妹のように甘えてくるみんなが可愛すぎて死にそう   作:青虹

4 / 21
どうも、青虹です。

他の作品を執筆しながら、気分転換にこの小説を書くも、なぜかこっちの方が書きあがるのが早い。うん、ナンデ?



これが、俺がよく知るガールズバンドである

 スタジオの扉を開けると、やはりと言うべきか、俺を兄貴扱いする3人が現れた。友希那とりんりん、あこちゃんである。あこちゃんに関しては初めから年下であり、妹で大歓迎なのだが、りんりんと友希那に関しては年上である。

 特にりんりんは核爆弾を二つほど抱えている。危険すぎる。でもまぁ、これが日本が核を持たない理由だ、分かったか世界よ!

 閑話休題。リサはまだ来ていないが、バンドメンバー全員と顔を合わせることに成功したのはRoseliaが初めてである。実は前の世界でも全員揃ったのはこのバンドなのだ。

 既に来ていた3人はもう練習を始めていたようで、額には僅かに汗が滲んでいる。特にあこちゃんは。なんかこういうのってエロくない?

 

「ごめーん、遅れちゃった!」

 

 俺の性癖はさておき、無事に遅れたリサも揃ったから、これから本格的な練習が始まるのだろう。だが、俺は何をすればいい?

 って、あっ。今、思い出したくないことを思い出してしまった。弁当食ってねえじゃん……。せっかくリサが作ってくれたのに。なんて言われるのやら。

 

「兄さんと日菜は私たちの演奏を聴いて修正点があったら教えてほしいのだけど」

「うん、任せて!」

「お、おう」

 

 紗夜に頼られたことがよっぽど嬉しかったのだろうか、日菜ちゃんが嬉しそうにぴょんぴょん跳ねている。そしてやる気満々である。勢いに乗せられて返事をしてしまったが、正直俺の実力じゃ指摘するところないんだよなぁ。

 

「あこ、いいわよ」

 

 あこちゃんのカウントでイントロをスタートさせる。りんりんの美しいキーボードソロが流れる。そう、今回の練習曲は『Ringing Bloom』である。

 最多ノーツ数を誇り、ゲーム内最高峰の物量を誇るこの曲。楽曲レベルは28だが、まあRoseliaだから仕方ないよね、という難易度である。ただ、リズム難ではないので、他の28と比べて死ぬ要因は少ないだろう。死ぬのは、疲れるっていうくらいだと思う。ちなみに、俺はフルコン出来なかった。クリアはいけるんだけどね。

 

「わぁ……!」

 

 そんなこの曲、例に漏れず超カッコいいのだ。日菜ちゃんが目を輝かせて食い入るように見ているが、それは至極真っ当な反応だろう。日菜ちゃんの感想は『るんっ♪ときた!』に決まりだな。

 そして、この曲最大のお気に入りポイント、りんりんのソロパート。のんちゃん声で歌われるのだが、綺麗というか美しいというか、儚いというか。DJの方では力強く歌い上げているが、こっちも大好きやで(愛の告白)。

 曲はサビに突入する。ここまで聴いてというか、だいたい察していたことなのだが、案の定改善点がない。もちろんいい意味で、だ。さすがというべきかやっぱりというべきか、演奏の質がとても高い。聴く前に心配していたことが的中した。

 

「どうかしら?」

 

 そうは言われたが、感想が出てこない。口が開いて塞がらないとはこのことなのだろう。

 

「るんっ♪ときた!」

 

 ほらやっぱり。俺の予想は大当たり。日菜ちゃんって一周回って分かりやすいまである。……いや、ないか。

 日菜ちゃんが作ってくれた時間でようやく落ち着きを取り戻し、思考を再稼働させる。

 もう一度、さっきの演奏を脳内再生する。クッソ、これただの間違い探しじゃねえか!ムズすぎるけどな!

 

「俺も、特にはないな」

 

 そもそも俺に意見を求めるのが間違ってる(正論)。俺の無い頭でこの難題に答えろだと?0歳児に相対性理論を完全に理解させるより難しいわ!

 結局、るんっ♪しか言わない日菜ちゃんと俺が置き去りにされ、Roseliaだけで練習を始めてしまった。

 することがない俺たちは、ぼーっと練習風景を眺めていた。

 

「かっこよかったなぁ〜」

「それ。間近で聴くと迫力が増すよな」

 

 片田舎の貧乏人にとって、ライブというのは行きたくても行けない場所だった。それ故に、こうしてライブの最前席と同じくらいの距離から聴けたのは俺の中でとても大きな出来事なのだ。

 

「おねーちゃんの演奏凄かったな〜!……ライブでもかっこいいんだろうな〜」

 

 その視線は、どこか遠くに向けられていた。寂しげに、何かを待っているような、そんな目だった。

 そうか、紗夜が日菜ちゃんにFWFに出るから見てほしいと宣言したのは、6月のイベント。まだ、紗夜の方からライブに来てほしいと言われていない。

 

「……今年のFWFは見に行けるといいな」

「うん」

 

 音合わせをする紗夜は、いい表情だった。日菜ちゃん、今年は見に行けるからな。例え、あのイベントストーリーを知らなくとも、そう確信させてくれただろうと強く思った。

 

 

 

 ******

 

 

 

 練習終わりに、昼も来たファミレス店にまた訪れた。相変わらず、紗夜と日菜ちゃんは例のポテトを頼み、幸せそうな笑顔を浮かべて次から次へと口の中へ運んでいる。ほんと飽きないんだな。

 

「……やっぱり、紗夜ってポテト好きだよね?」

「そ、そんなことはありません!こんな添加物ばかりの(ry」

 

 明らかに苦し紛れな言い訳である。だがまあ、そこが紗夜の可愛い所でもあるんだが。

 

「え?おねーちゃん昼もたくさん食べてたよ?追加で注文してたもんね!」

「うっ……」

「「「「はははっ!!」」」」

 

 おーい、そんなに騒ぐと注意されるぞー。ほら来た、またあなた達ですか、だって。そんなところで常連にならなくていいのに。

 それと紗夜、そろそろ帰ってきてー。いつまで顔赤くして俯いてんの。あ、でもちょっと待って。脳内写真に是非とも収めて……ってまだ早いわ!

 くそッ、大自然の超常現象は待ってくれないというが、まさにそれじゃないか!

 

「はぁ……」

「どうしたの、おにーちゃん」

「い、いや、何でもないんだ……。内なる自分と戦っていただけだから……」

 

 隣に座るあこちゃんが、凹んだ俺を慰めようと声をかけてきてくれたが、俺が一言言うと、なにそれカッコいいとか言い出して急にテンションが切り替わってしまった。例の厨二スイッチが入ったのだろう。えーと、なんだっけ、と頭を唸らせるその姿に一体何人の男が癒されたことか。

 かくいう俺もその一人だ。現にたった今おれの心が浄化されたからな!脳内に収めさせてくれない紗夜と違ってあこちゃんはちゃんと収めるだけの時間を作ってくれたもんね!妹スキル高杉ィ!

 それに、あこちゃんにおにーちゃんと言われるのは超しっくりくる。年下だし、まだ幼さが残っているからかもな。

 

「あこちゃん……高校はどうだった……?」

「すっごく楽しかったよ!ひなちーもおねーちゃんも友希那さんもリサ姉もみんないるもん!」

 

 あこちゃん、頼むから高校デビューしないでくれよな。前の世界のリサと紗夜はギャルと化していたから、どうかそうはならないでくれよな。おにーちゃんとの約束だッ!

 

「そういや燐子は生徒会長の仕事、どうだったの?」

 

 あっリサのバカヤロウ、それは絶対に言っちゃいけないだろ。ほら、授業中の睡眠態勢のごとく丸くなっちまったじゃねえか。

 

「今井さん、その話はしないであげてください……」

「う、うん、オッケー」

 

 りんりん、頑張って。今度慰めに行こうそうしよう。

 ここでふと疑問に思ったことがある。俺とあこちゃん以外、今年受験生なのである。日菜ちゃんは勉強要らずとしても、Roseliaは皆勉強からは逃げられないだろう。特に友希那はね。

 

「そういやみんな今年受験生だけど、勉強は大丈夫なのか?」

「アタシは大丈夫だよー」

「私も問題ありません」

「大丈夫よ。……多分」

「よし、お前はちゃんと勉強しろよ」

 

 でも、俺に頼るような真似はするなよ。まだ高2だしアホだし。紗夜とかいう最強の助っ人がいるから大丈夫だろうが。

 

「あれだな、定期考査とか模試とかで一定の点数を超えない限り猫と戯れるのを禁止したりしなきゃな」

「それいいね!」

「それは……やめ──なんでもないわ」

 

 やめてって言おうとしてるの、ちゃんと聞こえたからな。まあ本人がやるって言ったならいいけど。

 

「あ、ちなみに大学に合格するまでだからな。留年したら一年伸びるぞ。それと簡単な大学で済ませようとしてもダメだぞ」

「えっ……そ、それは」

 

 自分への甘えは猫への甘え。これいいな。今度これをリサに渡して貼っつけてもらおう。

 

「ま、いい点を取れば猫と戯れられるんだからな、辛いことを乗り越えれば楽なこともあるっていうもんだよ」

「そうね」

 

 おおう、友希那の目がマジだ。これは期待大だぞ。あ、でも分からないとか言って泣きつくのが見えた。

 

 

 

 ******

 

 

 

 その後も、話は盛り上がり気がつけば空は真っ暗になっており、かなり時間が経っていたことを知らせていた。急いで会計し、店を出た。5桁中盤まで到達していたのに驚いたが、ほとんど氷川姉妹が原因だった。

 リサに作ってもらった弁当の処理をどうしようか考えながら帰宅路を進む。

 まあ家で食べればいいかという、ありきたりな結論に至り、残った時間はこの世界のありがたさを考える会イン脳内を開催することにした。

 前の世界では、キャラが崩壊しまくったせいでバンドリの世界にいるような気分になりにくかったというのが現状だった。

 だが、この世界では紗夜と日菜ちゃんが尊かったり、Roseliaのみんなが音楽に真剣に取り組んでいたり、リサが家庭的だったり、蘭ちゃんがツンデレ(デレ多め)だったり、あこちゃんはちゃんと厨二キャラ(語彙力少なめ)で、原作通り。妹キャラであることなど、ただのご褒美でしかない。

 それがどれだけありがたいことなのか、心の底から実感させられたものだ。

 明かりは街灯の光のみの閑静な住宅街。その一角に俺の家がある。そして玄関の前に立つも、すぐに開けるに至らない。だって、当然じゃん。また誰かいるんじゃないかって思うと、ねぇ?

 でも、いつまでもまだ寒さの残る夜空の下に突っ立っているわけにもいかない。ただの不審者に見えるしな。覚悟を決め、鍵を開け、ドアノブに手をかけた。

 

「ただいまー」

「お帰り、お兄ちゃん!」

「ほらまただよ」

 

 ため息を漏らさずにはいられなかった。




海色とネバーギブアップスペシャルがフルコン出来ない。今はね。
もっと周回しなきゃダメかぁ〜。

感想、評価待ってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。