「ごめん、姉さん。寝坊しちゃった!」
「ぅう〜ん、迅くんに限ってそんな事は....って本当だ。7時40分か〜...」
「7時40分?!」
僕も焦っている。朝ごはんにお昼のお弁当をどうしようか.....
「とっ、とりあえず姉さんは準備してて!僕は朝ごはんとか作るから!」
「うん分かった!」
なんで寝坊なんてしてしまったのか...最近少しだけど生活力の低下がみられる。
現に今、ネギを切るのにも戸惑っている。
とりあえず...昼はコンビニとかでどうにかしてもらおう。
今の時間は...8時。行儀は良くないけど走りながら朝ごはんを食べよう。
チャーハンをおにぎりの形にして....
朝からチャーハンって....お腹に溜まるからいっか。
「ごめん、姉さん。朝ごはんは登校しながらにしよう」
「おっけい!迅くんも準備大丈夫?」
「勿論、金曜日の内に準備をしてるからね。姉さんも見習ってください」
「わっ、分かりました〜じゃあ行くよ!」
僕と姉さんは走りながらおにぎりを食べる。
「うっ....」
「ちょっと姉さん?!詰まったの?!あぁ..止まって止まって。ゆっくりお茶を飲んで...」
8時15分
「あっ!お昼はコンビニで買わないと...姉さん、パンとおにぎりどっち?」
「迅くんのお弁当がいい....」
「その気持ちは嬉しいけど....とりあえずパンにするよ?」
「うぅ〜....」
僕はコンビニで直ぐにお昼ご飯を買って姉さんの分を渡す。
「じゃあ姉さん。遅刻しないように頑張ってね?僕はこっちだから...じゃあ」
「うん、迅くんも遅刻しないうにね!」
僕は間に合うと思うけど....問題は姉さんだな...間に合うかな?
よしっ、ギリギリかな...
「おはよう、式」
「.....おはよ」
そうだった...蘭には知られてるんだった
「なんか迅って呼ぶのも式って呼ぶのも文字数一緒だから変わらないね」
クソぅ....こっちの苦労も知らないで。
蘭には嘘をついている状態なので下手に否定をしたら勘づかれるかもしれない。
でも蘭は鈍そうだからなぁ...問題はモカさ...モカなんだよなぁー
考えれば考える程嫌な気分になってきた..この調子だと姉さんに式って呼ばれるのはまだまだ遠いかな。
「迅、どうしたの?」
「呼び方は統一してくれ...頭がごちゃごちゃになってくる」
「じゃあどっちがいい?」
あれ、これって...きた!迅に戻すチャンスだ、けど....
「式でお願いするよ」
「あれ?迅の方だと思ってたよ」
「確かにな...俺もそうしようと思ってたさ。けどな、僕は式って名前を呼んで欲しい相手がいるんだ、その時...僕が最高の返事をするために今のうちから練習したくてね」
まだまだ遠い...そんな考えが頭に浮かんできた時点で何か行動をしないと、更に道のりまで遠くなってしまうような気がしたんだ。
「あっそ、ちなみにその相手って女性?」
「あぁ、小さい頃から身近にいる大切な女性だよ」
「.....」
「あれ...蘭?」
返事がない。急に1人の世界に入っちゃったのかな?稀にあるよね、そういう事。
ヒューー
紙が飛んできた、なんだこれ?
なになに?
”それはダメだよ....”
ヒューー
”サイテー”
ヒューーヒューーヒューー
”詳しく聞かせて!”
”どれくらい大切なの?”
”女たらしめ...”
次々と飛んでくる丸められた紙たち。内容をみると俺達の話が聞かれていた事が分かる。
お前ら...盗聴器でも仕掛けてるのかよ...
「迅くん、迎えに来たよ!」
授業も終わり約束どうり日菜さんが迎えに来た。
ザワザワザワザワ
「あっ、分かりました。蘭また明日」
「.....」
アレガタイセツナヒト?
「あーー!うるさい、聞きたい事があるなら明日受け付ける!じゃあまた明日」
そのまま僕と日菜さんは学校から離れて、髪の毛やら服などを揃えるためまず日菜さんオススメの床屋さんに来ている。
「今日はね、千聖ちゃんも来てるんだって!」
「へぇー、姉さんもお世話になってるし挨拶ぐらいって....」
「いや、ダメだろ」
「何が?」
「この前の話の中に千聖ちゃんって名前出したでしょ?!」
「えっ、まさか...同一人物?!」
「そうだよ!あぁ〜どうしよう?気づかれるかも..」
どうしよどうしよ。そんな事を考えていると日菜さんが.
「大丈夫、あっちも覚えてないよ」
「それはそれで悲しいけど確かにそうだな」
心配も薄れてきたな..
店に入って、髪を切ってもらう、オーダーは全部日菜さんに任せているので待ち時間がある。そんな僕の隣には千聖ちゃんが座っている...
「あの、日菜ちゃんのお友達ですか?」
うわぁ...話しかけられた...
「あっ、はい」
「そうですか...あっ、すいません...白鷲千聖って言います」
「田中太郎です」
「?」
「田中太郎と言います」
「田中太郎...さんですね...また機会があったらお会いしましょう」
「えぇ...さようなら」
田中太郎....僕の3つ目の名前になってしまった。
「あれ?千聖ちゃん帰っちゃったの?」
「えぇ...帰りました....」
もう疲れた...帰りたい...
「じゃあ行ってらっしゃい、式くん、イケメンになってこい!」
「はーい....」
やっと切ってもらえる...疲れてるし...少し...寝ようかな...
「貴方...私に嘘をついたわね?」
「いやいや、千聖ちゃんに嘘はつかないよ」
「それも嘘ね...田中太郎くん?」
千聖ちゃんの鋭い目が僕の心臓をえぐってくる。
「....本当にごめんなさい」
すると千聖ちゃんは僕の腕を掴んで...
「ただで許されると思ってるのかしら?」
「ひぃーー!」
「式くーん、終わったよ〜」
「あっ、夢か...」
寝ぼけながら鏡をみて自分の状態を確認する。
「あれ?日菜さん....まさか....」
嘘...なんで...
「この髪型といい、色!僕が最後に演じた人物そっくりじゃないですか!」
「へへーん、最後に千聖ちゃんと共演してた事も知ってるよ!」
無駄な時間を使いやがって...切られた物は仕方ない。諦めよ
「幸い地毛と同じ色だから学校は誤魔化せる...けど、姉さんはどうしよっかなぁ」
「家に帰ってから考えればいいよ、とりあえず次はるん♪ってくる服を探しに.....」
「すいません...忘れ物を取りに....」
千聖ちゃんと目が合う...
「式くん....?」
...やっぱり僕の知ってる千聖ちゃんなんだろう。
けど..さっき見た夢のせいなのか僕はとっさに....
「いいえ、田中太郎です」
さっき見た夢....正夢になりそう。
ちょいと疲れが溜まってたのでやらかしてるかも..次は早く上げたいな...