桃太郎はベストオブ筋肉になる為、鬼ヶ島への道を歩いていました。今の目的地は隣町です。
なんと隣町には、鬼ヶ島までの無料シャトルバスがあります。
「筋肉!筋肉ぅ!筋肉!」
桃太郎はマッチョポーズをしながら街道を歩いていました。
すると、街道の横から目が掘りの影でみえない威圧の強い犬がでてきました。
犬はその立派な胸筋をピクピクさせながら桃太郎にその目を向けました。立派です、犬の胸筋は一目で分かる程膨れ上がっており、余りにも立派です。
桃太郎も負けじと胸筋をピクピクとさせます。
桃太郎は胸筋の大きさでは負けていますが、犬にはない二足歩行ゆえの筋肉美の見せ方で犬を打ち負かそうとします。桃太郎も自然と目に影が差し目が見えなくなりました。
犬もそれに反応したのかおもむろに立ち上がって、桃太郎の前に立ちます。二人とも180㎝以上はある程デカイです。胸筋はピクピクです。
二人は無言でメンチをきりあいます。すごい重圧です。
その重圧を吹き飛ばすかのように、犬が桃太郎の胸にエルボーを放ちます。しかし、桃太郎、怯みません。
桃太郎も負けじとエルボーを放ちます。犬は避けるつもりは無いらしく、どうやらどちらが最初に根をあげるか、チキンレースをするつもりのようです。
桃太郎もその勝負にノリノリのようで、その辺りにはしばらく筋肉を撃つ鈍い音が鳴り響いていました。
一人と一匹が胸をエルボーで数百回撃ったところ、息も絶え絶えでボロボロになっていました。
すると一人と一匹は同時にエルボーを突き出し、お互いのエルボーをエルボーで受け止めます。
次の瞬間、ピシガシグッグッと、二人はハンドシグナルをして熱い握手を交わしました。
まるで、アームストロング少佐とシグのような感じです。
熱い筋肉の友情で結ばれた一人と一匹はお互いに協力してベストオブ筋肉になることにしました。
こうして、桃太郎は犬と一緒に旅をする事になったのです。
こうして桃太郎と二足歩行の犬が街道を歩いていると、
「あら、良い筋肉じゃな〜い」
そんなオネェ言葉が聞こえてきて、一人と一匹?は声の出所に顔を向けました。
そこには、立派な大腿二頭筋を持ったキジが現れました。
「ふたりとも、なかなか良い筋肉ヨォ〜、まあ私の専門は脚の筋肉ですけどね」
一人と一匹?ああ、もうっ(面倒臭い)!二人は向かい合い、脚の筋肉を最大限に魅せるポーズをとります。しかし、脚の筋肉のエキスパートキジ、二人の脚の筋肉は勝てそうもありません。
仕方がないと、桃太郎はここで自分が持っている秘技の一つを魅せつける事にしました。
自身の一番自信のある、腕周りの筋肉を最大限魅せるポーズ。
そのあまりの美しさに犬やキジには桃太郎が輝いて見えました。
「な、なんて美しい鳥口腕肉、上腕二頭筋、上腕筋なの!!?」
キジは初めてみた、包み込むような美しい筋肉の輝きに魅せられ、戦意を失ってしまった。
「ああ、私もあなたたちと共に鬼ヶ島へ行くわ、あなたたちのベストオブ筋肉への道を見てみたいわ」
こうして、キジも旅の仲間に加わったのである。
サルはデカイ筋肉よりも、スリムでしなやかで柔らかい筋肉、簡単に言えば細マッチョを目指していました。
そう、桃太郎たちデカマッチョと違い、サルはスマートが好きだったのです。
しかし、そんなサルの持つ威圧などトラの前に佇むダニにも劣るものです。
一人と一匹と一羽の持つ筋肉と胸筋ピクピクの持つ威圧には耐えきる事などできるはずもなく、なぜかサルは桃太郎たちに首根っこを掴まれ引きずられていきました。
こうして、桃太郎は一人と二匹と一羽を連れ、鬼ヶ島行きの無料シャトルバスへと乗り込むのでした。
桃太郎たちはベストオブ筋肉になれるのか?
桃太郎たちの筋肉は鬼にも勝てるほどの美しさがあるのか?
それはまだ、誰にも分からないのでした。
つづく……