トリオン怪獣は2人居る 作:ぼっくん
雨取千尋、小学6年生。新年早々ボーダーに入隊しました。やったぜ。
近界民侵攻の時からずっと考えていた。私が中学2年になったら、その時にまた近界民の大規模侵攻が起こる。今までずっと狙われ続けていた私はきっとその時も狙われるだろう。だったら自衛の術を確保しておかなければいけない。私は死にたくないし攫われたくない。
幸か不幸か、近界民の侵攻によってボーダーの存在は公になっているし、世間の意識も悪と戦うヒーローそのものだ。入隊を希望してもおかしくない。
「お父さん、何も言わずにこの同意書にサインして」
「いや、千尋お前なぁ」
「いいからいいから。あ、このことお母さんにもお兄ちゃんにも千佳にも誰にも言わないでね。絶対ね。ね、お願い!」
「・・・はあ。まあ受験にも合格したし・・・普段我儘を言わない千尋がここまで言うんだしな・・・学業を疎かにするんじゃないぞ?」
「やった!お父さんありがとう!」
保護者同意書ゲットだぜ!
それからはトントン拍子だった。筆記試験を終えて、面接へ。過去に何回か近界民に狙われたことがあるから自衛するために入隊希望といったら面接官に少し同情されたけど、ここも難なく通過。そして入隊したのであった。まあ、正式入隊日は来週だから仮入隊ってことになるけども。
「おお、これがランク戦・・・人多っ」
仮入隊でもランク戦はOKらしく、訓練用トリガーを貰ってランク戦にやってきた。因みに選んだのはスコーピオンだ。変幻自在に操れるとか楽しそう。ものは試しということで、適当なブースに入って適当な人と戦うことにした。よし、頑張るぞー。
「お、ちっちゃい女の子」
「どうもー、来週入隊しまー・・・っす!」
目の前に現れたのはカチューシャを付けた少年だった。挨拶もそこそこに右手に持っているスコーピオンを少年に向かって伸ばした。少年はバックステップをして逃げるが、後ろは私の間合いである。左足の裏から地面を通して伸ばしたスコーピオンを少年の後ろに出して、そのまま首を両断した。後ろにもちゃんと意識を割かないとダメだよ、まったくもう。一瞬で勝負がついてブースに戻って来た。仮入隊の時点だと、勝っても負けてもポイントはつかないらしい。その分正式入隊した時に上乗せされるんだろうな。
画面を見ながらぼーっとしていたら誰かに指名をされたためもう一度戦闘することにする。画面を押すと、瞬時に仮想空間に飛ばされて相手の姿が見えた。
「あ、さっきの人」
「よー。リベンジだ。同じ手は喰らわねえぜ?」
「そっかー、ふふふ、どうしようかなー。私、性格悪いんだよねー」
「余裕ぶっこいてると、痛い目み・・・はぁ!?」
トリオン供給期間破損、というアナウンスが聞こえてブースに戻ってきた。単純なことだ。仮想空間に飛んだ瞬間に足の裏からスコーピオンを出し、相手の足元に伸ばした。動きもせずにお喋りを始めたから仕留めるのは簡単だった。馬鹿でしょ、仮想空間に入った瞬間から戦いは始まってるんだから話してる時間とかないでしょ。今まで誰も教えてあげなかったの?
また同じ人に指名されたけど、それは無視してブースから出た。そろそろ夕飯の時間だし家に帰ろっと。
千尋ちゃん入隊は原作の大体2年前。
データブックのボーダー入隊時期グラフの、2年くらい前に記載されているキャラたちは既にいるものとします。