それは、気付いてはいけない謎であった。
今生の被害者は、アムロでなくジョンである。
効率的な打開策を逡巡していくのだった。
ジョンは、9歳だよ。
今年の報告をするね。
■ジョン日誌3
子供のお小遣いは本当に端金だね。
一年貯めても部品を買うのさえキツい。
ジャンク廃材から組み込むか迷う。
ジャンク廃材も廃材屋さんからは資材だからね。
こっそり盗むのはリスクが高い。
捕まらなければどうとでもないけど。
心証が悪くなり、親の監視が強化。
アムロと違って、一般家庭なのが厳しい環境だね。
ジョンの家族は、ジョンの不審を知らない。
『知ってはいけない、知られちゃいけ~ない』という状況だよ。
突破口はメイとの親密化だと思う。
何かしらの設計図を差し出せば、資金が潤うだろうなあ。
でも、それはジオン強化フラグ。
■メイ日誌2
現時点で、6歳。
メイは博識さんである。
ミスリードを的確にツツいてくれる。
そのため、かなり白熱してくる。
彼女が嫁になれば、不味い領域で自白させられそう。
それくらいのリスクがあるが、見返りも大きい。
忌憚無き技術者との考証が毎日繰り広げられる。
かなり充実した人生になること請け合いだろうね。
下手したら、ジョンがジオンに拉致られる可能性大。
可能なら、カーウィン卿も救助したいね。
親御さんが居た方が、メイも落ち着く。
先々を見据えると優秀な技術者は必要だし。
■マリオン日誌2
現時点で、7歳。
マリオンを救いに、フラナガン機関との個人抗争。
現実的じゃない。
士官学校時代の成績と夜遊び次第だろうね。
カイさんと早目に懇意にしないと実現しそうにない。
カイさんをより凶悪な青春時代を送って貰えれば。
という、工作の果て。
彼がシンジケート作れる程に悪ければね。
密航はツテがないと厳しいのだよ。
子供の渡航は普通に目立つから、やっちゃいけない。
ザク系統の操縦技術なら、大丈夫だよ。
前世ジョンの記憶にあったから問題無いよ。
■クロエ日誌2
現時点で、6歳。
彼女の情報が無い。
EXAMあってのHADESだからね。
その基点がないと、出てこれないっぽい。
■ミアン日誌2
現時点で、3歳。
ブラードの娘。
この頃に逢えても、彼女の記憶に残るか怪しい。
■フラウ日誌3 <UC0071>
現時点で、7歳。
フラウとは、幼馴染の仲。
ここに来て、ようやくアムロとの邂逅はした。
アムロも仲間の輪に入れてみた。
アムロと幼馴染フラグは必要なかったけど。
アムロの幸せのためだね。
決して、フラウの防波堤にするつもりではないよ。
うん。
アムロのため、アムロのため、アムロのため。
アムロには構いはしてるが、その頻度が低い。
アムロの立ち位置に、ジョンがいるせいである。
原作にない粘り強さを構築してくれたのは感謝だよ。
でも、アムロへの関心が低いのは戴けないな。
幼少時の体験が人格に多大な影響を及ぼす。
異性との距離も然別。
共に居る時間ではなくて。
個々に繋がりを感じた密度が優先されるのだ。
その上で、同じ時間が共有されると焦がれるもの。
今生のアムロは、フラウの負担が無いので丸い。
尖った坊やな部分が、なりを潜めてる。
あの人格形成は、フラウの賜物だったのか。
などと、独りごちてる場合ではないよ。
フラウの軌道修正していかないと、よくないことが起きそう。
大々的に、味方が多い場所でメイと公認にならなければ。
ハヤトとは、ただのクラスメイトというモブ扱い。
其処だけは『予定通り』とは言えるけど。
今となっては、割りとどうでもよくなってきてる。
■キッカ日誌2
彼女は、産まれてさえしてない。
日誌を作る意義は、保険的な考証の一端かな。
当時のジョンが何を考えてたかの証左だよ。
何も考えてないけど。