トリオン怪獣は2人居る 作:ぼっくん
「おーい!そこのチビー!・・・ってちょちょちょ、振り返ってんなら気づいてんじゃん!無視すんなって!」
「私はチビって名前じゃないんで」
「ワリーワリー、名前知らねーからさ。オレ、米屋陽介。お前は?」
「・・・雨取千尋です」
仮入隊した翌日の今日も学校帰りにランク戦に寄ってみた。後ろの方で大声出してる人いるなー、うるさいなー、と思って背後を振り返ったらそこに居たのは昨日2戦した少年だった。2度戦っただけの人だし呼んでいるのは私じゃないだろうと思い目を逸らしたが、肩を掴まれて前に回ってこられたので呼んでいるのは自分だと知る。
「オッケー、雨取な!つーか昨日のスコーピオンすげーじゃん!どんだけトリオンあればあんだけ伸ばせるワケ?」
「さあ?多いとは言われましたけど数値まで聞いてないのでわからないです。あ、あと名字で呼ばれ慣れてないので名前で呼んでください」
「お、じゃあ遠慮なく千尋って呼ぶわ。トリオン量聞いたら教えてくんね?」
「いいですよ。ところでそういう米屋さんはトリオンどれくらいあるんですか?」
「オレもすっげーある!・・・と思うじゃん?」
「いえ、全然思ってないです」
なんだよー、と言われたけど仕方ない。原作で知っているけどこの人は確かトリオンが少ないから槍を使っていたはずだ。現に昨日の戦いでも槍を片手に持っていたし。
「今暇だろ?1戦やんね?」
「いいですよ。じゃあ102番に入りますね」
「よっしゃ!10本勝負な!」
「増えてないですか?」
「んじゃオレ隣の103に入っから!」
「人の話を・・・って行くの早!」
なるほど、彼は人の話を聞かないタイプだったか。原作を忘れかけているせいで性格とかを全く覚えていなかった。まあいいか、と思考を切り替えてブースに向かう。昨日と同じ戦法は通じないだろうなと思い、歩きながら作戦を考えるのだった。
そして、仮想空間の市街地。昨日と同じように離れた位置で向かい合っていた。・・・よし、作戦考えたぞ。上手くいくか分からないけど、私のトリオンならいけるはず。2日目にして私の基本戦法になりつつあるモールクローを発動した。狙うは、私の横にあるビル。
「今日は昨日みたいにはならねーぜ?」
「そうですね、私も昨日みたいにはしないですよ」
言うが早いか、米屋さんは槍を構えて私に一直線に向かってきた。対する私は動かず、棒立ちになっている・・・瞬間。
「っはぁ!?」
「昨日言ったでしょ、私性格悪いんです」
私の地面からの攻撃によりビルが倒壊した。大量の瓦礫が私と米屋さんに降り注ぎ、視界を奪う。私は一瞬固まった米屋さんの足をスコーピオンで刺して固定し、そのまま軽くバックステップをして回避。すぐにビルの瓦礫ごと米屋さんがいるであろう所をみじん切りの要領で切り刻みまくった。楽勝楽勝。あと、9戦。