妹のように甘えてくるみんなが可愛すぎて死にそう   作:青虹

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どうも、青虹です。

もう、これメインにしようかと思っている(大嘘)。それくらい書くのが楽しいってことなんだけども。

評価バーも赤くなり、UA数の伸びが凄いことになってます。本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


アホピンクでも天使なのである

 玄関扉はやはり俺に受難を与えるようだ。そこにいたのは丸山彩。『Pastel*Palettes』のボーカルである。が、アホである。ライブのMCでは噛みまくり、いつも日菜ちゃんにからかわれ、同じパスパレのベース担当の白鷺千聖に介抱される、ドジっ子である。

 

「お帰り、お兄ちゃん!」

「ほらまただよ」

 

 俺がそう言っていると、日菜ちゃんより若干遅い速度で俺に突撃してくる。残念、今の時代3Gでは遅すぎるのだよ!フハハハ!時代は4Gなのだァ!

 

「ちょっと、避けないでよ!」

「フッ」

「笑わないでよ〜!」

 

 流石バンドリのキャラで弄りがいのあるキャラ上位常連(独断)の彩ちゃん。どう考えても弄るしかないよね!

 

「お帰り──ってまた避けた!」

「体が勝手に動くんだ、すまんな」

「むー!」

 

 流石に弄りすぎたのか、フグのごとく頰を膨らませ、私今おこだよアピール。だが残念、お前にはその怒ってますアピールは不可能だ。何故かって?決まってるだろ彩ちゃんが可愛いからだよ一般常識だろふざけんな(憤慨)!

 

「もう知らないもん!」

 

 あーあ、完全に怒ってるわ(笑)。ぷりぷり怒って先にリビングへ向かっていったが、たまに心配そうに俺をちらちら見たり、かと思いきや知らないふりをしてまた少し進み、また振り返る。おう、可愛いじゃねえか。

 

「はぁ……」

 

 笑顔混じりのため息を漏らし、彩ちゃんを追ってリビングへ向かう。そこには、美人とは言い難い、ごく普通の体型と顔の、特徴なしの女性。あ、働かないという特徴があったな。

 

「おかえり、喧嘩はダメだよ」

「お、おう……?」

 

 あのな母上。ツッコミどころがおかしいって気づいてる?俺ん家に女子高生が居座ってるんやで?どちらかといえば不法侵入な気もしなくもないよ?それもアイドルが。まずそこを疑問に思って!

 

「はぁ……」

 

 ソファーに腰を下ろすと、柔らかな感触に包まれ、少し沈む。テレビでは、動物特集の番組が流れていた。今頃家では友希那が猫を見て悶え、紗夜が犬を見て釘付けになっていることだろう。

 そう思っていると、視界の端で何かが動くのが見えた。その方を見ると、ピンク頭の彩ちゃん。しかも、距離が近い。俺のパーソナルスペースさんはどこへ行ったのやら。え?ハワイ?俺も連れてけよ!

 

「お兄ちゃん」

「なんだ」

 

 あー、適応力高いな俺。前の方が衝撃的で絶望的だったし、こっちはそれに比べれば幾らかマシ。だからか、年上からお兄ちゃん呼ばわりされようが何されようが、特に動揺しなくなった。

 

「大好き」

「ファッ!?」

 

 ごめん、やっぱ無理。彩ちゃんに抱きつかれて動揺しないなんて無理だろ!しかも超当たってる!お花見イベントで知ってたけどコイツもボリューム増えすぎな。

 大胆すぎるしこの人本当にアイドルなのか甚だ疑問だわ。

 

「お兄ちゃん、頭撫でて?」

「……仕方がないな」

 

 目を潤ませながらの上目遣いは強すぎる。世界よ、これが日本が核を持たない理由だ(2つ目)!世界は、『kawaii』によって征服されるのだ!

 

「えへへ……」

 

 ていうかなんなのこの生き物。もうこれ抱き枕にして寝ていい?温かいし柔らかいし。なあ、いいよな?よし決定。全会一致。

 あっ、リサの弁当どうしよ。弁当箱自体は俺のものだから問題はないんだけどなぁ。腹いっぱいだし、食べる気にはなれない。それに彩ちゃん見られるのもまずい気がする。

 よし、それは後回しだ!今は、彩ちゃんを愛でるんだ!

 

「えっ!?えっ何!?」

「いい匂いだ……」

 

 決して、俺が彩ちゃんに抱きついたからといって俺が変態なのではない。彩ちゃんが俺をそうさせているだけなのだ。

 彩ちゃんが可愛すぎて熱い抱擁をしているのも、彩ちゃんの匂いはいい匂いだというのも、全て彩ちゃんが可愛すぎなのがダメなのだ(最悪)。

 にしてもすごいなこれ。毒舌家だった前の世界とは比べものにならない尊さやで。

 恐らく今、母上が汚物を見るような目で見下していることだろう。だが、それがなんだ!憲法で表現の自由が認められているではないか!抱擁もその手段の一つなのだ()!それに、世界では抱き合うことは普通のこと、日本人の押しが弱いだけなのだ!これがッ、世界のデフォルトなのだッ!

 

「お兄ちゃん、お風呂入ってきてもいい?」

「おう、行ってらっしゃい」

 

 流石に鬱陶しかったらしく、若干低めの声で言われた。悲しかったが、渋々離れるとお風呂場の方へ消えていった。寂しそうに見える。よし。

 えー、これより脳内会議を始めるッ!今回の議題は、風呂場に突撃するか否かだ!

 私は賛成だ。丸山彩はアイドルとはいえこちらに好感を抱いていることになんら変わりない。それに、むしろ突撃してほしいまであったではないか。

 私は反対です!あなたのような変態は、女心が分かっていない!日々、女の子たちが下衆な男どもからどんないやらしい視線を浴びているか知ってるの!?

 そこ、静粛に。次。

 僕は賛成だ。やっぱり男ってのは大胆に行くべきだ。今こうしている間にも、彩ちゃんはその雪のような肌と程よい大きさの双丘を余すことなく露出させ無防備な姿を晒しているのだよ。これはもう、行くしかないじゃないか(使命感)!

 やっぱりあんたの頭はおかしい。頭の中お花畑なんじゃないの?気持ち悪い。最低。ゴミクズ。

 ひどい言われようだなぁ。傷ついたよ。

 今の時代、男と男でしょうが!

 お前BLかよ!?お前の方が頭おかしいわ!

 ……結論、お前ら全員無能、よってお前らクビな。さて、彩ちゃんの風呂の案件は、妄想留めておくことにした。今のうちに弁当を完食すべきだと判断し、自分の部屋に持って行き、おもむろに広げ、出てくる前に完食をすべく一気に頬張り、少しだけ噛んで飲み込む。案の定ゴホッゴホッとむせ、お茶を流し込む。そんな行儀もクソもない食べ方のおかげで、10分とかからず完食した。

 お腹いっぱいではあるが、まあそれほど気にはならない。今度は余裕を持って食べたいところだ。

 再びリビングに戻り、ソファーに寝転がって動物番組の続きを眺める。子猫や子犬の可愛らしい映像が次から次へと流される。

 

「はぁ〜、さっぱりした〜!」

 

 だが、彩ちゃんに勝てるはずがない。風呂上がりでさっきよりも涼しげな格好で、風呂で上がった体温のせいでか、火照っているようにも感じる。頰はうすら赤く、無限に広がるエロスを感じる。

 

「次、風呂入って来なさいよー」

 

 どうやら俺に向けての言葉らしい。相変わらずマッサージチェアが定位置の母上の命令により、風呂場へ移動する。服を脱ぎ、風呂場に入ったところで気がついた。

 あれ、このお湯って彩ちゃんが入った後のものなんだよな。つまり、そういうことさ。

 ま、気にしたところでって話なんですけどね。俺は特にそういうのは気にしない人だ(と思う)。

 一通り洗い終わり、風呂から上がりパジャマに着替える。髪の毛を乾かし、リビングに戻り、水を一杯一気に飲み干す。冷蔵庫で冷やされた水は、体の隅々までひんやりとした空気を届けてくれた。

 ふとテレビに目をやると、番組が切り替わっていた。この時間もまだあの動物番組はやっているはずだ。だが、画面には……見覚えのある顔が。というか、パスパレのライブ映像だった。

 あー、そういや父上(社畜)がパスパレの大ファンだったな。

 

「〜♪〜〜♪」

 

 口ずさんでいたのは、ゲーム配信初期に協力ライブにて選曲されまくり、多くのバンドリーマーの頭をしゅわしゅわさせてきたあの名(迷)曲『しゅわりんどり〜みん』だ。

 イベント周回にはお世話になったんだけどなぁ。なんせ中毒性が異常に高い。

 

「あ、お兄ちゃん上がったんだ」

「まあ、さっきな」

 

 そう言いながら、空いているところに腰をかける。しばらく映像を見ていたが、しばらくするとその視線を遮るものが現れた。

 

「なんでここに座るんだよ……」

 

 俺の足と足の間、勢い余って深く座ると物理的かつ尊厳に大ダメージを食らう場所に座った。

 

「これで髪をといてほしいな、って」

「はいはい。こんな感じか?」

「うん、お兄ちゃん上手だねっ!」

「そうか……?」

 

 ただたださーっと引っかかることのない髪を撫でるように櫛を動かしているだけなのだが。上手い下手の基準がわからん。

 それが終わると、彩ちゃんは俺に体を預けてきた。それと同時に、彩ちゃんと目と目が合った。その距離は物差し一個分もないだろう。

 

「ふわぁ、眠くなってきちゃった」

「ふーん。じゃあ、おやすみ。どこで寝るんだ?」

「お兄ちゃんの部屋」

「は?」

 

 うん、多分俺の聞き間違いだ。

 

「だから、お兄ちゃんの部屋で寝るの」

「ダメだ」

「お兄ちゃんと一緒に寝たいの!」

 

 はぁ、やっぱり頭の中がお花畑なんだわ、この人。この俺と一緒に寝たいだと?あほくさ。

 

「ほら、行くよ!」

 

 反論を整理していると、なぜかぐいぐい引っ張られ、気がつけば自分の部屋に来てしまっていた。神は言っている、ここで(社会的に)死ぬ定めだと。

 確かにさっき抱き枕にして寝たいとは思った。だが、それは実現させる必要のない願望であり、本来無視されるべきだ。

 

「はい、おやすみ!」

「……」

 

 はぁ、諦めるか。こういう時は先に寝たもの勝ちだからね!

 

「……」

「……すぅ、すぅ」

 

 ごめん、寝れねえわ。隣で彩ちゃんが寝てるとか心臓がバックバクで寝れるわけねえじゃん。辺りは静まり返っていて、本来寝るべき時間であることは十分に察せられるのだが、やっぱり寝れねえ。ま、こういうのは時間に任せるしかない。そう思い、ぼーっと天井を見つめた。本当に少しずつではあったが、ようやく眠気が回ってきたらしい。気がつけば、意識は飛んでいた。

 

 

 

 ******

 

 

 

 何だろうこの柔らかなものは。朦朧とした意識の中、最初に抱いた疑問がそれだった。未だ開かぬ目のせいでその正体を知り得ることはない。

 

「んっ……お兄……ちゃん」

 

 どこかからか艶っぽい声が飛んできて、頭の中に響き渡った。手の感覚がはっきりとしてきて、外形はなんとなく掴めた。丸っぽい。

 しばらくして、脳が正常に機能し始めた。そして把握した状況がこれ。

 目の前では彩ちゃんが俺に背中を向けている。俺の手は、彩ちゃんの体をぐるっと回って何か柔らかなものに触れている。

 ……あっ(察し)。

 

「ごごごごめん、悪気はなかったんだ!」

 

 俺の手が触れていたのは、彩ちゃんの胸であると気がついた頃には、がっつり手のひら全体で握りしめていた。たとえ寝ぼけていたとはいえ、これは許されない。彩ちゃんからの好感度も地に堕ちたことだろう。

 ……終わったな、俺の人生。

 

「べ、別に、お兄ちゃんならどれだけ触ってもいい、よ?」

「アホか」

「いてっ」

 

 そんなことをしたら俺の理性が全滅してしまうだろうが。

 彩ちゃんに軽くデコピンを食らわせ、リビングに降りる。しばらくして降りてきた彩ちゃんは、さっきの自分の発言をようやく理解したのか、恥ずかしげに頰を朱に染め、俺と視線が合うとすぐ逸らす。なんか嫌われてるみたいで納得いかん。

 食卓に並ぶ我が家の食卓は、パンとヨーグルトと飲み物である。焼いたり切り離したりするだけなので、母上でもできる。

 いただきます、と一言挨拶をしてパンにバターを塗り、いい音を出すパンにかじりつく。パンの甘さと香ばしさが口の中に広がる。

 今日の朝ごはんは、昨日よりは味わえたが、それでも急がずにはいられなかった。

 

「あの、さっきのごめん」

「いいよ、あんまり気にしてないから……」

 

 つまりちょっとは気にしてるんだよね、だって声に勢いないもん。ただのラッキースケベでも、人の胸を揉んだというのは結構罪悪感を覚える。

 それでも、登校の時間になると気持ちを切り替え、お兄ちゃんラブの態勢に入った。俺の腕に絡まるようにしてくっついている。最初、おんぶとか言っていたが、それはなんとか説得して却下してもらった。

 

「行ってきまーす!」

 

 彩ちゃんの元気な声が響く。新学年が始まり、新たなクラスへの期待を膨らませているのだろう。だが、俺にとってそうはいかない。学校が原因ってわけでもないんだが……

 

「おはようございます、彩さん、兄さん!」

 

 これ以上妹が増えても困るだけであるからだ。まあ、ここまで来たら全員こうなっているのも予想はできてたけど。




さて、次回は......?

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