黒の家の白薔薇は   作:冬ちゃん

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ホグワーツからの手紙

「お兄様!!」

私は大好きな兄を呼ぶ。

現在私は迷子になっておりました。

何故、迷子になっているのかは少し前に遡ります。

 

 

 

 

 

 

朝、ブラック家

 

 

「うん、ぅぅん」

体が揺らされているような気がして眼が覚める。

目を開けた先には大好きな兄の顔が…

 

「どうしたのですか?」

 

とても兄の顔がキラキラと輝いていたのです。

兄は優しい表情をしますが年相応の笑顔はなかなかしません。

その兄がキラキラと輝いているのは何事かと思い体を起こしました。

 

「ホグワーツから手紙が来たんだ!勿論、ペルにもね」

 

兄が持っていたのは二通の手紙。

一つにはオリオン・ブラック宛。もう一つは私宛。

 

「つまり、来月から私達はホグワーツに行けるんですか?」

 

恐る恐る手紙を開ける。

そこにはホグワーツの入学許可証が入っていた。

 

「勿論!ペルは僕の双子の妹なんだ行けない筈がないだろう!」

私はこの時知った。

兄は結構な自信家だと。

 

「いつ必要な物を買いに行くのですか?」

 

入学式まで一ヶ月近くある。

お父様達の予定が合う日ではないと行けない。

 

「今から父上に見せに行って今日行く」

 

え?

お父様に見せていないんですか?

あと、今日行くと聞こえたのですが…

 

「今日ですか?」

 

兄は再びキラキラとした顔に戻り続けた。

 

「あぁ!マグル達が準備する前に済ませてしまおう!」

 

どうせ私には拒否権は無いので何も言いませんが一つ言いたいことがあります。

何故、お父様が行かせてくれる前提なのですか?

 

「じゃあ、見せてくるからペルは準備していてくれ」

 

兄はそう言うと部屋を出て行きました。

兄も出て行った事ですし仕度を始めましょうか。

枕元にあるベルを鳴らししもべ妖精を呼ぶ。

 

「メアリー」

すると何も無いところからメアリーは出てきました。

姿現しと言うものです。妖精の呪文ですからしもべ妖精はポンポン出来ます。

 

「どうかなさいましたか?お嬢様」

 

敬意を払うように頭を下げて言うメアリー。

 

「メアリー、頭は下げないでください。どうか私の着替えを手伝ってはくれませんか?」

 

そう言うとメアリーは驚いた顔になりキィーキィー声で喋り出しました。

 

「なりません!しかし御着替えは手伝わさせていただきます」

 

パチンッとメアリーが指を鳴らすとワンピースが何着か浮き始めました。

 

「メアリー、今日はお兄様との買い物の日だから恥ずかしく無い服でお願いね」

 

そう言うとキャミソールワンピースの下にワイシャツを切る服が私の前で止まりました。

 

「お嬢様、こんなのはどうでしょう?もう少し華やかさを望むのであれば明るいものを選ぶのも可能ですが」

 

私の前に出されたワンピースはとても可愛らしく、シンプルさが出ているので私はとっても気に入りました。

 

「これで十分です。メアリーお兄様を呼んできてください」

 

目の前でメアリーが消えたのを確認すると私は素早く服を着ました。

ゆっくりとソックスを履いてパンプスを履く。

お兄様が出かけると行ってもこれで大丈夫でしょう。

 

「ペル、出来たかい?」

 

ノックとともに聞こえてきた声。

髪を軽く梳かしリボンを付けて返事をする。

 

「えぇ、出来ましたよ」

 

静かに扉を開けるといつのまにか何時もの服に着替えていた。

 

「早く行こうか…父上から許可は貰ったから一緒に行けるぞ」

 

お父様、了承早すぎません?

 

 

 

 

 

で、現在に至ります。

兄と離れてしまった以上下手に動くのは危険ですからじっとしていましょう。

これでも、私はブラック家の人間。このような事で狼狽える者ではありません。

 

「ねぇ、貴女迷子なの?」

 

例え知らない人に話しかけられても狼狽えはしません。

えぇ、誇り高きブラック家の人間は。

 

「いえ、兄と待ち合わせをしているので」

 

勿論そんなことはありません。

人混みに巻き込まれて迷子中ですけど何か?

 

「そうなの?ホグワーツ新入生なら一緒に回ろうかと思ったのだけど」

 

この方も私と同じ新入生なのですね。

仲良くして損は無い筈です。

 

「私もホグワーツ新入生ですし兄は恐らく他の所に行ってしまいましたので一緒に回りませんか?」

 

これは兄を待っていたら何も買えない事に気付いたからです。

別に一人が悲しくて言っているわけでは…

 

「ホグワーツの初めての友達ね!」

 

初めてのお友達…

お友達、なんて良い響きなのでしょう!ホグワーツではお友達を一杯増やしましょう。

 

「お友達ですか…えぇ、私とっても嬉しいです!所で貴女お名前は?」

 

お友達は名前交換からですよね!本で知りましたよ。お友達の知識は魔法の知識より少ないですが間違っていないことは確かです。

 

「私の名前はイーディス。イーディス・エインズワース」

 

エインズワース…ギリギリ純血の一族ですか。

仲良くしても怒られないでしょう恐らく。

 

「私の名前はペルセポネ・ブラックと申します。どうかよろしくお願いします。エインズワースさん」

 

そう言ったらエインズワースさんは少し驚いた顔をした後停止しました。

頬を突いても。伸ばしてみてもしばらく動きませんでしたが15分程経った時にまた動き出しました。

 

 

 

 

 

「ごめんなさい。まさかブラック家とは思わなかったから」

 

確かにいきなりブラック家と言ったら驚いてしまうものね。

エインズワースさんには悪いことをしてしまいました。

…私から自己紹介をすれば良かったですかね?

 

「いいえ大丈夫よ。ほら、行きましょう?エインズワースさん」

 

私がそう言うとエインズワースさんは歩き始めました。

エインズワースさんの話によりますと制服は作ったが教科書と杖がまだだそうです。

私も制服だけ作って他は行っていないので丁度良かったですね。

 

「あと、ブラックさん。エインズワースさんはやめて下さい、明らかにブラックさんの方が地位が高いでしょう?」

 

あら、私がファーストネームで呼ぶなら不公平だわ。エインズワースさんも私の事もファーストネームで呼んでくれないかしら?そうすれば公平なのに…なら言ってしまえば良いのでは?

 

「イーディス…なら、私のことはペルセポネとお呼びください」

 

慌てふためく顔は見ていてとても面白かったです。

そのような会話をしているうちにオリバンダーのお店に来てしまいました。

ここでイーディスとお別れですか。それはとっても悲しいですがホグワーツに入り同じ寮になれば会うことはあるのでは?

お店に入りオリバンダーがイーディスの杖を探している間に外を見る。兄は一体どこに居るのか?

それが今一番の謎です。

 

「次は其方のお嬢さんですよ」

 

あら、呼ばれてしまいました。

イーディスの方は喜びながら杖を大切そうに抱えていました。

私の杖もそのように喜ぶのでしょうか?

 

「貴女は…おや、ブラック家の方か。先程もブラック家の方が買いに来ましたよ」

 

兄ですね…やはり入れ違いですか。

 

「ブラックさん利き手は?」

 

オリバンダーがそう言う。

 

「右です」

 

私に合う杖はどんな物か楽しみですわ。

 

「黒檜にユニコーンの毛、31cm。振ってみてくだされ」

 

どのように振れば良いのでしょうか?

とりあえず握って思いっきり振ってみる。

振った瞬間に積んである箱(イーディスの振り終わった杖達)が吹っ飛びました。

急いでオリバンダーに杖を返しました。

 

「ふむ、ヨーロッパナラにドラゴンの心臓の琴線、34cm振ってみてくだされ」

 

今度は軽く振ってみる。

そしたら今度は窓ガラスが全て割れました。

急いでまたオリバンダーに杖を返してイーディスの方を見たら何と、とても微妙な顔をされました。

 

「次は月桂樹にドラゴンの心臓の琴線、29cm」

 

受け取ってまた軽く振ってみる。

すると割れていた窓ガラスが全て治っていきました。

 

「この子が私の杖ですか?」

 

オリバンダーに尋ねたところすぐに返してくれました。

 

「えぇ、そうです。しかし不思議じゃ」

 

そんな事を呟くのでイーディスが話に入ってきました。

 

「何がそんなに不思議何ですか?」

 

少し短い杖かも知れないだけなのにと私は思いながら話を聞いていました。

 

「月桂樹は初めの持ち主に非常に忠実なのじゃ。ドラゴンの心臓の琴線も杖の持ち主には忠実なのじゃよ。この二つが組み合わさっていると、なかなか持ち主が決まらないのじゃが今回はすんなり決まったのじゃ。これ程までに不思議なことはない」

 

オリバンダーはそこで一度息をきり再び口を開いた。

 

「月桂樹は初めの持ち主に忠実じゃ、ドラゴンの心臓の琴線はその時の持ち主に忠実じゃ。真の力を出せるのは貴女したか居ないだろう。貴女が立派な魔法使いになる事を祈っています」

 

私達はオリバンダーの店を後にしました。

イーディスと少しながら話していると兄の姿を見つけました。

 

「イーディス、私はお兄様を見つけたからもう行くわ。今度はホグワーツで会いましょう!」

 

そう言ってその場を離れ兄の所に走っていきました。

 

「お兄様!」

 

 

 

 

 

 




その後、きっちりと叱られたペルセポネ。
知らないブラック家の人間と友達になってしまったイーディス。
今回の事でオリオンのシスコン度が上がっているのかいないのか。
オリオンはオリオンでマルフォイ達に会っていたりする。
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