ジョブ・ジョンの野望   作:休眠シート

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前世ジョブ・ジョンの記憶。


覚醒の日
英雄の残滓


死に行く末の走馬灯。

後悔は追随する。

これは未練であろう。

 

私は技術者として大成はしたが、人生に於いては敗残者と言える。

 

『アムロ・レイ』が英霊化する宿命を鎮めることが出来なかった。

かつての戦友が、神格化され畏怖されるのに傍観していたのだ。

彼の弱さをよく知っていたのに、彼の心を遠ざけた。

先達として彼を導く立場にあったが、彼の多大なる戦果に、私の功績は呑まれている。

 

『白い悪魔』は、偽りの産物に過ぎない。

 

 

 

公式見解されてる戦績は上澄み。

 

正しくは、『アムロ・レイ』と私の共同実績なのだから。

 

 

英雄の影となった私は、正しく故郷に認識されず、仮初めの英雄として持て囃されたが、虚飾の英雄として非難される地獄が待っていた。

 

 

戦争に勝つための犠牲────。

 

一年戦争後に『アムロ・レイ』は英雄となり、彼女と添い遂げることが叶わず。

後に、女難の人生を送る。

そして、第二次ネオジオン抗争でシャアとの因縁を付け、望まぬ最期を迎えている。

 

 

その当時の私はただただ傍観していたのだ。

 

英雄ではない私は、必要とされない身の上を嘆き、恨み羨んで、宇宙の片隅で彼等を観ていたのだ。

 

パイロットとして嘱望されない人生ではあったが、技術者としては何故か大成した。

 

サナリィに流れ着いた私は技術者としての地位を築き上げて、連邦が望むガンダム神話を再現させる。

 

それは私なりの贖罪であり、心に潜む英雄の顕れだったのだろう。

 

『アムロ』と『シャア』の思考を模倣させる愚物を創るほどに────。

 

 

 

 

 

私は、愚かモノだ。

 

私は、自分の中にある英雄の志を棄てきれなかった。

 

 

英雄に憧れ、英雄として働き、英雄を裏切り、英雄を恨み、英雄を羨み、英雄を創造した────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────という夢を見た。

不思議な夢である。

 

 

 

私は幼児である。

生を受けて、7年目の若輩である。

名前は、ジョブ・ジョン。

 

前世の記憶として、ジョブ・ジョンの史実を知っている。

 

何故そう言えるか?

 

現時点で、その史実が重なっているから。

つまりは、二度めの人生というモノらしい。

 

こんなことは信じたくはないが、既知感がパない。

夢であって欲しい。

 

 

らしいという曖昧さは、他にも要因がある。

前世の記憶とは別に、来世らしき記憶もあるからだ。

 

それは、この世界を題材としたアニメとゲーム知識が記憶フォルダに羅列しているっぽい。

 

 

過去のジョブ・ジョンの記憶と、この世界の史実が記憶として流入している。

 

 

 

 

■前世での一年戦争時のマイデータ

ジョブ・ジョン 17歳

エースの影に隠れた凡才。

器用貧乏。

パイロット適正とメカニック適正を保有。

 

 

■その後の活動

やさぐれ期間も長いので、割とガンダム世界の史実に痕跡が無い。

 

■サナリィでの活動

『F90シリーズ』の開発設計者。

『ガンタンクR44』の設計者。

 

 

 

■今生での考察

ビバ、穴空き人生である。

史実が無い故に、暗躍しやすいとも言える。

 

媒体によっては、英雄にもなりうる逸材。

 

それでも、戦後の実績公開で謂われな非難をされる確率がべらぼうに高い。

 

『アムロ』とは違い、コネらしきモノは不明。

 

謎が多い人物像である。

 

『ジョブ・ジョン』という名前も本名では無く、偽名っぽい。

 

 

 

史実は闇の中に────。

 

 

 

 

 

なので原作知識チートをフルに駆使しよう。

先ずは終生の伴侶になる『嫁候補』を探すことにした。

 

 

前世の記憶では、ジョブ・ジョンは『ぼっち人生』だったらしい。

子孫が居たという史実が無いので、孤独な最期なのだろう。

そのような歴史再現は願い下げである。

 

せっかくの原作知識チートがある。

今生は其を活かして『自分の環境』と『アムロの環境』を改竄していこうと思う。

 

 

ある程度の原作再現は実行するが、ひょっとしたら自分が置かれてる立場の史実以外の側面が浮き出る可能性もある。

 

原作と後付けは、不都合なところをかなり曖昧にしている。

 

それも踏まえて、協力者はチート染みた面々との繋がりは確保しておきたい。

 

先ずは、ジョンの学力向上が必定だろう。

チートまがいの嫁候補を射止めるためにも、日々の努力は重ねなければ。

従来のジョンの性能では、彼女らを惹き付けるには心許ない。

 

 

原作知識の御手本が在るので、必要なのはダウングレードをするための嘘八百だった。

正しく技術を伝えては意味が無いのである。

その知識を元に再現させるのではなく、そこに間違いつつも導く意見交流が必要なのだから。

 

『嫁候補』を陥落させるための手口を懸命に磨いた。

 

 

 

 

私が子供ながらに交流が持てるのは、サイト開設によるネット民との会合しかなかった。

 

匿名希望から始まる遠距離恋愛が根底にあるとしても、其を前面に出してはならない。

 

あくまでも、厨二病あふるる蒙昧な技術かぶれを偽装して、嫁候補を呼び寄せるのだ。

 

 

 

 

ここに、私たちの野望が始まる。

史実の影に埋もれていた暗闇が胎動した軌跡と言えるのかも。

 

これは原作に抗う子供(憑依転生者)の お話。

誰もが妄想した『もしも』の夢物語である。




ソシャゲに飽きたので充電期間。
貯蓄分は放出します。

一年戦争分は続けたいなあ。


★が、ジョンの視点です。
☆が、嫁候補の視点になります。
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