなことないわよ。日菜はもっと物知りよ?」

「あれと比べてはいけないと思うんだ」

 

 日菜ちゃんの暗記能力はもはや一種のチートスキルだと思っている。見ただけで覚えられるとか羨ましすぎるわ。

 

「最初誘拐された時は何事かと思ったけどな」

「私誘拐なんてひどいことしてないじゃない」

「あくまでもしらを切るつもりか」

 

 急に俺を家から連れ去っておいて誘拐じゃないとかその目節穴すぎやろ。

 誰がどう見ても誘拐だ。当然通報しないけどな。

 

「でも、この星空を十分堪能できたから許す」

 

 こころんに連れてこられなければ一生見ることのなかったであろう景色。

 こころんや日菜ちゃんが天文部に所属している理由が分かったような気がする。

 

「……また見に来たいな」

 

 こんな景色を一度きりで終わらせてしまいたくない。

 来れるものなら何度でも来たいものだ。

 

「勿論よっ!」

 

 そう言ったこころんの笑顔は、夜空に映えるどの星よりも輝いていた。

 

 

 

 ******

 

 

 

 丸2日軽井沢を満喫して月曜日を迎えた。

 今日からまた学校が始まる。特に、週末に軽井沢なんて行けばその想いはより一層強くなる。

 憂鬱な気分に苛まれながら玄関扉を開けた。

 吹き付ける風は重々しく、進める歩を止められそうになる。

 

「おはよう、お兄ちゃん」

 

 しかし、はにかみながら俺を出迎えてくれた水色の髪の天使によって俺の足取りは軽くなった。

 やっぱり持つべきは癒し、天使である。

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