ジョブ・ジョンの野望   作:休眠シート

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sidestory:ヤシマ

『V作戦の影』


ミライの父親の独白です。

元地球連邦政府高官の肩書きは、伊達ではない。
ミライの父親は、原作だと故人ですね。
かなり老獪な人物像にしてます。

でも、今作では存命です。
ヤシマ家の忍者頭領なので、生きてます。
防諜機関の派閥の一角なのですよ。


※UC0074~0079 ヤシマの影

■特務部隊の経緯

ことは、五年前に遡る────。

 

地球連邦政府特務機関からの依頼であった。

ヤシマの暗部に、極秘にと懇願された。

 

ジオン国と近々、大戦争になると言う。

既に、口火は切られている。

紛れもない大虐殺ではあるな。

国力の差を省みず、一族郎党で突貫とは。

今世紀最大の大傾奇者よ。

 

諜報活動をより高くとの依頼であった。

連邦政府高官としての職務は果たしたのだがな。

元連邦政府高官に嘆願するとは。

余程性急なことかも知れぬな。

恨まれ事には慣れておるがの。

 

ジオン国は焦臭い。

国力は無いが、工業技術は極めて高い。

古来より新しきに疎きは、事の後れ。

連邦はちと傲慢過ぎておる。

その返しが来るのは頃合いなのかもしれん。

 

そう思っておったら、影武者が死によった。

爆殺されたとな。

敵地で悠々と視察は怠慢であったな。

元高官でも見境なしとはな。

この火種、揉み消すのは不可能ぞ。

 

知らずして火の粉を振り掛けおって。

忍者が爆殺されたとは、物笑いの種よな。

ジオン国には、血の報いを与えねば。

 

 

 

あやつらめが、やりおったわ。

ジオン公国が『天地落とし』をしよった。

 

 

 

あやつらの覚悟は正しく狂っておるな。

大義名分大いに結構。

歴史史上かつて無いほどの大虐殺よ。

 

自らの血肉を矛に仕立てるとは、天晴れなり。

使えるモノは使う精神は、我等に似よるがな。

 

 

事が起こる前に『ザビ家暗殺』を示唆したがな。

ヤシマに依頼しなかった連邦の傲りと言える。

我等は機に沿わぬ行いを忌避とする。

機あらば、自重なくが信条よ。

 

そう思っておったら『V作戦の影』を依頼されたわ。

ジオンの諜報すら利用する手口。

御上も腹を据えたものよ。

表を贄に差し出して、我等を飼うとはな。

表を間引くことも算段の上とは。

表に、なんぞ恨む人材を押し入れておるのかの。

ジオンが狂気なら、連邦も狂喜よのう。

 

 

表を我等の囮に使い、二段構えの妙策。

我等を動かすのは闇夜ありてじゃ。

ひっそりと奏でる闇の調べはよいのう。

 

 

ヤシマ製作所でガンダムとやらを預けてきた。

 

なんじゃ!?

 

この馬鹿馬鹿しい派手な出で立ちは。

囮に使うが前提の色合いかのう。

じゃが、仕様書を見るに此が制式とはのう。

客寄せとしては乙なものかもしれんが。

乗るものモノとて、苦労が偲ばれるのう。

せめてもの情けじゃ、辱しめの時を減らしてやろう。

 

他の設計図も渡してきたので、我等で改良した。

いろいろと無駄だったのでな。

特に、整備回りを度外視するとは片腹痛い。

ガンダム同様に、支援機も分離機構とは。

 

御上には、修正案で表の機体を造れと伝えた。

 

 

ガンダム以外は分離機構を外したので由とする。

支援機に同等は贅沢よ。

その分の予算は我等に委ねよ。

効率的に浪費してやろうではないか。

 

ホワイトベースの工廠に出向し、改築作業よ。

我等の活動拠点たる第三格納庫を増設。

我等の馴染み深い『忍者屋敷』とした。

人員配置は我等に任せよ。

御上は一切口出しするでないぞ。

 

利権が絡む連邦政府は腐っておるからの。

介入させるのはもっての他じゃ。

御上は、容認・承認さえすればよい。

 

指揮するは、私の娘と配下が良いのう。

信頼こそが第一よ。

 

娘を頂に据えるのが親心なれど、泥被せるは酷よの。

配下から選抜した『ブライト』を据えた。

身体は良く、使い走りっ気もある。

娘には、その監視役に据えた方が無難よな。

 

 

 

さてと、影の機体を弄ろうではないか。

 

我等好みの風体にしてくれようぞ。

機体に汎用性など不要よ。

データ実証試験機の名折れぞ。

 

 

 

ガンダムやらには、忍者を体現させた。

白兵戦特化には、敵を仕留める近接武装を。

射撃戦特化には、敵を射抜く精密さをな。

どちらも一撃離脱が構想にある。

点を穿つか、軸(筋)を斬るかの違いよ。

 

 

ガンキャノンやらには、後方支援を担う。

ガンダムの目眩ましが役割よ。

散華による範囲着弾は面制圧に向いておる。

太ましくあったが、着痩せさせたわ。

 

 

ガンタンクは赦せぬ。

この足回りは、忍者として捨て置けぬわ。

長距離支援とか不要ぞ。

我等隠密は、全。

全にして、一なり。

ガンキャノンと役割が被るのは無用ぞ。

小隊での遠征なれば、兵站管理は必要なり。

こやつにそれを担わすのが道理よ。

物資運搬を兼ねるのがよかろうさ。

 

 

このジムとやらは、ガンダムの量産型?

ひょろいのう。

元から細いのであれば、武装は不要よな。

隠密性能に特化して、皆を支えよ。

戦闘支援ではなく、情報特化じゃな。

電子戦という戦いこそがこやつに相応しい。

 

 

残りは航空支援よな。

我等が技術の研鑽の見せ所よ。

謹製ではあるが、こやつらを無人機とする。

お主らは、戦場にてしっかり育てよ。

我等の子(戦術AI)なのだ。

 

鴉は、不要な戦いはせぬからのう。

くれぐれも、無闇に戦おうとするではないぞ?




◆設定集から分離。

シナリオで出した方がよいと判断したからです。


不要そうな故人は、下地で救済しておりますが。
ミライの父親は、今後も出てきます。

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