「.........」
燃えている...僕達の家が燃えている...その事実は小学生の自分でもすぐに分かった。
「お父さん!お母さん!」
姉ちゃんが燃えている家に入ろうとする。
「.....ダメだよ!姉ちゃん!」
姉ちゃんを燃えている家に入らせる訳には行かないので、僕は必死に止める。
「迅くんはお父さんとお母さんと二度と会えなくてもいいの?!」
「...それは嫌だよ!でも...それだと...姉ちゃんも!」
姉ちゃんは崩れ落ちて泣き出してしまった、僕はこんな時にどんな声をかければいいのか分からない。でも、これだけは分かる。
僕達の家が燃えてる原因は....
きっと...僕のせいなんだから。
「姉さん...起きて、そろそろ離してもらわないと僕が起きれないよ」
高校生にもなって兄弟が一緒に寝ているのは変だと思うだろう...
でも、仕方がないのだ。姉さんはあの火事の日を境に僕が隣にいないとあの時の夢をみるようなのだ...他にもいつの間にか僕が消えてしまうと思い、学校にいても僕にちょくちょくメッセージを飛ばしてくる。
「うぅ〜ん....迅くん?おはよう...」
「うん、おはよう、姉さん」
「ねぇねぇ、今日の朝ご飯は何?」
「パンだね..後、遅刻しちゃうから手を早く離してくれない?」
「あっ!ごめんね...って、もうこんな時間?!急がなきゃ!」
ドタバタと布団から出て制服をだす。今日は休日なのに
「待って.....今日は土曜日だよ、姉さん」
「そうだっけ....?じゃあなんで遅刻なんて言葉使ったの?」
「今日はバイトなの...姉さんはもう少し自分の部屋で寝てたら?疲れてるでしょ?」
「一人じゃ寝れないよ...迅くん、本当にバイトに行っちゃうの?」
この流れも何回目だろう....こういう時は何か機嫌をとれば大丈夫だと長年の研究結果が僕の中にある。
「.....そうだね、姉さんも午後から仕事でしょ?明日は僕も姉さんもお休みだからどこか遊びに行こう。これでどうかな、姉さん?」
「うん!よぉし!今日も一日頑張ろー!」
「おー」
今日も僕の姉さんは本当に変わらないな....
「おー迅くん、おはよー」
「おはよう、モカさん。今日はリサさんは来ないんですか?」
「うぅ〜ん、多分来ないけどどうしたの〜」
「特に用はないですよ....というかお客さんが全然来ませんね。雨だからでしょうか?」
今日はかなりの雨が降っていて、雨の日のこの店はとても暇である。
「何か雑誌でも見ようかぁ〜」
モカさんはペラペラと雑誌を見始めた。すると昔の有名人を紹介するページがでてきた。
「あっ、この人懐かしいねぇ〜モカちゃん達と同じ歳の子役だよ?この人急に消えたの覚えてる?」
「えぇ...よーく覚えてますよ、っと...いらっしゃいませ」
「やっほー、今日はやっぱり暇だよねぇー」
「バンドの練習帰りに皆さんで来たんですね、それにしてもなんでここに来ようと思ったんですか?」
「いやーそれがね?」
「モカちん!おねぇーちゃんの話聞かせてー!」
いつも元気なあこさん、本当にお姉ちゃんの事が好きなんだなぁ
「あぁなるほどです、他の方々はお菓子などを買いに来たんですね」
「そうそう、そんな所〜で?何読んでたの?」
「.....内緒です。って、待ってモカさんに聞きに行かないで!」
「モカー、さっき何読んでたの?」
「これですよ〜」
2人が読み始めるとロゼリアの皆さんも集まってきた。
「確かに...この子急に芸能界から消えたよね〜」
「そうなんですよー、なんか気になって仕方がないですよね〜」
他の人達は友希那さんを除いて気になってるようだ。
「では、妹に聞いてみますよ。芸能界の事なら少しは調べられるでしょう。」
「おー妹が芸能界にいたらそんな事も出来るのか〜、じゃぁ迅くんも彩さんに聞いてみてよ〜」
「....あまり気が乗りませんね、ですが姉さんには伝えておきますよ」
そう、僕の姉はパスパレと呼ばれるバンドのボーカル丸山彩だ。あまり周りの人には知られてないが姉さんと関係のあるバンドの人達はみんな僕が弟だという事を知っている。
「でも...この人どったかで見た事あるような気もするな〜」
「あっ、モカも?だよねぇ...なんか見た事あるんだけど思い出せないんだよね」
「ほらバイトも終わりの時間ですよ、続きは後でにしてくださいね」
「本当だー、迅くん教えてくれてありがとー」
それでも雑誌の少年を探すノリはまだ続いているようだ...すぐに飽きるだろうけどね。
「じゃーねー迅くん、また学校で会おうね〜」
「うん、また学校で」
モカさんと別れてから僕は晩御飯について考えるながら帰宅する
「よしっ、今日の晩御飯はオムライスにするか」
こうして僕は家に帰りオムライスを作った。後は姉さんを待つだけだ。
「ただいま〜、あっ、今日は私の好きなオムライスだ〜!ありがとう迅くん!」
そういえば姉さんはオムライスが好きだったなぁ。
「うん、早く食べようよ。冷めたら勿体ないからね。」
「では、いただきまーす!」
ご飯を食べ、お皿を洗い、お風呂に入り、歯を磨く、後は寝るだけ...まぁ僕からしたら寝るのが1日で1番の仕事かもしれないけど。
「明日はどこか行きたい場所でもある?」
「うぅ〜ん、今日は眠いから明日の朝考えるよ」
「分かった、僕はまだ起きてるからさきに寝ちゃいなよ」
「えっ?迅くんまだ寝ないの?」
「うん...これから本を読みたいから」
すると僕の服の袖を掴む。
「夜更かしはダメだよ!お姉ちゃんと一緒ですか寝よう!」
僕は夜型の人間だけど姉さんは夜には弱い。そして姉さんは一人では寝れない。よって僕も早く寝なければならないのだ。
「まだ10時だよ...仕方ないから姉さんの近くにいるから1人で寝てよ。」
「えぇ〜迅くんも一緒に寝ようよ〜」
まだ言うか...今日もよく粘るな、でも僕の本を読みたい気持ちも強い。
こんな時に僕らの取る選択は昔から変わらない。
「「ジャンケンポン!」」
「わーい!勝った勝った〜!」
「負けた....なんでもいつも姉さんには勝て無いんだ?」
「ふっふ〜ん!じゃあ寝ようか!迅く〜ん!」
そのまま服を掴まれベットまで移動する。
今日も僕は早く寝る事になってしまった...次こそは夜にゆっくり本を読みたいものだ。
「おやすみ〜!迅くん」
「おやすみなさい、姉さん」
こうしていつも通りの一日が終わった。明日は姉さんと一緒に買い物の日、僕も少し楽しみだ。
初の恋愛小説...感想くれたら投稿が早まります(多分)